投稿者 : 千尋 石飛、投稿日 2016 年 5月31日

ニューヨークの最新アートに触れる!今いちばん行きたい美術館

常に新しいアートが発信されているニューヨーク。あらゆるタイプのミュージアムがあふれているし、おもしろそうな企画展も目白押しなので、どこから回ろうか迷ってしまいますよね。

今回は、アート通でもアート初心者でもそれぞれの感性で楽しめる、今いちばん注目の美術館を3つご紹介します。話題の最新アートに触れる、わくわくした休日の始まりです!

新たなカルチャーの中心地、新生「ホイットニー美術館」

ホイットニー美術館
Ph/Ed Lederman, 2015

創立は1930年、まだアメリカンアートがあまり注目されていなかった頃から、自身も彫刻家であったガートルード・ヴァンダービルド・ホイットニーが同時代の作品を収集・展示し、アーティストたちの育成や発展にも寄与してきた「ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)」。長く親しまれてきたアッパーイーストサイドから、発祥の地グリニッチ・ビレッジにほど近いミートパッキング・ディストリクトへ移転、2015年5月にリニューアルオープンしました。

展示がますます充実しているだけでなく、レンゾ・ピアノによる白壁まぶしい建築自体の魅力、おしゃれな店が集まってきている周辺エリアの注目度も相まって、マストヴィジットの美術館に生まれ変わったのです!

ホイットニー美術館

立地するのはマンハッタンの西側、チェルシーの南にあるミートパッキング・ディストリクト。かつて精肉加工業者が並んでいた地区ですが、その工場や倉庫の跡がブティックやレストランに姿を変え、今やおしゃれで感度の高い人たちの行き交うエリアです。

ホイットニー美術館は、空中遊歩道「ハイライン」の南の起点と、ハドソン川に挟まれるように建ち、白く輝くアシンメトリーな偉容に目が惹きつけられます。

設計はイタリア人建築家のレンゾ・ピアノ。大きなガラス窓を多用し、東側に広がるマンハッタンの街並、西側のハドソン川の景観と有機的につながったアート空間を造り出しています。

入り口から足を踏み入れると、光が三方からふんだんに差し込む開放的なロビー。ミュージアムショップやレストラン「Untitled」、若手アーティストのギャラリーは入館料なしで利用できるので、気軽にここだけ訪れるのもアリ。

[one_half][/one_half]

[one_half_last][/one_half_last]

入館したら、まずはエレベーターで8階へ(エレベーター内も1基ずつ異なる装飾が施されているので要チェック!)。テラスに出ると、マンハッタンの摩天楼からハドソン川までぐるりと一望にできて、思わず歓声がもれる気持ちよさ。見下ろせば、階下のテラスに展示された造形作品や、ハイラインを歩く人々なども見えます。内と外を自由に行ったり来たりでき、街と一体になっているような風通しのよさもここの特徴のひとつ。景色を眺めながら「Studio Cafe」で休憩するのもオススメです。

[one_half]日曜日の早朝(Early Sunday Morning)[/one_half]

[one_half_last]線路の日没(Railroad Sunset)[/one_half_last]

7階と6階は常設展で、20世紀から現代までのアメリカンアートが見られます。所有しているのは3000以上のアーティストの、2万1000点を超える作品の数々。ジャクソン・ポロック、ウィレム・デ・クーニング、ジョージア・オキーフ、ジャスパー・ジョーンズなど名だたるアーティストの世界をじっくり堪能しましょう。

なかでもハイライトは、都会の孤独感を描いて日本でもファンの多いエドワード・ホッパー。彼が1930年代に初めて個展を開いたのも、ホイットニー美術館でした。現在では、素描も含めて約3000点を所有しています。代表作の「日曜日の早朝(Early Sunday Morning)」「線路の日没(Railroad Sunset)」などを見ていると、絵の中に封じ込められた過去のアメリカの空気がそのまま伝わってくるよう。

5階は、柱のないひとつなぎのギャラリーとしてニューヨーク最大の空間となっており、現代アートの企画展が開催されます。窓一面に広がる景色も、まるで一枚の絵のような見どころ。3階にはシアターやエデュケーションセンターがあり、教育や研究にも力が入れられています。階段吹き抜けにも美しいライトのインスタレーションがあるので、見逃さないように。


Ph/Timothy Schenck, 2015.

週末は夜遅くまで開いているので、テラスから夜景を眺めたり、周辺の街をぶらぶらしながら夜遊びと組み合わせたりするのも楽しいですね。街と人とアートが出合う新しい形の美術館を、ぜひ体験してみてください!

ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)
住所:99 Gansevoort St., New York
開館時間:月・水・木・日曜(7・8月のみ火曜も開館)10:30~18:00、金・土曜10:30~22:00
休館:火曜
入館料:大人25ドル、学生・シニア18ドル、子供(18歳以下)無料 ※金曜19:00~は任意
公式サイト(英語):http://whitney.org/

いち早く訪れたい最新スポット!メトロポリタン美術館分館の「メット・ブロイヤー」

メット・ブロイヤー
Ph/Ed Lederman

2016年3月18日、アッパーイーストサイドの好立地に、メトロポリタン美術館の近現代アートに特化した一部門として「メット・ブロイヤー(The Met Breuer)」がオープンしました。

建物は旧ホイットニー美術館だったもので、設計はマルセル・ブロイヤー。名称はこの建築家の名前からとられています。重厚感のある御影石で造られた、逆階段みたいな形が印象的。

[one_half][/one_half]

[one_half_last][/one_half_last]

ここには常設展はなく、そのときどきでユニークな企画展が催されます。記念すべきオープン時の展示テーマは「Unfinished」(2016年9月4日まで)。その名のとおり、未完成のままの作品が見られるという、非常に珍しい機会なのです。

取り上げられている作品も幅広く、ルネッサンス、バロック時代のものから、ピカソ、ゴッホ、セザンヌ、クリムト、アンディ・ウォーホルなど誰もが知っている巨匠まで。描きかけの状態を熟視することで、画家がどういう部分から絵を描いていくのか、どんなふうに筆を重ねていくのかが垣間見えるのです。

素敵になりそうな作品を見ては「なんで途中でやめちゃったんだろう」とか、未完が何枚もある人には「飽きっぽいのかな……」とか、画家の人間性を想像するおもしろさも。

5階にはブルーボトルコーヒーのカフェや、アートブックの専門書店「Phaidon」があります。アートに浸ったあと、ゆっくり語り合うひとときもいいですね。

チケットは当日中なら、メトロポリタン美術館の本館、クロイスターズの3館共通で利用できます。一日で全部見て回ろうとするのは無謀といえるほどの内容ですが、それぞれ特徴が際立った美術館ですし、古代から現代までの時間旅行、東から西まで世界旅行をしている気分が味わえるダイナミックさは、世界最高のアート都市ニューヨークならではといえるでしょう。

メット・ブロイヤー(The Met Breuer)
住所:945 Madison Ave., New York
開館時間:火・水・木・日曜10:00~17:30、金・土曜10:00~21:00
休館:月曜
入館料:任意 ※推奨料金は大人25ドル、シニア17ドル、学生12ドル、子供(12歳以下)無料
公式サイト(英語):http://www.metmuseum.org/visit/met-breuer

現代アート好きなら、新しい感性と出合える「ニュー・ミュージアム」は必見

[one_half]ニュー・ミュージアム[/one_half]

[one_half_last]

エッジの効いた展示で知られているのが、コンテンポラリーアート専門としては唯一の美術館である「ニュー・ミュージアム(New Museum)」。新進気鋭のアーティストたちの作品は、ほかでは見たことがないようなものばかり。展示内容はそのときどきで変わり、新たな才能のきらめきを発見する興奮に満ちた場所です。

設立は1977年。ホイットニー美術館のキュレーターだったマーシャ・タッカーによって、実験的な前衛作品が多く取り上げられ、無名だったアーティストたちが何人もここから大きくなっていきました。

現在のバワリー地区に移転したのは2007年で、日本人建築家ユニットのSANAA(妹島和世+西沢立衛)が設計を手がけ、白い箱を積み上げたような独特の形、アルミのメッシュで覆われた外観が異彩を放っています。

[/one_half_last]

1階にはミュージアムショップやカフェを併設しており、こぢんまりとしていながら居心地のいい空間。土・日曜だけオープンする7階「SKY ROOM」も、ロウアーイーストサイドの街の光景が見渡せる展望テラスが人気です。

[one_half][/one_half]

[one_half_last][/one_half_last]

現代アートは内容も形態も多岐にわたり、評価が定まっていない作品こそ、すばらしい現場に居合わせることができたときの喜びは格別です。感性を刺激される楽しさを知ったら、やみつきになってしまうかもしれません。

ニュー・ミュージアム(New Museum)
住所:235 Bowery, New York
開館時間:水・金・土・日曜11:00~18:00 木曜11:00~21:00
休館:月・火曜
入場料:大人16ドル シニア14ドル 学生10ドル 子供(18歳以下)無料※木曜19:00~21:00は任意(2ドル以上)
公式サイト(英語):http://www.newmuseum.org/

ミュージアム巡りの拠点に最適なラグジュアリーホテル

ホテル ソフィテル ニューヨーク
Ph/William Huber

いくつものミュージアムを精力的に回るには、アクセスがよくて、くつろげるホテル選びも大切です。ニューヨークに星の数ほどもある宿泊施設のなかから、ミッドタウンのど真ん中に位置するホテル ソフィテル ニューヨークをご紹介します。

タイムズ・スクエアや5番街から歩いてすぐ、44丁目と45丁目の間という、これ以上はないほどの好立地に、2000年にオープン。アッパーイーストサイドのミュージアム群はもちろん、ホイットニー美術館などミッドタウンに点在する見どころへの拠点とするのに最適です。

ソフィテルはフランス資本のアコーホテルズの上位ブランドであり、フランス風エレガンスとニューヨークの洗練が融合した雰囲気が、ほかとはひと味違います。広々としたロビーには暖炉やソファーがゆったりと配され、毎日取り替えられる豪華なフラワーアレンジメントも目の保養。

[one_half]ホテル ソフィテル ニューヨーク[/one_half]

[one_half_last]ホテル ソフィテル ニューヨーク[/one_half_last]

30階建てのホテルは、客室からの眺めも抜群。全398室を備え、それぞれがナチュラルカラーを基調にしたシックなインテリアにととのえられています。室内や廊下などそこかしこに飾られているのは、パリとニューヨークをモチーフにしたモノクロの写真たち。のんびりリラックスしている時間も、常にアートの空気感に浸っていられるのです。

[one_third]Gaby Brasserie Française[/one_third]

[one_third]Gaby Brasserie Française[/one_third]

[one_third_last]Gaby Brasserie Française[/one_third_last]

1階にあるレストラン&バー「Gaby Brasserie Française」は、やはりパリとニューヨークのふたつを装飾のテーマに組み入れたアールデコ調。朝食から、モダンフレンチのランチやディナー、夜のバータイムまで幅広く利用できます。特筆したいのが朝食の多彩さ。

パリパリの焼きたてクロワッサンと濃いフレンチプレスのコーヒーは絶対味わいたいし、ハムとチーズが載った塩味のフレンチトースト、ベリーたっぷりのヨーグルトグラノラ、具の種類が選べるエッグベネディクトやオムレツなど、どれを食べようか迷いに迷ってしまいそう。

エネルギーをしっかりチャージして、はりきってアート巡りの1日が始まります!

 

[button style=’pink’ url=’https://www.expedia.co.jp/New-York-Hotels.d178293.Travel-Guide-Hotels’ icon=’entypo-home’ fullwidth=’true’]ニューヨークのホテルを探す[/button]

[button style=’pink’ url=’https://www.expedia.co.jp/Cheap-Flights-To-New-York.d178293.Travel-Guide-Flights’ icon=’entypo-flight’ fullwidth=’true’]ニューヨークへの航空券を探す[/button]

[button style=’pink’ url=’https://www.expedia.co.jp/New-York.d178293.Travel’ icon=’entypo-info-circled’ fullwidth=’true’]ニューヨークの旅行・ツアーを検索[/button]

取材協力:ニューヨーク市観光局 http://www.nycgo.com