地図が役に立たない巨大迷路? モロッコの世界遺産フェズの正しい迷い方

地図が役に立たない巨大迷路? モロッコの世界遺産フェズの正しい迷い方

海外の街歩きに欠かせないものといえば地図。ほとんどの旅行者はガイドブックの地図を片手に観光を楽しんでいることでしょう。しかし、世界中にはそんな常識が通用しない場所もあります。それがモロッコ北部にある古都フェズです。

街中が巨大迷路のように入り組んでいるため、地図を見ながら歩いても、いつの間にか知らない場所に迷い込んでしまうのです。いったい、どのように街歩きをすればいいのでしょうか。ガイドブックも地図も役に立たない街、フェズの正しい「迷い方」をご紹介します!

中世のイスラム世界を楽しめる、フェズのメディナ

フェズの観光の中心は、幅1km奥行き2kmほどの城壁に囲まれた、メディナと呼ばれる旧市街地です。世界遺産にも登録されているこのメディナは、かつてイスラム王朝の首都が置かれ、継ぎ足しながら少しずつ街が大きくなっていった歴史があります。

そのため道が非常に複雑に入り組んでおり、さらに車が入れないような細い路地ばかりなのが特徴。人々は、今も徒歩や自転車、ロバの荷車などを利用して生活しています。

フェズのメディナの魅力は、中世のイスラム世界の街並みがそのまま残っているところ。車が入れないため、今日まで大きく開発されることなく、中世から続く古い街並みやモスク(イスラム寺院)が、そのまま残っているのです。

また、メディナは職人たちの街でもあります。革なめしや家具、金物などさまざまな種類の工房があり、職人たちは何百年も続く技術を守りながら生活を営んでいます。

morocco1
フェズの金物屋 photo by Peter Collins

装飾タイルやモザイクが埋め込まれた建物と、職人たちの工房や店が並ぶ光景はなんともフォトジェニックで、見ているだけでも中世にタイムトリップしたような気持ちになれます。街だけでなく、そこに住む人々までが何百年も変わらずにあり続ける、それがフェズの最大の魅力なのです。

目印は2本のメインストリートと、ブージュルード門

メディナの中には車が入れないため、観光する場合も自分の足で歩くしか方法はありません。しかも、道が複雑に入り組んでいるため、初めて訪れた人が地図を見ながら歩くのは至難のワザです。

中には、方向感覚に自信があるから大丈夫! という人もいるかもしれません(私もそう思っていました)。しかし、メディナの道は行き止まりが多く、複雑に分岐していたり、少しずつ道が曲がったりアップダウンしたりするので、頭の中に地図が描けなくなってしまうのです。そんな時は、目印になる大きな通りだけ確認して、あとは素直に迷い込んでしまいましょう。

最初の目印はメディナの入り口、ブージュルード門。ほとんどの旅行者は、ここからメディナに入ります。この門から延びている道をタラー・セギーラといい、これと垂直に交わる道をタラー・ケビーラといいます。

この3つの目印だけ覚えておけば、あとは迷い込んでしまっても問題ないでしょう。街は城壁に囲まれているため、帰れないような場所に行き着いてしまう心配はありません。迷って迷って、心ゆくまで歩いたら、あとは2本のメインストリートと、入り口のブージュルード門を目印に帰ってくればいいのです。

morocco2
メディナの入り口はブージュルード門 photo by suzukikei

それでも帰り道が分からなくなったら、近くの人に聞いてみるのもひとつの方法です。モロッコ人はほかのイスラム教国の人々と同じように、親切でちょっとおせっかいな人ばかり。たとえ言葉が通じなくても、親切に教えてくれるでしょう。ただし、自称ガイドには要注意。道を聞くなら商店のおじさんや、買い物に来たご婦人など、地元の人に直接尋ねるといいでしょう。

疲れたらのんびりとミントティーを

メディナの中には、工房やモスクのほかにも、市場やカフェ、お菓子屋さんなどさまざまな店が並んでいます。街の中をさまよいながら、工房を訪ねたり、市場をのぞいてみたりするのもいいでしょう。街歩きに疲れたらカフェに入って、ほっこりと甘いミントティーで休憩するのがモロッコ流。
中世のイスラム世界に迷い込み、ゆっくりと街の雰囲気に浸る。フェズではそんな楽しみ方をおすすめします。

モロッコ フェズのホテルを探す