世界的なアートの発信地であるニューヨークには、大小さまざまなミュージアムが綺羅星のごとく集まっています。その数なんと100以上。世界最大規模のメトロポリタン美術館はじめ、魅力的なミュージアムが目白押しで、どこから行こうか迷ってしまうほど。今回は、必見の美術館&博物館10軒について、見どころとポイントをご紹介します。

ニューヨークの美術館&博物館を効率的に巡るには、情報を仕入れて綿密な計画を立てることが必要。ミュージアムによっては、曜日限定で夜遅くまで開館していたり、特定の曜日・時間帯に入館料が無料になったり、オンライン予約で割引があるところも。最先端のアートシティを満喫しましょ!

人類の美と叡智が大集合! Metこと「メトロポリタン美術館」

 メトロポリタン美術館

Met(メット)の愛称で知られる「メトロポリタン美術館」は、世界三大美術館のひとつ。ニューヨークを訪れたなら絶対に見逃せないスポットです。1870年に創設され、世界各国5000年以上の歴史にわたる収蔵品は、300万点を超えるというから驚き! 1日ですべて見て回るのは不可能なほどの規模なので、何を優先的に見学するか、よく計画を練って臨みたいですね。

1階の大きな見どころは、エジプト美術とギリシャ・ローマ美術。なかでもハイライトは、紀元前15世紀にローマ皇帝アウグストゥスが建設したデンドゥール神殿です。エジプトから移築されたもので、水に囲まれた神殿はナイルのほとりを思わせます。そのほか、中世の武器・甲冑、ヨーロッパの彫刻・装飾美術、アフリカ・オセアニア・南北アメリカの美術などが見られます。

2階には、ヨーロッパ絵画が豊富に展示されていて、教科書で見たことのある名画がそこかしこに。特に「水差しを持つ若い女」などフェルメール作品は必見です。19~20世紀のヨーロッパ絵画のコーナーでは、ドガ、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホなど印象派の作品が充実していて、ここだけで何時間も過ごせそう。近現代美術のコーナーでは、ピカソやロイ・リキテンスタインなどの作品と出合えます。

【ポイント】

● まずインフォメーションで館内マップを入手。展示が膨大なので、興味のある部門や作品を絞って見学プランを立てましょう。
● 無料のガイドツアーがいくつも行われているので、上手に利用して(日本語あり)。じっくり知識を深めたい人には、オーディオガイドのレンタルも(大人7ドル、日本語あり)。
● 食事や休憩は、館内のカフェで。セントラルパークが眺められ、ヨーロッパ彫刻と隣り合う「ペトリ・コート・カフェ(Petrie Court Cafe)」が雰囲気よくておすすめ。

メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)
住所:1000 5th Ave., New York
開館時間:日~木曜10:00~17:30、金・土曜10:00~21:00
休館:無休
入館料:任意 ※推奨料金は大人25ドル、シニア17ドル、学生12ドル、子供(12歳以下)無料
公式サイト(英語):http://www.metmuseum.org/

モダンアートをとことん堪能、MoMAこと「ニューヨーク近代美術館」

ニューヨーク近代美術館
Ph/NYC & Company/Alex Lopez

見ごたえのある近現代アートを揃えている「ニューヨーク近代美術館」は、MoMA(モマ)の愛称でも有名です。ミッドタウンの中心部という便利な立地、半日でひととおり見て回れる程良い規模で、訪れやすさからも人気。設立は1929年、ジョン・D・ロックフェラー・Jr.夫人ら3人のコレクターによる、モダンアートに特化した美術館を作ろうという計画から始まりました。
長い歴史の間に増築が重ねられ、2004年には日本人建築家・谷口吉生の設計で新館がオープン。現在では、収蔵作品は15万点以上にもなります。

入館したらまずはエレベーターで5階へ。目玉である19世紀から現代にかけての絵画・彫刻は、4・5階に展示されているのです。壁には誰もが知っている有名絵画がずらり。セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンらの印象派から、ピカソやブラックのキュビスム、クリムトのウィーン世紀末芸術、ダリ、マルグリット、ミロなどのシュルレアリスム、アンディ・ウォーホルのポップアート……などなど、近現代アートの流れを概観しながら楽しめます。

4階では、さらに新しい時代のアートを鑑賞。そのほか、3階には建築デザインやドローイング、写真、2階にはメディア作品や版画、地階はフィルムシアターとなっているので、興味のある分野を見学しながら降りていきます。現代アートの広がりに圧倒されることでしょう。

【ポイント】

● オーディオガイドのレンタルは無料(日本語あり)。
● ロダンやピカソなどの彫刻が緑に囲まれた屋外の彫刻庭園(スカルプチャー・ガーデン)は憩いの空間。
● 美術館の隣と向かいにある「MoMAデザインストア」は、デザイングッズが幅広く揃っていて楽しい!

ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art)
住所:11 West 53rd St., New York
開館時間:土~木曜10:30~17:30、金曜(7・8月の木曜)10:30~20:00
休館:無休
入館料:大人25ドル、シニア18ドル、学生14ドル、子供(16歳以下)無料 ※金曜16:00~は無料
公式サイト(英語・日本語):http://www.moma.org/

自然の神秘が迫ってくる、ダイナミックな「アメリカ自然史博物館」

アメリカ自然史博物館
Ph/NYC & Company/Marley White

セントラルパークに隣接した「アメリカ自然史博物館」は、大迫力の恐竜の化石から、地球に生きるさまざまな生物と人間の進化、宇宙の成り立ちなど、3400万点もの膨大な資料をバラエティ豊かに揃えます。映画『ナイトミュージアム』の舞台になったことでも有名。とにかく広くて1日ではとても見きれないので、興味のある分野や目当ての展示を絞っていくことをおすすめします。

一番人気はやっぱり恐竜! 4階では、2億2800万年前から6500万年前までの長きにわたって地上を闊歩した、恐竜の進化の過程を系統別にたどれます。間近に見る大型の骨格標本はとにかく圧巻のひと言。続いて3階では哺乳類の進化の過程、2階では世界各地の自然や人々の暮らしが展示されています。

1階で絶対に見逃したくないのは、海洋生物の展示室「ミルスタイン・ホール」。天井から吊り下げられている長さ28.6m、重さ9.5トンもの巨大なシロナガスクジラのモデルが見どころです。そのほか、「インドの星」と名付けられた世界最大のスターサファイアも必見。

地球と宇宙の神秘に触れられるのが、別館のローズ・センター。ここのプラネタリウムで上映されるスペース・ショーは、まるで宇宙に飛び出していったかのような迫力満点の体験ができるでしょう。

【ポイント】

● 最初にローズ・センターで行われるスペース・ショーの時間をチェックして予約を!
● 目玉展示を効率よく見学するには、10:15~15:15の1時間おきに出発する無料のハイライトツアーがおすすめ(所要3時間)。そのほか特定のテーマに特化したツアーも随時行われています。
● ミュージアムショップが館内の各所にあり、恐竜や宇宙など、それぞれのテーマに沿ったアイテムが並んでいるので、ユニークなお土産探しにも。

アメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)
住所:Central Park West at 79th St., New York
開館時間:10:00~17:45
休館:無休
入館料:任意 ※推奨料金は大人22~35ドル、シニア・学生17~28ドル、子供(12歳以下)12.50~22ドル
公式サイト(英語・日本語):http://www.amnh.org/

新しく生まれ変わって注目の「ホイットニー美術館」で、アメリカンアート三昧

ホイットニー美術館

2015年5月にリニューアルオープンした「ホイットニー美術館」は、レンゾ・ピアノ設計の白壁まぶしい斬新な建築も話題に。1930年の創立当時の場所にほど近いミートパッキング・ディストリクトに位置し、ハドソン川やハイラインにも隣接。エリア自体の魅力との相乗効果で、感度の高い人々が集まる話題のスポットとなっています。

アメリカンアートの常設展は6・7階。ジャクソン・ポロック、ウィレム・デ・クーニング、ジョージア・オキーフ、ジャスパー・ジョーンズなど、20世紀から現代までの作品が2万1000点以上所蔵されています。ハイライトは日本でも人気の高いエドワード・ホッパーで、「日曜日の早朝」「線路の日没」などが代表作です。

【ポイント】

● 屋外テラスにも造形作品が置かれていて、街の景色とアートが一体となったような造りが楽しい。
● 5階はギャラリーとしてニューヨーク最大の空間となっており、そのときどきで現代アートの企画展が催されます。
● 金・土曜の夜は22:00までオープン。テラスからの夜景や、周辺の街での夜遊びと組み合わせるのも新しい楽しみ方。

ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)
住所:99 Gansevoort St., New York
開館時間:月・水・木・日曜(7・8月のみ火曜も開館)10:30~18:00、金・土曜10:30~22:00
休館:火曜
入館料:大人25ドル、学生・シニア18ドル、子供(18歳以下)無料 ※金曜19:00~は任意
公式サイト(英語):http://whitney.org/

建物の美しさとアートが響き合う「グッゲンハイム美術館」

グッゲンハイム美術館

アッパーイーストサイドでひときわ目を引く奇抜な建物が「グッゲンハイム美術館」。フランク・ロイド・ライトの設計により1959年に完成したもので、大きなうずまきのような形から“白いカタツムリ”と呼ばれることも。内部に足を踏み入れると、高さ30mの大きな吹き抜けになっており、天井から光が降り注いでいます。

ロタンダと呼ばれる、らせん状のスペースに作品が展示されているので、エレベーターで最上階に上がって、ゆっくり鑑賞しながら歩いて降りるのがよいでしょう。ここで見られるのは、個性的な企画展。隣接するタワービルには常設のタンハウザー・コレクションやカンディンスキー・コレクションがあり、思いおもいに行ったり来たりできます。人気の所蔵品は、シャガールやカンディンスキー、ロバート・メイプルソープなど。

【ポイント】

● 世界各地に分館があり、所蔵品の行き来も多いので、目当ての作品がある場合は事前に確認を。
● レストラン「ザ・ライト(The Wright)」は入館しなくても利用可。ライト建築の雰囲気にひたりながら、おいしいランチを味わえます。

グッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum)
住所:1071 5th Ave., New York
開館時間:月・火・水・金・日曜10:00~17:45、土曜10:00~19:45
休館:木曜
入館料:大人25ドル、学生・シニア18ドル、子供(12歳以下)無料 ※土曜17:45~は任意
公式サイト(英語):https://www.guggenheim.org/

ニューヨーク最新ミュージアムは、Met分館の「メット・ブロイヤー」

メット・ブロイヤー
Ph/Ed Lederman

メトロポリタン美術館の分館として、近現代アートに特化した「メット・ブロイヤー」は、2016年3月にオープン。旧ホイットニー美術館だった建物で、重厚感のある御影石の外観が印象的です。

常設展はなく、そのときどきでユニークな企画展が催されます。世界最高レベルのキュレーターが趣向を凝らした企画は注目必至です。オープン時の展示テーマは「Unfinished」で、ピカソやゴッホなど名だたる巨匠たちの、未完成の作品が見られるという貴重な機会(2016年9月4日まで)。メトロポリタン美術館本館からは徒歩15分程度の近さなので、ぜひ組み合わせて訪れたいですね。

【ポイント】

● 入館チケットはメトロポリタン美術館、メット・クロイスターズと共通なので、同日に訪れるとお得。
● 5階にはおしゃれなブルーボトルコーヒーのカフェや、アートブックの専門書点が入っていて、くつろげる空間です。

メット・ブロイヤー(The Met Breuer)
住所:945 Madison Ave., New York
開館時間:火・水・木・日曜10:00~17:30、金・土曜10:00~21:00
休館:月曜
入館料:任意 ※推奨料金は大人25ドル、シニア17ドル、学生12ドル、子供(12歳以下)無料
公式サイト(英語):http://www.metmuseum.org/visit/met-breuer

中世ヨーロッパの世界にひたれる「メット・クロイスターズ」

メット・クロイスターズ

マンハッタン中心部から少し離れた郊外、緑豊かな丘の上に、メトロポリタン美術館の分館「メット・クロイスターズ」があります。フランスに存在した複数の修道院を移築し再構成した建物で、内部にはゴシック様式の礼拝堂や、回廊に囲まれた中庭を擁しており、まるで別世界にトリップしてきたような幻想的な雰囲気。細部の精巧な装飾や、美しいステンドグラスも見ものです。

展示されているのは12~15世紀の中世ヨーロッパ美術。「一角獣のタペストリー」や、ロベルト・カンピンによる「メロードの祭壇画」など、歴史の刻まれた逸品にうっとりしてしまいます。

【ポイント】

● 入館チケットはメトロポリタン美術館、メット・ブロイヤーと共通なので、同日に訪れるとお得。
● 中庭のハーブ園や、隣接しているフォート・トライオン・パークでの散策も気持ちいいので、天気のいい日にゆっくり過ごしたい。

メット・クロイスターズ(The Met Cloisters)
住所:99 Margaret Corbin Dr., Fort Tryon Park, New York
開館時間:3~10月10:00~17:15(夏季の金曜のみ~19:30)、11~2月10:00~16:45
休館:無休
入館料:任意 ※推奨料金は大人25ドル、シニア17ドル、学生12ドル、子供(12歳以下)無料
公式サイト(英語):http://www.metmuseum.org/visit/met-cloisters

富豪の邸宅を改装した「フリック・コレクション」は優雅な空間

フリック・コレクションPh/The Frick Collection/Michael Bodycomb

「フリック・コレクション」は、アッパーイーストサイドにある小さな美術館ですが、中身は大充実。大理石でできた二階建ての建物は、鉄鋼業で財をなした実業家ヘンリー・クレイ・フリックの邸宅だったもの。そこに、彼が40年間かけて集めた芸術作品が、優雅な内装と調和して展示されているのです。
20世紀初頭の雰囲気をそのまま残した部屋や、噴水を囲んだ明るい中庭など、建物自体の魅力も特筆もの。

所蔵しているヨーロッパ絵画のなかでもハイライトは、フェルメールの「士官と笑う娘」「中断された音楽の稽古」「婦人と召使い」の3点。ここでしか見られない傑作はファン垂涎です。そのほかエル・グレコ、ベラスケス、レンブラントなどの絵画、彫刻や陶磁器など、富豪夫妻が暮らしていた当時のままに屋敷を彩っています。

【ポイント】

● オーディオガイドのレンタルは無料(日本語あり)。
● 説明を聞きながらじっくり見学しても2~3時間の程よい規模。

フリック・コレクション(The Frick Collection)
住所:1 East 70th St., New York
開館時間:火~土曜10:00~18:00、日曜11:00~17:00
休館:月曜
入館料:大人22ドル、シニア17ドル、学生12ドル、10歳未満の子供は入場不可 ※日曜11:00~13:00は任意
公式サイト(英語):http://www.frick.org/

デザインに特化した「クーパー・ヒューイット、スミソニアン・デザイン美術館」

クーパー・ヒューイット、スミソニアン・デザイン美術館

大規模な改修を終えて2014年末に再オープンした「クーパー・ヒューイット、スミソニアン・デザイン美術館」。大富豪アンドリュー・カーネギーが1902年に建てた邸宅を利用したもので、その重厚な外観、贅をこらした豪華な内装も見どころのひとつです。

展示されているのは、古今のデザイン作品。テキスタイル、家具、工芸品など、デザインに関するものが幅広いジャンルにわたって並んでいて壮観! 1897年にこの美術館を創立した、実業家ピーター・クーパーの孫娘たち(エイミー、エレノア、サラ・ヒューイット)が収集した品々のコーナーもあり、時代によるデザインの移り変わりが感じられます。

【ポイント】

● 平日11:30、13:30、土・日曜13:00、15:00から無料のガイドツアーが行われています。
● 建物の裏にある広々とした庭は、入館料を払わずに入れます。ユニークなデザインの椅子やベンチにも注目。

クーパー・ヒューイット、スミソニアン・デザイン美術館(Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museum)
住所:2 East 91st St., New York
開館時間:日~金曜10:00~18:00、土曜10:00~21:00
休館:無休
入館料:大人18ドル、シニア12ドル、学生9ドル、子供(18歳以下)無料 ※土曜18:00~は任意
公式サイト(英語):http://www.cooperhewitt.org/

「ブルックリン美術館」で、古代エジプト美術から現代アートまで

ブルックリン美術館

人気のブルックリン地区にある「ブルックリン美術館」は、約150万点の作品を所蔵し、メトロポリタン美術館に次ぐ規模。5フロアにわたって、古代エジプト美術、アフリカ・中近東美術、18~20世紀のヨーロッパ絵画、現代アート、装飾工芸、昔のアメリカの暮らしを再現した部屋など、バラエティに富んだ展示が繰り広げられています。斬新な企画展も随時開催されているので要チェック。

【ポイント】

● ブルックリン植物園と隣接しており、お得なコンビネーションチケットもあります。

ブルックリン美術館(Brooklyn Museum)
住所:200 Eastern Parkway, New York
開館時間:水・金・土・日曜11:00~18:00(9月を除く毎月第1土曜は~23:00) 、木曜11:00~22:00
休館:月・火曜
入館料:任意 ※推奨料金は大人16ドル シニア・学生10ドル 子供(19歳以下)無料
公式サイト(英語):https://www.brooklynmuseum.org/

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Cover Photo by Malgorzata Slusarczyk / 123RF