絶景も京都も商店街も楽しめる大津で、町家ホテルに泊まって、暮らすように旅する
琵琶湖や比叡山などの美しい景勝地を擁する滋賀県大津市。隣接する京都へのアクセスも至便なことから「京都で観光、宿泊は大津」という旅のプランを立てる人もいることでしょう。大津は京都に比べるとマイナーな街ですが、江戸時代には東海道五十三次の最後の宿場町として繁栄を極めた歴史も誇ります。
絶景も歴史もあって、交通の便もいい、穴場ともいえるこの街を存分に満喫できるのが「商店街HOTEL 講 大津百町」。旧東海道とアーケード商店街、その近辺にある7軒の町家をリノベーションした、個性的な宿泊施設です。町家の情緒と商店街という個性的なロケーションは、普通のホテルでは飽き足らない旅の上級者も満足できるはず!
情緒あふれる町家7軒が宿泊施設に
「商店街HOTEL 講 大津百町」が位置するのは、JR大津駅から徒歩約7分の旧東海道と商店街、その近辺の路地の中。「鍵屋」「鈴屋」「糀屋」などと名づけられた7棟の町家が、徒歩圏内に点在しています。うち5棟はキッチン付きの一棟貸し切りタイプ、2棟は1つの建物にいくつかの客室があるタイプ(全8室)。客室タイプの町家には、すべてのゲストが利用できる(午前8時半~午後9時)ラウンジがあり、ドリンクやクッキー、夜はアルコールが用意されています。
チェックインを行うフロントがあるのは「近江屋」。建物の暖簾をくぐると、重厚な和のしつらえにモダンな北欧のインテリアをさりげなく置いた、センスのいい空間に迎えられます。旧東海道に建つ町家の中に、こんな非日常的な場所があるのがユニーク。
7棟の町家はもちろん、もともと住居を兼ねた商店として使われていたもの。その由来はさまざまで、「茶屋」は元茶商の家、「鍵屋」は明治時代の長屋、「近江屋」は呉服屋を営む大旦那の家を改築しています。
町家を改築したホテルだけに、純和風の空間をイメージして中に入ると…室内は思いのほかモダンな雰囲気。置かれている家具の多くは、デンマークのデザイナー、フィン・ユールやハンス・ウェグナーらのもの。それらが木のぬくもりを感じられる日本家屋とみごとに調和しています。
朝食は、予約をすれば「近江屋」に併設されたレストランでいただくことができます。メニューは、大豆とえびを煮たえび豆煮、赤コンニャク、地元の川魚専門店「タニムメ」にオーダーした特製鰻茶漬けなど、郷土料理がずらり。野菜や米は基本的にオーガニックで、化学調味料などの添加物も一切使っていません。
古いけれど新しい「現代版町家」だから、快適にステイできる
旧東海道を見下ろす出格子や、障子越しに差し込む光に優しく照らされる欄間、葉擦れの音が心地よく響く中庭…。滞在するほどに町家ならではの風情を感じるこのホテルは、豊かな昔の暮らしに思いをはせながら過ごすことができます。
一方で、機能面は最新式。断熱・遮音工事も施され、最新式のバスやトイレ、冷暖房やWi-Fiまで完備されています。チェックイン時、ルームキーの代わりに渡されるのは、玄関の鍵を開ける暗証番号を記したレター。鍵を失くす心配がないことに加え、チェックアウト時にわざわざ別棟のフロントに立ち寄る手間もありません。
さらに、ベッドは国内外のラグジュアリーホテルでも採用されているアメリカ・シーリー社製、バスアイテムはドイツのエコ・コスメ、タオルはオーガニックのものが用意されています。ポータブルテレビをヒノキのお風呂に持ち込んでゆっくりバスタイム…というのも可能。
一棟貸し切りタイプにはキッチンがあり、簡単な調理道具と電子レンジが備えられています。商店街で新鮮な地元の食材を買い込んで、夕食は自炊してみんなで部屋飲み、というのも楽しそう。
築年数のある建物がこれほどまでに生き生きとしているのは、実用性と快適性を重視してリノベーションしているから。ただ昔の風情を演出しているのではなく、現代人のライフスタイルに合わせ、さらに100年後も使用できるように、入念な改装プランを立てたのだといいます。
今夜のお酒とおつまみは商店街で入手する!
町家を体験することに加え、「商店街HOTEL 講 大津百町」に泊まるもうひとつの醍醐味が近隣の商店街。江戸時代から続くお漬物屋さんや、お総菜屋さん、揚げたてのコロッケがおいしいお肉屋さん、地酒がずらりと並ぶ酒屋さんなど、ローカルの食を楽しめるお店が充実していて、散策がとにかく楽しいのです!
お店探しは「近江屋」にあるコンシェルジュデスク(午前10時~午後9時)に相談を。「今日はのんびりしたいから、部屋で地酒を飲もうかな」「おつまみにおすすめのお惣菜はどこで売ってる?」「スイーツがおいしいカフェは?」「地元で人気のレストランは?」といった質問に、地元を知り尽くすコンシェルジュが答えてくれます。
こうした背景には、「街に泊まって、食べて、飲んで、買って」という「商店街HOTEL 講 大津百町」のコンセプトがあります。かつては宿場町として「大津百町」と呼ばれるほど繁栄していた一帯も空き家が目立つようになり、そこで生まれたのがこのホテル。宿泊料金のうち150円が商店街に寄付され活性化に使われるほか、宿泊ゲストが商店街で消費することで街をよみがえらせることも狙っています。
泊まることで街が活性化させるだなんて、旅人としてとても光栄なこと。活気あふれる商店街の息吹を感じたり、夜は町家でしっぽりと地酒を飲んだり。ホテルというよりも、親戚の家に遊びに来ているような感覚で滞在できるここは、大津の隠れ家といってもいいかもしれません。
商店街HOTEL 講 大津百町
住所:滋賀県大津市中央1-2-6
電話番号:077-516-7475
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