札幌居住歴10年の地元民が「裏・札幌」な知られざる名店を紹介

札幌居住歴10年の地元民が「裏・札幌」な知られざる名店を紹介

はじめまして。北海道・釧路で生まれ育ち、札幌に住んで10年になるかんそうと申します。

突然だが、皆さんは北海道・札幌に何を求めるだろうか。キレイな空気、キレイな景色、キレイな男女、数多あるかと思うが、やはり「食」、うまいメシを求めるという人間は多いのではないだろうか。

では、その食に求めるものとは何か。「札幌」というワードから諸兄姉らが連想するのは、海鮮、ジンギスカン、スープカレー、ラーメン、そんなところだろう。non,non,non……「本当にうまい札幌のメシ」の真髄というのは、海鮮を食べずして海鮮を感じる、ジンギスカンを食べずしてジンギスカンを感じる、そうすなわち「札幌を食べずして札幌を感じる」というところにあるのだ。

今回は、地元に住む人間だからこそ知っている、「本当にうまい北海道・札幌のメシ」が食える店を紹介したい。「札幌を食べずして札幌を感じる」この言葉の意味が1ミリも分からない、という読者諸兄姉も、この記事を読み終わるころにはその全てを知ることになるだろう。真実の扉がいま、開かれる。

究極のドイツ料理専門店「エッセンサッポロ(ESSEN SAPPORO)」

まずは札幌市豊平区平岸に本店をかまえるドイツ料理専門店「エッセンサッポロ」だ。「北海道グルメだっつってんのにドイツ料理とか正気かコイツ」そういう声が聞こえてきそうだが、手に持った銃を下ろしていったん聞いていただきたい。札幌とドイツミュンヘンはほぼ同じ緯度にあり、「札幌とはドイツ」そう言っても過言ではない。マナとカナ、ヤン坊とマー坊、タッちゃんとカッちゃん、札幌とドイツなのだ。

エッセンサッポロ 自家火炙り焼きピッツァ
自家火炙り焼きピッツァ(680円~)

エッセンサッポロのメニューには、豚のすね肉を溶けるほど煮込んだ名物料理「アイスバイン(780円)」やトルティーヤ生地にチーズと具材をたっぷり乗せた「直火炙り焼きピッツァ」など、ボリューミーかつ豪快なドイツ料理が名を連ねる。そしてそのどれもが異常に安い。特にドリンクはアルコール含め全品290円という採算度外視の価格設定。私はだいたい1人で訪れることが多いのだが、ビール3杯、フード4品食べても3000円を切るほどだ。

エッセンサッポロ カリポメ

個人的なオススメは極太ソーセージとカリカリのポテトに、ケチャップ・カレー粉・サワークリームをトッピングした最強のつまみ「カリポメ」(380円)。酒樽、酒ビンなどが無造作に置かれた木を基調とした店内は映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』に出てくるような「酒場」を思わせ、そこでゴツゴツとした肉料理を食べながら、ビール(中ジョッキ・290円)とともに口の中に流し込むと、まるで自分が「海賊」になったかのような感覚に陥る。

さぁ、今夜も航海を始めよう。

エッセンサッポロ 平岸本店
住所:北海道札幌市豊平区平岸3条10丁目1-1 第52松井ビル1F
TEL:011-827-0178
営業時間:ランチ 11:00〜15:00(LO14:30)、ディナー 17:00〜23:00(LO22:30)※日曜のみ〜22:00(LO21:30) 月曜・火曜ランチ休
公式サイト:https://www.essen-sapporo.jp/

進撃の焼き鳥屋「ジャンボやき鳥 ちねん」

その名のとおり人間離れした「ジャンボ」なサイズの串焼きが堪能できる居酒屋「ジャンボやき鳥 ちねん」。串焼きだけでなく、もちろん定番の居酒屋メニューがそろっているほか、沖縄出身のマスターの本格沖縄料理も楽しむことができる。「いや北海道グルメだっつってんのに沖縄料理って(略)」の声。笑止。極寒の地で極暑の料理を食べる、これこそが「生きる」ということなのだ。

ジャンボやき鳥 ちねん 鳥精肉3本・もちベーコン2本
鳥精肉3本(360円)・もちベーコン2本(390円)

ジャンボやき鳥 ちねん 豚精肉2本
豚精肉2本(360円)

強火で一気に焼かれた肉からキラキラと光る「喜び」という名の脂。鶏たち、豚たちの「ありがとう……!おいしく焼いてくれてありがとう……!」という声がいまにも聞こえてきそうだ。「命を喰らい、生きる」。その本当の意味に気づくことができるのは、ちねんだけなのかもしれない。

店内はまさに「昔ながらの居酒屋」といった雰囲気で、大将や女将さんの人柄がとても温かく、一瞬「あれ?実家???」と錯覚してしまうほど居心地がいい。人と人との関わりが希薄になっている現代において、私たちが忘れかけてしまっている大切なものを思い出させてくれたような気がした。またここに帰ってきてもいいかな……?

ジャンボやき鳥 ちねん
住所:札幌市豊平区平岸3条13-7-10
TEL:011-816-0502
営業時間:17:00~24:00(LO23:00) 月曜・第2火曜休
公式サイト:http://yakitori-chinen.com/

モツの踊り場(ダンスホール)「芋の華」

中央区北2条にある「芋の華」。ここは九州・沖縄から直送された食材を使い、極上の九州料理や沖縄料理を提供してくれる居酒屋だ。「だから北海道グルメだっつっ(略)」そういう愚問は芋の華のモツを一度食べてからにしていただきたい。

芋の華 白のモツ鍋
「白のモツ鍋(1,274円)」

言うなれば、ここまさにモツの踊り場(ダンスホール)。数多あるメニューのなかでも私が虜になった1番の踊り子は、京都の白みそや西京みそなど数種類のみそをブレンドした「白のモツ鍋」。プリプリの白モツは、口に入れた瞬間に「旨味」という名のダンスを踊る。そのダンスは人々を熱狂の渦に引き込む情熱のダンス。甘めでコクのあるスープとの相性はまさに、モツ子と味噌男のタンゴ。

最高のステージがいま始まる。

芋の華 北2条店
住所:北海道札幌市中央区北2条西3-1-34 正門館ビル1F
TEL:011-281-1662
営業時間:17:00〜24:00(LO23:30) 無休
公式サイト:https://feast-imonohanakita2.owst.jp/

天国と地獄の狭間「おにそば 豚退治」

最後に紹介するのは、そば屋「おにそば 豚退治」。この店を一言で表すと「シャバに出て一番最初に食べたい店」だ。本能レベルで欲してしまう蕎麦、それが「おにそば」なのだ。

おにそば 豚退治 普通盛り

写真を見ていただいてもわかるとおり、そばと肉の盛り方が人間のそれではない、恐るべきはこれで「普通盛り」だということだ。まさに鬼の所業。その名も数量限定の「豚盛り背脂地獄(880円)」。そば屋はこの世に数あれど、品名に「地獄」と冠しているのはここだけだろう。ドロドロの背脂めんつゆと甘辛い豚肉、そして極太の麺。不味いわけがない。自覚ある地獄、それは食べる側にとっては時に「天国」にもなる。

店員も鬼の名に恥じぬ筋骨隆々の屈強な方々が働いており、滝のような汗をかきながら地獄の釜で金棒を振るかの如く蕎麦を茹で、肉を茹でる彼らの姿が、私には本当の意味での「鬼」に見える。彼らがふるまう蕎麦には一切の妥協がない。

そう、彼らは「お客様に最高のそばを食べてもらいたい」という揺るぎない信念を持った「料理の鬼」なのだ。

おにそば 豚退治
住所:北海道札幌市中央区北1条西7-1-5-23 あおいビル1F
TEL:090-4878-2888
営業時間:11:00~15:00、16:00~20:30 日・祝休
公式サイト:https://www.facebook.com/Onisobabutataiji/

札幌は、「表」と「裏」二つある

海鮮、ラーメン、ジンギスカン、スープカレーを「表・札幌」とするならば、今回紹介した店はいわば「裏・札幌」。

今回紹介した店舗はどれもアクセスが良く、札幌市営地下鉄南北線に乗ることで簡単に行くことができる。裏の世界は諸兄姉らのすぐ近くにある。光と影、コインの裏と表。そう、「表・札幌とは裏・札幌」なのだ。これが「札幌を食べずして札幌を感じる」の本当の意味だ。

そしてもうひとつ、裏の世界での戦いを終えて一日の疲れを癒やす寝床は、地下鉄「北12条駅」周辺にするといい。

アパホテル東横インホテルマイステイズなどの全国展開するビジネスが目と鼻の先にあり、「眠らない街」という印象のある札幌市において唯一「永遠に眠る街」と言っても過言ではないほど「無」がそこには広がっている。隣駅が「札幌」だというのが嘘のような静けさだ。食べ疲れきった胃袋を癒やすためにはまさにうってつけのオアシス。砂漠に咲いた一輪の花。

表の世界だけで満足するか、裏の世界に足を踏み入れるか。全ては諸兄姉しだいだ。

文:かんそう……ブログ『kansou』管理人。寒空にマッチを一本灯すような「ホッとする」文章を綴っています。

編集:はてな編集部

 

※記事初出時、宿泊エリアの説明において、駅名の誤りがありました。読者からの指摘により1月30日12:20に修正いたしました。訂正して、お詫びいたします。ご指摘ありがとうございました。

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