人口200人! 心温まる北海道の小さな離島「焼尻島」

人口200人! 心温まる北海道の小さな離島「焼尻島」

北海道の離島と言えば「利尻島」や「礼文島」を思い浮かべる人が多いと思います。旅行が大好きで、暇な時間のほとんどを次の旅先を調べる時間に費やしている私も、この2つの島はずっと興味があったと同時に、唯一自分が知っている北海道の離島でした。そんな利尻島、礼文島旅行を計画中にふとグーグルマップを見ると、何やら下の方に小さな点を発見。最初はバングラディッシュでスマホを落とした時にできた液晶のキズかと思い触ってみるも、どうやら違います。拡大してみるとなんだか良さげな島があるではないですか。しかもいい感じの距離感に2つも。マップ上に果てしなく広がるブルーの中から小さな点を見つけるスペシャリストの私は見逃しません。利尻島、礼文島の旅行を当初より少し早めに切り上げ、2つのうちの1つ、人口約200人の離島、焼尻島にも行ってみることにしました。

羽幌から船で焼尻島へ

羽幌から船で焼尻島へ

焼尻島は空港がないので、羽幌から日に2本出航しているフェリーまたは高速船で行きます。運行会社は「羽幌沿海フェリー」で、フェリーだと1時間、高速船だと35分で到着します。焼尻島についた船はしばらくすると、天売島や、羽幌に行くのですが、運が良いと離島特有のテープ投げを見ることができます。長い歴史ある情緒ある風景で、ドラマの中に飛び込んだような感覚になります。この日は、私が宿泊していたゲストハウス『やすんでけ』のスタッフさんが、地元に戻る感動的な別れの場面に遭遇しました。

宿に向かおうとすると、何やらわいわい楽しそうなグループが。

焼尻島へ

どうやらこの日あったお祭りで太鼓隊をしていた方々のようです。

焼尻島へ

せっかくきたのだからと、生ビールや海の幸をたらふくご馳走してくれ、皆さんの宴会に交えてもらい、「泊まるところなかったらいつでもおいで」とお声がけいただきました。島の人、優しすぎます。船が着いてから数時間たつも未だにフェリーターミナルの前にいますが、もう存分に島を楽しんでいます。

ローカルを存分に楽しむための5つのこと

焼尻島には目立った観光名所はなく、私が調べたところ、ガイドブックなるものが存在しておりません。某人気ガイドブックの北海道編を開いて見ると、特集がないどころか、地図上に焼尻島がなかったほど。そんな島に行ったら、地元の人と同じ暮らしをすることが楽しむ秘訣。流れに身を任せて、ノープランで散策してみて見つけた5つの楽しみ方をご紹介します。

1.まずは腹ごしらえで焼尻グルメ、焼尻サフォークとは?

焼尻島は勿論北海道の島なのでウニをはじめとする海鮮料理が豊富でその鮮度も抜群です。しかし、島の人に「この島で一番美味しいものは」と聞くと口を揃えて「焼尻サフォーク」と答えます。サフォークとは羊の一種で、中でも焼尻サフォークは国内でも最高級品の一つで、そのほとんどが都心のフレンチレストランなどに卸されるようで、地元の人も滅多に食べられない希少なお肉なのです。地元の人にオススメを聞くと「島っ子食堂」をオススメしてもらいました。行ってみると「今日はもう疲れたから帰ってくれ」とおばさんに言われてしまいます。しかしこちらも空腹だったので、「お腹減ってるんで、お願いしますっ」とお願いすると「仕方ないね、うちは高いよ?」となんとか承諾を得ることに成功。いかにもお客を欲してないこのやり取りから、私の期待は膨らみます。大雑把に盛り付けたお肉を持ってきて「ウチは新鮮だからレアで食いな」と一言言われました。

焼尻サフォーク

なんだか職人気質で格好が良く、嫌な気持ちどころか逆に清々しくなるような接客です。

焼尻サフォーク

言われた通りレア?生?でいただいてみると、

焼尻サフォーク

あ、甘い! 驚くほど甘くて、噛めば噛むほど濃厚な味が口の中に染み渡ります。昔から羊肉が大好きな私ですが、人生で間違いなく一番美味しい羊肉です。

もちろんよく焼きで食べても柔らかく絶品です。美味しさに驚きすぎて「美味い!美味い!!」と叫んでいたら職人気質のおばちゃんもニコッと微笑み、「さぁさっさと食べなー」と語りかけます。なんだか人間味があって、営業スマイルの100倍気持ちが良い接客だなと思いました。

ちなみに翌日は、もずくラーメンを食べに行ったのですが、店に入った瞬間「今日はもう帰りたいからラーメンはおしまい」と言われてしまい、それではまたサフォークを食べようとすると「昨日のにいちゃんか! 昨日も食べてたから今日は特別にラーメンを出すよ」と言ってくれました。島の人は知らない人と話す機会があまりなく、最初は構えて喋る方も多いですが、打ち解けたら本当に良い方ばかりです。経験上小さな島に悪い人はいません。もし島の人と会話中に「あれ」と思ったら、根気よく話し続けてください。徐々に打ち解け、仲良くなってきたら島の人の素晴らしさがわかると思います。

ちなみにこのもずくラーメンも絶品です。是非お試しあれ。

島っ子食堂

島っ子食堂
住所:フェリーターミナル前
電話番号:01648-2-3176
定休日:6~9月は無休(要確認)
営業時間:AM9:00 ~ 最終船出航まで

2.焼尻に来たらBBQをすべし

BBQ

焼尻に住む人はバーベキューが大好きです。滞在中に島の色々な場所でバーベキューをしている人に出くわしました。それもそのはず、新鮮な海の幸と焼尻サフォークがあるわけですから、バーベキューをしないなんて選択肢はこの島にはありません。私は2泊宿泊させていただいた「ゲストハウスやすんでけ」のオーナーご夫妻に招待していただき地元の方々とBBQ を楽しませていただきました。器材や炭、箸などがついて1名2000円(6名まで利用可)です。

BBQ

まずは生ビールで乾杯。ゲストハウスなので生ビールを注文することができます。天気がいい日のBBQに生ビールで乾杯。ここは天国なのでしょうか。

BBQ

ホタテの貝殻を皿代わりに。これぞ島ライフ!「ゲストハウスやすんでけ」はもともと宿泊者同士で持ち寄りで晩御飯を食べるという楽しすぎる風習があるので、BBQ率も高いようです。どうしてもしたい方は、事前にオーナーに伝えておくと優しいご夫婦がきっとBBQをさせてくれるはずです。

ゲストハウスやすんでけ
住所:北海道苫前郡羽幌町焼尻東浜160
電話番号:050-5319-8358

3.夕方になったら沈みゆく夕陽を眺め一杯

夕方

夕方になりふと空を見上げると、真っ赤な夕陽が雲を染め幻想的な風景が。ここは島なのでその向こうは確実に海。つまり水平線に沈む夕陽が見えるかもと思い、フェリーターミナル横にあるレンタル自転車ショップで自転車を借りて進んでみると、

夕方

なんとこんな美しい夕陽が。ここは島で最も美しい夕陽が見える場所のようで、私の他にもう一人観光客の方がいました。こんな素晴らしい景色が見える場所に、観光客はたったのふたり。椅子もテーブルもあるので、誰にも邪魔されず夕陽を眺めながらビールを一杯なんてのが最高な場所だと思います。目の前に工兵街道記念碑という記念碑が立っているので、簡単に見つけることができると思います。

工兵街道記念碑
道道255号線の坂を登りきった辺
フェリーターミナルから徒歩15分ほど

4.夜は満天の星空を見るべし

夜は満天の星空を見るべし

夜になり、ゲストハウスのオーナー夫妻に星空スポットへ連れて行ってもらいました。この日は満月に近く、月の光が強かったのですが、それでも鮮明に星を見ることができました。

夜は満天の星空を見るべし

島の端にある鷹の巣園地は島の光がほとんど届かないので、月明かりが強いといえど辺りは真っ暗。この日は天気も良く天の川まで見ることができました。

オーナーで且つツアーガイドも行なっている奥野さんは、真っ暗闇でもすいすいと森の中を歩いていき、こんなドーム型の木の下に連れてきてくれました。

夜は満天の星空を見るべし

木の中から見る星ってなんだか新鮮です。そしてこのドームから出た瞬間、隕石ばりの大きな流れ星を見つけました。

夜は満天の星空を見るべし

世界各国で流れ星を見てきましたが、この時は夢なのではないかと思うほどの凄まじいものでした。完全に漫画の世界です。奥野さんも今まで何十もの島を渡り歩いてきたけど、あんな迫力のある流れ星は初めてと興奮して話すほど。あぁ素晴らしい夜だったなぁ。

5.翌日はのんびり起きて、自然を満喫!

時間はいくらでもあります。翌日はゆっくり起きて自転車で島を散策することにしました。焼尻島は5.21km²と小さく、女性や子供でも簡単に島一周をすることができるので、レンタル自転車はオススメです。ちなみにレンタカーやレンタバイクは一切ありません。

卵かけご飯

まずは宿のテラスで卵かけご飯。上に乗っているのは焼尻産のがらめ昆布です。天気も良く風も心地よく最高の朝です。島に住んでいたら毎日こんな素晴らしい朝から始まるのかと妄想したり。腹ごしらえをしたら当てもなく自転車でふらふら走ります。

走っていると、大輪のオニユリをたくさん見かけます。空の青とオニユリの赤のコントラストがただただ美しいです。

自然を満喫

更に走ると今度はこんな二股が。道の向こうは海。どっちに進んでも正解であることは間違いありません。

自然を満喫

右に進むとこんなウユニ塩湖のような透明度の高い海に着きました。

自然を満喫

地元の子供達が貝殻やヤドカリをとって楽しそう。

今度は森の中を進んでいくと、なんだか見たことがある風景が。

自然を満喫

昨日流れ星を見たオンコの木でできたドーム「オンコの荘」です。この一風変わった形のドームは国の天然記念物にも指定されているようです。

オンコの荘
北海道苫前郡羽幌町焼尻字 緑ケ岡
フェリーターミナルから自転車で15分ほど

他にもこんな北欧のような田舎風景や

オンコの荘

こんなひたすらまっすぐな道など、何でもないものでもどこか心温まる風景が広がっています。

オンコの荘

いかがでしたでしょうか。確かに有名な観光名所は無いかもしれないですが、旅行者がほとんどいないこの島ほど、誰にも邪魔されず自然を楽しむことができる島はそう多く無いと思います。

観光で来る人のほとんどが日帰りと言いますが、こんなのんびり出来る島だからこそ敢えて1泊することが、何よりの贅沢であるような気がします。ぜひ疲れた体を癒しに、焼尻島でスローライフを送ってみてはいかがでしょうか。

オンコの荘

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