「京都のとっておき紅葉スポット」を、観光のために京都に移り住んだ醤油好きライターが紹介します

「京都のとっておき紅葉スポット」を、観光のために京都に移り住んだ醤油好きライターが紹介します

はじめまして! ライターの杉村啓といいます。醤油やお酒が大好きで、普段はお酒の本を書いたり、お酒の漫画の原作を書いたり、醤油の本を書いたり、グルメ漫画についての本を書いたりしています。「むむ先生」と呼ばれることもあります。

あまりに醤油が好き過ぎて「淡口醤油の文化圏に住んでみたい」と、数年前に千葉から京都へ引っ越しました。京都を選んだのは、京料理をはじめとする食文化に興味があったのと、せっかくなので観光もしたいと思ったからです。世界一の観光都市にも選ばれたことのある京都なら、さまざまな世界遺産や国宝、重要文化財はもちろんのこと、四季折々の美しい自然を堪能できると思いました。

引っ越してからは、京都のあちこちへ頻繁に出掛けています。その結果、周囲から「京都に昔から住んでいるわけではないのに、京都のお祭りや神事にすごく詳しいね」などと言われるようになりました。

というわけで今回は、そんな私が推す「京都のとっておきの紅葉スポット」をご紹介したいと思います。

1日100人限定! 早起きしてでも行く価値ありの「白龍園」

まず最初に押さえておきたいのは、鞍馬・二ノ瀬にある「白龍園」。なんとここは、シーズンごとに1日100人限定で一般観覧できるという、まさにとっておき中のとっておきスポットなのです(この記事の冒頭の写真も、白龍園で撮影しました)。

白龍園

2018年秋の特別公開は、10月13日(土)から12月2日(日)まで。一般観覧の受付期間になると、毎朝、叡山電鉄の出町柳駅に行列ができます。そこで先着100人だけ、一般観覧のチケットを購入できるのです。

一般観覧は当日券のみで、前売り券はありません。2018年秋の特別公開・一般観覧の当日券は、次の2種類です。

・観覧券のみ(10月:1,300円、11月・12月:1,600円)
・叡山電鉄の1日フリー乗車券と観覧券のセット(10月:2,000円、11月・12月:2,300円)

出町柳駅から二ノ瀬駅までは叡山電鉄で片道380円なので、1日フリー乗車券付きがお得です。叡山電鉄沿いは他にも「貴船神社」「鞍馬寺」「岩倉実相院門跡」など見どころがたくさんあるので、他を見て回るのもいいでしょう。

というわけで、無事にチケットを入手できたら出町柳駅から叡山電鉄で二ノ瀬駅へ向かいます。下車して徒歩約7分で白龍園が見えてきます。

白龍園

ここは、いわゆるお寺や神社の中の庭園ではなく、京都市内に本社を置く老舗アパレルメーカー・青野株式会社が所有する庭園です。山の整備などは、全て社員家族が手掛けたそう。1日100人限定なのも、その庭園をきちんと維持するためなのですね。

一般観覧の時間は、10:00から12:30まで。2時間半の間、じっくりと庭園を堪能しましょう。何せ、どんなに多くても100人しかいないので、ゆったりと見て回ることができます。写真も、撮影可能エリアでは自由に撮れます。

庭園内には「あずまや」がいくつかあり、そこから見える景色はどれも素晴らしい。

白龍園

見事な石灯籠もあります。

紅葉の見頃は、例年11月中旬以降です。その際には、ぜひとも当日券を入手したいところ。事前予約をしたいという人は、往復はがきで事前予約観覧への応募ができます。

白龍園
住所:京都市左京区鞍馬二ノ瀬町106
観覧時間:一般観覧は10:00〜12:30、事前予約観覧は12:30〜14:00
TEL:075-702-8111(叡山電鉄営業課)/075-311-8988(青野株式会社)
公式サイト:http://hakuryuen.com/

四季折々の美しさがあるけれども、中でも紅葉の季節は抜群な「詩仙堂」

白龍園へ行くために叡山電鉄の1日フリー乗車券を利用したら、ぜひともあわせて行ってほしいのが「詩仙堂」です。

叡山電鉄の一乗寺駅からは徒歩15分ほど。バスを使ってもいいのですが、のんびり歩いていると、途中には宮本武蔵と吉岡一門の決闘でも有名な一乗寺下り松があったりもします。

詩仙堂

詩仙堂は、徳川家の家臣だった石川丈山が隠居のために造営した山荘です。正式な名前は「凹凸窠(おうとつか)」といい、でこぼこした土地に建てた住居という意味を持っています。その中心に中国の詩家36人の肖像を掲げた「詩仙の間」があることから、詩仙堂と呼ばれています。

詩仙堂

その名の通り起伏がある庭園では、うまく均等に陽が当たるためでしょうか、とても美しく色付いた紅葉を堪能できます。四季折々の美しさを楽しめますが、特に紅葉の季節は、それはもう素晴らしいのです。

詩仙堂

お気に入りの1枚。青空に飛行機雲と紅葉がよく映えます。あ、飛行機雲だ! と思った瞬間にiPhone 7でパシャリと撮ったのでした。あっという間に飛行機雲は消えてしまったので、このタイミングで撮ることができた自分を褒めてあげたいです。褒めました。

夜間拝観は行っていないので、日中に訪れましょう。

詩仙堂
住所:京都市左京区一乗寺門口町27
開門時間:9:00~17:00(16:45に受け付け終了)
TEL:075-781-2954
公式サイト:http://www.kyoto-shisendo.com/Ja.html

宿泊するなら? 出町柳駅周辺に泊まって、白龍園や詩仙堂を満喫しよう

白龍園や詩仙堂を楽しむなら、出町柳駅周辺のエリアに泊まるのがオススメです。白龍園の当日券は出町柳駅で8:30から販売されるので、宿泊先が出町柳駅に近ければ近いほど有利! 京町家を改装したゲストハウスなどは、京都気分を満喫できそうです。

早朝から「南禅寺」を味わい尽くそう

臨済宗南禅寺派の大本山として知られる「南禅寺」も、紅葉の名所です。

南禅寺

有名な「三門」の周りには紅葉がたくさんあり、三門と紅葉を同時に写そうとする参拝者でにぎわっています。

南禅寺

日中はとても人が多いので、ゆっくり楽しみたいなら、早朝に行くのがいいでしょう。方丈庭園、三門、南禅院はそれぞれ8:40から拝観できるのですが、境内はもう少し早い時間から見ることができます。

南禅寺

青空、紅葉、三門の組み合わせはとてもいいですね。早朝の人がほとんどいないときに、三門の周囲や、これまた有名な水路閣をじっくりと楽しみ、拝観時間がきたら方丈庭園や南禅院、三門を楽しむ。これが、私が思う南禅寺を味わい尽くすコツです。

南禅寺

また、個人的に好きなのが、散り際の時期。庭に紅葉が敷き詰められたような、紅葉の絨毯(じゅうたん)の景色が、とてもいいのです。

また、南禅寺の周囲にはいくつもの塔頭があります。中でも「天授庵」はこれまた見事な紅葉を楽しめるので、あわせて訪れることをオススメします。

南禅寺
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
拝観時間:8:40~16:30(12月1日~2月28日)、8:40~17:00(3月1日~11月30日)
TEL:075-771-0365
公式サイト:http://www.nanzen.net/index.html

京都屈指の紅葉の名所! 「永観堂」

京都に移り住んだときに、周りの友達に「京都で紅葉を楽しむならどこへ行くといい?」と質問をしたら、かなりの人が「永観堂」と教えてくれました。昔から「もみじの永観堂」とうたわれている京都屈指の紅葉の名所で、正式名称は「聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺」です。

日中もそれはそれは素晴らしい庭園を楽しめるのですが、オススメしたいのは何といっても夜間拝観!

永観堂

紅や黄色の紅葉が、色とりどりに美しくライトアップされています。ライトアップされた紅葉もまた、いいですよね。

ライトアップ期間は日中の拝観と夜間拝観で時間が区切られるのですが、日によっては、まだ日中の拝観時間に夜間拝観のための行列ができるほどの人気です。

永観堂

永観堂

ライトアップされた夜間の紅葉をうまく写真に撮るのはなかなか難しいですね。毎年がんばってチャレンジしています。

永観堂

もみじの永観堂とうたわれている通り、かなりの数の紅葉があります。タイミングさえ合えば、紅、黄色、青のもみじを1枚の写真に収めることもできます。

永観堂

池と紅葉を一望できるポイントも。

南禅寺から歩いて行ける距離で、近くには「哲学の道」もあり、このエリアもかなり見応えがあります。日中は南禅寺を楽しみ、ライトアップと同時に永観堂へ、というのがお気に入りのルートです。

永観堂
住所:京都府京都市左京区永観堂町48
TEL:075-761-0007
通常の拝観時間:9:00~17:00(16:00に受け付け終了)
「秋の寺宝展」期間の寺宝展の拝観時間:9:00〜16:00(16:00に受け付け終了、17:00に閉門)
「秋の寺宝展」期間のライトアップの拝観時間:17:30〜20:30(20:30に受け付け終了、21:00に閉門)
※「秋の寺宝展」期間は2018年11月3日(土・祝)~12月2日(日)
公式サイト:http://www.eikando.or.jp/

宿泊するなら? 南禅寺や永観堂へアクセス良好な地下鉄東西線沿線がオススメ

早朝から南禅寺や永観堂を楽しむなら、やはり近くにホテルを取りたいところです。最寄り駅である地下鉄東西線の蹴上駅周辺にホテルを取れればいいのですが、意外と数は多くなかったりもします。

なので、同じ地下鉄東西線沿線でホテルを取るといいかもしれません。例えば東山駅なら、周辺に宿泊施設も多く、平安神宮などの観光名所も近くにあります。

朝の柔らかな光の中で見たい「天龍寺」

京都の中でも、観光地として特に有名な嵯峨・嵐山エリア。その中で、四季折々の圧倒的な美しさを見せてくれるのが「天龍寺」です。

天龍寺

やはり見ておきたいのは、日本最初の史跡・特別名勝指定がなされた「曹源池庭園」。

「曹源池」を中心に、池の周りを巡る池泉回遊式庭園で、そのところどころに紅葉があります。この写真を撮影したのは色付き始めの頃だったのですが、しっかりと紅くなると、より一層見応えがあります。

天龍寺

オススメの時間帯は、やはり朝でしょうか。天龍寺は京都市内の一番西のエリアに位置するので、市内でも最初に朝陽が当たります。2018年11月10日(土)〜12月2日(日)は、7:30から早朝参拝できます(通常は8:30から)。人が少なくじっくりと見て回れるので、なるべく朝一番に行きましょう。それだけの価値がある美しさです。

天龍寺

嵐山を借景に、まず曹源池庭園の全景を楽しみましょう。そこから、じっくりと巡って個々の紅葉を味わいます。写真にはないのですが、静かに流れる小川と紅葉もいいです。

ちなみに天龍寺はさまざまな撮影のロケ地にも使われているようで、以前私が見に行った際にも、たまたまロケ中だったことがあります。そのときは参拝時間よりも早い時間帯だったのですが、ロケで使われていないエリアを特別に見せてもらいました。

天龍寺
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
通常の参拝時間:8:30~17:30(北門は9:00に開門、17:00に閉門)
10月21日~3月20日の参拝時間:8:30~17:00(北門は9:00に開門、16:30に閉門)
※2018年11月10日(土)〜12月2日(日)は、7:30から早朝参拝可能
TEL:075-881-1235
公式サイト:http://www.tenryuji.com/

宿泊するなら? 嵐山エリアに泊まり、天龍寺など紅葉の名所を巡ろう

というわけで、朝から天龍寺を楽しむのなら、やはり嵐山エリアへの宿泊がいいでしょう。「天龍寺」を堪能した後、少し北へ移動すれば「常寂光寺」「二尊院」「祇王寺」などの紅葉も楽しめます。

夜間拝観の美しさ! 「北野天満宮」

夜間拝観の美しさでいえば、「北野天満宮」もかなりオススメです。菅原道真公をご祭神としている天神さんの総本社で、梅のイメージが強いかもしれませんが、紅葉もとても美しいのです。

北野天満宮
写真提供:北野天満宮

境内に、「史跡 御土居のもみじ苑」があります。「御土居」とは、豊臣秀吉公が洛中洛外の境界と、水防のために築いた土塁です。その一部と自然林が残っています。

かなりの数のもみじがあり、季節になると一斉に色付きます! 青もみじの季節もいいのですが、私はやはり紅く染まったときが好きです。

日中も拝観できるのですが、オススメは11月中旬から始まる、日没後のライトアップです。

北野天満宮
写真提供:北野天満宮

苑内はかなり広いので、ゆったりと楽しめます。ライトアップは日没から20:00までなので、じっくりと楽しみましょう。

もみじ苑の公開期間中に入苑すると、苑内でお茶菓子もいただけます。紅葉をたっぷりと堪能したあとに、茶店でお菓子をいただき、満足度いっぱいで帰るというのが、毎年の紅葉シーズンの楽しみです。

北野天満宮
住所:京都市上京区馬喰町 北野天満宮
楼門の開閉時間:5:00〜18:00(4月〜9月)、5:30〜17:30(10月〜3月)
※もみじ苑ライトアップ期間や正月などは夜間も開門します
2018年のもみじ苑公開時期:10月25日(木)〜12月2日(日)
2018年のライトアップ期間:11月10日(土)〜12月2日(日)
入苑時間:9:00〜16:00(ライトアップは日没〜20:00)
※もみじ苑公開やライトアップの日程は毎年変わります。公式サイトなどの最新情報をご確認ください
TEL:075-461-0005
公式サイト:http://www.kitanotenmangu.or.jp/

宿泊するなら? 北野天満宮のライトアップに行くなら、バスで行き来できるエリアがオススメ

夜間に北野天満宮のライトアップを楽しむ場合、宿泊先はそれほど神社の近くでなくてもいいかもしれません。バスで行き来できる範囲にホテルを取るといいでしょう。

北野天満宮の近くには、桜で有名な「平野神社」や、御朱印帳がとてもかっこいい「大将軍八神社」などもあります。バスで少し北へ行くと「金閣寺」や「大徳寺」もあります。大徳寺方面へ泊まって、日中はそちらを見て、夕方から夜間にかけて北野天満宮方面へ移動するのもいいですね。

織田信長公ゆかりの地である「妙覚寺」は、落ち着いた雰囲気が魅力

2016年からライトアップを始めたばかりの「妙覚寺」(※「覚」の正式な表記は旧字体)は、穴場な紅葉スポットといえます。

妙覚寺

妙覚寺は織田信長公が上洛した際の常宿で、宿泊している回数は「本能寺」よりも多いそうです。

「本能寺の変」の際、妙覚寺には信長公ではなく、息子の信忠公が宿泊していました。境内にある「もしいつものように(信長が)妙覚寺に泊まっていたら、『本能寺の変』は『妙覚寺の変』になったかもしれません」という説明書きを読んで、いっぺんにこのお寺のファンになってしまいました。

妙覚寺

「ここにあの信長がよく泊まっていたのか……この円い窓も、信長が見ていたのかもしれない……」と、思いをはせるのもまた楽しいです。(実際に宿泊していたのは、豊臣秀吉公によって移転される前の話ではありますが)

妙覚寺

落ち着いた雰囲気と、信長公にまつわるエピソードなども楽しめます。

妙覚寺
住所:京都市上京区上御霊前通小川東入下清蔵口町135
2018年11月1日(木)~11月30日(金)の、秋季特別拝観時間:9:00〜15:00
2018年11月10日(土)~12月2日(日)の、ライトアップ拝観時間:18:00〜20:00
※その他の時期の拝観時間は季節によって異なりますので、詳細はお問い合わせください
TEL:075-441-2802

宿泊するなら? 四条駅・烏丸御池駅周辺は、さまざまなスポットへアクセス良好

「妙覚寺」は地下鉄烏丸線の鞍馬口駅が最寄り駅です。妙覚寺を楽しむなら、同じ地下鉄烏丸線の四条駅や烏丸御池駅付近に泊まるといいでしょう。この2駅の周辺は京都の中心街なので、何といってもホテルが多く、地下鉄・私鉄・バスといった交通の便がとても良いのです。

地下鉄烏丸線で妙覚寺へ行けるのはもちろん、今回紹介した他のスポットをはじめ、「清水寺」や「東福寺」などの人気観光スポットにもアクセスしやすいです。四条大宮まで移動して嵐電に乗れば、嵐山にも行けます。

さらにこのエリアは、ここ数年でびっくりするほどホテルが増えているのもポイントでしょう。以前、私が京都に移ってからどれくらいホテルが増えたのか数えてみようと思ったのですが、すぐに片手では足りなくなり、数えるのをやめてしまいました。それぐらい、この近辺にはホテルが増えています。

どこへ行こうか悩んでいる人や、旅行の日程は決まっているけれども、紅葉の色付き具合によって行き先を変えるかもしれないという人は、四条駅・烏丸御池駅近辺にホテルを取るといいでしょう。

京都観光は「朝」がポイント!

というわけで、オススメの紅葉スポットをご紹介しました。他にもまだまだたくさんあるのですが、まずは今回ご紹介したスポットを訪れてみてはいかがでしょう?

たびたび書きましたが、ポイントは、「朝」に行くことです。人が少なく、爽やかで澄んだ朝の空気が、観光にはぴったりです。まずは朝の京都を堪能してから、喫茶店で少し遅めのモーニングを食べるのも悪くありません。

有名な清水寺でさえ、朝の7:00ごろに行くと、びっくりするほど空いています。写真も撮りやすいです。有名どころを快適に見るコツは「修学旅行生がホテルで朝ご飯を食べている時間」と覚えておくといいでしょう。

そして、昼の一番混み合う時間は休憩をして、夜間ライトアップを楽しむ。これが、最も快適に紅葉を楽しむ方法だと思います。京都の紅葉を堪能したい方、「自分なら同じ場所でもっとすごい写真を撮ってやる!」と思われた方、ぜひこの記事を参考に、京都へ来てください。

文:杉村啓 ……醤油やお酒を愛し、そのおいしさ・楽しさ・奥深さについて広める活動を行うライター。料理漫画研究家でもある。著書に『白熱ビール教室』『白熱洋酒教室』『白熱日本酒教室』(星海社)、『醤油手帖』(河出書房新社)、『グルメ漫画50年史』(星海社新書)ほか。京都在住。

編集:はてな編集部

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