自然と人と旨いものに恵まれた鹿児島の秘境喜界島
奄美大島を満喫している際に地図を見ていると、近くに離島があることに気付きました。その名は「喜界島」。今まで聞いたことのない名前だったので、調べてみると、他の奄美諸島を巡回している大型客船の航路には入っていないらしい……がぜん興味がわきました! 「アクセスが悪い=面白いことが待ち受けている」と信じている私は、早速この島に行ってみることにしました。
喜界島へ行く方法は、鹿児島空港や奄美空港から飛行機で30分ほどかけて行くか、奄美大島から船で3時間ほど。私は奄美大島の名瀬から「フェリー喜界」で向かおうとするも、まさかの船が2時間遅れに。
近くの居酒屋で時間を潰していると、喜界島に住むおじいさんと仲良くなり、週末「朝ばな」というお店で一緒に飲む約束をしました。
喜界島に23時に到着。23時なのに島全体が真っ暗! 街灯はあるが、開いているお店は見渡す限り無く、島の人もほとんど寝てしまっている様子。奄美大島とのあまりにも大きな違いに、一体どんな所なのだろうと、ワクワクが募ります。
喜界島産の美味しいもの巡り
私の旅は基本的にグルメから攻めます。ガイドブックなどはここ数年買ったことはなく、地元の人も通う美味しいお店でコミュニケーションをとり、ガイドブックにも載らないオススメスポットを聞き出しています。なのでまずは美味しいお店に行くことが必須なのですが、ではどうやってその美味しいお店を見つけ出すか。もちろんガイドブックやインターネットに乗っているお店は観光客向けが多いのでNGです。では飲食店の方に聞いてみるとどうなるか。皆さん口を揃えて「うちが一番美味しいよ」と答えます。では宿の人に聞くとどうなるか。日本ではあまりないですが海外では宿とつながりのあるレストランというものが存在しており、一人紹介するあたり、宿の人にキャッシュバックをするシステムがあったりします。タクシーの運転手も然り。では誰に聞くか。それは酒屋さんです。酒屋さんの主人は基本的にお酒が好きで且つ仕事上多くの飲食店を熟知しています。そして彼らは飲食店に対してフェアな立ち位置にいるので本当に美味しいお店を教えてくれる確率が非常に高いです。今回は喜界島という黒糖焼酎の産地にいるので酒屋と言わずいっそのこと酒造に潜入してきました。
喜界島でもっとも歴史ある朝日酒造
朝日酒造は創業100年を超える喜界島一古い人気の焼酎酒造です。こちらは電話一本で酒造見学をすることができます。黒糖焼酎の歴史や、作り方などを学んだ後は試飲もすることができるのでお酒好きな方に是非ともおすすめです。ちなみに私は今回奄美諸島を10日ほど旅して、おそらく20を超える黒糖焼酎を飲みましたが、こちらの壱乃醸という銘柄が断トツで好みでした。お土産にも喜ばれること間違いなしです。
朝日酒造
住所:鹿児島県大島郡喜界町湾41-1
TEL:0997-65-1531
営業時間:9:00~16:00
URL:http://www.kokuto-asahi.co.jp/
見学費用 無料
昼食は喜界島産のゴマを使ったごまラーメンが評判の地元で大人気のラーメン屋「一松」へ
ここの人気メニューは喜界島のゴマを使ったごまラーメン。東京の和食料理屋で修行したというご主人が作るごまラーメンはごま由来の深みのあるスープとコシのある縮れ麺がよく絡み、箸が止まりません。ゴマが好きで、あっさりより、濃厚なラーメンを好む人には間違いなくハマると思います。お値段も600円と良心的です。12時を過ぎると一気に混み出すので、できればお早めに。
一松
住所:鹿児島県大島郡喜界赤連2996
営業時間:11:30〜14:00
TEL:0997-65-1531
オバマも食べた絶品! 車エビを養殖する阿丸養殖場
喜界島で最も大きい建設会社である、峰山建設の社長、峰山奥恵喜さんと知人の紹介で仲良くなり、色々な場所に連れて行ってもらうことに。峰山さんがまず連れて行ってくれたのが、峰山グループの経営する阿丸養殖場。周り一面海なのに養殖場? と思う方もいると思いますが、ここの養殖場はただものではありません! 何とあのオバマ大統領が来日した時に行った銀座の名店「すきやばし次郎」で食べた8巻目のネタが、ここで育った車海老なのです。これが日本最高峰の寿司屋に卸す車海老か……と眺めていると「食べてみるか?」と峰山さんが生きたエビを持ってきてくれました。
オバマが食べた車海老! 新鮮な状態で食べるこの至福感は何とも言えません。口の中に入れるとプリっぷりな歯ごたえがあって、それと同時に濃厚な味わいが広がり今まで食べていたエビは一体……と感じるほどでした。島の居酒屋や割烹料理屋では阿丸養殖場のエビを出しているので、喜界島に行ったら是非トライしてください。
阿丸養殖場
住所:鹿児島県大島郡喜界赤連2996
営業時間:11:30〜14:00
TEL:0997-65-1531
日本初のJAS認定有機黒糖を生産する喜界島工房
続いて連れて行ってもらったのが、JAS認定のオーガニック黒糖を作る喜界島工房へ。実はここのオーナー杉俣さんは偶然にも私の前職の先輩で、関東で育ったものの喜界島に惚れ込み移住を決意したそう。
会社を辞め、今までに無い完全オーガニックの黒糖工場を作り、やがて喜界島で最も注目される黒糖工場の一つとなりました。苦みやエグみの少ない純黒糖は子供達にも大人気。農薬などを使わず有機栽培したサトウキビで作った黒糖は工場で直売もしているそうなので(300円~)お土産ついでに見学してみてもいいかもしれませんね。
喜界島工房
住所:鹿児島県大島郡喜界町嘉鈍1339-1
TEL:0997-69-3022
URL:http://kikaijima-kobo.com
その後、夕食は峰山さんの行きつけの「花のれん」へ。
花のれん
ここは峰山さんの行きつけでもあり、朝日酒造の社長も真っ先におすすめしてくれたお店でもあり、島で採れたもので作られた絶品郷土料理を楽しむことができます。また、先ほどの養殖場の新鮮な車海老を生きたまま食べることもできます。
花のれん
住所:鹿児島県大島郡喜界町大字湾445-38
営業時間:17:30〜23:00
TEL:0997-65-3435
バイクでビーチをはしご! おすすめビーチ3選
喜界島はわずか56㎢の小さな島なので、自転車や原付でゆっくり回るのがおすすめです。私は空港でバイクを借りてビーチをはしごしてみました。その中でもおすすめのビーチをご紹介します。
池治海水浴場
ここは島で一番大きな海水浴場で、浅瀬の海の下にサンゴが無数に広がっていています。波も穏やかなため、潮干狩りに訪れる人も多いとか。のちに紹介する2つのビーチと比べると規模が大きいことも特徴です。私が行った日は少し寒かったので、水着を持って行かなかったので、海には飛び込まず穏やかな海をのんびり眺めていました。
池治海水浴場
住所:鹿児島県大島郡喜界町池治
設備:トイレ、シャワーあり
フェリーターミナルからバイクで10分
小野津ビーチ
漁港に囲まれた小さなビーチで、エメラルドグリーンの海が美しすぎて、寒さなんて忘れて、水着もないのに、思わず海に飛び込んでしまいました。観光客も地元の人も誰もいない上にコンクリートの壁に囲まれているのでプライベート感満載です。海の真ん中にあるリーフの上で写真をとったら正に映画のワンシーンのような写真になりました。ここでひたすら泳いで、凍えながらバイクにまたがり次の地へ向かいました。
小野津ビーチ
住所:鹿児島県大島郡喜界町大字小野津
設備:トイレ、シャワーあり
フェリーターミナルからバイクで20分
ハワイビーチ
バブル時代の客寄せに付けられたような名前ですが、ここの海は本場ハワイをも超えるほどだと確信しています。(ハワイに行ったことはありませんが……)前述のエメラルドグリーンの小野津ビーチとは異なり、こちらは透明感溢れる海が特徴的です。これほど素晴らしいビーチに人っ子一人いないことが不思議でたまりませんが、それ故この美しさが保たれているのでしょう。1日中ボケーっとのんびりできる場所だと思います。荷物や電子機器は最小限にして、自然と一体化して波の音を聞きながらお昼寝でも……ここはそんな過ごし方がベストなんだと思います。
ハワイビーチ
住所:鹿児島県大島郡 喜界町小野津
設備:なし
フェリーターミナルからバイクで20分
地元の素晴らしい人達と盃を交わす日々
奄美大島のフェリー待ちで知り合ったおじいさんに会いに、朝花へ行きました。
そこでは島の元気なおじいさんおばあさんが出迎えてくれ、宴に参加させていただきました。あるおばさんは、「これ私が作った漬物と島らっきょだから食べな」と、まさかの飲食店で持参した食べ物をいただいてしまいました。
お店の人も注意するどころか、羨ましそうにみています。さすが離島、自由な人が多くて面白いです。そしてこれが絶妙な美味しさで、結局私がほとんど食べてしまいました。
とはいえこちらのお店も負けていません。なんと料理は全て手作りなのにほとんどの料理が290円と激安なんです。島で採れた魚はもちろん、島の黒糖で作られた煮物や炒め物は290円とは思えないほどの絶品です。
そして何より地元の人たちの楽しそうな声があちらこちらで聞こえてきます。呑み処においてこれ以上のBGMはありませんね。島の人たちの憩いの場を満喫させていただきました。
朝花
住所:鹿児島県大島郡 喜界町50
電話番号:0997-65-0411
おじいさんの行きつけのカラオケスナックにてもう一杯飲み、夜も更けた頃なので帰宅します……とそうもいかないのが喜界島。宿に向かって歩いていると楽しそうな5人のお兄さんがいたので、飲みすぎたので水を買おうと、商店の場所を聞くと「島の店は全て閉まっていて、空いてるのはあそこのbarだけだから、今から一緒に行くぞ」とお誘いを受け、向かったのは島で唯一朝方まで営業する「Funky station sabani」というダイニングバー。
5人のお兄さんたちは自衛隊の方のようで、みなさんたくましい体つきのうえよく飲みます。私も数え切れないほどご馳走してもらい、朝方までご一緒させてもらいました。
Funky station Sabani
住所:鹿児島県大島郡喜界町湾500−8
営業時間:19:00〜2:00
電話番号:0997-65-0930
何もかもが揃う島
島にはコンビニもスーパーもなく、飲食店も多くはありません。しかし見ての通り、喜界島には「旨いもの」、「美しい自然」そして「素晴らしい人」という私が旅でもっとも大切にしたい3要素がギュギュッと詰まっています。これって旅をしている時だけでなく人生に最も必要な3つだと思いませんか。その全てが完璧に揃う喜界島は、もはや何もかもが揃う島だと思うわけです。せっかく鹿児島や奄美大島まできたら、もう一足伸ばして素晴らしい喜界島へ行ってみてはいかがでしょうか。
余談ですが、喜界島にはたくさんのカラオケがあり、島のみなさんとっても歌がうまいです! 行ったらぜひカラオケにも行ってみてください。
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初めまして。酒と旅行がメインのブログを書いているcongiro(コンヒーロ)と申します。 普段から日本各地を旅しては、地元の方々が飲んでいる日常系の日本酒を好んで買って楽しんでいます。 特に好きなのは、その土地の日常酒を、その土地の方たちがいる酒場で飲むことですね。「誰かの日常は、私の非日常」。それを念頭に、いつも楽しく旅をしています。...
お世話になっております。会社員兼業ライターの赤祖父と申します。6歳男子、2歳女子の2児の父親でもあります。 前回に引き続き、今回も「息子に興味のあることを聞いてプランを組み立てる、親子ふたり旅」へ行ってきましたので、その内容をご紹介します。旅の終わりには、こちらも前回と同じく、思い出を絵に描いてもらいました。未就学児と旅をする上でおすすめの“鉄道体験”についても触れています。 「雪が見たい」の一言で、行き先は青森に決めた...
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