イカに温泉に夜景を満喫!北海道2泊3日のドライブモデルコース 函館~札幌編
広大な北海道も、レンタカーさえあれば自由自在に旅することができます。しかし、難しいのがルート設定。どのようにプランニングすれば良いの?と悩む方も多いかもしれません。そこで今回から3回に渡って、北海道のオススメドライブプランをご紹介します。
函館空港から入り、新千歳空港から帰るプランを練る
北海道のドライブプランを考える上でぜひ頭に入れておいていただきたいのが、レンタカーの乗り捨てというアイディア。ご存知の通り北海道は広大。出発地点の空港に戻ってくるより別の空港へ移動した方が圧倒的に効率的です。レンタカー会社にもよりますが、乗り捨て手数料もそう高くありません。第一回目にご紹介するのは、函館空港に入り、新千歳空港から帰途に付くというプラン。
このプランでは、函館で海鮮と夜景を満喫し、洞爺湖で温泉を楽しみ、札幌観光をエンジョイするという欲張りプランです。
1日目 函館空港到着 2つの修道院と函館グルメ、夜景を満喫
移動距離 66km 運転時間 2時間
9:30 函館に到着
函館へは朝一便で到着。レンタカーを借りたらまずはトラピスチヌ修道院へ。
トラピスチヌ修道院までは2.5km。車で10分ほど。あっという間に到着してしまいますが、修道院の朝は早い。開門は8時。売店。資料館は朝8時10分からオープンしているので、最初の訪問先としてはぴったりです。
9:40 トラピスチヌ修道院到着
トラピスチヌ修道院の看板に導かれるまま坂をのぼっていくと「トラピスチヌ正門」とかかれた看板の前で、旗をふって誘導する人がいます。うっかりなにも考えずに誘導に従って駐車してしまいますが、実はここ、民間の駐車場。
もう少し先に市民駐車場があります。民間の駐車場は1回300円、市民駐車場は200円なので、そう痛い出費でもないのですがなんとなく釈然としない気分になります。旅のしょっぱなでこの仕打ちにあってしまうと気分が上がりませんね。まあ、些細なことなのですが、知っているのと知らないのとでは気分的に全然違うので気に留めておいてください。
さて、トラピスチヌ修道院は明治31年に設立された日本初の女子修道院。敷地内は一部開放されており見学することができますが、厳格な戒律の中で過ごす修道女たちを見ることは滅多にありません。彼女たちは煉瓦で造られた重厚な塀の向こうで「祈り、働け」をモットーに日々慎ましく暮らしています。
入り口には売店と資料館があり、ここではクッキーやバターをたっぷり使った焼き菓子マダレナを購入することができます。マダレナはバター、卵、小麦粉、砂糖の4種類の材料だけで作られた素朴だけどリッチな味わいのお菓子。フランスから伝えられたレシピをもとに1956年から製造販売されています。6個入り850円。
トラピスチヌ修道院
0138-57-3331
函館市上湯川町346
8:00〜17:00(11〜4月は〜16:30)
11:00 函館朝市で早めのランチ 10㎞ 約25分
函館と言えばイカ。実際に訪れてみると、ゆるキャラをはじめ、ポスターやモニュメント、ぬいぐるみや携帯ストラップなど、あらゆる場面で想像以上のイカ押しに驚きます。特に函館市がプロデュースするイカール星人(http://www.ika-r.com/)は、イカを大量消費する函館市民にイカりを覚えたイカール星人が函館に侵略し、函館の街を破壊していくという衝撃的な内容ですが、150年前に黒船が訪れ異国の文化を受け入れてきた函館市民には、今回の侵略も好意的に受け入れられた模様。
さておき、それほどまでに函館がおすイカは味わわずにはいられません。向かうは函館朝市。
海産物や農産物を扱う店250店あまりが集まる大きな市場で、早朝から賑わっています。飲食店が集まるのは隣接する「どんぶり横丁市場」。ここにイカ丼で有名な店があります。
店名は「一花亭 たびじ」。この店を一躍有名にしたのは、このイカ丼。丼の上にイクラと、胴の部分がぶった切られたイカが乗っています。
まだ生きているイカに醤油をかけるとイカが踊り始め、イクラを蹴っ飛ばすこともあるとか。その様子がYouTubeにアップされたことから話題となり、日本国内だけでなく世界各国からこれを目当てに訪れる客が後を絶たないそうです。
正直言って個人的にはちょっとその演出には引いてしまいますが、自分の目で見ずして否定するわけにもいきません。とっても感じの良い店員さんに案内されカウンターに座り、名物「活イカ踊り丼」1890円をオーダー。一眼レフとiPhoneを準備し、観光客オーラをばしばし放ちつつスタンバイ。運ばれてきたイカ丼は…
そんなにエグくない!むしろおいしそう!透き通るイカの身は真珠かオパールかといった風情で、自家製イクラもふっくらつやつやです。
試しに醤油をかけてみたところ、足を少し動かしましたが、まあこれはやってもやらなくてもいいかと思います。
ひととおり楽しんだことを確認した店員さんがタイミングよく声をかけてくれ、イカの胴の部分を焼いてくれます。その間にイカをひとくち。…うまい!甘くてコリコリの歯ごたえがたまらない。なんで普段食べているイカとこんなに違うの!と驚きを隠しきれません。少し炙ってくれたイカのゲソも甘みが増して絶品。ビジュアルで毛嫌いせず食べてみてよかった!
ちなみに、朝市の駐車場は最初の30分は無料。飲食店で2100円以上利用すると1時間30分の無料券がもらえます。
一花亭 たびじ
0138-27-6171
5:00〜15:00(5、6月の平日、11〜4月は6:00〜14:00)
http://donburiyokocho.com/01_14.html
13:00 女人禁制 厳格なトラピスト修道院へ 約27km 40分
せっかく車があるので、少し郊外へ。当別のトラピスト修道院へ行ってみましょう。トラピスチヌ修道院は女子修道院ですがこちらは男子の修道院。こちらも厳しい戒律で知られています。丘の上にある修道院までは長い、長い1本道。教会に近づくにつれ俗世から解脱していくような感覚に包まれます。
突き当たりに駐車場があります。修道院はさらに長い石の階段を上った上にありますが、残念ながら見学はできません。
固く閉ざされた門の向こうは別世界という風情です。
実は事前にハガキで申し込めば、1日1組のみ見学ができる可能性もあるのですが、条件は男性であること。どうあっても私には見学ができない。非常に残念です。入り口の脇には簡素な展示スペースがあり、そこで得た情報によると、修道士たちは3:30に起床し、その後読書をしたり、農作業をしたり、祈ったりして20:00に就寝だそう。冬場の朝は特に辛そうですね。
駐車場には売店があり、クッキーやバター、ソフトクリームを販売しています。トラピスト修道院といえばバターが有名ですが、ここのソフトクリームにはそのバターがはいっており、濃厚で絶品。クッキーも添えられています。350円。クッキーをスプーン代わりにいただきます。
もちろんバターやクッキーも販売されています。
トラピスト修道院
http://www.trappist.or.jp/
0138-75−2108
売店8:30〜16:30(季節により変動あり)
14:30 函館市内へ移動。見どころを巡る 約27km 40分
午後は函館市内に戻り市内観光をしましょう。
五稜郭
いわずと知れた函館のランドマーク。
高さ90mの五稜郭タワーの展望台からは街を一望。五稜郭の歴史を紹介するパネル展示などもあります。展望台からは、星の形をした五稜郭公園もばっちり。
1868年に勃発した箱館戦争の際に城塞として建てられたもの。最近ではきれいな星の形からか、パワースポットなどと言われています。
五稜郭タワー
http://www.goryokaku-tower.co.jp/
0138-51-4785
8:00〜19:00(冬季は9:00〜18:00)
入館900円
無休
赤レンガ倉庫群
1882年に建てられた倉庫をリノベーションした商業施設。函館湾に面して、金森倉庫群、BAYはこだて、函館ヒストリープラザ、金森ホールなどからなります。おみやげが揃うショップやカフェ、ガラス作りの体験施設などが可能。
元町まち歩き
北海道初の国際貿易港となった函館には数多くの洋館が残ります。特に元町エリアには洋館が多く、坂が多い地形も相まって異国情緒満点。ドーム型の屋根、クーポルが印象的な函館ハリストス正教会やカトリック元町教会、
そして函館港までまっすぐに続く八幡坂などの景勝地を巡ってみましょう。
函館山からの夜景
函館といえば、函館山からの夜景が有名です。標高334mの函館山の山頂にある展望台からは函館港と津軽海峡の間に広がる函館市街地、そして駒ヶ岳の山並みを一望。キラキラと輝く夜景はとてもロマンティックです。この夜景を見に行くならロープウェイで。大人往復1280円。麓には無料駐車場がありますが、台数が少なくすぐにいっぱいになるので市電や市バス、タクシーの利用が賢明です。日没30分前くらいに山頂に到着すると、薄明かりから徐々に輝き始める街を眺めることができます。
が、なかには夜景よりも地形が好みという方もいるでしょう。そんな方はわざわざ混み合う夕方を狙わなくても、昼間に訪れれば山頂まで車で行くことができます。山頂の駐車場も無料。明るいなかで眺めれば、函館の特異な地形をより一層はっきり見ることができますよ。
山頂への交通規制は4月後半〜9月は17:00〜22:00、10月〜冬季閉鎖までは16〜21時です。その時間帯以外なら車で訪れることができます。
函館山ロープウェイ
https://334.co.jp/
函館の宿泊はどこがいい?
函館の街中には、コンフォート、ドーミーイン、スーパーホテル、東横イン、アパホテルなどのビジネスホテルチェーンからシティホテルまで豊富に揃っています。東に5kmほどいけば、湯の川温泉が。函館市内のホテルでも温泉が楽しめるホテルは多いのですが、より温泉を満喫したければ、湯の川温泉に滞在するのも良いでしょう。
湯の川温泉へ行くなら、ぜひ「湯倉神社」へ。風情ある良い神社なのですが、注目は釣り竿を使っておみくじをひく「イカすおみくじ」。
私はうっかり赤い鯛を釣ってしまいましたが、背景に見えている白や金はイカ。ぜひイカをつり上げて、1年の運勢を占ってみてください。
湯倉神社
0138-57-8282
http://www.yukurajinja.or.jp/
2日目 大沼の湖沼巡りとジオパーク有珠山、そして洞爺湖温泉で癒される
移動距離 186km 運転時間 3時間
10:00 自然豊かな大沼でのんびりリラックス
2日目は洞爺湖までおよそ180kmのドライブデー。まずは函館の北30kmほどのところにある大沼を目指します。
大沼の少し手前で「山川牧場ミルクプラント」へ立ち寄りましょう。
自社牧場の新鮮なミルクを使ったソフトクリームや飲むヨーグルトが絶品です。ソフトクリーム380円。外にはお母さん牛や子牛たちも。
子牛たちに近寄るとモーモーと鳴きながらミルクをねだってきます。ラブリー。
山川牧場から10分ほどで大沼に到着します。駐車場はいくつかありますがどこも400円〜410円ほどのよう。公園内の整備に使われるということなので、気持ち良く支払いましょう。
大沼は駒ヶ岳の火山活動によってできた大小120もの湖沼群。湖畔には遊歩道が整備され、15分から1時間まで様々。長時間ドライブに備えて少し体を動かしておくのも良いでしょう。30分で沼を巡る遊覧船もあります。1100円。
大沼にも名物がありました。それが沼の家で売られている一口サイズのだんご。1905年から創業している老舗で、うるち米で作られた団子は浮島をイメージしているそう。醤油とあんの小折は390円。おいしいですが、手がべたべたになるのでウェットティッシュは必携です。
沼の家
0138-67-2104
亀田郡七飯町字大沼町145
8:30~売り切れ次第終了
12:30 昭和新山と有珠山ロープウェイへ 約150km 2時間
大沼を出発し、内浦湾沿いに一路北上。有珠山を目指します。高速道路を使うので、ETCカードを持っている方はお忘れなく。単調な道が続くので飽きないように飽きないようお気に入りの音楽などを用意しておきましょう。
有珠山は現在も活動を続ける活火山。これまでも周期的に噴火を繰り返し、直近では2000年に北山麓が噴火しました。1944年から45年の噴火では昭和新山を形成、1977年から78年の噴火では多量の火山灰を噴出し、近隣の農地に多大な被害を与えたとともに、山頂に巨大な大火口を作り出しました。文字で見ると、へ~、という感じなのですが、実際に目の当たりにしてみると、火山の威力に驚きます。
こちらは1945年に誕生した398mの溶岩山、昭和新山。山ができる前はこのあたりは農地だったといいます。
続いてロープウェイで有珠山の山頂へ。
山頂には1978年の噴火でできた火口があります。ここも以前は牧草地帯で放牧がおこなわれていたそう。
40年近くたった今でも荒涼とした風景です。この外輪山には遊歩道が整備されており、3時間程度で雄大な景色を見ながら歩くこともできます。そこそこハードそうな道のりなので、興味がある人はとトレッキングシューズや水など、装備を用意してくると良いでしょう。
有珠山ロープウェイは往復1600円。駐車場は500円。レンタカー会社にもよりますが、もしドライブマップなどをもらっていたら、そこにロープウェイのクーポン券がついているかもしれません。チェックしてみましょう。
有珠山ロープウェイ
http://usuzan.hokkaido.jp/ja/
有珠山でランチなら、1946年創業の老舗洋食レストラン「望洋亭」がおすすめです。ウッディな店内で、ハンバーグやナポリタン、マカロニグラタンなど懐かしいメニューを味わうことができます。
宿泊は洞爺湖温泉で。洞爺湖周辺に大小様々な温泉旅館があります。洞爺湖では4月28日から10月31日までロングラン花火を開催中。毎晩洞爺湖を彩る450発の花火を見ることができます。
洞爺湖ロングラン花火大会
http://www.laketoya.com/event/
3日目 洞爺湖の絶景を堪能し札幌観光。千歳空港から帰途へ。
移動距離 170km 運転時間 3時間
10:00 レイクヒル・ファームで自家製アイス♪ 約11km 15分
いよいよ最終日。海沿いに高速道路で一気に札幌へ向かっても良いのですか、ドライブ好きならばニセコの山々を眺めながらドライブができる国道230号線がおすすめです。
まずはレイクヒル・ファームで朝スイーツ。日替わりで20種類ある自家製ジェラードに、いつも行列ができています。
広大な芝生エリアでニセコの山々を眺めながらいただきましょう。
レイクヒル・ファーム
0120-83-3376
9:00~19:00(10月~4月下旬~17:00)
http://lake-hill.com
レイクヒル・ファームから車で5分ほど北上するとサイロ展望台があります。こちらからは洞爺湖を一望できます。
12:30 札幌で観光&グルメ三昧 約100km 2時間
旅の最後は札幌へ。北海道一の大都市で、観光、グルメ、ショッピングを楽しみましょう。初めてならば札幌時計台や大通り公園、さっぽろテレビ塔などを一通り見て回っても。
北海道を代表する銘菓、白い恋人の石屋製菓が運営する「白い恋人パーク」や、
サッポロビールの産まれ故郷「サッポロビール園」で、ジンギスカンを堪能するのも良いでしょう。
マルセイバターサンドで有名な六花亭本店で限定スイーツ「マルセイ・アイスサンド」を楽しんだり、
サッポロラーメン、雪印パーラーで昭和天皇・皇后様も味わわれたアイスクリームを楽しむのも良し。とにかく楽しみの多いエリアなので、目的を絞りましょう。
グルメとショッピングのワンダーランド、新千歳空港に予定を割くのもアリ
もし駐車場を探してうろうろするのも面倒だし、時間を気にしながら過ごすのも落ち着かない、という方は新千歳空港へ行ってしまうというのも手。新千歳空港には札幌をはじめ北海道のグルメが集結しています。
注目は、美瑛に本店を置く人気店美瑛選果の千歳空港限定販売のコーンパン。つぶつぶのとうもろこししがぎっしり詰まったパンは自然な甘みととうもろこしの食感が楽しく大人気。1日数回不定期で焼きがるので、もし手に入れたければ空港で少し待機時間を見ておきましょう。
生チョコレートで有名なロイズは新千歳空港にベーカリーを展開しています。思わず我が目を疑うのは、板チョコレートをまるごとサンドしたグテ。バランスがちょっとおかしい気もしますが、チョコレートは文句なく美味しいからOK!
クルマを返却していれば心おきなくビールを楽しめるのも魅力です。空港内には有名な「松尾ジンギスカン」も。搭乗前に盛大にジンギスカン&ビールを楽しんじゃいましょう。
このまま羊の匂いを纏ったまま飛行機に乗るのがためらわれるなら、空港内の温泉へ。ナトリウム塩化物泉で保温効果の高い新千歳の湯でさっぱり汗をジンギスカンの匂いを流して帰途につくのも乙なもの。
Photo by Takuya YAGATA
3時間はラクに時間を潰せる新千歳空港。札幌市内で時間を無理につぶそうとせずに、早めに空港に入って旅のラストをエンジョイするのもおすすめです。
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お世話になっております。会社員兼業ライターの赤祖父と申します。6歳男子、2歳女子の2児の父親でもあります。 前回に引き続き、今回も「息子に興味のあることを聞いてプランを組み立てる、親子ふたり旅」へ行ってきましたので、その内容をご紹介します。旅の終わりには、こちらも前回と同じく、思い出を絵に描いてもらいました。未就学児と旅をする上でおすすめの“鉄道体験”についても触れています。 「雪が見たい」の一言で、行き先は青森に決めた...
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