【香川・高松】うどん県であえてうどんだけじゃないグルメとスポットを堪能しよう

【香川・高松】うどん県であえてうどんだけじゃないグルメとスポットを堪能しよう

国内の旅行先として、四国・香川県はかなり人気のスポット。瀬戸内の温暖な気候、3年に一度開催される瀬戸内芸術祭、そして何よりも「うどん県」として全国的に有名ですよね。実際、筆者もコシの効いた讃岐うどんが大好き。しかも、香川県(高松空港)は首都圏(成田空港)からだと、LCCで往復1人1万3000円程度(※2018年11月現在)。気軽にふらっと行くのにはもってこいです。

でも、最近は糖質を制限するダイエット、炭水化物を制限するダイエットが流行中ですよね。うどんは炭水化物そのもの。そこで、糖質制限ダイエット中の人のことも意識して、あえてうどん以外のグルメを紹介します。実際に筆者が現地に行って食べて、良かった場所を厳選したいと思います。

というわけで風景の写真なんか二の次で、いきなりどーんと料理の写真から始めます!!(笑)

香川県の人がうどんの次に愛する郷土料理と言えば……骨付鳥(ほねつきどり)

骨付鳥

「骨付鳥」とは、骨付きの鶏のもも肉を焼いた郷土料理。本来は香川県丸亀市発祥ですが、今では県庁の高松をはじめ香川県全域で愛されている料理です。考案者は1950年代にアメリカのローストチキンを参考にして作ったそうなので、確かに写真の通り、見た目はローストチキンですが、それだけでは計り知れない魅力が骨付鳥にはあります。

市内には骨付鳥を提供する店舗がたくさんありますが、各店舗味付けが異なります。チキンの柔らかさ、味の濃さ、焼き加減は千差万別。共通して、塩こしょうや醤油やニンニクなどによってスパイシーに味付けされていますが、味は店舗によってまったく異なるので、何店舗か食べ比べてみると良いでしょう。地元の人にオススメの骨付鳥の店舗を聞いて回ったのですが、皆さんそれぞれのマイフェイバリット店があるようで、偶然出会った人に尋ねてみるのも旅の醍醐味かもしれません。シンプルな料理ではあるけど、みんなお気に入りの店舗がそれぞれあって、味が微妙に異なるというのは、ラーメン屋に通じるような奥の深い料理だと感じました。

そんな骨付鳥激戦区高松のなかで紹介するのは、「丸亀鳥 高松店」。特徴は、チキンの上に添えられているカイワレ。普通の骨付鳥は特に添え物はないのですが、これがあることで、少し味がさっぱりしてうまいです。

骨付鳥

メニューはシンプルで、「若鳥(写真手前)」と「親鳥(写真左奥)」。お店によって呼び名が異なり、若鳥は雛(ひな)鳥などとも呼ばれることも。若(雛)鳥、親鳥の2種類を提供するお店が大半です。

この「若、雛鳥」「親鳥」、初めての方にはできればどちらもオーダーしてほしいのですが、香川県の人に、「わかどり、おやどり、どっち派?」と聞いたら、かなり議論が白熱して面白いです。地元の人でも意見が割れます。万人におすすめできるのは、柔らかくて歯にやさしい「わかどり」ですが、なかなかどうして、僕のハートをキャッチしたのは、決して柔らかくはない「おやどり」でした。

僕ら取材班が食べている間、隣の席では出張族らしいおじさんが1人でビールと骨付鳥をオーダーしてちびちびやりながらうっとりしているのを見ました。慣れてる人は楽しみ方を知ってますね。

丸亀鳥 高松店
香川県高松市古馬場町13-19
電話番号:087-822-6468
営業時間:18時~24時(火曜〜木曜)、(金曜、土曜は翌深夜1時まで営業。日曜のみ17〜22時)
→(祭日も含む)月曜定休。

瀬戸内のオリーブで育てた「オリーブはまち」、「オリーブ牛」

さて、骨付鳥と並んで香川県で有名なローカルフードと言えば、小豆島で取れるオリーブです。

日本のオリーブの栽培の歴史は1908年までさかのぼります。当時の政府の役人がオリーブに目をつけ、香川県・三重県・鹿児島県の3地域でオリーブの栽培を行いました。このうち、香川県の小豆島のみが栽培に成功し、以降はさまざまな苦難を乗り越えながら現在まで栽培を行っています。

もちろん、栽培者の努力もありますが、瀬戸内と地中海は、温暖で日照時間が長く、気候が似ていることも要因だといわれています。気がつけば海外に輸出するまでになったとか。小豆島からほどない場所にある高松では生のオリーブが食べられます。

オリーブ

こちらは、高松市内にある、地元の食材を使った料理を提供する居酒屋「瀬戸内鮮魚店」のオリーブ。手摘みのオリーブだそうです。考えてみれば、日本人がオリーブを食べる時、酢漬けや塩漬けの酸っぱいもの、しょっぱいものを食べる機会が多いのではないでしょうか? これは、オリーブの産地地中海と、日本の距離的な制約によります。酢漬けや塩漬けのものも悪くはないですが、生のオリーブの魅力には勝てません。オリーブオイルなどで感じるあの独特のとろみに、少しだけミルクのような優しい味がしました。「ほんとはそんな優しい味をしてたんだね、きれいな緑色してたんだね、知らなかったよ、オリーブ」と、無駄にオリーブに語りかけたくなります。

さて、瀬戸内鮮魚店では、上記のオリーブの他に、オリーブハマチ、オリーブ牛などの香川ブランド
の食材を使ったメニューが食べられます。

オリーブハマチ

オリーブハマチは、オリーブの葉を乾燥させた粉末を混ぜたえさを食べて成長したハマチだそうです。先ほど食べたオリーブの成分を食べてそだったオリーブハマチは、とにかく油のノリっぷりが半端ではありません。つくづく、鮮魚は産地に近い場所で食べたほうがおいしいという思いを新たにしました。オリーブを使うことによってオレイン酸が豊富で、油の融点が低く、舌でとろっと油がとろけるような食感が特徴。特に写真手前のころっとしたところは、ハマチのトロと呼ばれ、コリコリしているのに脂身が豊富で、それほど大きくはないのにうまみが凝縮しています。

讃岐牛

果汁をオリーブオイルにしたあとのオリーブの残りを飼料として育った讃岐牛、それがオリーブ牛なのです。いわばオリーブと讃岐牛という2つのブランドの融合ともいえるもの。やはりオレイン酸が豊富です。写真左にあるのがタレなのですが、茶色い粉はフリーズドライしたしょうゆ、白いほうは大根おろしとわさびを混ぜたものです。ツウな食べ方ですね。

瀬戸内鮮魚店はそれほど大きなお店ではないので、遠方からこられる際は予約をおすすめします。なお、メニューは毎日変えるそうで(お品書きは店長の自筆)、今回紹介したメニューがあるかどうかはわかりません。間違いなく言えることは、その季節の名産品が食べられることです。

瀬戸内鮮魚店
香川県高松市鍛冶屋町4-21 ONE FOOTビル 1F
電話番号:087-823-0887
営業時間:17時30分~22時半(最終入店)
→日曜・祝日、その他お盆など不定休あり。予約可。

女性にオススメのかわいいスイーツなら「おいりソフト」!

さて、骨付鳥、オリーブハマチ・オリーブ牛と大ネタが続いたところで、次はスイーツにいきましょう。香川県にはさまざまな甘味の名物がありますが、女性におすすめなのはおいりソフト。とにかくかわいいです。

おいりソフト

そもそも「おいり」とは、香川県西部の名物だったデザート。あられのようなもので、ほのかに甘いものです。七五三のときに食べるようなカラフルなあられをイメージするとわかりやすいかも。これをソフトクリームにトッピングしたものが「おいりソフト」なのです。写真のものは、「ちょっとカフェ シンボルタワー店」のもの。

おいりソフト

もともとの「おいり」は結婚式の嫁入り道具としてこの地域では有名だったようです。そこから転じて、食べたら幸せになる、恋人ができる、良縁に恵まれるなどといわれているそうですよ。パワースポットならぬ、パワーフードってとことでしょうか。そんなこと意識しなくても、単純に見た目がかわいいのでオススメです。

ちょっとカフェシンボルタワー店
香川県高松市サンポート2番1号 マリンタイムプラザ高松1F
電話番号:087-825-5256
営業時間:10時~21時
→高松駅・海辺に近い場所なので、テイクアウトして散歩しながら食べるのがおすすめです。

おしゃれエリアを散策したいなら「北浜アリー」へ!

ここまでフード&スイーツに特化してきましたが、さすがにおなかも満腹だと思われますので、腹ごなし(?)に訪れたいおしゃれスポットを紹介します。結局フードも紹介しますが……。

北浜アリー

北浜アリー

北浜アリー(alley)は、港の倉庫街を大胆にリノベーションしてカフェ、レストラン、雑貨屋、結婚式場などが入居する複合施設。首都圏にお住まいの方なら、横浜の赤レンガ倉庫などがイメージとしては近いかもしれません。それよりもうちょっとこじんまりとしてますが、その結果、幾分フレンドリーな雰囲気があります。たとえば、こんなお店はいかがでしょう。

BOOK MARUTE

「BOOK MARUTE」は写真やアートをテーマにした本屋さん。セレクト書店は全国的に流行中ですが、瀬戸内芸術祭などで有名なここ香川県の書店だけあって、芸術に関しての本のセレクトはとても面白いです。ここではカキ氷やコーヒーなども売っているので、のんびり本と海とコーヒーで幸福な三角形を作りながらすごしてみるのも悪くはないでしょう。

206TSUMAMU

206TSUMAMU

「206TSUMAMU」はキッシュのお店。206のコーヒーブランド「コルシカ珈琲」と同時にオーダーできますので、ぜひキッシュと珈琲でお楽しみください。キッシュは季節によってさまざまな種類があり、ついつい欲張ってしまいそうになりますが、軽食感覚で食べるとわりとおなかいっぱいになるのでお気をつけください。

駆け足で北浜アリー内のお店をいくつか紹介しましたが、最後にこのお店を紹介します。

umie

「umie」は、まさに海を間近に見下ろす場所にあるカフェ。北浜アリーのなかでも、一段奥まった場所にある奥座敷と言えるでしょう。倉庫を使っているので、天井が広く、ゆえに室内なのに屋外にいるような開放感があります。海が近いので、まるで風が吹き抜けていくような、素敵な場所ですね。

筆者は実はお酒が飲めないので、自然とコーヒーに詳しく、カフェにもよく行くのですが、ここumieで飲んだコーヒーはとても美味しかったです。ちなみにここのコーヒーは、高松の郊外・屋島にある焙煎所「山田屋珈琲店」で煎られた豆を使った「浅葱(あさぎ)」と「瑠璃(るり)」(各600円、ポットの場合は850円)。コーヒーが苦手な方でなければ、ぜひここは一口目だけでもブラックで飲んでいただきたいところ。どちらも比較的浅煎りに近いので飲み口は軽く、しかしながらボディ感(コーヒー独自のコク)がしっかりあります。口いっぱいにさわやかな酸味と、ほどよい苦味が駆け抜けていく、素敵なコーヒーでした。

コーヒーとチョコバナナケーキ

コーヒーと一緒にオーダーしたチョコバナナケーキ。外側のクランキー感と内側のふわふわ感がちょうどいい具合です。

北浜アリー(alley)
香川県高松市北浜町4-14

BOOK MARUTE
電話番号:090-1322-5834
営業時間:13時~20時
→火曜・第一・第三水曜休

206 (TSU MA MU)
電話番号:087-811-5212
営業時間:11時30分~売り切れ次第終了
→不定休

umie
電話番号:087-811-7455
営業時間:11時~23時(平日)。10時~23時(土曜)、10時~21時(祝日)
ラストオーダーは各30分前
→水曜定休(祝日の場合は営業)

一人になりたい人も、誰かと話したい人も…「半空」へ

最後に紹介する店舗は、特に一人旅向けの人にオススメしたいお店です。あるいは友達と旅行に来て、ふと深夜に一人でふらっと出かけたい場合などに。友達や家族以外の誰かと話してみたい人に。いや、別に一人じゃなくても誰でも歓迎ですが。

高松市は中心部の市街地が小さく、公共交通機関も多いので、一人でふらっと出かけるのには旅の初心者にも適した町と言えるでしょう。村上春樹の小説「海辺のカフカ」でも、未成年の少年が一人旅をしてたどり着く場所だったり、お遍路に代表されるように、昔からなぜかいわゆる「自分探しの旅」の舞台となりがちの場所です。

一人旅のいいところは気ままなところですが、ときおり寂しくなることもあります。そんなあなたは、半分の空と書いて「なかぞら」と呼ぶ、コーヒー&バー、半空に行ってみましょう。

半空

入り口はメインのストリートから少し裏に入った場所なので、最初は少し躊躇するかもしれません。でも、大丈夫です。ここで間違いありません。

店内に入ると一列のカウンターがあり、適当な場所に通してくれます。地元の人は2軒目・3軒目に使う方も多く、深夜11時・12時などは場合によっては入場するのを並ぶこともあるのだとか。

中に入ると、それほど広くない店内には、一列に並んだカウンターが。席にはこのように、店主・岡田陽介さんの趣味の本が所狭しと並んでいます。

たくさんの本

深夜にここに寄った筆者は、夜カフェとしゃれ込んでブラックコーヒーを1杯オーダーしました。

ブラックコーヒー

するとどうでしょう。懐かしい喫茶店風のブレンドがやってきました。これはumieさんの浅煎りと対照的に文句なしの深煎りコーヒーで、頭がさえて、読書や考え事をするのにぴったりの味。あるいは一日の最後に今日という日を清算するのにぴったりかも。実際僕は半空のブレンドを飲みながら、この取材の日々を振り返っておりました。この地で17年もの間、カフェ・バーを営む店主の岡田さん、僕は香川・高松の取材をしてきたんですが、この町の魅力ってなんですか?

「……(少し考えて)。そうだね。高松の魅力は、『ちょうどいい』ってことじゃないかな。たとえば高松より田舎のほうに住むとね、近所の人と仲良くなって、どこに行っても知り合いがいる状態になるよね。でもたまに一人になりたいときもある。一方、東京のような都会に行くと、どこに行っても知り合いに会うことはなかなかないよね。高松は、一人になりたければなることができるし、誰かと会いたければなじみのお店に行けばすぐに会うこともできる。そういう町のサイズが、ちょうどいいってことなんじゃないかなって思うんです。そういえば隣に座っている彼もね、新潟から出てきて今は高松で暮らしているんですよ」(岡田さん)

そうやって店主が紹介したカウンター席に座っている男性は、何を隠そう先ほど取材したBook Maruteの店員さんだったのです。なんと、この偶然はすごい! 香川ってすばらしい! 旅ってすばらしい! 確かにこの町は、大都会にはない偶然の人間関係があるのかもしれません。

ちなみに、「半空」という店名は、今はあまり使われなくなった日本語なのですが、「(地平線を眺めたときの)地面と空の間」、「ものごとの途中」、「中庸」などという意味を持つ言葉で、岡田さんが好きな仏教などにも登場する「色即是空」(万物の形は仮のもので、空であり、不変なものはないという意味)にも通ずる言葉として名づけたのだとか。

「そうは言ってもね、最初にお店を始めたころは、僕が好きなことをやってても、『本をカウンターに置くなってオタクっぽい』とかいろいろ言われたよ。今でこそブックカフェとかそういうジャンルがここ香川でも認められだしているけど。自分が好きなことをやり続けていたから、時間はかかってもみんなに愛されるお店になったんじゃないかな」(岡田さん)

こうして高松の夜は半空が閉店する深夜3時まで続くのであった。

半空
香川県高松市瓦町1-10-18 北原ビル2F
電話番号:087-861-3070
営業時間:13時~深夜3時
→日曜定休。正月は休んでいることが多い。

その他、今回の取材で筆者が立ち寄ったけど、載せきれなかったお店を何店舗かまとめて紹介します。筆者の趣味を反映して、音楽が流れているバーやカフェが多いですがご容赦ください。

Soul bar Jacqueline(ジャックリーン)【バー/ソウルバー】
香川県高松市瓦町2-1-16 エースファーストビル2F
087-837-8333
→週末には生演奏を行うライブバー、ソウルバー。店主でありシンガーのMikiさんのキャラクターもとても素敵です。

music inn GRANDFATHER’S【バー/ミュージックバー】
香川県高松市常磐町1-6-4 B1F
087-837-5177
→懐かしいロックなどを中心に流す老舗のミュージックバー。渋いマスターが渋い選曲してくれます。高松でライブを行った有名ミュージシャンが打ち上げで使うことも。

Music&Live RUFFHOUSE【バー/ライブバー、ミュージックバー】
香川県高松市田町2-3 岡ビルB1
087-835-9550
→週末は香川県内外からゲストを呼んでライブを行っている。ライブのスケジュールはホームページを確認のこと。

Lima Coffe【カフェ/コーヒーロースター】
香川県高松市瓦町2-12-6
087-802-6363
→高松一の繁華街、瓦町の駅近くにある西海岸風のコーヒーロースター&カフェ。神戸が本店です。朝に飲むとちょうどいい。

なタ書【古本屋】
香川県高松市瓦町2-9-7 2F
070-5013-7020
→予約制の古本屋。なので、必ず問い合わせてから行くこと。選書はとても幅広く、狭いながらお気に入りの本を見つけることができると思われます。

ALICE in TAKAMATSU【フレンチ・カフェ】
香川県高松市サンポ-ト2-1 マリタイムプラザ高松タワー 30F
087-823-6088
→高松駅そばにある高層ビルの30階にあるフレンチ。とにかく眺めが最高ですが、食事やカフェも最高にいいです。東京の感覚で考えると、とても安く本格フレンチが味わえます。

ミケイラ【レストラン】
香川県高松市サンポート8-40 高松港レストハウス内
087-811-5357
→海辺のレストラン。海の先にあり、テラス席では波を眺めながらお食事ができます。雰囲気も最高です。ランチのメニューなどはご飯をブロッコリーに変更できます。

しるの店 おふくろ【和食】
087-831-0822
→なんと、しる(味噌汁)が主役の小料理居酒屋。味噌汁は白だし、赤だしなどさまざまな種類から選べます。

手打ちうどん 鶴丸【うどん】
香川県高松市古馬場町9-34
087-821-3780
→最後にうどん屋も一軒ぐらい載せときます。深夜までやっていて、特にカレーうどんが絶品です。

文=梅田カズヒコ(プレスラボ)/写真=猪瀬まな美(ノラネコデザイン)

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