世界的に見ても歴史的名所と観光スポットが多いイスラエル。一度は旅行してみたいけど、治安を心配する人も少なくないでしょう。ですが、あらゆる方面で厳重な警備が行われているイスラエルは、先進国の中でも特に治安が良いとされています。その上、実は親日家がとても多い国でもあり、日本人にとって身近な存在でもあります。

そんなイスラエルへの旅へ私たちを駆り立てるのが、今も随所に残る壮大な歴史舞台の数々。そこでイスラエルで訪れるべき観光地を紹介していきましょう。

エルサレム旧市街にある3つの聖地

エルサレム旧市街

エルサレムは世界三大宗教であるキリスト教、ユダヤ教、イスラム教を合わせておよそ35億人の聖地。世界遺産にも登録されている旧市街に張り巡らされた路地には、ヘブライ語、アラビア語、英語とそれぞれの宗教を代表する文字で案内されています。旧市街はユダヤ教区、キリスト教区、イスラム教区、アルメニア人地区の4つに分かれています。

中でもイスラム教区はとても活気にあふれていて、石畳の細い路地の両側に宗教用具や食料品、日用品から家電まで何でも揃っていてとても賑やか!ピタパンに豆コロッケを挟んだファラフェルサンドや肉を挟んだシャワルマが美味しいローカルフード店も見逃せません。

岩のドーム

岩のドーム

エルサレムのアイコンとも呼べるイスラム教の聖域「岩のドーム」の内部には、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の始祖であるアブラハムに関する伝説が記されている「聖なる岩」が祀られています。だからユダヤ人にとってもこの岩はもの凄く重要で今も所有権を主張しています。何だか現代にも通じる話ですよね。

岩のドームが立つ神殿の丘の見学は午前、午後の限られた時間のみ可。2016年8月現在ドームとモスクへの入場不可です。

嘆きの壁

嘆きの壁

岩のドームがある場所は、もともとユダヤの神殿がありましたが、ローマ軍との戦いで破壊され、唯一残った西側の壁に向かって再建を祈るようになったのが「嘆きの壁」です。

壁に向かって左側は男性、右側が女性と祈りの場所が分かれています。入場の際に男性は全員「キッパ」と呼ばれる帽子のようなものを借りて入場します。女性は特にありませんが、短パン・タンクトップはNG。信者は観光客に構うことなく壁に向かって聖書を黙読しています。中には涙を流しながら読んでいる人もいますので、写真撮影は慎重に。

岩と岩の隙間には、願い事を書いた紙がびっしりと挟まれています。

シャバット(金曜の日没~土曜の日没までの安息日)の間は写真撮影や携帯電話の使用は禁止となっています。

嘆きの壁
住所:Western Wall Plaza, Jerusalem
入場時間:24時間365 日
入場料:無料

聖墳墓教会

ゴルゴダの丘

 

イエスが磔刑にされたゴルゴダの丘があるのもまた旧市街。現在、その場所には「聖墳墓教会」が建っています。

イエスが十字架を背負って歩かされた「悲しみの道」を意味するヴィア・ドロローサは、1kmの道のりに14のステーション(留)があり、イエスのエピソードを追体験しながら歩けます。毎週金曜日の16時(冬季は15時)には、フランシスコ会と信者が第1留から14留まで大きな十字架を担いで厳かに行進します。その粛々とした雰囲気は、キリスト教徒でなくても思わずついて行ってしまうほど。

宗教の力ってすごいな…と、今更ながら気づかされ、心が揺さぶられます。

聖墳墓教会
住所:‪Suq Khan e-Zeit and Christian Quarter Road. Jerusalem
入場時間:日~木/4〜9月 5:00〜20:00/10〜3月 5:00〜19:00
入場料:無料

イエス生誕の地ベツレヘム

ベツレヘム

エルサレム旧市街から南に10キロほどのところにあるベツレヘムはイエスが生まれた町。産声をあげた場所に建てられた「生誕教会」は、1700年の歴史を誇る世界最古の教会のひとつです。クリスマスのミサの様子を全世界に中継されるのでニュースで見たことがある人もいるでしょう。

当然キリスト教徒にとってはとても重要な教会で、常に巡礼者や観光客で溢れています。奇跡の場所は信者でなくても心に感じるものがあります。

生誕教会

祭壇の地下にはイエスが生まれたとされる場所が祀られています。中は狭く、一目見るために列をなしています。イエスが誕生した場所には星型の銀盤が埋め込まれ、ひざまずいてキスする人、手でなぞる人、涙する人など、狭い空間に人々の思いが共鳴しているのを感じます。

ベツレヘムはパレスチナ自治区にあるため、イスラエル側から訪れる際はチェックポイントがありますのでパスポートを忘れずに!

生誕教会
住所:Manger Square,Bethlehem, State of Palestine
入場時間:毎日(夏季)6:30〜12:00, 14:00〜19:30、(冬季)5:30〜12:00, 14:00〜17:00
入場料:無料

イエスが青春時代を過ごしたナザレ

ナザレ

イスラエル北部のガリラヤ地方にある小さな町ナザレは、イエスが幼少期から青春時代まで過ごした地。「ナザレのイエス」という名を聞いたことがある人もいると思いますが、当時はイエスという名は珍しくなく、どこどこの誰々といった具合に、居住地を加えて区別されていました。

受胎告知教会

ナザレには、マリアが受胎告知を受けたと伝えられる洞窟の上に「受胎告知教会」が立っています。コンスタンティヌス帝の母エレナによって4世紀に創建され、現在の教会は1969年に再建されたもの。

教会内には世界中から贈られてきたマリア像や壁画が飾られているのですが、各国の特色がにじみでているところがとても興味深いです。大正時代の日本画家、長谷川路可による細川ガラシャをモデルにしたモザイク画「華の聖母子」も飾られていますよ。

受胎告知教会
住所:Casa Nova Street, Nazareth
入場時間:マリアの洞窟 5:30~21:00/聖堂 8:00〜18:00/聖ヨセフ教会 7:00〜18:00
入場料:無料

イエスが伝道活動した地 ガリラヤ湖

ガリラヤ湖

イエスの布教活動は、30歳を過ぎて目覚めてからほんの3年間だけ。そのうちの2年を北部のガリラヤ地方で行っていました。特にこの地方の中心となるガリラヤ湖では、数々の奇蹟を民衆にみせた特別な場所とされています。

春に訪れれば、丘一面に咲く菜の花の上を青い鳥が飛び、遠くには海のようなガリラヤ湖を見渡す美しい景色が迎えてくれます。新約聖書にある「空の鳥を見よ、野の花を見よ」の一節は、この景色を見てイエスが感じた話なのだろうかと勝手に思ってしまいます。

山上の垂訓(さんじょうのすいくん)教会

ガリラヤ湖を見渡す丘の上に建つ「山上の垂訓(さんじょうのすいくん)教会」は、イエスが説教を始めた場所といわれ、マタイによる福音書にも出てくる重要な舞台のひとつに数えられています。ここでは「汝の敵を愛せよ」や「右の頬を打たれれば、左も向けなさい」など、数々のイエス語録が生まれました。

山上の垂訓教会
住所:Tabgha
入場時間:毎日8:30〜12:00,14:00〜17:00(冬季は16:00まで)
入場料:無料

柔らかな色を纏ったガリラヤ湖の早朝は、じっと眺めているとまるで別世界に立っているかのようです。

このガリラヤ湖で漁師をしていたのがイエスの使徒ペテロとアンデレ兄弟。イエスの最初の弟子です。兄弟が獲っていた魚は新約聖書にも登場するイエスのシンボルでもあります。

その魚の正体はティラピア。ここではペテロの魚を意味する「セント・ピーターズ・フィッシュ」という名がつけられています。ガリラヤ湖を訪れたら一度は味わいたい名物食材で、身は肉厚でふわふわしていて味は非常に淡白。香草をのせた素揚げがおすすめです。

体がぷかぷか浮く死海周辺も大きな歴史の舞台

イスラエルの死海

海抜マイナス420mの死海は、世界で最も低い場所にある塩水湖。その塩分の含有量の多さから浮遊体験ができることで知られています。

湖底に溜まった泥はミネラルたっぷりで、体に塗るとお肌がツルツルピカピカになります。ここはイスラエルきってのリゾート地でもあり、泥スパやソルトウォータープールなどの施設も充実しています。

しかし、最近の温暖化現象によって水位は毎年1mずつ下がり、あと数十年で死海は消滅するとも囁かれています。

マサダ

巨大な食料庫や貯水槽を備えた宮殿は、後にローマ軍に抵抗するユダヤ民が3年間籠城した場所となりました。最後は女性と子供7人を残し全員が自決した悲劇の舞台。ここから2千年に渡るユダヤ人の離散の歴史が始まったのです。

そんなことから、ここはユダヤ民族の結束の象徴であり、ユダヤの人々にとって一生に一度は訪れるべき大切な場所となっています。

見学の前にツーリストセンターで上映されている30分ほどの映画を観ると、マサダの出来事をより理解できます。

それにしても、こんな高い場所に宮殿を建てただけでも驚きですが、インフラを整備した上に、入浴設備やモザイクの装飾といった快楽まで持ち込むなんて、当時の発想の凄さを思い知らされます。

ここは砂漠地帯にあるため、冬以外の見学は厳しい暑さとの戦いでもあります。万全の暑さ対策をとって訪れてください。

マサダ
住所:Masada National Park
入場時間:(夏季)日〜木、土8:00〜17:00 金、祝8:00〜16:00 (冬季)日〜木、土8:00〜16:00 金、祝8:00〜15:00
入場料:NIS29(約770円)ロープウェイ含むNIS76(約2000円)

イスラエルを旅すれば、2千年前の歴史の場面に立ち会うような気分になりますよ!

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1 NIS(イスラエル通貨ニューシェケル) = 26 JPY 2016年8月現在
取材協力:イスラエル大使館