投稿者 : 純 岩佐、投稿日 2018 年 4月9日

美しき”ベル・エポック(Belle ?poque)”期のパリに、タイムスリップ

“ベル・エポック(Belle époque)”とは、19世紀後半から20世紀初頭までの、パリが最も繁栄したといわれる華やかで美しき時代。フランスの産業革命が進み、消費文化も栄え、経済的にもパリが大変豊かな時代でした。“ベル・エポック(Belle époque)”時代の象徴である装飾芸術、”アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)”は、花や植物などのモチーフを施し、自由曲線を組み合わせた革新的なデザインが有名。また、新素材であった鉄とガラスを組み合わせた建築様式も”アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)”の代表的なもの。移ろいゆく自然の光を表現していると言われる、ガラスから光が降り注ぐ様を見ながら、かつてのパリの華やかさを感じてみてはいかがでしょうか。

”アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)”代表作は、「パリのオペラガルニエ」

パリのオペラガルニエ

パリ観光で外せない「オペラ・ガルニエ(オペラ座)」(チケットの事前予約・購入方法はこちら)は、”ベル・エポック“ベル・エポック(Belle époque)”期に造られた代表建築物。豪華絢爛な装飾は、今でも観ることができます。また、「オペラ・ガルニエ(オペラ座)」を見ながらお茶や食事が楽しめる、「カフェ・ド・ラ・ぺ(Café de la Paix)」(パリの主要観光地近くのカフェガイド)でも、「オペラ・ガルニエ(オペラ座)」と同じ、”シャルル・ガルニエ氏”による設計による、華麗なる装飾に酔いしれることができます。

“ベル・エポック(Belle époque)”期は、第5回パリ万国博覧会の開催に向けて、パリの地下鉄(メトロ)が開通した時代でもありました。

パリの地下鉄 アベス駅

モンマルトルにある、地下鉄(メトロ)の「アベス駅」では、”エクトル・ギマール氏”のデザインした当時の入り口が、現在でもそのままの形で残っています。

”エクトル・ギマール氏”は、ガラス工芸品で名高い”エミール・ガレ氏”やガラス宝飾の”ルネ・ラリック氏”とならび、”アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)”における巨匠と呼ばれる建築家です。「アベス駅」の装飾は、植物をモチーフにしたもの。かの有名な芸術家”サルバドール・ダリ氏”も絶賛した建築物のひとつだそうです。

■メトロ・アベス(Abbesses)駅
最寄り駅:メトロ12番線のメトロ・アベス(Abbesses)駅出口
住所:22 Rue des Abbesses, 75018 Paris

お手軽に“ベル・エポック(Belle époque)”期の建築に触れたいなら、百貨店へ

ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)ドーム型天井

毎日多くの観光客で賑う、パリの大手百貨店のひとつ、「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)」。パリ市内でエッフェル塔に次ぐ集客数があるという「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)」の建物で注目すべきは、高さ43メートルある、ドーム型天井。地上階のコスメコーナーから上を見上げると、ガラス細工師”ジャック・グリュベール氏”による、ビザンチン様式の色ガラスを通る光が美しい、優美な装飾の世界が広がっています。ドーム型天井に続く吹き抜けスペースにある、ゴージャスな手すりは、「オペラ・ガルニエ(オペラ座)」から着想を得たと言われるもの。百貨店の中でありながら、観光客の必須写真撮影ポイントとなっています。

■ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)
公式ホームページ(日本語・英語・フランス語):https://haussmann.galerieslafayette.com/ja/
最寄り駅:メトロ7・9番線のショッセ・ダンタン・ラファイエット(Chaussé d’Antin -La Fayette)駅直結、メトロ3・7・8番線のオペラ(Opéra)駅から徒歩2分、メトロ12番線のトリニテ(Trinité)駅から徒歩6分、RER・A線のオーベール(Auber)駅から徒歩3分
営業日時:月〜土曜日9:30〜20:30、日曜日11:00〜19:00
定休日:なし
住所:40 Boulevard Haussmann 75009 Paris

プランタン(Printemps)の丸屋根

「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)」のお隣にある、「プランタン(Printemps)」でもまた、”アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)”の丸屋根を見ることができます(“ポール・セディーユ氏”建築)。モード館の6階にあるレストランでは、”ディディエ・ゴメス氏”によりステンドグラスで飾られた丸天井を内側から見ることができ、また、メンズ館の最上階にできたレストランフロアーのテラス席からは、エッフェル塔などのパリの街並みとともに、丸屋根を外から眺めることができます。

■プランタン(Printemps)

プランタン(Printemps)

公式ホームページ(英語・フランス語・中国語):https://www.printemps.com/
最寄り駅:メトロ3・9番線のロレット・ノートルダム寺院(Havre – Caumartin)駅すぐ、メトロ3・12・13・14番線他TER線などのサン・ラザール(Saint-Lazare)駅から徒歩4分、RER・A線のオーベール(Auber)駅から徒歩3分
営業日時:月〜土曜日9:35〜20:00(木曜のみ〜20:45)、日曜日11:00〜19:00
定休日:なし
住所:64, boulevard Haussmann, Paris, 75009

また、パリ7区にある「ル・ボン・マルシェ(LE BON MARCHÉ RIVE GAUCHE)」百貨店は、エッフェル塔の設計をした、建築家”ギュスターヴ・エッフェル氏”により新装オープンをしましたが、そのモデルも、「オペラ・ガルニエ(オペラ座)」であると言われています。

■ル・ボン・マルシェ・リーブ・ゴーシュ(LE BON MARCHÉ RIVE GAUCHE)
公式ホームページ(日本語・英語・フランス語・中国語):http://www.lebonmarche.com/jp.html
最寄り駅:メトロ10番・12番線のセーヴル=バビロヌ(Sèvres – Babylone)駅から徒歩2分
営業時間:月〜水・土曜日10:00〜20:00、木・金曜日10:00〜21:00
定休日:日曜日
住所:24, rue de Sèvres 75007 Paris

”パッサージュ(Passage)”もまた、“ベル・エポック(Belle époque)”期の風情を感じられる場所

パッサージュ(Passage)

パリに19もあると言われる、アーケード商店街の”パッサージュ(Passage)”。ガラスと鉄が組み合わされた屋根、装飾的な門など、”パッサージュ”にもまた、“ベル・エポック(Belle époque)”期の風情が残り、レトロな雰囲気をたっぷり醸し出しています。代表的なパリの”パッサージュ”については、「雨のパリの過ごし方。『パッサージュ(屋根付き商店街)』のぶらぶら歩き」にて、ご紹介しています。

■ギャルリーヴィヴィエンヌ(Galerie Vivienne)
公式ホームページ(フランス語):http://www.galerie-vivienne.com/
最寄り駅:ルーヴル美術館(expedia内リンク:https://www.expedia.co.jp/Louvre-Museum-Paris.d502223.Place-To-Visit)のある、メトロ1、7番線のパレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル(Palais Royal – Musee du Louvre)駅から徒歩8分
営業時間:火~金曜日11:00~18:30、土曜11:00~12:00、13:00~18:30
定休日:日曜日
住所:43 Galerie Vivienne 75002 Paris

ホテル・ヒルトン・パリ・オペラ(l’hôtel Hilton Paris Opéra)のサロン

ホテル・ヒルトン・パリ・オペラ(l'hôtel Hilton Paris Opéra)

ホテル・ヒルトン・パリ・オペラ(l’hôtel Hilton Paris Opéra)は、メトロ(地下鉄)と同じく、パリ万国博覧会のために建てられたホテル。歴史建造物の指定を受けているホテルの中でも注目なのは、ホテルに入り正面の階段を登ったところにある、「グラン・サロン(Grand Salon)」。15メートル近くあるガラスの天井と、豪華絢爛なシャンデリア、フレスコ画など、まさに”アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)”の世界にタイムスリップした感覚に浸れる場所です。スペース自体は広くはないのですが、鏡の配置により、ホテル内に広く続く空間に思えます。観光客もよく利用するパリの主要駅、サン・ラザール駅のすぐ前なので、観光中の休憩をとるお茶スポットとしてもおすすめです。

l’hôtel Hilton Paris Opéra(ホテル・ヒルトン・パリ・オペラ)


最寄り駅:メトロ3・12・13・14番線他TER線などのサン・ラザール(Saint-Lazare)駅すぐ

<LE GRAND SALON>
営業時間:月~金曜日7:30~1:00、土曜10:30~1:00、10:30~23:00
定休日:なし
住所:108 RUE SAINT LAZARE, PARIS, 75008, FRANCE

その他、時間があれば寄りたい”アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)”のスポット

現在はアートの展覧会場として利用されている、「グラン・パレ(Grand Palais)」。こちらもパリ万博のために建てられた施設のひとつで、全長240メートルにもおよぶ巨大規模の建物は伝統的な石造りとアール・デコ様式の近代的な鉄骨のマッチングが光る、”ボザール様式”で造られています。「グラン・パレ(Grand Palais)」は、ピカソやモネ、葛飾北斎など有名画家の展覧会場として、パリコレクションのショー会場として、今もなお活用されていますので、旅行日程中の展示内容を公式サイトにてご確認ください。

■グラン・パレ(Grand Palais)
公式ホームページ(英語・フランス語他):https://www.grandpalais.fr/
最寄り駅:メトロ1・9番線のフランクラン・D・ローズヴェルト(Franklin D. Roosevelt)駅から徒歩3分、メトロ1・13番線のシャンゼリゼ=クレマンソー(Champs-Élysées – Clemenceau)駅から徒歩2分
営業日時:各イベントによるため、公式ホームページにてご確認ください。
住所:3, avenue du Général Eisenhower, 75008 Paris

パリ市民の愛する公園にも足を運ぶ時間がある方へは、ルイ13世によって設立された歴史ある「パリ植物園(Jardins des plantes)」がおすすめです。広大な敷地にはバラのエリアなど季節の花が咲き乱れるエリアに加え、動物園もあり、子供から大人まで楽しめる公園となっています。

「パリ植物園(Jardins des plantes)」の中で、“ベル・エポック(Belle époque)”期といえば、植物園内にある3つの温室。”アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)”の建築様式の丸い屋根の形が特徴的な「冬温室(Serre d’hiver)」は、1937年に”ルネ・ベルジェ氏”によって建てられました。温室の中には、バナナ、ヤシなどの熱帯の植物が育てられています。一方で、サボテン、アボカドなどが栽培されている、「メキシカン温室」は、建築家”シャルル・ロオー・ド・フリュリ氏”によって建てられた“ベル・エポック(Belle époque)”初期の代表建築と言われています。

■Jardins des plantes(パリ植物園)
公式ホームページ(フランス語):http://www.jardindesplantes.net/fr
最寄り駅:メトロ7番線のサンシエ・ドーバントン(Censier – Daubenton)駅から徒歩10分、メトロ7・10番線のジュシュー(Jussieu)駅から徒歩7分
営業日時:3月4日〜10月16日(月・水〜日曜日10:30〜17:00) (閉館の15分前までに入場)
定休日:火曜日、1月1日、12月25日、5月1日
住所:57 Rue Cuvier 75005 Paris

そして、同じく「パリ公園」内にあるもうひとつの必見スポットは、「自然史博物館 進化大陳列館(Musée national d’histoire naturelle, Grande Galerie de l’Évolution)」。動物の進化についてわかりやすく伝えてくれる、動物の剥製の展示が行われています。

そんな子供も楽しめるスポットが、”ベル・エポック”期からの重厚感もある本格的な建物内に作られていることに、”さすがパリは芸術が身近にある”と感心させられます。

「自然史博物館 進化大陳列館(Musée national d’histoire naturelle, Grande Galerie de l’Évolution)」は、建築家、”ルイ・ジュール・アンドレ氏”によるものです。

■自然史博物館 進化大陳列館(Musée national d’histoire naturelle, Grande Galerie de l’Évolution)
公式ホームページ(フランス語):http://www.grandegaleriedelevolution.fr/
最寄り駅:メトロ7番線のサンシエ・ドーバントン(Censier – Daubenton)駅から徒歩5分、メトロ7・10番線のジュシュー(Jussieu)駅から徒歩6分
営業日時:月・水〜日曜日10:00〜18:00(閉館の45分前までに入場)
定休日:火曜日、12月25日、1月1日、5月1日
住所:36 rue Geoffroy Saint-Hilaire 75005 Paris

パリの歴史上、最も華やかで輝いていた時代といわれる“ベル・エポック(Belle époque)”期。パリの街中には、今回ご紹介した以外にも当時の繁栄を感じることができる建築物がたくさん残っています。今のパリと、100年以上も前のパリをタイムスリップしながらのパリ観光を存分に満喫されてください。

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Cover photo by フランス観光開発機構