投稿者 : トラベル ライター、投稿日 2019 年 1月16日

「1カ月に10回以上の出張」を18年 “出張観光” を楽しむコツと大阪のグルメ情報を教えます

はじめまして、ジェイです。

出張族を名乗るようになって、かれこれ18年がたちました。きっかけは「グローバルで活躍!」という踊り文句につられて26歳で最初の転職をし、半導体商社のFAE(フィールドアプリケーションエンジニア)といういわゆるサポートエンジニアになったことでした。入社後すぐ関西地区の担当になり、毎週2〜3日を大阪や京都、九州、四国などで過ごすうちにすっかり出張が生活の一部になりました。その後3度の転職と職種の変更を経ても生活基盤は変わることなく、現在も海外出張は年6〜8回、国内出張は毎週1〜2回という毎日を送っています

そんな私が「出張族」という特権を最大限に生かして楽しんでいるのが、合間合間の観光時間。今回は出張先で仕事が片付いたあとや休憩時間に過ごす楽しい時間、名付けるなら「出張観光」を楽しむコツと、普段私がよく訪れている大阪のおすすめ飲食店などを紹介します。

出張観光のコツは「仕事を効率化し、いかにスキマ時間を作るか」

仕事を効率化し、いかにスキマ時間を作るか

まずは私にとっての「出張」を定義したいと思います。勝手な定義ですが、私が「出張」という言葉を使うときは「普段通っているオフィスから直線で100km以上の移動を伴う外出」を指しています。日帰りか宿泊かは問いません。これは出張族としてデビューした最初の転職先の社内規定がベースになっているのですが、恐らく多くの日本企業でこのような基準を採用されているのではないかと思います。

そして「出張族」とは「1カ月に10回以上の出張」をすることと定義しています。1カ月の業務日数はだいたい20〜22日なので、およそ50%程度出張をしているという状況ですね。

一見少なそうに見えなくもないですが、これだけオフィスを空けるとなると結構いろんな業務が滞るので、仕事のやりくりスキルを自ずと上げていく必要が生じてきます。最近はスマホでもメールが処理できますし、ノートPCを開けばなんでもできちゃいます。新幹線などでの移動時間やアポの合間にできるだけ効率よく処理すべきことを片付ける(もしくは段取りを付けておく)など、スキマ時間確保への努力は欠かせません。移動時間に寝ちゃうのはもったいない!

また、いろんな所に行けるとは言いつつも、もちろん出張は「仕事」です。出張先で業務をこなす、問題を解決する、新しいビジネスを決めるというのは当たり前にやらなくてはいけないもの。そんな中、いかにスピーディに業務を終え、観光の時間を作り出すか? という点がポイントになるかと思います。

私は幸い、いわゆる成果主義を前面に押し出している外資系企業に勤務しているので、予定を決める自由度に恵まれています。過去、日系企業に勤務していた頃は事前の出張申請や、出張後のレポート提出など付加的業務が多くスキマ時間の確保が大変でした。

その頃は、例えば宿泊を伴うような出張のときはせめて業務終了後〜寝るまでの時間や、早朝の業務開始前時間を利用し、その街の魅力を見聞きする時間を作り出すなど工夫をしていました(私は出張先の早朝ランニングも大好きなんです)。

あとは移動経路を考える際に、噂のランチスポットや魅力的な観光スポットを楽しむ時間を作り出すこともできますね。このあたりのマインドセットは、小学生の頃に入っていたクラブ活動「地図上旅行部(社会の授業で使う地図帳と全国時刻表を使い、地図上で日本全国を旅する活動)」での経験が今でも色濃く残っているからかもしれません。

ホテルは「疲労回復」と「立地」を重視

出張が続くと自ずと疲労がたまるものです。よって宿泊を伴う出張の際は、疲労回復を重視したホテル選びがポイントになります。しっかりしたホテルでしっかり休むことは、環境が変わっても落ち着いて仕事に集中できる体力にもつながります。

私はマッサージを受けるのがあまり好きではないので、大浴場があるホテルによく宿泊しています。広い浴槽に浸かり、足を伸ばしてのんびりするだけでも、1日の疲れが癒やされ、リラックスできます。体がしっかり温まると慣れないベッドでも寝付きがよくなります。

ホテルを選ぶ際は「立地」も重視します。宿泊を伴う出張の際は、お客さまを接待をする(場合によっては接待される)ケースが多々あります。そのため繁華街の近く、例えば出張頻度が多い大阪だと梅田・北新地周辺のホテルをよく利用します。

ほか、京都であれば京都駅周辺が多いです。京都は街中を走るタクシーの台数が多いですし初乗り運賃もリーズナブルなので、チェックインしやすく繁華街にも行きやすい駅前が便利です。一方、博多や小倉に泊まる際は繁華街にあるホテル一択。九州は大阪や京都に比べると行く機会がそれほど多くないので、繁華街に泊まり全力で現地を楽しむようにしています。

大阪出張の楽しみに! 出張族がおすすめする「大阪グルメ&バー」

先ほども少し触れたように、国内での出張は大阪を訪れることが多い私。仕事が終わったあと、若い頃はミナミ(道頓堀や心斎橋、難波など)で騒ぐのが楽しかったのですが、大人になった今ではキタ(北新地や梅田、曽根崎など)でおいしいものを食べ、2次会でお客さまがお気に入りのラウンジなどに向かうというのが鉄板コースになりました。よって自ずと北新地エリアのお店情報に厚みが増していくという好循環が発生するように。北新地というと、皆さまのイメージ通り高級なお店がたくさんあるのですが、意外にリーズナブルなお店も多く、接待以外で使うこともできる良いお店の宝庫です。

ところで、あまりその土地に詳しくない場合、どうやって気に入るお店を見つけるのがいいと思いますか? 私の場合、最初にお店を知るきっかけは、例えばお客さまの紹介やSNSでの発見などです。大事なのはここから。訪れたお店の方に、さらにおすすめのお店を紹介してもらうというのが、実は一番良い方法だと思っています。

お店の方におすすめを聞くときは、「訪れているお店とジャンルが異なる飲食店」について聞くのがポイント! 同じジャンルのお店について聞くとライバル意識がむき出しになることがあるのですが、異なる場合はお店の方が普段リラックスした状態で楽しんでいるおいしいお店を紹介してもらえるチャンスが増える、という経験則があります。

それでは出張族である私が大阪で見つけた、お気に入りのお店をいくつか紹介させていただきます。

出張だから、のぜいたくにピッタリな「トリュフ蕎麦」

トリュフ蕎麦わたなべ」という店名通り、高級食材であるトリュフをふんだんに使った料理が満喫できます。このお店を知ったきっかけは、取引先に催していただいた接待。それ以降、大きなビジネスが決まったときの自分へのご褒美や、自分が大事なお客様を接待するときなど、とてもお世話になっています。

お店は北新地の雑居ビルの奥まったところにひっそりと佇んでいて見つけにくいかも? なので、地図を頼りに探してみてください。カウンター8席のみのとてもこぢんまりとしたお店です。場所柄、いわゆる「同伴」で来られるお客さんが多いようですので、狙い目の時間は20:30〜24:00くらい。この時間は「同伴」の方は本来の目的のお店に行っちゃっているので比較的静かとのことです。私はいつも「トリュフ蕎麦おまかせコース(8,000円)」を注文。アルコールを入れて1人10,000〜12,000円くらい。お小遣い制で暮らしている自分には結構な痛手ですが、たまの贅沢なので堂々と。

おまかせコースは前菜2品からスタート。季節により小鉢のメニューは異なります。

おまかせコースは前菜
お刺身と野菜をポン酢で和えたものに、黒トリュフをのせた贅沢な一品

メインのトリュフ蕎麦の前に出てくるのが「すき焼き」。コレがもう絶品!

トリフ蕎麦

生でも食べられるほど超フレッシュという牛肉、そして濃口のだし、卵、そしてもちろんたっぷり贅沢に添えられたトリュフ! 実は生卵が苦手な私ですが、ここのすき焼きは卵を絡めて食べてしまうくらいに激ウマです。

そしてメインのトリュフ蕎麦。ご覧の通りトリュフがまた山盛り。さらに金箔!

これだけで食べてももちろんかなりのうまさなんですが、添えられているバターをつけ汁に溶かすと、味がガラリと変わるイリュージョンを体験できますよ。

ぜひ、重要なお客様の接待、大切な人との思い出のディナー、自分へのご褒美、何かしらの理由を作って足を運んでいただきたいお店です。

トリュフ蕎麦わたなべ
住所:大阪市北区曽根崎新地1-5-9 谷安プレジールビル1F
TEL:06-6442-0724
営業時間:18:00~4:00(LO 3:00) 日祝休
公式サイト:https://truffle-soba.com/

串揚げ? 鉄板焼き? いえいえ「鉄板串焼き」です

鉄板神社」にはまだ一度しか足を運んでいないのですが、非常にポテンシャルを感じたのでぜひ紹介させてください。こちらもきっかけは接待。串揚げならぬ「鉄板串焼き」をカウンターで楽しめるというなんだか「?」なコンセプトで、どんなものかと伺ったところ非常に美味ですっかり気に入りました。

串揚げのお店でよくある「ストップと言うまでどんどん出てくるおまかせスタイル」がこちらのお店にもあるようですが、最初の訪問ということで人気メニューを中心に気になる串を注文させていただきました。

人気のメニューは「アスパラ豚巻き」や「しいたけ肉詰め」「手羽先」など。個人的には以下の写真にある、

キャビア串(左・500円)フォアグラのバケット串(右・500円)

「キャビア串(左・500円)」「フォアグラのバケット串(右・500円)」

う巻(260円)

「う巻(260円)」

ぎんなん(170円)

「ぎんなん(170円)」

ズワイガニのカダイフ巻(260円)

「ズワイガニのカダイフ巻(260円)」

海老パン(200円)

「海老パン(200円)」

がとても気に入りました。

好きなメニューを存分に食べて、アルコールを飲んでもひとり6,000円程度。かなりリーズナブルに創作串メニューを堪能できます。このときは接待ということで、カウンターではなく個室を用意していただいていたため、店内の喧騒というか熱気からは隔離された状況だったのですが、カウンター側での食事だと更に違う印象になったのかもしれません。私が訪れたのは北新地店ですが、大阪市内では数店舗展開されているようなので、行きやすい場所のお店に足を運んでみるのも良いと思います。

鉄板神社 北新地店
住所:大阪市北区曽根崎新地1-3-8 ぐらんぱれ壱番館1F
TEL:06-6347-2156
営業時間:月〜土 17:00~5:00(LO 4:30)、日 17:00~24:00(LO23:30) 無休
公式サイト:http://teppan-jinjya.com/

駅前にある老舗のおでん屋で出張をシメる

たこ梅」は、大阪では言わずと知れたおでん(関東煮)の名店。足を運ばれたことがある方も多いのではないかと思います。本店は道頓堀にありますが、私は出張の際のシメ的な使い方をしているので、いつも新梅田食道街の1Fにある「たこ梅 分店」で楽しんでいます。

もともとは接待でちょくちょく利用しているラウンジのママさんから「おでん言うたらたこ梅しかあらへんやろー」との紹介を同僚が受け、その同僚と一緒に足を運んだのが最初でした。あれ以来、結構な頻度でお世話になっています。

たこ梅

たこ梅の名物といえば「たこ甘露煮(1皿2串/756円)」。私も最初に必ず注文するメニューなのですが、味が染みたタコの絶妙な歯ごたえ、思い出しただけでよだれが出ちゃいます。

たこ甘露煮(1皿2串/756円)

その他いろいろとメニューがありますが、個人的には、

湯葉(左・432円)野菜ふくろ(右・432円)

「湯葉(左・432円)」「野菜ふくろ(右・432円)」

なんきん(1ヶ216円/2ヶ432円)

「なんきん(1ヶ216円/2ヶ432円)」

とうふ(162円)

「とうふ(162円)」

だいこん(右・216円)(左はじゃがいも)
冬期(12月〜2月ごろ)の「だいこん」は、聖護院大根(丸大根/324円)になるとのこと

「だいこん(右・216円)」(左はじゃがいも)

が好きです。

鯨料理も有名ですが残念ながらまだ未体験。次回出張時にはあれを食べてみよう! という気持ちがまた新たな出張へのモチベーションになるんだろうなあ。

たこ梅 分店
住所:大阪市北区角田町9-25 新梅田食道街1F
TEL:06-6311-3309
営業時間:平日 16:00〜22:50(LO22:30)、土日祝 15:00〜22:50(LO22:30) 無休(ただし12月31日、1月1日は休み)
公式サイト:https://takoume.jp/

2次会で訪れたい日本酒バー&ハイボールバー

続いては2次会で使えるお店を2軒紹介します(たこ梅もある意味「2次会」的な使い方をしているお店なんですが)。1軒目は日本酒バー「酒肆 山吹」。

こちらのお店を紹介してくれたのは、接待2次会でよく行くラウンジのママさん。ラウンジやスナックだとどうしてもウイスキーや焼酎を飲むことが多く「うまい日本酒を飲みたいな」と伝えてみたところ「山吹が雰囲気もいいし落ち着いているのでオススメ」と教えてくれました。

実際に行ってみるとママさんの言う通り、隠れ家的な雰囲気ムンムンのとても良いお店でした。場所は曽根崎新地の蜆楽(けんらく)通り。細い路地で見つけにくいので要注意。

蜆楽(けんらく)通り

店内には個室とカウンター。個室は畳の小さな和室でとても落ち着けます。かなり種類の日本酒が用意されているほか、好みの風味を伝えると、ビタッと嗜好にあったお酒を用意していただけるので、私のような日本酒初心者にもおすすめ

酒肆 山吹 お品書き

ここは一人でゆっくり、というのもいいですが、日本酒好きの方とデートで行くのもぴったりかも。出張族である私には、残念ながらそんな使い方をする予定がないですけど。

スルメイカの沖漬け(640円)
スルメイカの沖漬け(640円)

料理もうまいと評判なんですが、いかんせん私は2次会3次会的な使い方しかしていないので残念ながらあまりしっかりとは料理を経験できていません。次に足を運ぶ際にはもう少しお腹を空かせた状態で行ってみたいです。

そして最後に紹介したいのが、日本でも超有名なバーのひとつと思われる「サンボア」。よくお世話になっている方からのご紹介で知り足を運ぶようになりました。個人的に、よく宿泊するホテルの近くにあるヒルトンプラザ大阪の地下にあり、飲んだあとでもすぐに宿に帰られるところが魅力です。

すでに100年という歴史があり、書籍も出ているほどの有名店なので、ご存じの方も多いと思いますが、もともとは神戸発祥とのこと。独自の暖簾分けの仕組みにより各地に同じ名前、同じロゴを使うお店が増えていったようです。中でもヒルトンプラザにあるサンボアはお昼から営業しているので、真っ昼間から名物のハイボールを楽しむことができるという素晴らしいお店となっています(もちろん仕事中は飲みませんよ)。

サンボア

サンボアの名物といえば氷なしの「ハイボール(900円~)」。これはキンキンに冷やしたサントリー角をグラスの1/3ほど注ぎ、そこに炭酸水のビンを垂直に立て1本分丸ごと一気に入れて混ぜ、レモンをぴゅっと軽く絞って出来上がる至高の1杯。

名物氷なしのハイボール(900円~)

アルコール度数はかなり高めですが、不思議とグイグイ飲めてしまうのどごしの良さがある意味危険なハイボールです。居酒屋で飲むうすーいハイボールなどではなく、本物の1杯を是非サンボアで体験していただきたいです。ドライフルーツがとても合いますよ。

そしてもちろんバーなので、その他のお酒も一流のバーテンダーの方が嗜好に合わせて用意してくれます。私はマティーニも好きなので、よく楽しませてもらっています。

酒肆 山吹
住所:大阪市北区曽根崎新地1-6-24 2F
TEL:06-6345-4488
営業時間:月~金 18:00~2:00(LO1:15)、土 18:00~24:00(LO23:00) 日祝休
公式サイト:https://shusi-yamabuki.gorp.jp/

バー・サンボア ヒルトンプラザ イースト店
住所:大阪市北区梅田1-8-16 ヒルトンプラザB2
TEL:06-6347-7417
営業時間:11:00~23:00(LO22:30) 不定休

出張で大阪に行く際に楽しめるであろうお店をいくつか紹介しました。東の東京、西の大阪。関東圏の会社に勤められている方にとって大阪は、最も足を運ぶ機会がある出張エリアなのではないかと思います。何かと大変な出張ですが、たまにはご自身へのご褒美でプチ贅沢をされるのもいいのではないかと思います。この記事が皆さんの出張時の楽しみになれば幸いです。

文: ジェイ…1974年生まれ。湘南のはずれ西湘エリア在住。国内国外問わず出張先での飲み食いと早朝ランニングをこよなく愛するカメラ大好き外資系サラリーマン。年間10回ほどの海外出張と毎月10回ほどの国内出張をするようになってもうすぐ19年です。

編集:はてな編集部

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