仕事も恋愛も“縁”がほしいなら。出雲のパワースポットを巡る旅へ行こう

仕事も恋愛も“縁”がほしいなら。出雲のパワースポットを巡る旅へ行こう

何をもって「大人」と感じるかは人によって違うだろう。私の場合、友達から「パワースポットに行こう」と誘われるようになったとき、「大人になったな」と思った。パワースポットを目的とした旅行は、娯楽ともまた少し違う。レジャー目的ではない旅は、大人だけのもののような気がした。

そもそも、パワースポットとは、何をもって定義づけられているのだろうか。それさえもわからないが、大人になった私はここのところ、パワースポットについてばかり調べていた。なんだか体調も悪く、うまくいかないことが続いている。神頼みなのはどうかと思うが、それでも現状を打破するためにパワースポットに行きたい、と思った先に頭に浮かんだ場所は出雲だった。そこで、パワースポットをめぐりに1泊2日で出雲へ行ってきた。

まずは最大のパワースポット・出雲大社へ

出雲大社

縁結びの神様・大国主大神を祀る出雲大社。やはり、出雲の旅において欠かせない最大のスポットだろう。縁結びというと恋愛祈願をイメージするが、仕事や人間関係などあらゆるご縁を結んでくれるといわれている。そこでまずは、出雲大社へ。

日本最大級のしめ縄がかかる神楽殿

日本最大級のしめ縄がかかる神楽殿。2019年3月まで続く「平成の大遷宮」での境内の建物の修繕に伴い、今年の7月にしめ縄も6年ぶりに一新するのだとか。しめ縄の下にパワーが宿っていると言われているため、ここはじっくりと拝みたい。

「大社造」

出雲大社の御本殿は日本一の大きさ。「大社造」という、出雲を中心とした限られた地域でしか見られない日本最古の建築様式だ。その圧巻の大きさに、出雲大社が特別な場所であることを強く感じさせられる。

さて、参拝後の楽しみといえば、お守りだ。中でもご利益があると人気なのは「縁結びの糸」。縁結びの糸を普段身につける衣類に縫い付けたり、ミサンガにしたりする人も。手間がかかってちょっと面倒……と思ってしまうけれども、そういうところが縁を遠ざける要因になるのかもしれない、とひとり反省。「出雲大社 縁結びの糸 ご利益」とネットで調べると、膨大な成功体験が出てくるので、同じような面倒くさがりでズボラな人は体験談を見て自分を鼓舞したい。

・出雲大社
住所:島根県出雲市大社町杵築東195
アクセス:一畑電鉄出雲大社前駅から徒歩約10分
参拝可能時間:3月~10月は6:00~20:00、11月~2月は6:30~20:00

さらに縁結びを祈願するなら、八重垣神社へ

松江駅

さらに縁結びの鏡の池の占いパワースポットに行くならば、隣の松江まで足を伸ばしたいところ。松江には、で有名な八重垣神社がある。

出雲のパワースポットを巡る旅へ行こう

松江駅から八重垣神社まではバスで20分ほど。駅からも少し離れた場所にあるが、占い目当てで訪れる人は多い。拝殿でお参りを済ませたのち、占い用紙を購入し、境内の奥にある鏡の池へ。

鏡の池の占い

名前の通り、鏡のように水面が反射する池の下には、たくさんの占い用紙が沈んでいるのが見える。

鏡の池の占い

池に用紙を浮かべると、それぞれ違った文字が浮かび上がってくる。「ひらめきを大切にせよ 南と西 吉」ということなので、とりあえずこれから思いついたことは大事にしたい。そして、紙の上に乗せた硬貨の重さでゆっくりと沈んでいき、沈んだ場所や時間をもとに占う。遠くの方で沈めば、遠方に縁があるとされ、反対に沈んだ場所が近ければ、身近なところに縁が。時間も同様に、沈んだ時間が早ければ近いうちに縁があるそう。

縁とはタイミングだ。どんなに時間がかかって良縁に恵まれたとしても、決して悪いことではないだろう。そう思ってはいても、すぐに近くで沈んでいったのを見るとやっぱりうれしくなってしまう。

同じタイミングではじめた人でも、違った場所とタイミングで沈んでいくのが不思議だ。ゆっくりと池の底に沈んでいくようすは神秘的で、なんだかパワースポットの威力を感じさせられてしまう。

八重垣神社には、この鏡の占いのほか、2本の椿が途中から1つの幹になってしまった「夫婦椿」も見どころのひとつ。出雲大社とはまた違った雰囲気に包まれているため、縁結びがメインの旅ならば外せない。

どうしても時間がない弾丸旅行の場合は、出雲市駅にある八雲神社の「ねがいびな」がおすすめ。ねがいごとを書いたねがいびなの御札を持って八雲神社にお参りし、神社の近くにある高瀬川に流すと、川の流れにのって縁結びの神様に届くといわれている。川に流す、というのもまたロマンチックだ。御札は観光案内所などで手軽に購入可能なので、寄り道がてら訪れることができるのがうれしい。

・八重垣神社
住所:島根県松江市佐草町227
アクセス:JR松江駅から市営バスで約20分
参拝可能時間:9:00~17:00

稲佐の浜に行くなら、日没に合わせて

旧暦10月に、全国の神様が上陸するといわれている稲佐の浜。稲佐の浜の砂を出雲大社で清めると厄除になるため、出雲大社に行く前に訪れる人も多いが、ここから見える夕日は日本遺産に認定されるほど歴史があるもの。そこで、日没の時間に合わせて向かった。

稲佐の浜に行くなら、日没に合わせて

稲佐の浜にある大きな岩・弁天島。昔は海に浮かぶ島だったそうだが、今では島の前まで歩いて行くことができる。

稲佐の浜に行くなら、日没に合わせて
▲天気のいいときには、弁天島と夕日が並んだショットを見られるとか。

弁天島の前で、日が沈んでいくのを待つ。周囲には、ゆっくりできるカフェやスポットなどはないため、ただじっと待つことになる。旅行に行くと、あれもこれも、と予定をつい詰め込みたくなってしまうが、何もせずに待つというのもパワースポットの旅ならではの贅沢な時間かもしれない。

稲佐の浜に行くなら、日没に合わせて

結局、雲がかかってしっかりと夕日が見られなかったが、雲のすき間からのぞく夕日も、それはそれでスピリチュアルな何かを感じさせるほど美しかった。

2大グルメの「出雲そば」と「ぜんざい」は一緒に味わうのがおすすめ

せっかく出雲に訪れたのならば、食事もこだわりたいところ。2大グルメといえば、日本三大そばのひとつである「出雲そば」と、出雲が発祥の地とされる「ぜんざい」だろう。……と思うのだが、正直なところ、あまり気分が上がらない。もっと、こう、たとえばお寿司やお肉とか、もう少し主役をはれそうなラインナップがほしくなってしまう。出雲に行くまでは、そう思っていた。

出雲そば

訪れたのは、出雲大社から5分ほどの距離にある「荒木屋」。出雲大社の近くには甘味処やそば店が多く連ねているが、中でも江戸時代後期から約220年続く老舗店だ。

荒木屋

ここでは、2段の割子そばとぜんざいが付いた「縁結びセット」が味わえる。2大名物を同時に食べられるのはうれしい。そして何より、甘辛いだしのおそばに、ぜんざいの甘さが非常に合う。

パワースポットめぐりというと、どうしても歩く時間が多くなる。そんな疲れたからだに、香り高い出雲そばと、ぜんざいの甘さは染み渡る。参拝して少し歩き疲れたとき、ひと息つくにはぴったりの名物だ。

・荒木屋
住所:出雲市大社町杵築東409-2
営業時間:11:00~17:00(売り切れ次第終了)
定休日:水曜日

出雲発祥の日本酒も縁結びには欠かせない

出雲が発祥になっているのは、ぜんざいだけではない。出雲には、酒造りの神様を祀る佐香(さか)神社がある。「酒」という言葉は、「佐香」という名前が由来とされ、日本酒発祥の地といわれる。

日本酒も縁結び

出雲市駅からほど近くにある富士酒造では、「出雲富士」をはじめとした日本酒を醸造している。都内でも、日本酒専門店など豊富な種類の日本酒を扱っている店舗も増えているが、現地で飲めばまた違った味に感じるはず。

出雲富士

富士酒造では、出雲ならではの酒づくりにこだわっている。「日本酒はその土地によって違いが出るのが面白い」と杜氏の今岡稔晶さん。仕込み水や酒米など、現地のものにこだわるほか、自然な状態でつくることによって出雲の雰囲気をお酒の中に閉じ込めたい、という思いから、蔵内にあるエアコンなどの空調機器を全て撤去したのだとか。昔ながらの和釜で蒸し、手づくりの麹で仕込んだもろみを一滴ずつ木槽で搾っていき、手をかけてつくり続けている。

出雲15手づくり純米720箱入
▲『出雲富士 手づくり純米』。出雲の酒米である「佐香錦」を使ってつくられている。出雲でしか手に入らない品。空港でも販売されているので、お土産にぜひ購入したい。

出雲16純米吟醸 赤ラベル720箱
▲『出雲富士 純米吟醸 赤ラベル』。白・黒・青、そして赤と全4種類のカラーラベルの定番酒をもつ中で、赤ラベルは出雲富士の新定番。口どけ柔らかで、日本酒が苦手な人でも飲みやすい。

出雲17出雲富士 純米大吟醸 天の叢雲720▲『出雲富士 純米大吟醸 天の叢雲(むらくも)』。出雲市佐田町で特別栽培された「山田錦」を35%まで磨いて使用。JAL国内線ファーストクラスで提供されたこともある贅沢な味。ここぞ、という場面で飲みたい。

今岡さんは、「お酒はさまざまな縁をつなぐもの」とも。お酒の場での付き合いはもちろん、それを提供する店舗、そしてそれをつくった人々。さらに、つくられた土地との結びつきも生まれているのだ。

縁結びを願うとき、どうしても新しい縁を祈願してしまいがちである。しかし、今与えられている縁も、さまざまな結びつきによってできていることを、日本酒を通して改めて実感させられた。今置かれている環境にも、改めて感謝したくなるような気持ちで、出雲富士を味わった。

・富士酒造
住所:島根県出雲市今市町1403番地

まとめ

出雲縁結び

旅行のたび、帰りが憂鬱になる。旅行が楽しければ楽しいほど、現実に引き戻されるのがつらくなってしまう。だからこそ、帰り道に「なんだかいいことありそう」と思わせてくれる旅は貴重だ。

出雲には、縁結びを祈願しに訪れる人も多い。しかし、出雲は、古代からの縁を感じる地である。出雲大社の起源ひとつとっても、古事記や日本書紀に描かれた出雲神話にたどり着く。現在や将来の縁だけではなく、過去からの縁を感じられる場所でもあった。いろいろな縁があって、今がある。だからこれから先も、さらにたくさんの縁が訪れるのではないか、と思わされた。そう思うと、なんだか力が湧いてくる。

出雲には、数多くのパワースポットが存在する。1泊2日の短い時間では、松江や雲南の方までじっくりまわるのは難しいが、出雲周辺のスポットに絞れば弾丸旅行でも十分楽しめる。

大人の旅は、楽しいだけじゃだめなのかもしれない。良縁を祈願する人も、そこまで関心が高くない人も。少し疲れてパワースポットに興味が出てきたときは、出雲へ行けば、帰るころにはまた元気がもらえるかもしれない。

文・写真:成瀬瑛理子

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