投稿者 : 力也 片岡、投稿日 2018 年 6月3日

週末休みも綺麗な海へ LCCで身近になった奄美大島

バニラエアの就航により、東京や大阪からの距離がぐっと近づいた奄美大島は、近年旅行客が急増している今注目の離島です。THE リゾートというほど観光客が多すぎるわけでもなく、秘境のように日常生活に不便が発生するほどでもない、そんなちょうど良い島奄美大島ですてきな人や場所との出会いがたくさんあったのでご紹介したいと思います。

LCCで奄美大島へ上陸

空港に到着すると、周りにはレンタカー会社が多数。最近は知名度の低い島ばかりを旅していたので、久々に観光地としての風格を感じました。王道よりもガイドブックなどに情報が掲載されてないディープなスポットが好きな私は人気スポットを回りつつ、地元の人たちと仲良くなり、通常旅行者が行けないようなところにもどんどん行ってみようと思っていました。

とは行ってもお腹が空いていては何もできません。まずは腹ごしらえに空港近くの『奄美きょら海工房』へ。

奄美きょら海工房

知り合った奄美在住の若い方が皆そろってランチにオススメしていたこのお店は、なんと言っても「黒糖フレンチトースト」。

黒糖フレンチトースト

上にかかっているソースはもちろん、生クリームと食パンにも自家製の純黒糖を使用するこだわりっぷり。黒糖なので甘すぎない上、カルシウムやミネラルも豊富で代謝がよくなったり、身体を冷やさなかったり、美肌になったりと健康と美容に嬉しい効果が! 隣にあるサトウキビジュースは、美味しすぎて「お土産に〇〇まで発送してほしい」などと言われるようですが、出来立てをこの地で楽しんでほしいということから、発送はしていないそう。

お土産コーナーもユニークで、奄美黒糖カステラや島しょうが黒糖など他にないオリジナル商品が多数あるため、帰り際に寄るのも一つの手かもしれません。

奄美きょら海工房

奄美きょら海工房

住所:鹿児島県奄美市笠利町用安字フンニャト1254-1
電話番号:0997-63-2208
営業時間:7月19日まで
お土産コーナー
9:00~19:00
レストラン
11:00~19:00
(ラストオーダー18:30)

7月20日~8月中
お土産コーナー
9:00~19:30
レストラン
11:00~19:30
(ラストオーダー19:00)
公式サイト:http://kyora-umi.com
行き方:奄美空港から車で20分

雨の日も晴れの日も奄美の自然を楽しみ尽くす

宿や飲み屋街が集まるのは、名瀬入舟町。空港から名瀬を目指すなら奄美大島きっての人気スポットハートロックに寄り道するのもいいかもしれません。

ハート型

ハート型が綺麗に見えるのは干潮時のみなので、あらかじめネットで干潮時間を調べてから行きましょう。

名瀬の宿にチェックインすると、雨が降って来ました。奄美大島は亜熱帯海洋性の気候 で、暖かい海に囲まれているため高温多湿で、降水量も多いです。せっかく青空の下の綺麗な海で遊びたいのに雨……都心だと映画を見たり、ボウリングをしたり雨が降っていても遊べるスポットがたくさんあるけれど、ここは奄美…… なんて悩まずそんな時は滝に行くべし! 奄美大島には数多くの滝が点在しており、雨の日は水量が増して通常の数倍迫力ある滝を見ることができます。

マテリヤの滝

特にその迫力を感じられるのがマテリヤの滝。名瀬から1時間ほど山中を運転すると突然現れます。
マテリヤの滝の周りには名もない滝がいくつかありますので、そちらもぜひチェックしてください!

名瀬に帰り、夕食。の前に、晴れていたら是非水平線に沈む夕陽を見に行くことをお勧めします。

美しい夕陽

場所は名瀬から車で20分ほど走った場所にある大浜海浜公園のすぐ上にある「大浜海浜公園見晴らし広場」。ここは奄美一の夕陽スポットして有名で、島外からもその美しい夕陽を一目見ようと大勢の人が集まります。綺麗な写真を残したい人は、場所取りがとにかく重要です。事前に日が沈む時間を調べ、その1時間10分前に到着しましょう。普通夕陽を見たい方は徐々に沈む姿が見たいはず。そう考えると多くの方がキリの良い30分前や1時間前に到着することが予想できます。よってこの10分が他の夕陽ハンターと大きな差を生み出すのです。

大浜海浜見晴らし広場

大浜海浜見晴らし広場
鹿児島県奄美市名瀬小宿大浜701-1

夜は世界一の卵かけご飯と地元民推薦の郷土料理

夕食は予約しておいた焼き鳥屋『鳥重』。

鳥重

中目黒の超人気店で修行した店主が一本一本丁寧に焼く鶏肉はどれも絶品。

焼く鶏肉

九州の地鶏を使ったり、奄美大島の黒糖で作ったタレを使用したりと、ここでしか食べられないものも多数。

中でも『世界一』と巷で噂となっている卵かけご飯は、通常の卵ではなく焼き鳥屋で時々出てくる「きんかん」の黄身となる部分を使用しています

「きんかん」の黄身

外見はやや硬く、中はどろっと濃厚でこれをフォークで崩しすとこうなります。

世界一の卵かけご飯

私が食べているのを見て、隣の人が興奮しすぐさま注文したのも納得の美味さでした。あの口の中で一気に広がる旨味はしばらく忘れることができないと思います……

鳥重

鳥重

住所:鹿児島県奄美市名瀬金久町8-6
電話番号:0997-52-7022
営業時間:17:30〜23:00

せっかく奄美まで来たのでもっと夜を楽しもうと2軒目は地元の人にオススメしてもらった喜多八へ。
ここのメニューはお任せのみで、毎日違った奄美の郷土料理がストップをかけるまで次から次へと運ばれてくるという夢のようなお店で、飲み物も全て金額が書かれておらず、好きなだけ注文してもお会計は一律4000円ととても良心的なお店なのです。

喜多八

味はもちろん、つまみの順序や運ばれてくるタイミングを見ると思わず「酒飲みをわかっているなぁ」としみじみしてしまう、そんな素敵なお店です。おそらく名瀬で最も予約が取りずらいお店なので、お電話はお早めに。

喜多八

喜多八

喜多八

住所:鹿児島県奄美市名瀬入舟町18-30
電話番号:0997-54-0586
営業時間:18:00〜22:00

ここの常連さんに加計呂麻島の魅力を説かれ、明日は早起きをして加計呂麻島へ行くことに決めました。

日本で有数のマングローブ原生林

翌日奄美大島の南にある加計呂麻島へ行く為に、瀬戸内町にある古仁屋港に向かいます。レンタカーで1時間ほどかかる古仁屋へ向かい58号線を走っていると「マングローブ原生林」の看板を見つけました。ちょうど名瀬と瀬戸内町の中間ほどのところに、日本では珍しいマングローブがあるのです。南米のアマゾンを彷彿させるこの原生林は、独自の生態系があることで有名で、ガイド付きのカヤックツアーなども人気です。上から見るだけでも超絶景ですが、下まで降りてカヤックツアーを体験してから加計呂麻等に行くのもいいかもしれませんね。

マングローブ原生林

マングローブ原生林
鹿児島県奄美市住用町大字役勝

古仁屋港までは名瀬体と車で1時間ほどみておくと良いです。連絡線は1日3本ほどありますが、できたら予約をしておくといいかもしれません。船に車を載せることもできますし、レンタカーの場合乗り捨てができる会社もあります。車を載せる場合は車両積載台数決まっているので予約が必須です。また加計呂麻島はスーパーや飲食店がほとんどないので瀬戸内町で何か食材を買って行くことを強くオススメします。

船に乗り20分後に加計呂麻島の瀬相に到着しました。到着して驚くのが海の青さ。

加計呂麻島の瀬相に到着しました

どこの海岸を見ても海が信じられないほど綺麗なのです。奄美大島と比べると観光客が一気に減るので、ゴミも出ないし、生活排水やマンション開発などの工事でどうしても出てしまう汚染水がほとんどないことも理由にあるのでしょう。

腹ごしらえに見つけたのは島で希少な定食屋さん「かなめちゃん」

綺麗な海が目の前という絶好なロケーションにも関わらずボリュームたっぷりの美味しい牛丼がなんと500円。

かなめちゃん

島には飲食店が片手に数えられるほどしかないのに、こんなに良心的な金額でなんだかほっこりしてしまいます。常連さんに「ガイドブックなどに絶対乗らない絶景スポットとかあったりしますか」と聞くと一人のおじさんが「がんばろー丘」(別名ソテツ公園)と答えました。その答えを聞いて他の常連さんやお店の方は「やめとけ」「あんなところオススメしたらダメよ」などとザワつきます。理由を聞くと絶景は絶景なのだがとにかく道が悪く行きにくい上、標識も何もなく島の人でも迷ってしまうと言います。これは私にとっては最高な条件。「人が来ないところにこそ絶景はある」をモットーにアクセルを踏み出します。

かなめちゃん

かなめちゃん
住所 : 鹿児島県大島郡瀬戸内町諸鈍344
電話番号 : 0997-76-0132
営業時間 : 11:30〜

製糖工場前の美しいビーチで素敵な出会い

製糖工場

車を走らせていると製糖工場を発見。時間もあるし車を降りて従業員の方と話していると「この目の前の海が加計呂麻で一番綺麗かもしれない」と教えてくれました。工場の前の海が島で一番綺麗? そんなはずは……と疑いながらも海を覗くとこんな絶景が。

製糖工場前美しいビーチ

海山浜の美しいコントラストに、大きな帽子をかぶったおじいさんがよく映えます。きっとこの島の海が綺麗なのは単純に観光客や工事が少ないだけでなく、島の人たちが海を守る為に並々ならぬ努力をしている、工場に前の海が綺麗であることはそれを象徴している出来事だと思いました。そんなことを考えながらビーチでポカンとしていると、おじいさんに話しかけられました。大きな帽子と思っていたら笠?

さっきの絵になるおじいさん。「どこから来たの?釣りにでも連れて行ってやろうか?」絶好の誘いに断る理由などなく「お願いします!」と答え、おじいさんの船に二人で乗り込みました。

西田製糖工場前

83歳とお聞きしたので、船を漕ごうとしましたが「大丈夫。あんたは写真を撮りな」と船を漕がせてくれないだけではなく、浜から船を海へ押し出す際も僕を船に乗せたまま一人で! 海に押し出しました。なんと元気なおじいさん。やはり島の人は身体能力が違います。おじいさんにどこを目指しているかと聞かれたので、指をさしてあの山の奥の方と言うと「この山の向こうには行ったことがない」と言います。83年この島で育ち、あの山を超えたことがないと言うことに驚きましたが、それほどこの海と浜が好きなんだなぁとしんみり。おじいさんにお礼を言ってがんばろー丘へ。

西田製糖工場
鹿児島県大島郡瀬戸内町於斉1883

佐知克ビーチ
西田製糖工場すぐ前

どちらも瀬相から車で20分

迷ったを経て鳥肌ものの絶景! がんばろー丘

いよいよマップ上では目的地のがんばろー丘(ソテツ公園)に近づいて来ましたが、何一つ標識も案内もありません。そこで地元の人に聞くと、あっちに進むとあるよ、と指でがんばろー丘の方を差しています。しかしその方角にはどう見ても車が通れる道は無く、その風景にアフリカの大地を思い出していました。

がんばろー丘

それでも道無き道を恐る恐る車で登って行くと、ようやく島を一望できる丘にたどり着きました。一切の標識がないので果たしてここが本当にがんばろー丘なのかはその時は謎だったんですが、その美しい景色に鳥肌が立ちました。

がんばろー丘

(後に確認したところがんばろー丘でした)ここからの絶景を見ることで明日も頑張ろうと思えることから「がんばろー丘」と命名されたとか。ガイドブックはもとよりインターネットにもほぼ情報が載っていない島の人たちの憩いの場は、加計呂麻の海を一望できる素敵な場所でした。

がんばろー丘(ソテツ公園)

がんばろー丘(ソテツ公園)
鹿児島県大島郡瀬戸内町秋徳
グーグルマップでソテツ公園と検索するとヒットします。
瀬相から車で1時間

がんばろー丘を見つけるまでにおよそ10名ほどの方に道を聞きました。その際におすすめのビーチを聞くとほとんどの方が「スリ浜」と「徳浜」と口を揃えて言うので行ってみることに。スリ浜は瀬相から東に30分ほど進んだところにありました。

スリ浜

ここの海は油絵のようなエメラルドグリーンが特徴です。ドローンで上から撮影するとより一層この鮮やかな色合いが分かります。反対にさらに東に進んだ徳浜の海は、透明感があり湖のように透き通っています。

週末休みも綺麗な海へ LCCで身近になった奄美大島

波も静かなので、目の前でのんびり座っているだけでもいい気分になります。車で少しは走っただけでこれだけ異なるタイプの海を楽しめるのは加計呂麻島ならではだと思います。

スリ浜
鹿児島県大島瀬戸内町諸数
瀬相から車で20分

徳浜
鹿児島県大島郡瀬戸内町徳浜
瀬相から車で30分

スリ浜

リゾートと離島をどちらも楽しむことができる奄美大島

奄美大島は奄美諸島最大の地であり、スーパーもコンビニはもちろん、ツアーやアクティビティも豊富で多くの方が旅行中に困ることはないと思います。対する加計呂麻等などの離島になると、飲食店はおろか商店などもほとんどない状況です。しかしその分手付かずの自然が残っている未開の地とも言えます。観光客の多い奄美大島を経験することで、人のいない加計呂麻を楽しめるだろうし、生活に不便な加計呂麻島を経験することで、より奄美を楽しめることもあるはずです。双方の良さを理解した上で自分にあったプランを作ることが奄美大島の楽しみ方だと思います。

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