投稿者 : トラベル ライター、投稿日 2019 年 8月28日

パン好きの間で、今「尾道」がアツいらしい。パンマニアが1泊2日で行ってみた

はじめまして。パンマニアの片山智香子と申します。

これまで1万個以上のパンを食べ歩いた私が「パン屋さんめぐりの会」なるパン好きコミュニティーを主宰して8年。今はブログ「旅するパンマニア」やWebメディアなどで、国内外のパンを毎日のように紹介している。

私はパンを求めて旅行に行く時、どんなパン屋さんでも、どのパンを選べばいいか迷ってしまう。そんな自分のために、パン屋さん巡りで設定した「マイルール」がある。

それは「自分の好みに関係なく、お店の人気パンは必ず食べる」ということ。

そうすると、好きなパンばかり選んで偏りが発生することがなくなる。また「人気」を基準にすることで、「あまり得意ではないかも……」と感じた場合でも、それまで持っていた常識を覆す感動的なパンに出合い、自分自身のパンの世界をぐんと広げることができるのだ。

「広島」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべるだろうか?

食べ物であれば「お好み焼き」「もみじ饅頭」、最近でいうと「汁なし担々麺」あたりがパッと思いつくのではないかと思う。実は今、広島、それも尾道が、パン好きから注目を浴びているのである。

尾道って、あの男の子と女の子が石段から落ちて入れ替わっちゃう大林宣彦監督の映画『転校生』(1982年)の舞台?……と思ったアナタはきっと私と世代が一緒(笑)。そう、あの、坂道の多い街・尾道だ。

尾道は海と山に囲まれた自然豊かな街。そして、良い意味でさほど大きくなく、ぶらりと徒歩でパン屋さん巡りを楽しめる場所なのだ。そこで、1泊2日で「尾道のパン屋さんを巡る旅」をしてきた。

いざ、尾道のパンを求めて

東京から広島まで行く方法には、新幹線、飛行機などの選択肢があるが、なにぶん料金がそれなりにかかる。深夜バスもあるけれど長時間揺られるのはキツイ。ということで、今回は成田空港~広島空港間をLCC(春秋航空)の利用で往復した。

予約を取る時期にもよるけれど、7月前半に往復のフライトで17,000円程度。時期をずらせばもっと安くチケットをとることもできる。東京駅から成田空港まで1,000円の格安シャトルバスを使えば、「飛行機は安くとれたのに成田空港までのお金がかかっちゃった!」 ということもない。

広島空港からはバスでJR三原駅まで移動、その後はJR山陰本線に乗り尾道駅へ。尾道駅を降りると目の前に海が見える。海に向かって左側にアーケード商店街があるので、まずはそちらから巡ってみる。

今パン好きの間で話題の「パン屋航路」

アーケードの中に、この旅の間、いつ通りかかっても地元の方や旅行客で混んでいて大人気だったお店がある。今、「種類が豊富な上にどれも本当に美味しい」とパン好きの間でよく名前が出るパン屋航路だ。読み方で何となく分かるように、尾道も舞台の一つとなった志賀直哉の小説『暗夜行路』から店名をとったそう。平日の午前中が比較的入りやすかったかな。

パン屋航路

店内にはハード系、ベーグル、総菜パンと種類豊富にパンが並んでいる。お店を訪れると毎回そうなのだが、どのパンを食べようか本当に迷う。

どれも美味しそうなのだから仕方がない……。

カレーパン

マイルールに従って、人気のパンと、スタッフの方のオススメパンを聞いた。その結果、「カレーパン」「ずんだペッパーチーズベーグル」の2つをセレクト。

「カレーパン」と「ずんだペッパーチーズベーグル」
カレーパン(左)、ずんだペッパーチーズベーグル(右)

カレーパンはタイミングよく揚げたてをゲット。辛味の効いたカレーには牛スジ肉と香味野菜のうま味がたっぷり入っていて、さっくり、しっかりした食感のパン粉との相性も抜群。コロンとした丸い形もかわいい。

ずんだペッパーチーズベーグルのもっちりとヒキのある生地には枝豆が練り込まれ、クリームチーズを包み込むように焼き上げられている。上部には全体の味をぐっと引き締めるこしょうがふんだんにかかっていて、一度に何種類もの味が口の中に広がる。これはやみつきになる味。

パン屋航路
住所:広島県尾道市土堂1-3-31
TEL:0848-22-8856
営業時間:7:00〜18:00 木曜・金曜休

青い外観のクロワッサン専門店「CASTLE ROCK」

アーケード商店街をさらに進み、海側に少し曲がったところにあるCASTLE ROCK。きれいな青い外観が目印だ。パンを目的に来ないと、ここがどんなお店なのか、外からは分かりづらいと思う。

CASTLE ROCK

実はこちら、クロワッサン専門店。正統派なものはもちろん、「ソーセージパーティー」や「VIVA MEXICO」なんていう面白いネーミングのパンも並ぶ。

一番人気はやはりスタンダードな「ザ・クロワッサン」なのだけれど、残念ながら売り切れていたので、その次に人気があるという「恋するショコラ」と、入店して思わず目が行き、ずっと気になっていた「瀬戸の花嫁」を購入。

瀬戸の花嫁、恋するショコラ
瀬戸の花嫁(左)、恋するショコラ(右)

歌手・小柳ルミ子さんのデビュー曲である『瀬戸の花嫁』、若い人たちは絶対知らないでしょう! と思わず心の中でつっこみを入れつつ、尾道産のレモンを使ったクリームの上に乗ったイタリアンメレンゲがあまりにも美味しそうで。
(「瀬戸の花嫁」は2019年8月現在、尾道産レモンの季節が終わったため販売終了。レモンが入荷でき次第、秋頃から販売再開予定)

瀬戸の花嫁

そして、「瀬戸の花嫁」が本当に美味しすぎた。バターの風味とさっぱりしたレモンの酸味がベストマッチ。瀬戸内のレモンは酸っぱすぎないのかな。なんだろう、ツンとくる酸味ではなく、優しい酸味。

「恋するショコラ」は、中にヘーゼルナッツチョコが挟んである。周りのクロワッサン生地の軽い味わいと、中に濃厚なチョコレートを感じるというコントラストが良い。

CASTLE ROCK
住所:広島県尾道市久保2-6-34
TEL:0848-88-9198
営業時間:12:00~19:00、日曜12:00~17:00 月曜・火曜休
公式サイト:https://castlerockbreads.com/

大人気の“尾道プリン”「おやつとやまねこ」

「1泊2日パンの旅」ではあるけれど、せっかくの尾道来訪なので、尾道で大人気のプリンも食べてみた。尾道駅を出てアーケード商店街に向かうとすぐに人だかりが見えるから、場所は分かりやすいはず。

おやつとやまねこ

プリンが買えるのはおやつとやまねこ。お店の名前に「ねこ」が入っているのが猫の多い街・尾道らしい。

尾道プリン

昔の牛乳瓶のような容器に入っている「尾道プリン」。付属のレモンソースがお魚の形のしょうゆさしに入っていて、見た目だけでもかなりかわいい。

尾道プリン

持ち帰りももちろんできるのだけど、お店の前のベンチでいただくことに。まずは純粋にプリンだけを堪能。濃厚に鼻腔をくすぐる香り、卵のクリーミーさ。柔らか過ぎず存在感ある弾力。

レモンソースをかけて

油断するとそのまま一気に食べて終わってしまいそうだったので、慌ててレモンソースをかけて食べてみる。個人的にはレモンソースでギュッと味が引き締まり、この味わいの方が好きだと感じた。

おやつとやまねこ
住所:広島県尾道市東御所町3-1
TEL:0848-23-5082
営業時間:10:00~19:00 月曜休(月曜が祝日の場合は火曜休)
公式サイト:http://www.ittoku-go.com/oyatsu/01.html

定番はネジパンとこしあんのあんぱん、大正5年創業「住田製パン所」

2日目は、早朝からフェリー「尾道渡船」を利用して向島(むかいしま)へ渡る。平日の昼間は約10分間隔ぐらいで船が出ていて、学生はもとより市民の生活の足になっている。渡航時間は5分程度と短い船旅。

尾道渡船

造船が栄えていた街ということもあり、尾道では至るところにガントリークレーンが見える。それを背景に、船の中で勉強している子や友達と談笑している子、スマホに集中している子などを見ていたら、「これはドラマになるよなー」と妙に感慨深くなった自分がいた。

住田製パン所

向島の富浜から徒歩15分程度のところに、大正5年(1916年)創業の住田製パン所はある。総菜パンと菓子パンがメインで、昔から人気のツートップはこしあんを使う「あんぱん」「ネジパン」の2つ。

あんぱんとネジパン
あんぱん(左)、ネジパン(右)

ネジパンは俗にいうツイストドーナツ。店内で販売されていたサイダーもどうしても飲みたくて、お店の隣にあった簡単なテーブルで食べさせてもらった。あんぱんの生地が柔らかく、こしあんとパンとの一体感が良くて、あっという間にペロリ。

店内で販売されていたサイダーと共に

サイダーの瓶は返却しなければならないので一気に飲んだが、結構ボリュームがある。後でお店のお母さんに「よくあのサイダー飲みきったね」と言われてしまった。

お店のお母さんは、ひと言でいうなら「あたたかい人」だ。尾道の素晴らしさも教えてくれつつ、旅人である私との会話にもフラットな気持ちで受け答えてくれた。そして、最後には元気をもらって帰ってきた。お店でお会いできてよかったと思える出来事だった。

住田製パン所に行ってみてあらためて思ったのは、私はツアーなどで観光地を巡る旅行ではなく、徒歩や公共の交通機関を使って自分が行きたい場所を巡る旅が好きだということ。その土地の息吹を肌で感じることができるから。

住田製パン所
住所:広島県尾道市向島町24-1
TEL:0848-44-0628
営業時間:6:00~19:30 年中無休
公式サイト:http://www.sumidapan.jp/

瀬戸内の素材を生かす「ButtiBakery」はスタイリッシュな店舗

ButtiBakery

尾道らしい観光スポットへ向かう前に、宿泊していたホテルの近くにある複合施設「ONOMICHI U2」へ足をのばした。倉庫だった場所をリノベーションしたレトロな雰囲気が素敵。

海に沿って横長に建つその施設には、ホテル、ライフスタイルショップ、カフェ、サイクリングショップ、そしてもちろんお目当てのベーカリーも入っている。ちなみに「U2」という名前は、海運倉庫として使われていた当時の名称「県営上屋2号」から付けられたそう。

ButtiBakery店内

そのお目当て、広島弁で「とても」を意味する「ぶち」から名前が付いたButtiBakeryの店内は、黒を基調にしていてとてもスタイリッシュ。パンには天然酵母のルヴァン種を使用しているとのこと。総菜パンも多く、旅行者の食事としてはうれしい。

「瀬戸内のものを大切にしたい」とのことで、瀬戸内産の温州みかんを使ったみかんジュースなども充実していた。早速、パンとジュースをテラス席でいただくことにした。

テラス席でいただくUSHIOカカオのパン(手前)、ベーコンと大葉のエピ(奥)

選んだのは、人気のパンベスト5の中にも入っているという「ベーコンと大葉のエピ」。じゅわりとうま味が広がるベーコンに大葉の苦味がちょうど良い。エピは少しづつ食べることができるので大好きなパンの一つ。

もう一つ選んだのは「USHIOカカオのパン」。向島にあるチョコレート工場「ウシオチョコラトル」のカカオとカカオニブ(カカオ豆を砕いたもの)を使用しており、甘すぎず大人なテイスト。そして温州みかんジュース、美味しかった。

ButtiBakery
住所:広島県尾道市西御所町5-11
TEL:0848-21-0564
営業時間:9:00~18:00(月曜〜金曜)、8:00~19:00(土曜、日曜、休日) 無休
公式サイト:https://www.onomichi-u2.com/buttibakery.html

メロンパンこと“サンライズ”がふんわり柔らかい「パンのなる木」

尾道駅から尾道本通りのアーケードを通って横丁を海方面に向かうと、「パンのなる木」が目に入る。そばまで来るとパンの良い香りがするので、鼻でも場所が分かると思う。

パンのなる木

店内のパンのラインアップから、地元に根差し、毎日の食卓を彩っているのが想像できる。それは、奇をてらったパンというよりは、老若男女みんなが好きなパンが多いから。広島産の小麦を使うなど素材へのこだわりも感じる。

パンのなる木 店内

メロンパンのことを西日本では「サンライズ」と呼ぶことが多いそうだ。せっかく広島に来たのだからと、サンライズと名付けられたメロンパンを買ってみた。

サンライズ

さっくりふんわりしていて柔らかくて、美味しい! 実はもそもそするパンはあまり得意でないのだけれど、これは口どけが良い。海を目の前にして食べるそれは最高の贅沢だ。

パンのなる木
住所:広島県尾道市東御所町3-23
TEL:0848-24-1517
営業時間:7:00~19:00 火曜・水曜休
公式サイト:http://www.pannonaruki.com/

坂道の上にある小さなかわいいパン屋さん「ネコノテパン工場」

さて、そろそろ尾道といえば……! の坂道エリアに突入。一段一段は緩やかなのだけれど、後々、足にくる石段。

ごろんと寝ている人懐っこい猫たち

途中でごろんと寝ている人懐っこい猫たちに癒やされながら向かったのは、「ネコノテパン工場」。

ネコノテパン工場

Google マップを頼りに向かっていたのだけれど、途中で「この後どうやって登れば良いのだろう?」と分からなくなり、すれ違った人に聞いた。すると彼も旅行中で、「ちょうど昨日行ったところ」とのこと。行き方を丁寧に教えてくれた。

ネコノテパン工場 店内

これまで国内外いろいろなパン屋さん巡りをしてきたが、ここほど小さい店舗は見たことがない。坂の途中にあり、店内には1人しか入れない。女性2人で製造・販売をしているのが店内からも分かる。

懐かしい雰囲気があるのだけれど、どこかかわいい、そんなお店。小ぶりながらも食事パンから甘めなパンまでそろっている。

ネコノテパン工場 パン

もう何軒もパン屋さんを巡っているので、マイルールと異なるパンの選び方をしようと思い、純粋に自分の好きな「ピザ」「クイニ―アマン」を選んだ。お店には食べるスペースがないので、この2つはテイクアウトすることにした。

ネコノテパン工場
住所:広島県尾道市東土堂町7-7
TEL:050-6864-4987
営業時間:10:00~夕暮れ 火曜・水曜休
公式サイト:https://pan.catnote.co.jp/

映画『転校生』で主人公が入れ替わった石段のある「御袖天満宮」

一度坂の下まで戻り、向かったのは御袖天満宮(みそでてんまんぐう)。そう、冒頭でも触れた大林宣彦監督の映画『転校生』の舞台になった場所。

「広島県・尾道市。斉藤一夫は8ミリ好きの中学三年生で、悪友たちと女子更衣室をのぞいたり悪ガキぶりを発揮するごく普通の少年である。そんな彼のクラスにある日、斉藤一美という、ちょっとキュートな少女が転校して来た。
(中略)
その日の帰り道、神社の階段の上で、一夫はつきまとう一美めがけてコーラの空缶を蹴飛ばした。驚いた一美は階段から落ちそうになり、一夫は押さえようと抱きつくが、二人はそのままころげ落ちた……。しばらくたって二人は意識をとり戻し、それぞれの家に帰るのだが、二人の体が入れ替っていることに気がつき、愕然とする。」
(映画.com https://eiga.com/movie/37980/ よりあらすじを引用)

御袖天満宮

子どもながらに、映画に出てくる尾道の雰囲気ある街並みに心引かれ、いつか行ってみたいと思い数十年。当時はまさかパンをメインにした旅で訪れるとは思っていなかったけれど、長年の夢がやっと叶った。

カボチャのクイニ―アマン

石段の上から尾道の風景を背景に、先ほど買ったネコノテパン工場のパンの写真をパシャリ。もちろん、パンはこの場所では食べずに、海側周辺にたくさんあるベンチの一つに腰掛けて、ゆっくりいただいた。

カボチャのクイニ―アマンは、キャラメリーゼと中のしっとりのバランスが良く、ほんのりカボチャの甘味も感じおやつにもピッタリ。ピザはクリスピータイプでさっくりした食感。具材の味が直接感じられ、ペロリと食べ切ってしまった。

御袖天満宮
住所:広島県尾道市長江1-11-16
TEL:0848-37-1889

千光寺山ロープウェイで尾道の街、海、島々を一望

そろそろ尾道の旅も終盤へ。今回、パン屋さん以外に行こうと思っていたスポットは、御袖天満宮ともう一つ、千光寺山ロープウェイ。

千光寺山ロープウェイ

片道320円。往復500円で行って帰ってくることもできるが、せっかくなので30分ほどかけて千光寺も参拝し、ゆっくり降りてくることにした。

片道320円。往復500円

ロープウェイは15分おきの運航で、ガイドの方が同乗してくれる。尾道全体を見渡せるその風景は圧巻。海の向こうには島々が見える。今回は向島にしか行けなかったけれど、周辺の島を巡ってみるのも楽しそうだ。

千光寺山ロープウェイからみた風景

途中、尾道市立の「おのみち文学の館」などもあったが、2日目は坂を上ったり下ったりでが疲れていて、今回は訪問せず。おのみち文学の館には小説『放浪記』を書いた作家・林芙美子の復元された書斎などもあるようなので、次回来ることがあったら寄ってみたい。

千光寺山ロープウェイ
住所:広島県尾道市東土堂町20-1
TEL:0848-22-4900
営業時間:9:00~17:15(イベントによる運転時間延長あり) 無休
公式サイト:http://onomichibus.jp/ropeway/

レトロな内装で給食を思い出す「あくびカフェー」

遅めのランチも兼ねて、尾道で最後に立ち寄ったのは「あくびカフェー」。アーケード商店街の中にある、旅と学校をテーマにした「レトロ喫茶」兼「交流スペース」。廃材や古材を駆使して、古い木造建築の小学校をイメージした内装になっている。

店内にある本棚は、小学校のげた箱(名前シールがうっすら見えるくらいそのままの状態)を再利用している。お店の方の話によると、「このげた箱、私が使っていたものです」と名乗り出てくれたお客さんもいるのだとか。

あくびカフェーのスプーン

また個人的に気分が上がったのが、スプーン。フォーク替わりにもなるようにと、昔のスプーンは先が尖っている。

小学生の頃に使っていた給食のスプーンが思い出された。初めての場所なのに、妙に懐かしい気持ちにさせてくれるカフェ。

いや、ノスタルジックな気分に浸りたいためだけにここに来たのではない。こちらのトーストセットの食パンは、先述したネコノテパン工場のパンなのだ。

トーストセット

トーストセットは4種類あり、好きなトースト1種類、オニオンリングとフライドポテト、ミニサラダ、おやつ、ドリンクで750円から。

100円プラスすると尾道レモントーストにできるので、そちらをオーダーした。甘酸っぱいレモンピールが折り込まれていて、厚切りにカットされ、こんがり焼かれている。最初はそのまま、2枚目は生クリームをつけながら美味しくいただいた。

あくびカフェー
住所:広島県尾道市土堂2-4-9
TEL:050-5240-3127
営業時間:月曜~水曜、金曜11:00~18:00 土曜・日曜・休日11:00~17:00 木曜休
公式サイト:http://anago.onomichisaisei.com/?page_id=446

1泊2日の「パン」がテーマの尾道旅を振り返ると、アーケード商店街の中に美味しいパン屋さんが多く、うわさ通りパン屋激戦区だと感じた。お互いが切磋琢磨していて、どのパン屋さんでも美味しいパンをいただくことができる。

そして、尾道のパン屋さんは、平坦な道が続くエリアにギュッと集まっているので、歩きやすい。どのお店も、JR尾道駅から徒歩20分圏内。街巡りとセットでパン屋さん巡りも楽しめる。そして、尾道は至るところにベンチがあるので、“外パン”がしやすい。外で食べるパンはイートインとはまた違った美味しさがある。

尾道のパン屋さんが都内のお店と違っていたのは、広島の名産品であるレモンや地元のチョコレート工場のカカオを使うなど、地元愛、地域愛を感じるパンが多かったこと。都内で食べられるパンももちろん美味しいけれど、「旅するパンマニア」として国内あちこちへ足を運ぶのは、こういうパンに出合いたいからだ。

そして、「広島って思っていたよりも近いな」と感じることができた。なにより街の人が優しい。しまなみ海道はサイクリングコースとしても有名だからか、サイクリングショップ(レンタサイクル含む)が充実している。次回は自転車を借りて、向島以外の島のパン屋さんを巡るのも楽しそうだ。

文:片山智香子……国内外を旅し、食べ歩いたパンは1万個以上。全国のパンを紹介する日本最大級コミュニティー「パン屋さんめぐりの会」を主宰。著書に『ボウルで3分こねるだけ!ラク!早!カンタン!おうちパン』(学習研究社)、『愛しのパン』(洋泉社)がある。パンマニアとしてテレビや雑誌など数多くのメディアに出演。

編集:はてな編集部

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