【山梨・東京】常に富士山が見える街・富士吉田で、二拠点居住体験をしてみた
働く場所の制約がない、フリーランスの編集・ライターとして働いていると、つい出不精を発揮して自宅作業が多くなってしまうもの。
一日中、一度も家から出ないなんて日も珍しくなく、何とも変わり映えしない空間で働いている。景色にも見飽きてしまい、外に出ても気分転換にならないことが多い。
自宅から15分程度移動すれば渋谷にだって出られる。しかし、どうしても人混みは苦手だ。行ってみて後悔して、また自宅に引きこもるなんてサイクルを繰り返している。
「あー部屋の窓から富士山とか見えないかなあ……」なんて考えてGoogleで検索してみたりもする。優雅に景色を楽しみながら仕事をしてみたい。原稿に行き詰まったとき、深呼吸で取り入れた空気がおいしかったらめちゃくちゃリフレッシュできそうじゃないか。
そこでふと思う。あれ? じゃあ行けばいいのか。
ということで向かったのは山梨県・富士吉田。
富士山が常に見える街。ここでなら、ふと窓を見上げたら富士山が見えるというシチュエーションを実現できるはず。
調べたところWi-Fi環境は問題ないので、打ち合わせはオンラインで済ませればいいし、それ以外の時間は大自然の中、原稿執筆に集中できる最高の場所なのでは? 場所の制約がないライターだからこそだが、ちょっとした二拠点居住体験として3日間、富士山に見守られながら仕事をしてみることにする。
東京からバスで2時間弱という好アクセスの富士吉田
富士吉田はまずアクセスが良い。
都内で打ち合わせに参加した2時間後にはもう富士山の近くのカフェで仕事している、というスピード感が実現可能。実際、この日は午前11時に打ち合わせを一件こなしたあと、そのままの足でバスタ新宿に行き、お昼は富士吉田で食べた。
駅がかわいい。
ゲストハウスのチェックインまでには時間があるので、少し散策をしようかと思ったが、オンラインミーティングの時間が迫る。まずは仕事場所を確保しなくては。
少し調べてみると「富士山に一番近いスタバ」という強すぎるワードを発見。さっそく富士山を見ながら優雅に仕事というシチュエーションを実現できるかもしれないと思い急いで向かった。
これが「富士山に一番近いスタバ」。生憎、富士山に雲がかかってしまい、はっきりとは見えなくなってしまった。
それでもなんとなく雰囲気は伝わるだろうか。撮影用に画面は隠したが、富士山を眺めながら優雅にオンラインミーティングをした。
この日はそのまま日が暮れるまでここで仕事。富士山に一番近いスタバで気取りながら仕事をするのに、MacBookだと少し鼻につく人もいるかもしれないが、僕のPCはmouseなのでセーフ。むしろ好感度が上がりそう。
スターバックス富士吉田店
電話番号:0555-30-4511
営業時間:07:00~23:00
夜は飲み屋街になる富士吉田
昼間は閉まっているお店が多かったのだが、夜になると雰囲気が一変。呑兵衛が多そうな街の表情が垣間見える。
「新世界乾杯通り」は、かつて繁華街としてにぎわっていたエリア。当時の活気を失っていたところを、現在は空き家をリノベーションして新しい飲食店が続々とオープンしているそうだ。「COMING SOON」と書いてあるように、今後もお店が増えていくのだろう。
路地にはレトロな雰囲気が残っており、歩くだけでも楽しい。
今回、拠点として滞在するゲストハウスは『HOSTEL SARUYA』。
富士吉田はもともと機織りの街、入り口にかけられているのれんにはリネンが使用されている。
部屋はこちら(写真は朝に撮影したもの)。のれん同様、シーツなどもリネンを使用。リネンは使い込むことで風合いが出るので、寝具のような生活に密接したものに使うのはとても良さそうだなと思った。
HOSTEL SARUYA
TEL:0555-75-2214
富士山の見えるコワーキングスペースに向かう
朝が来た。
今日はゲストハウスの人に教えてもらった「富士山が見えるコワーキングスペース」で仕事をしようと思う。昨日の夜、「窓から富士山が見えるような場所で優雅に仕事をしたいんですけど、良いところありますか?」という質問をした。いま思うと頭悪そうなことを言っている。
ゲストハウスを出てすぐの道がこの景色。ここから、富士山の方向へ歩き、富士山駅の方を目指す。
そのつもりで来たので当たり前ではあるのだが、どこを歩いていても富士山が大きく見える。本当にすごい。いまだに慣れずに圧倒される。
俄然、富士山が見えるコワーキングスペースへの期待も高まるが果たして……。
ここが、富士山が見えるコワーキングスペース「anyplace.work 富士吉田」。
いや、すごい。思っていた以上に「富士山が見えるコワーキングスペース」だった。
机には小窓がついていて、開けるとこの通り。よりクリアな視界で富士山を捉えることができる。
解放感が半端ない。富士山がはっきりと見えすぎて銭湯なのかと錯覚するが、間違いなく本物の富士山である。
2018年9月14日にオープンしたばかりの「anyplace.work 富士吉田」だが、働くスタッフは全員、山梨と東京の二拠点生活とのこと。
コワーキングスペース内は、富士山が大きく見える開放的な「ワークエリア」のほか、作業に集中できる「個人ブース」、打ち合わせに利用可能な「ミーティングルーム」などもある。
正直なところ、このコワーキングスペースで作業できることを考えると、山梨と東京の二拠点生活、かなりアリだ。
anyplace.work 富士吉田
営業時間:9:00〜17:00
公式ページ:https://anyplace.work/
※休みの日は、公式ページに記載
富士山が見えなくなるとちょっと心細い
せっかくなので周辺も回ってみようと思い、富士山駅から電車で5分、河口湖へと向かう。
途中、急遽オンラインミーティングが入ったが、Wi-Fi完備のカフェは多い。東京じゃなくても仕事に支障は出ないことを再確認。
ここらへんまで来ると、割となじみ深い河口湖の風景。
ここまで来てから初めて気づいたが、このあたりは高い山に囲まれていて富士山が見えない。
さっきまで常に感じていた富士山の異様な存在感。「見えなくなったなあ……」なんて路地を曲がると急に富士山が現れたりするの、「トイレから出たら上司がいた」ってくらい緊張していたのだけど、こうも急にいなくなると寂しくなる。
あんなにしつこかったのに急に何だよと言いたくなる。
結局、少しセンチメンタルな気持ちになってしまい富士吉田に戻った。
夜は地元の人に教えてもらった、このあたりで一番ディープな居酒屋へ。
外観から漂う間違いない雰囲気。ここはほんとうに最高だったのだけど、実際に行ってみてほしいので、あえて中の写真は見せない。
看板に書いてある店名をもとに、各自調べてほしい。次に近くに来る機会があれば確実にもう一度行く。
朝の富士山はマジで美しい
ゲストハウスにて、「富士山を撮るなら朝がいいよ」と聞いた。早朝、寝ぼけ眼で外に出てみて、これが見えると一気に目が覚めた。圧倒的富士。
東京で暮らしていると感じることはないが、自然ってすごい。自然というよりは大自然と呼ぶ方がしっくりくるこの神々しさ。寒さを忘れて見上げてしまった。
空のコンディションが抜群のため、東京に帰る前にもう一度「富士山に一番近いスタバ」にチャレンジしようと思う。
朝食を食べ、荷物をまとめてから外に出る。また一段と綺麗になった富士山を正面に見据えながら歩く。
しつこいようだけど富士山が本当にすごい。こんなにはっきりと富士山を見たのは初めてかもしれない。
やはり期待通りの絶景。リベンジできて良かった……。ゆっくり作業を終えると、バスの時間に合わせて外へ出た。
富士山が見える生活
富士吉田で生活をする人たちに話を聞くと、「やっぱりずっと見ていると富士山のある景色にも慣れる」のだという。
それじゃあ富士吉田の人にとって富士山って特別じゃないのか……と寂しく思うも、旅行先など富士山が見えない場所から富士山が見える場所に戻ってきたときには「ああ、帰ってきたなあ」と安心感を覚えるそう。
それに、慣れるからこそ見えてくるものもある。こんなにも広大な富士山も、毎日見ているとその表情が分かるようになるのだとか。それだけ富士山が生活に根付いた街が、富士吉田。
東京に戻り、この日は友達のシェアハウスにお邪魔して、原稿執筆を進めた。
ありえるはずがないと思いつつも、時々、窓の外を見上げてしまう。
富士山、見えないかなあ。
文=早川大輝 写真=土田凌
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