ずっと気になっていた大阪・日本橋のオタロードに潜入してみた
大阪・日本橋に「オタロード」というエリアがあるらしい。「西の秋葉原」とも呼ばれているそうだ。生まれてこのかた、東京のオタクとして細々と生きてきた私としては気になるスポットではある。名実ともにインドア派な私。こんなこともなければ新しい世界を覗いてみる機会もないだろうと考え、今回オタロードへと向かった。
オタロードは日本橋駅もしくはなんば駅から歩いていける。今回はなんば駅を使った。実はなんば駅、新幹線の止まる新大阪駅から地下鉄御堂筋線で約15分と非常にアクセスが良い。「大阪に来たぞ!」という浮かれ気分のままオタロードを目指した。
とはいえ、「オタロード」という言葉が指す範囲は曖昧だ。日本橋の電気街「でんでんタウン」に隣接しているが、事前にネットで調べた限りどこからどこまでをオタロードとするかは諸説ある。なんば駅からでんでんタウンのメインストリートを目指し5分ほど歩いていくと、馴染みのある雰囲気のお店が増えてきた。この辺りがオタロードだろう。
この日最初に訪れたのは、レトロゲームの買取販売ショップ「スーパーポテト」。
お店に入るといきなりゲームボーイの巨大筐体がお出迎え。そして歴代のハード・ソフトが視界を埋め尽くすように並び、ここがユートピアか……と思わずつぶやいていた。こういう光景、小学生のとき夢で見たことがある。
子どもの頃買ってもらえなかったソフト、友達に貸したまま返ってこなかったソフト、数ヶ月分のお小遣いをためてやっと買えたソフトまで、全部ある。ソフトをじっくり見ているとそれぞれに思い出が蘇り、アルバムをめくっているようでもあった。
店員さんによると、店内の商品数は約10万点にのぼるという。「ほかのお店にはなかなかない商品も置いているので、記念に見に来るだけのお客様もいる」とのこと。
スーパーポテト オタロード店
TEL:06-6647-3505
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋3-8-18平田ビル1階
ホームページ:http://www.superpotato.com/
スーパーポテトを出て少し歩いた所で、ふととあるお店のメニューが目に入った。
何気なく見たこちらのメニュー、よく見るとめちゃくちゃ安い。コーヒーがSサイズで92円。思わず足を止めてしまった。こちらのメニューを展開しているのは、「おおきにコーヒー」。
せっかくなので「おおきにタピオカジュース」のロイヤルミルクティーと「おおきにチーズケーキ」を注文。まだオタロードに来たばかりだが、お店に併設されているイートインスペースで休憩していこう。なんとこちらのスペース、コンセントとWi-Fiが設置されている。オタロード観光で重宝しそうだ。
おおきにコーヒー日本橋オタロード店
TEL:06-6648-0092
住所:大阪市浪速区日本橋4-15-20 おおきにオタロードビル1F
ホームページ:http://coffee.ookini.jp/
スマホも体力も充電した所で、出発。次の目的地はコトブキヤだ。
コトブキヤはグッズの販売だけでなく、製造も行っている。プラモデルを筆頭に、ここでしか買えない商品も多いという。
メーカー商品のサンプルも多く展示されており、実際の商品に触れて選ぶことができるのは、ファンにとっては魅力的だ。
「もともとはお客さんとしてこのお店に来ていた」という店員さんは「当店はディスプレイに力を入れているんですが、当時からディスプレイを見るのが楽しくて。スタッフの対応も丁寧で、ここで働きたいと思いました」とはにかみながら話してくれた。
コトブキヤ 日本橋
TEL:06-6630-1280
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋4-15-18 コトブキビル
ホームページ:https://www.kotobukiya.co.jp/store/nipponbashi/
続いて、気になったのはこちらのお店。
ずらりと並んでいるのはステッカーと缶バッジだ。FACTO OSAKAはステッカー・缶バッジの販売や製作を行っている。
オープンして4年ほど。最近は海外からの観光客の方が多いという。確かに私が訪れたときも、外国人の方が会計をしている所だった。コトブキヤでも海外からの観光客を意識しているという話があったし、オタロード全体として海外観光客が増えているのだろう。
FACTO OSAKA
TEL:06-6599-9958
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋4-10-12
ホームページ:http://facto-design.jp/
さらに歩いていると、日本橋商店会の看板が見えてきた。オタロードエリアを突っ切ってしまったようだ。
せっかく来たので、日本橋商店会も少し探索していこう。その街並みはまさに“古き良き昭和の商店街”という感じだ。オタロードと比べると、看板をはじめ視界に入る情報量が激減する。道を数本隔てただけで、一気に時代をトリップしたかのようだ。
中でも、特に趣きのある喫茶店「coffee 553」を見つけた。隣接しているハンドメイドセレクトショップと合わせて、ご夫婦で経営しているという。
随分レトロな内装のお店だが、意外にもオープンしたのは2、3年ほど前だという。ご主人と真空管ラジオを買いに日本橋を訪れた際、この物件を気に入り、お店を開いたそうだ。「ここら辺一体は昭和20年代の建物ですよ。こないだの台風でも特に大きな被害はなく、丈夫なもんです」と教えてくれた。
ちなみに、553という店名は、娘さんの名前「ここみ」から。軽食メニューも用意している。
coffee 553
TEL:06-6567-8372
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋4-17-4
ホームページ:http://www.madeinhandosaka.com/custom1.html
再びオタロードに戻って来た。次の目的地はアニメイト大阪日本橋だ。
「アニメのことならアニメイト!」と掲げるだけあり、書籍からCD、ゲーム、キャラクターグッズなどアニメにまつわるあらゆる商品を取りそろえているアニメイト。東京でもしょっちゅうお世話になっていた。慣れない土地でも、この看板を見ると安心感すら覚える。
アニメイトは、とにかく広い。商品も膨大だが、それでも陳列棚の間隔が十分空いていてゆったり物色できる。見渡せばお客さんの年齢層も幅広く、親子連れも見かけた。ライトファンからコアファンまで、あらゆるニーズをカバーしている安定感がある。
アニメイト大阪日本橋
TEL:06-6636-0628
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋西1-1-3 アニメイトビル1階・2階
ホームページ:https://www.animate.co.jp/
そしてこの日最後に訪れたのは、大阪1の老舗メイドカフェ・CCOちゃ。
メイドカフェにはずっと憧れがあったが、なんとなくタイミングを逸し今日まで足を運べずにいた。正直なところ、未知の世界に対する怖さもあった。ここはひとつ、旅先の勢いで行ってみるしかない。緊張する手でドアを開けると、店内に響く「お帰りなさいませ、お嬢様」の声。
概ねイメージしていた通りのメイド喫茶であることに安心感を覚えつつ、早速ホットカフェラテを注文。可愛らしいねこのラテアートが施されており、メイドさんがスプーンでまぜまぜしてくれるという。せっかくアートを描いてくれたのにちょっともったいない気もするが、「それではまぜまぜしていきますね」と話すメイドさんの笑顔がまぶし過ぎて「は、はい」としか言えなくなってしまった。
別の演出も見てみたいと思い、今度はイチゴのドリンクを注文。するとドリンクを持ったメイドさんが突如「うさぎさーん、どこかなー?」と店内を見渡す。私と目が合うと「あ、いたー!」とこちらへ寄ってきた。自分のために運んで来てくれている、という感じがしてこれはなかなか嬉しい。
ドリンクを置くと、カチューシャにモフモフの長い耳が生えた、いわゆるうさ耳を私の頭に直接つけてくれた。そしてドリンクがもっとおいしくなるように「うさうさ、ぴょんぴょん、わくわく、おいしくなあれ」といったようなおまじないを一緒に唱える。私は私で、自分の殻を一枚破った気がした。
「そのお耳はお店を出るときまで付けていてくださいね」と言われてしまったので、うさ耳をつけたまま取材を続行する。当店をまとめる“ももか店長”に、お店の魅力を伺った。
「当店は老舗と言われていますし実際に常連のお客様も多いですが、もちろん一見さんも大歓迎です。メイドによるビラ配りやチャージ料をいただくことも一切ありませんので、安心してお越しください」
一方、メイドさんたちが必要以上に“飾っていない”ことも特徴だという。「どの子もキャラクターを作ったり演技をしたりはせず、等身大の姿でお客様に接しています」。なるほど、確かにメイドさんも先ほど「もともとアニメが好きだったので、ここで働いているとご主人様やお嬢様とたくさんお話できて楽しいです」と話していた。
最後に、贅沢にもメイドさんの集合写真を撮らせていただいた。ひたすら華やかな写真が撮れた。
※今回は取材のため特別に許可をとって撮影をしていますが、店内の撮影は禁止です。
メイドカフェ CCOちゃ
TEL:06-6644-5028
住所:大阪府大阪市浪速区難波中2-4-8
ホームページ:http://ccocha.com/
CCOちゃを出ると、いつの間にかすっかり日が暮れていた。
約1日かけてオタロード周辺を歩き回ってみたが、予想に反してカジュアルに遊べるエリアだと強く感じた。ある程度決まったエリアの中にお店が密集しているので、目的のお店を決めずにぶらつくだけでも楽しい。少しオタロードを離れれば、電気街のでんでんタウンや日本橋商店会もある。
実際に来るまでは「オタロード」という名前のインパクトにやや圧倒されていたが、今回訪れたお店の多くは、増加する海外観光客を意識して「誰もが入りやすいお店づくり」に力を入れていた。思ったよりも門戸が開かれており、ライトなオタクも安心して楽しめるスポットだ。
文=ヒガキユウカ
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