美しい穴場ビーチでのんびりできる笠岡諸島の島々
岡山県といえば、岡山城、倉敷美観地区、後楽園など、名だたる観光名所に恵まれていますが、沖縄にも負けないほどの美しい島々が点在することをご存知でしょうか。今回はそんな知られざる岡山の美しい離島、笠岡諸島をご紹介いたします。
笠岡諸島とは
笠岡諸島は岡山県の西南部に位置しており、大小約30からなる島々です。それぞれの島へは笠岡市にある笠岡港からの定期船や伏越港からのフェリーが就航しており、気軽に旅行をすることができます。現在有人島は7島ありますが、全ての島が同じ航路で繋がっているわけではないので、基本的には笠岡市を拠点に旅行をすることをおすすめします。
海でがっつり遊ぶなら白石島
この島は私が笠岡諸島を旅する際の拠点にしていた島です。最初に述べたように、笠岡諸島を効率よく旅するなら、笠岡港の近くの宿を拠点にするべきですが、港付近は観光資源が少ないようで、宿も少ない様子。そこで笠岡諸島の中でも最も観光客が訪れる白石島なら宿や飲食店もほかの島より多く、航路の異なる島に行く場合は一度笠岡港に帰らねばならないというデメリットがあっても、より楽しめると感じ拠点に選びました。
特に白石海水浴場の目の前にある民宿「さんちゃん」は、観光客からのみでなく、島の人たちの憩いの場にもなっており、朝から晩まで多くの島民たちがお茶をしにきたり、お酒を飲みに来たりします。私も毎晩混ぜて頂き、島の希少な話を聞かせてもらったり、その日に獲れた新鮮な海幸などを頂いたりと楽しい思い出を作ることができました。島の人達と交流がしたい方はおすすめです。
白石島の特徴は何と言ってもアクティビティの種類が豊富なこと。特に白石海水浴場では瀬戸内海では珍しく海の家がいくつかあり、食にも困らない上、マリンスポーツのレンタルも豊富です。
見所は海だけではありません。
海水浴場から5分ほど歩くとトレッキングコースが見えてきます。山の頂上である高山展望台からは白石島のみならず瀬戸内海を一望できます。
山の中にある巨大な岩(はと石)が子供でも登れるように工夫されているのも、観光客が多く訪れる白石島ならではですね。
毎晩海の向こう側に落ちる夕日を見ながら一杯やるのはこの上ない贅沢な体験でした。
民宿さんちゃん
住所:岡山県笠岡市白石島457−1
電話番号:0865-68-3169
高山展望台
白石海水浴場から徒歩20分
コンパクトに魅力が詰まった真鍋島
猫好きの中ではひそかに話題となっている真鍋島。船を降りるともれなく多くのねこ達に歓迎をしてもらえます。しばらく猫達と遊び、十分癒してもらえたので次はビーチに向かいます。
まずは本浦港から西に2-3分歩いた場所にあるこのビーチ。現場でもネットでも名前を探したのですがどうやら特に名前はついていないようです。そんな名もなきビーチでもこの美しさ。もしここが東京だったらきっと「ハワイビーチ」とでも名付けられていたでしょう。
続いて島の南側を目指そうと歩き出すと、ノスタルジックな木造の民家が立ち並ぶエリアを見つけました。
本浦港付近のこのエリアは古き良き街並みが残されており、映画の撮影などにも使用されるようです。
民家から立派な木が飛び出しているのを見つけ、近づいてみると市の指定文化財にも選定されている樹齢250年の「ホルトの樹」でした。
こんな風に家のど真ん中から飛び出すように生えていても切断などはせず、古き良きを大切に継承していくという心構えがこの島にはあるようです。
島にはレンタカーもレンタバイクもないため基本的には徒歩で移動するしかありません。険しい坂道も多いので、観光をしているとお腹が減ります。そんな時は島の南にある「三虎」がおすすめです。
民宿として人気の三虎ですが、食事のみの利用も可能です。私が行った際には、笠岡市から団体客が船をチャーターして日帰りで宴会を楽しみに来られていました。真鍋島とよりも飲食店が豊富な笠岡市から何故船をチャーターしてまでやってくるのだろうと考えていると店の生簀から取った蟹をはじめとする多くの小皿が運ばれてきました。
しかし満足するにはまだ早いです。鮮度の良い刺身の盛り合わせが運ばれてきたかと思えば
丁寧に揚げられた天ぷらまで。
この店の和食は素晴らしいと感心していると、こんなにお洒落なディッシュまで。
これ全部一人前です。
そのほかにも何皿か運ばれてきて、もう心もお腹も大満足。わざわざ船をチャーターしてやってくる理由にも頷けます。
また三虎の目の前はこれまた名もなきプライベートビーチが一面に広がります。
食事を終えてこのビーチでのんびりお昼寝なんて、至高の贅沢です。
ホルトの樹
本浦港から徒歩3分
三虎
住所:岡山県笠岡市真鍋島2224
電話番号:0865-68-3515
※食事の場合前日までに要予約
運が良ければエイにも会える、釣りのメッカ北木島
人口960人と笠岡諸島最大の島、北木島は近年とある芸人の出身地として認知されつつある島です。とは言え観光客はそれほど多くなく、山を中心に広がる広大な島(あくまで近隣の島と比べて)にはのどかな時間が流れています。
この島は釣りのメッカとして釣り人たちに絶大の人気を博しており、私が行った10月も多くの釣り人で溢れていました。
島には港が3つありますが、私は真鍋島から船でやってきたので、楠港という東の港から入島し、次の目的地へ向かうため歩いて西側にある豊浦港に向かうことにしました。
「どうせ歩くのなら海岸沿いを」と日差しの強い日でしたが海を眺めながら歩いていると、すぐ下に何やら巨大な影を見つけます。覗いてみると大きなマンタがいるではないですか。
「これは珍しい」と勝手に思い込んだ海のない埼玉育ちの私は、近くで釣りをしているおじさんの元に駆け寄り「巨大なマンタがいますよ!!」とテンションハイで叫ぶと、それを見にきたおじさんが「赤エイだよ、この辺りには嫌っていうほどいるよ」と苦笑をされたのはいい思い出です…… とにかくそれ位魚を簡単に見つけることができます。
グーグルマップを見ながら豊浦港を目指していると、途中に「楠海水浴場」という海水浴場があることに気づきました。寄り道がてらにマップの指示に従って向かうも、どうやってもたどり着きません。周りに人もいなかったので、民家(何故かこの辺りの民家はドアが解放されています)のおばさんに聞くと「あの山を登って行くんだよ」と教えてもらい、その通りに進むことに。
途中何度も蜘蛛の巣に引っかかりながらも、荒れ果てた山道を進んで行くと
今すぐ全裸になって飛び込みたいと思えるようなプライベートビーチのような海水浴場が現れました。
集落からも程よく離れているこの海水浴場では、聞こえる音は波の音だけです。人は皆無で、ゴミもほとんど落ちておらず、この旅で一番のビーチであることは間違いありません。何より知らなければ見つけるのは不可能であろう場所にたどり着き、そこには美しいビーチと自分だけというこれ以上無いシチュエーションです。4桁の電話番号を掲載したレトロな看板も、この島ののどかさを物語っています。
楠海水浴場
住所: 岡山県笠岡市北木島町13284
灯台と水仙の島 六島
周囲4.3kmと歩いて一周できる小さな島、六島。ここの見所は六島灯台と、冬になるとその周りに咲く水仙です。そのシーズンは多くの観光客で賑わいます。つまり逆にいうとそれ以外のシーズンは観光客ほぼ皆無です。水仙と灯台の2ショットも捨てがたいですが、のんびり景色を独り占めするならあえてその時期を外すのも一つの策かもしれません。
島随一の名所を見終えた私は、気ままに歩いていると大鳥神社という神社を見つけました。
島旅をしていると鳥居の向こう側が海というのはよくあるのですが、周りが木に囲まれているとなんだか余計に神秘的に見えます。この日は日差しが強く、気温も高かったのですが木陰になっているこの階段付近は涼しい風が通り抜け、歩き疲れた体を癒すのにも最適でした。
目の前の海はまたもや名前こそないのですが、穏やかで心地よい波音のする、居心地の良いビーチでした。
気がついたらここで昼寝をしていたのですが、この島は車が通らず、道端で寝ててもひかれる心配もエンジン音で起こされる心配もありません。あまりに気持ちが良いもので、危うく船を乗り過ごしてしまうほどでした。危ない危ない。
六島灯台
六島前浦港から徒歩15分
大鳥神社
住所:岡山県笠岡市六島5639
笠岡港周辺のおすすめグルメ「笠岡ラーメン」
最後に笠岡諸島のグルメを紹介したかったのですが、笠岡諸島は食事処が非常に少ないため、基本的には2食付きの宿で食事をとることになります。そこで、笠岡諸島を周る際の拠点になる笠岡港周辺のおすすめ飲食店を紹介しようと思います。
実は笠岡市、ラーメンが非常に人気なのです。
港町にも関わらず、鳥の出汁が効いた醤油ベースのラーメンが主流で、それらを総称する「笠岡ラーメン」という名は岡山では知らない人はいない位のブランド力を持ちます。そんな数ある笠岡ラーメンの中でも一際人気のあるお店があります。その一つが山ちゃん。
笠岡港のすぐそばにあり、漁業関係者の憩いの場となっています。何より嬉しいのは営業時間が朝の5時からということ。朝一便の船で笠岡諸島を周る計画を立てている人にもおすすめです。
夕方以降に出発される方は中華そばいではらもおすすめです。オーナーが一人で切り盛りする老舗で、夜は21時まで営業しています。
どちらもあっさりしているのに、鶏の旨味が染み渡っていて絶品です。船旅は空腹で挑むと酔いやすいので、港付近で美味しいご当地ラーメンを食べてから出発することを強くおすすめします。
笠岡ラーメン山ちゃん
住所:岡山県笠岡市笠岡2369−37 富田マンション 1F
電話番号:0865-60-0256
営業時間:5:00 ~ 15:00
定休日:水曜日 木曜日
中華そばいではら
住所:岡山県笠岡市笠岡2827
電話番号:0865-63-7667
営業時間:12:00 ~ 15:00/ 17:00 ~ 23:00
定休日:月曜日
いかがでしたでしたか。笠岡諸島は名前こそそこまで知れ渡っていませんが、自然あふれる素敵な島がたくさんあります。また、岡山県の倉敷と広島県の尾道という両県の人気観光地に挟まれているため、この辺りに旅行を考えている人も何日か立ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。島を絞れば一泊でも十分楽しむことができる上、何より他の観光地との違いを感じ取ることができると思います。沖縄やハワイなどとは異なる、素朴で穏やかな笠岡諸島をぜひ楽しんでみてください!
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初めまして。酒と旅行がメインのブログを書いているcongiro(コンヒーロ)と申します。 普段から日本各地を旅しては、地元の方々が飲んでいる日常系の日本酒を好んで買って楽しんでいます。 特に好きなのは、その土地の日常酒を、その土地の方たちがいる酒場で飲むことですね。「誰かの日常は、私の非日常」。それを念頭に、いつも楽しく旅をしています。...
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