だから僕は大阪へ行く テニミュを愛する「2.5次元舞台オタク」が語る大阪遠征のススメ

だから僕は大阪へ行く テニミュを愛する「2.5次元舞台オタク」が語る大阪遠征のススメ

2012年夏。ファンとして初めて追い掛けたキャストたちが、ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)を卒業する。その姿を心ゆくまで見届けたい――。

気付けば僕は、東京を飛び出し、真夏の大阪にいた。

メルパルクホール
新大阪駅から徒歩約5分の、ホテルメルパルク大阪が併設する劇場「メルパルクホール」。テニミュをはじめとする2.5次元舞台でも使用されることが多い

そんな初めての“遠征”から6年。年々テニミュの観劇回数は増え、今では僕も、立派な“現場オタク”になった。テニミュの本公演は、夏と冬の年2回。お盆と年末年始には必ず大阪公演が行われている。出身地でもないのに、僕は年に2度、大阪への「帰省」を続けている。

どうも申し遅れました。テニミュを中心に年間40演目、計80公演ほどの“2.5次元舞台”を観劇している、東京在住の30代男子・ぽったです。会社勤めの20代を経て最近フリーランスになり、時間の融通が利くようになったため、平日でも観劇意欲がとどまることを知りません。

今回はそんな僕が、主に関東近郊の“現場オタク”の皆さまに向けて、「気軽に大阪遠征するといいことがあるよ!」という遠征のススメを書きつづりたいと思います。

関東近郊のファンに、あえて大阪遠征をおすすめする理由

マンガ・アニメ作品を題材にした「2.5次元」といわれる舞台で、東京公演のない演目は皆無と言っていい。人気の演目だと「東京凱旋公演」なるものも用意され、全国各地での上演を経た後、再び東京で公演が行われる。

待っていれば東京でまた見られるのだから、わざわざ大阪まで遠征する必要はないのでは? と思うかもしれない。それでも、僕があえて大阪へ遠征するのには理由がある。

理由その1:チケットが確保しやすい

これは僕の感覚であり、2.5次元舞台に限らないかもしれないが、「東京公演のチケットが完売していても大阪公演は若干空席あり」というパターンをよく目にする。テニミュの場合、大阪公演は比較的長めの公演期間を組まれていることもあり、日を選ばなければチケット確保はさほど難しくない。

また、演目によっては、東京で公演を1回見てから「もっと見たい!」となることもある。だが、そう思ったときにチケット確保を試みても、東京公演の期間内では時間の都合がつかなかったり、チケットがもう完売していたりする。

そんなときに「大阪遠征」が視野に入ってくる。テニミュは、東京公演が終わった翌週に大阪公演がスタートするというパターンが多い。そこに向けて、全力で仕事のスケジュール調整を頑張れば、大抵何とかなる(何とかならないときもある)。

理由その2:公演に集中できる環境がある

冒頭でも書いた通り、テニミュの大阪公演期間は、お盆と年末年始の休みに重なることが多い。僕は仕事柄、土日を問わず連絡を受けることがあるのだが、さすがにこの時期はメールも電話も少なくなる。仕事を忘れて、公演に集中できる。

大阪に到着すれば、あとはもう、ホテルと劇場をただ往復するだけの生活。24時間、テニミュのことを考えていても誰にも文句を言われない。なんて幸せな時間なんだ……と、大阪遠征のたびに思う。

理由その3:テニミュの大阪公演は、ちょっとお得

さらに、テニミュの大阪公演ではちょっとした“お得感”を楽しめる。一番分かりやすいものだと、大晦日と元日公演のカーテンコール。この日は、主人公・越前リョーマを演じる座長からの特別な挨拶を聞くことができる。

キャストたちの演技に“脂が乗ってくる”のも、東京公演を経た大阪公演からということが多い。また、東京以外の全国各地での公演期間中、キャストたちはホテルで集団生活を送っている。休演日には、チーム(テニミュに登場する各学校)単位で行動することも多いようだ。こうした環境が、自然と一体感を作り上げていく。それが芝居にも生かされていくのがテニミュの面白いところだ。

舞台上のキャストを撮影した、いわゆる「ステージキャラクターショット」が初めて売りに出されるのも、大阪公演から。東京公演で撮影されたものが、追加写真としてグッズ売り場に並ぶのである。テニミュキャストは、舞台上でこそ輝くもの。ライトを浴びる彼らの姿は、何より美しく、そしてキャラクターそのものだ。その瞬間を捉えた写真をいち早く手に入れられるのが、大阪公演なのである。

遠征先のホテルは劇場から徒歩圏内で探すべし

遠征を快適に過ごすためのホテル選び。僕が重要視しているポイントは「劇場から徒歩圏内かどうか」の1点のみである。テニミュにおける大阪遠征の場合、「メルパルクホールに徒歩で行ける、新大阪駅北口のホテル」というのが絶対条件だ。

“マチソワ間”もホテルに戻って休める! 休憩場所として活用

生き急ぐ30代にとって、お金より何より、時間と体力が大事。そういう意味では、宿泊するホテルは劇場から近ければ近いほどいい。2日連続で観劇する場合も、朝は開演時間ギリギリまでホテルで休むことができる。

昼公演(マチネ)と夜公演(ソワレ)の間、いわゆる“マチソワ間”も、ホテルに戻って休むことができる。観劇というのは、思った以上に体力を消耗するもの。上演中に休憩時間をはさむとはいえ、1公演あたり大体2~4時間ほどあるので、終演後は結構疲れてしまう。夜公演に万全の体調で挑むためにも、昼公演が終わった後に休める環境を劇場周辺で整えておきたい。

ホテルと劇場の近さは、遠征初日に生きてくる

ホテルと劇場が近いと、遠征初日の荷物の扱いが楽になる。大抵のホテルはチェックインの時間前でも荷物を預かってくれるので、身軽な状態で劇場に向かえるのだ。劇場内にもクロークはあるが、重い荷物を持ち上げながら劇場までの階段を上がる羽目になったり、公演によってはキャリーケース以外の荷物はどんなに重くても受け取ってもらえなかったりする。

ちなみに、新大阪駅の1階には、手荷物の一時預かり所がある。コインロッカーがどうしても見つからないけど身軽になりたい! というときに利用すると便利だ。ただし、午後8時には窓口が閉まるので、マチソワ間に駅まで戻って荷物を取り出す必要がある。なお、チケットだけは何があっても一緒に預けてしまわないように!(自戒の念を込めて)

遠征最終日に、あえて後泊するという選択肢

マチソワ間の休憩場所としてホテルを活用する場合、問題になるのは遠征最終日だ。お金のことを考えれば最終日の朝にチェックアウトすべきだが、体力温存のため後泊することも視野に入れたい。後泊すれば、最終日のマチソワ間もホテルでくつろぐことができるからだ。

日曜日が遠征最終日の場合は、月曜日の朝にチェックアウトするのをおすすめしたい。経験上、ホテルの宿泊代は、金・土曜日の週末に比べると、日曜日の方が低く設定されていることが多いように思う。なので、日曜日の後泊は思ったほど出費がかさまない。

月曜日の午前中に打ち合わせが設定されていても、慌てることはない。ここは新大阪だ。始発の新幹線に乗れば、午前8時30分には東京駅に到着する。新大阪、なんて便利なんだ!

新大阪エリアのホテルは、お盆も正月も意外に空いている

観光客の影響もあり、大阪のホテルは取りにくいというイメージがあるかもしれない。だが、新大阪エリアのホテルはお盆も年末年始も意外と空いている。それは、新大阪がビジネスの街だからかもしれない。

とはいえ、油断していると劇場付近のホテルは近いところから順に埋まっていく。テニミュの大阪公演は上演期間が毎年ほぼ固定なので、予約は早めにしておきたい。

マチソワ間、元気なときは電源カフェへ

昼公演が終わり、残り体力ゲージに余裕があるときは、ホテルに戻らずカフェで過ごすのが僕の基本的な行動パターンだ。目的は仕事をするため、もしくはDVD鑑賞のため。

先ほど、遠征中はテニミュのみに集中すると言ったが、あれは半分嘘だ。嘘というか、理想論だ。現実は、いろいろとタスクを積み残した状態で大阪入りしていることが多い。

幸いにして仕事がないときには、カフェでテニミュの過去公演のDVDを鑑賞する。テニミュはすでに、原作の最終巻までを2度も舞台化している。現在は「3rdシーズン」として3度目の舞台化が進行している最中だ。

観劇中は常に1・2度目の舞台化と演出がどう変わっているのかを脳内で比較しているが、記憶が鮮明なうちに過去作品のDVDを見返して検証すると、その違いも含めて楽しめる。検証作業には、原作マンガの電子版が詰まったiPadも欠かせない。3度目の舞台化にして初めて見聞きするシーンやせりふが、実はアドリブではなくきちんと原作準拠だったということにも気付けて面白い。

いずれにせよ、マチソワ間を快適に過ごすために電源は必須。というわけで、マチソワ間は「電源カフェ」を探すことになる。注意したいのは、劇場に近すぎず遠すぎない電源カフェを選ぶこと。劇場付近のカフェだと、周りの客が公演の話ばかりしているので、つい気になって聞き耳を立ててしまうからだ。これだと、何もはかどらなくなる。

おすすめのエリアは、新大阪阪急ビル。新大阪駅直結で劇場から程良い場所にある。ビル全体としてビジネス客も多いため、電源カフェが充実している。

新大阪阪急ビル店
行きつけのタリーズ・コーヒー 新大阪阪急ビル店

僕がよく行くのは、新大阪阪急ビルに入店している「タリーズコーヒー」。新幹線の改札からも近く、混んでいることが多いが、メルパルクホールへもアクセスしやすいため重宝している。カウンター席には電源があるので、隙間時間での作業には持ってこいだ。

タリーズコーヒー 新大阪阪急ビル店
住所:大阪府大阪市淀川区宮原1-1-1 新大阪阪急ビル3F
TEL:06-4807-7718
営業時間:7:00~22:00 無休
公式サイト:https://www.tullys.co.jp/

観劇仲間との夜の打ち上げは、劇場付近で!

長らくテニミュを見ていると、年に2回定期的に会う友人が年々増えていく。大阪遠征のときに必ず会って、公演後に“感想戦”をするテニミュ仲間もできた。

さて問題は、そんな仲間とどこで打ち上げるか。新大阪駅の北側には、繁華街らしきものがない。駅ビルには多くの飲み屋があるが、僕の知る限りでは午後10時閉店のところが多く、夜公演が終了する午後8時30分ごろからの打ち上げとしては、ちょっと物足りない。

時間帯や移動のしやすさなどを考えると、これもホテルと同様に、劇場から近いところが便利という結論になる。早くテニミュのことを語りたい僕たちにとっては、感想戦の時間を確保するのが最優先だからだ。

がんこ
メルパルクホールでの観劇後の打ち上げ場所におすすめしたい「がんこ」新大阪店は、和食・寿司が中心の居酒屋。メルパルクホールとは道路を挟んで隣り合っているが郵便局側まで回り込まないと気づきにくいかもしれない

劇場から近くて、遅くまで営業しているお店という条件で見つけたのが、平日は深夜1時まで営業している心強い味方「がんこ」新大阪店。個室もあるので、にぎやかになりがちな感想戦にはもってこいだ。テニミュファン、特に青学(越前リョーマが在籍する青春学園中等部)ファンにとって、青学に関連する「寿司屋」での打ち上げは無条件にテンションが上がるもの。ただし、メニューにわさび寿司はない。

がんこ 和食・新大阪店
住所:大阪府大阪市淀川区宮原4-1-21 ヴィアイン新大阪ウエスト1F
TEL:06-6150-3510
営業時間:平日 6:00~10:00、11:30~15:00、17:00~26:00、土曜 6:00~10:00、11:30~23:00、日祝 6:00~10:00、11:30~22:00 無休
公式サイト:https://www.gankofood.co.jp/shop/detail/wa-shinosaka

観光するなら水族館、夜遊びするなら大阪「キタ」エリア

昼・夜公演を連続で観劇する日は、テニミュで手一杯になるので、ほとんど観光の時間は残されていない。だが、年末年始や平日などは1日1公演しかなく、時間的に余裕がある場合がある。そんな日は、せっかくなので大阪ならではの場所に遊びに行きたいところ。ここで、個人的な大阪のおすすめスポットを紹介しておきたい。

世界最大級の名に恥じないド迫力な「海遊館」

海遊館

海洋生物が好きな、とあるテニミュキャストの影響を受けて、2〜3年前から水族館に興味を持ち始めた。今では、機会があれば水族館に足を運ぶようになった。

中でも一番おすすめなのが、屋内水槽の規模が世界最大級でおなじみの「海遊館」。大阪を訪れたら、行かない手はない。巨大水槽の展示はとにかく圧巻だ。

海月銀河
クラゲ展示エリア「海月銀河」

さめ
とてもつよそうな、さめ。

ここでは、観劇のときに使う双眼鏡を持っていくのもおすすめ。視界が制限されるので、自分が海に入ったかのような没入感を得られる。昨日までイケメンたちの細かい表情を見るのに使っていた双眼鏡で、海洋生物たちの細かい表情をのぞき見るというのも、なかなか一興。

海遊館
住所:大阪府大阪市港区海岸通1-1-10
TEL:06-6576-5501
営業時間:10:00~20:00(季節により変動あり。最終入館は閉館の1時間前まで) 不定休(詳細は公式サイトで順次更新)
公式サイト:https://www.kaiyukan.com/

アート感あふれる空間が楽しい「ニフレル」

ニフレル

2015年に開館した、比較的新しい施設「NIFREL(ニフレル)」。アート感あふれる展示が特徴で、美術館や博物館のように楽しめる”新感覚の生きもの展示施設”だ。海遊館に比べれば規模は小さめだが、その分展示との距離感が近く、生物からは「ファンサ」の嵐である

7つの展示ゾーンがある中で個人的なおすすめは、「すがたにふれる」ゾーン。黒で統一された展示空間の中、ダイオウグソクムシやチンアナゴといった変わった形でおなじみの面々をじっくり観察できる。

生物の見せ方が新しく、驚きの近さで見られるので、1人でじっくり鑑賞するというよりも誰かと一緒に行ってわいわいする方がより楽しめるかもしれない。

ニフレル
住所:大阪府吹田市千里万博公園2-1 EXPOCITY内
TEL:0570-022060
営業時間:10:00~20:00(最終入館は閉館の1時間前まで) 無休(設備定期点検のため、年に1回の臨時休業あり)
公式サイト:https://www.nifrel.jp/

夜の大阪を楽しむなら「キタ」へ

大阪の夜を楽しみたい! という気分になったときは、やはりビジネスエリアの新大阪では物足りない。大阪の中心街である梅田周辺の「キタ」エリアまで足を伸ばすのがいいだろう。

時間を忘れて夜遊びを楽しむなら梅田周辺に宿泊した方が断然いいのだが、それを選ばないのは、やはりメルパルクホールの周辺を拠点にしておきたいからだ。

梅田周辺から新大阪駅までの終電は深夜0時以降なので、夜公演の後から電車で移動しても、それなりに遅くまで遊べる。ただし、キタから大阪駅周辺までは歩くと結構時間がかかる上に、新宿並みに駅の構造が複雑で分かりづらい。油断していると迷ってしまい、終電を逃すので要注意。

遠征は、プライスレス

ここまでいろいろとおすすめしてきたが、遠征は、とにかくお金がかかる。遠征にかかる費用をチケット代にそのまま回したら、あと何回多く観劇できただろうか。首都圏以外の現場オタクの方々にしてみれば、そんな選択肢があるだけ贅沢な悩みかもしれないが、そう思うことも少なくはない。

それでも声を大にして言いたいのは、「遠征は最高」ということ。観劇後特有の「ふわふわ」とした非日常感が、劇場の外に出ても継続する。遠征の持つ、非日常感。一度味わうと抜け出せない楽しさがそこにはある。

文:ぽった…東京在住の30代男子。テニミュ愛好家。テニミュ1stシーズンの最終演目で初観劇。そのときの衝撃が忘れられず、2ndシーズンより本格的に追いかけ始める。友人を年齢・性別問わず劇場に誘い、沼に誘い込むのが趣味。日夜、菊丸英二を応援している。

編集:はてな編集部

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