沖縄旅行、1泊2日で、なおかつ免許がなくても楽しめるのか試してみた
「沖縄」とは、本島と160もの離島を含む日本最南端の県。温暖な気候で、白い砂浜をもつビーチや、豊かな自然、独特の食文化などを楽しむことができ、国内外から多くの観光客がやってくる日本のリゾート地である。
先日、知り合いの編集者から、そんな“この世の楽園”のような場所である沖縄県に「仕事で行ってきてもらえますか? 観光したレポート記事を書いてください」と言われた。
平日の昼下がり、新宿の喫茶店でそのLINEを見た私は、嬉しさにより心が踊った。仕事という名目で、沖縄に行くことができるのだから。PCを広げて作業をしている人、談笑をしているカップル、スポーツ誌を読みながらコーヒーをすするおじいさん……。喫茶店にはさまざまな人々がいたが、この時私は「今この空間で、自分が一番幸せに違いないな」と感じたほどである。
▲新宿の喫茶店には、タコライスはない。沖縄に行かないと美味しいタコライスは食べられないのである
「絶対に楽しめる!沖縄の観光記事まとめ」、のようないかにも観光記事っぽいものを執筆すればいいのだろうか。そんなことを考えながら10日後に迫った沖縄の旅を楽しみにしていると、前述の編集者から連絡が入った。
「そういえば、この前お伝えした沖縄の記事ですが、概要をまだお伝えしてなかったですね」
「今回は、レンタカーを使わずに、沖縄旅行をどう楽しむか? という記事を書いてもらいます。1泊2日、よろしくお願いしますね!」
ん……? よく意味がわからない。“レンタカーを使わずに、沖縄旅行をどう楽しむか”だと? しかも1泊2日? 一週間くらい自由に行けるものだと思っていた。人生、そんな簡単にうまくいかないのである。
とはいえこれはどうしたものか。沖縄に行くのは、高校生の頃の修学旅行以来2度目ということもあり、正直な話地理感が一切ないのだ。仕方がないのでもう一つのこの世の楽園である“インターネット”と、数少ない沖縄出身の友人から情報を得て、今回はプランを立ててみることにした。
なお、航空券とホテルは、「エクスペディア」で予約を済ませた。わざわざ旅行会社に行かなくていいなんて、便利な世の中になったものである(小学生並みの感想)
午前8時40分〜午前11時30分 羽田発「スカイマーク」513便
沖縄への旅、それは朝早くに東京を出ないとならない。なんてったって、1泊2日で楽しまないといけないので、優雅に朝ごはんを食べている余裕などないのだ。ということで、この日は午前8時40分のフライトであった。(自宅を6時30分に出発)
沖縄に着いたのは、それから約3時間後の11時30分。
機内では「週刊文春」を楽しんで読んでいたので、あっという間に3時間が経過した。スマホの利用が制限される飛行機での旅では、週刊誌を購入することを個人的にオススメしたい。
なお、沖縄に住む人の間では、この「島ぞうり」と呼ばれるビーサンを履いて生活をするスタイルが浸透しているらしい。空港のお土産コーナーで購入し、早速履き替えた。今回の旅は、これを履いて歩き回ろうと思う。
午後12時10分〜 ゆいレール「那覇空港駅」〜「県庁前駅」
まずは「ゆいレール」に乗って、那覇市街地へ向かおう。
「那覇空港駅」から「首里駅」まで、那覇の市街地を走る「ゆいレール」は、渋滞が頻発する那覇市街地をスイスイ移動できる優れもの。そのうえ「1日乗車券」を使えば、購入してから24時間は「ゆいレール」に乗り放題なのだ。しかも安い。(おとな800円)
ゆいレールに乗って「県庁前駅」に着いたら、海の方面に移動することに。沖縄に来たら、まずはビーチに行って海を見ないと(泳がないと)ならないのである。(そうじゃないと沖縄に来た感が出ない)
午後12時40分〜 波の上ビーチ
(写真を見て思ったが、私は痩せすぎかもしれない)
ということで、早速ビーチに到着した。今回訪れた「波の上ビーチ」は、県庁前駅から歩いて行ける距離であり、写真を見て分かる通りあまり人がいないのでオススメである。レンタカーやタクシーに乗らずにも、沖縄ではビーチに行くことができるのだ。しかもこんなにきれいな。
(やっぱりどう見ても痩せすぎである)
ビーチでは、オリオンビールを飲んでゆっくりした。レンタカーを使わない利点のひとつは、運転をしないので日中からアルコールを摂取できるということ。普段友人と旅行に行く際、だいたい私が運転手役なので、これはなかなか嬉しいものだ。
ちなみに海で泳ぐ際に必要である“水着”だが、空港にも売っているし、これから訪れる国際通りにも売られていた。(私は念のため東京で買っていったものを使用している)
午後13時30分〜 昼食 国際通りにて
波の上ビーチから約15分歩いて、那覇市のメインストリート「国際通り」に到着した。ここでは沖縄のおみやげが基本揃うので、旅行中のいずれかのタイミングで行ってみたほうが良いと思われる。荷物が多いのを嫌う人は、旅行最終日に向かってもいいかもしれない。
また、「国際通り」には沖縄名物を食べられる場所がたくさんある。私は朝から肉が食べたかったので、「石垣牛」を提供するお店に入った。予想以上に美味しかったので、みなさんにもオススメしておく。
ステーキハウス88 国際通り店
電話番号 098-866-3760
住所 〒900-0013 沖縄県那覇市牧志3-1-6 勉強堂ビル2F
午後14時30分〜 牧志公設市場
国際通りから歩いて行ける場所に、「市場」があるという情報をインターネットで得た私は、ここ「牧志公設市場」に向かった。
この市場では沖縄名物「サーターアンダギー」や……
彩度が異様に高い魚や……
ミミガーなどの食材を、かなり安い価格で購入することができるのだ。(そしてどれも美味しい)
食材以外のお土産もたくさん売っており、歩いているだけでかなりテンションがあがる。
ちなみに「牧志公設市場」の2階では沖縄で獲れた海産物を使ったご飯を食べることもできる。(お腹がいっぱいで食べられなかったが)
午後15時30分〜 識名園
“「牧志公設市場」近くのバス停からバスに乗れば、「識名園」という世界遺産を見に行くことができるらしい”そんな情報も私はインターネットで得ていたのだ。識名園はどんな場所なのかわからないが、バスに乗ってその場所に向かうことにした。なお那覇市内は路線バスがたくさん運行しているので、市内で行きたい場所があれば積極的にバスに乗ることをオススメしたい。
バスの揺れ方で人生の意味はわからなかったが、「識名園」に着いたら休園日が水曜日だということがわかった。ここでとにかくみなさんに言いたいのは、観光地に行く際は沖縄に限らず、ちゃんと休園日がいつかどうかを調べておこうということである。まあ、要するにミスったってことだ。
ちなみに普段であればこのような風景を見ることができるそう。いつか、“運命の人”と一緒に日曜日に来ようと、そう私は心に誓ったのだった。
識名園
住所 沖縄県那覇市真地421-7
TEL 098-855-5936
営業時間 4月~9月 9時~17時30分 10月~3月 9時~17時
定休日 水曜日(その日が休日及び慰霊の日にあたるときは、その翌日) ※臨時休園日あり
利用料金 入園料 大人400円、小人(中学生まで)200円 ※保護者が同伴する小学校就学前の者は観覧無料 ※20人以上で団体割引適用(入場料の2割引き)
午後17時00分〜 瑞泉酒造
識名園のことはもう忘れて、ゆいレールに乗り「首里駅」に向かうことに。
「首里駅」には言わずと知れた世界遺産「首里城」があるが、ここに行く前にもうひとつ寄っておきたいところがあった。
「瑞泉」という泡盛を知っているだろうか。私は泡盛について本当に何も知らない(強くて飲めない)ので、沖縄に来るまで「瑞泉」を知らなかったが、沖縄出身の友人から「瑞泉という泡盛の酒造が首里城の近くにある」とLINEが入ったので、せっかくならと来てみたのだ。(オススメの場所をゆいレール乗車中に聞いたのである)
なんとここでは無料で、窓ガラス越しに工場を見学できたり……
泡盛ができるまでのビデオを見ることができる。
なお、見学者は私しかいなかった。人混みが苦手な方にはかなりオススメのスポットだ。
もちろん、ここの酒造で作った泡盛も売っていて、ここでしか買えないものもあるという。
私はこの限定パッケージのものを自分用のお土産として購入した。パッケージがかわいかったので部屋に飾ることとする。
瑞泉酒造
TEL 098-884-1968
住所 沖縄県那覇市首里崎山町1-35
ホームページ:http://www.zuisen.co.jp/
開館時間 平日・第1.3.5土曜日 9:00~18:00 第2・4土曜日、日曜日、祝日 9:00~17:00
午後17時30分〜 首里城
沖縄は、散歩をしているだけで楽しい。住宅街を歩いていると、鮮やかに咲く花や東京では絶対に見れない家の造りなど、沖縄でしか見れない景色がそこにあるのだ。
「今歩いているこの道は、いつか懐かしくなるだろうか?」。なんてもの思いにふけながら歩いていると、あっという間に首里城に到着した。先ほどの酒造から徒歩5分の場所にあったのだ。
ちなみに訪れた時に首里城は「北殿の漆塗り直し及び木部補修工事」を行っていたため、正面からのパッと見は良くなかった。(とはいえこの工事は魅力的な首里城北殿を維持するための大切な作業であるので、なにも文句はない)
なお、時刻は夜の18時。だんだんと日が落ちていく時間だが、首里城もだんだんとかっこよくなっていくのである。
ライトアップされるとかなりフォトジェニックなポイントとして様変わりするので、一度行ったことがある方でも夜にまた訪れてみることをオススメする。あなたのスマホのカメラロールが潤うこと間違いない。
午後19時00分〜 栄町市場
首里城からゆいレールに乗ったが、せっかくなのでホテルがある駅に戻る前に「安里駅」で降りて、「栄町市場」という場所で夕食をとることにした。
先ほどの写真は見るからにシャッター商店街のような絵面であったが、中に入るとなかなか賑わいを見せていた。ここの市場は夜になると「飲み屋街」として顔を変え、地元の人から愛されている「沖縄」らしさを感じられる店が数十店舗営業しているのだ。
気になったお店があったので、入ってみた。
ここでは、シークワーサーサワーを飲んだのだが、これがまたうまい。
お店はいくつもあるので、「ここは!」と思ったところに入るのが良いだろう。
なお帰りは車を運転しないので、何店舗かはしごをすることも可能だ。(私は明日の朝が早いので1店舗で帰った)
また、近くにあるスーパーに行ってみると、お土産屋さんで売っていない食材をいっぱい目にすることができ、沖縄の日常を楽しむことができた。なおこれは沖縄に限らず、いろんな地方に行っても使える小技である。
栄町市場
住所 沖縄県那覇市安里381
電話番号 098-886-3979 栄町市場商店街振興組合事務所
営業時間 各店舗による(だいたい夜18時以降)
HP : http://sakaemachi-ichiba.net/
午後21時30分〜 ホテルへ
ゆいレールに乗って、そこからバスに乗れば、今回の宿泊地である「サザンビーチホテル」に着くことができた。本日はここで一泊するのだ。
部屋の中はとても綺麗だ。(普段はビジネスホテルばっかりに泊まっているから、かなり綺麗な印象を受けた)
1日目はここで終了となった。
ゆいレールとバスを駆使したおかげで、個人的には不便なく楽しめたと思うが(識名園は残念だったが)、いかがだっただろうか。
2日目はまた別のルートを楽しんでみようと思うので、期待してほしい。
朝焼けが異常にきれいだった。やばい。早朝から起きることをオススメする。
午前8時15分 ゆいレール「赤嶺駅」〜「県庁北口駅」
おはようございます。
本日の目的地は、沖縄本島の北部にある「美ら海水族館」。
まずは昨日購入したゆいレールの乗車券を使い、美ら海水族館までのバスが出ている「県庁北口駅」へ向かった。(24時間有効なので、この日のお昼まで有効なのだ)
県庁北口駅を出たところにあるバス停に停まる「やんばる急行バス」に乗って「美ら海水族館」を目指す。レンタカーやタクシーがない場合、これに乗る方法しかないようなのだ。(インターネットを見る限りは)
「県庁北口」を午前8時50分に出たバスは、約2時間かけて「記念公演前」(11時03分着)に到着する。
なお、バス車内ではPCで作業も出来るし、睡眠を摂ることもできる。これは、レンタカーを使わないメリットのひとつであり、私のような夜更かし好きな人間にとってはかなり有意義なものであった。
ということで、あっという間に「美ら海水族館」に到着。この時点でまだ朝の11時だ。バスを降りたら「美ら海水族館」は目の前だが、その前に国立公園があるので寄っていこう。
沖縄中央観光 やんばる急行バス
TEL:0980-56-5760
ホームページ:http://yanbaru-expressbus.com/
午前11時〜 海洋博公園・美ら海水族館
ここには上記のようにフォトジェニックポイントがたくさんあるので、撮影してみるのをオススメする。いかにも沖縄らしいところが満天なのだ。
道なりに歩いていると、「美ら海水族館」に到着した。なんとも不思議な形をした建物だ。
美ら海水族館のシンボル的存在、ジンベエザメを見たら……
ヒトデやナマコなど、イノーにすむ生き物に実際に触れてみてもいいかもしれない。(「イノー」とは、沖縄の方言でサンゴ礁に囲まれた浅い海のこと)
また、近くにエメラルド色に輝くビーチがあるので、ここで泳いでも良さそうだ。
ちなみに私は高校生の修学旅行ぶりに「美ら海水族館」に行ったのだが、優雅に泳いでいる魚たちにはもちろん、きれいな水槽に感動を覚えた。17歳の頃には思いもしなかったが、大人になってよく考えてみると「スタッフの並々ならぬ努力」によってこの水族館は作られているのだ。そりゃあ人気が出るわけである。
午後12時48分〜 やんばる急行バス乗車、古宇利島へ。
「美ら海水族館」をあとにして、この旅最後の目的地へ向かうとする。
今回の旅で一番離れた場所、なおかつレンタカーを使わないと行けなさそうである場所、それが古宇利島だ。
古宇利島とは、沖縄本島北部にある屋我地島の北に位置し、今帰仁島に帰属する有人島。
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外周は約 8 km。車で10分ほどで回れてしまうほど小さな島だが、多くの魅力が詰まった沖縄観光に行った際はぜひ訪れてほしい場所のひとつなのである。
気になる古宇利島へのバスでの行き方であるが、実は今年の7月に入るまではバスで向かうことができなかったのである。7月14日を境に、先ほど乗ってきた「やんばる急行バス」で「今帰仁城跡入口バス停」に向かえば、そこから古宇利島を結ぶシャトルバスに乗ることができるようになったのだ。(しかもこのシャトルバスは無料)
これは、レンタカー難民にとって念願が叶ったことになる。(すごい)
なお、運行本数は1日に4往復。便によっては停車しないバス停もあるので、停車バス停(路線図)と時刻表はシャトルバスのWebサイトで確認しておこう。
古宇利島〜今帰仁城跡無料シャトルバス/やんばる急行バス
ホームページ:http://yanbaru-shuttlebus.com/
(やっぱり痩せすぎだよな、おれ。)
そして、見よ、「古宇利島」の雄大な景色を。
バックに見える、海上に伸びる長い橋を渡ってきたのだが、これは渡ったことがある人にしか解らない感動があるかもしれない。とにかく、歓声を上げてしまうほど、海がきれいなのである。
綺麗すぎて、思わず潜ったり……
飛び込んだりしてしまうほどだ。
島は前述の通り、頑張れば歩いても一周できて島ほど小さいため、せっかくならば綺麗な景色を見ながら散歩をすることをオススメしたい。島内には昔ながらの古民家やさとうきび畑があり、沖縄の原風景が今も色濃く残っている。
ただし、山道が多いので、小さなお子さんがいる家庭は注意が必要だ。(おとなしくタクシーに乗ろう)
散歩をしながら訪れたのは、「むらの茶屋」というカフェ。ビーチから歩いて15分ほどだ。このように古宇利島にはたくさんのカフェがあるので、気になるところを探してみるのはいかがだろうか。(海の家のスタッフさんなど、島に住む人に聞いてもいいかもしれない)
ちなみにこのお店ではなんと、海を見ながら沖縄名物を食べることができる。まさに、オーシャンビューというやつだ。これは多分、「インスタ映え」もするであろう。(そして美味しい)
なお、古宇利島は古くから「恋の島」や「神の島」であるという伝承があり、恋人の聖地としても有名だそうだ。カップルで沖縄観光に訪れた際は、ここで永遠の愛を誓ってみるのもいいかもしれない。(そういうのって、素直に羨ましい)
古宇利島
住所:沖縄県国頭郡今帰仁村字古宇利
ホームページ:http://kourijima.info/
午後19時40分〜 那覇空港
▲古宇利島から那覇空港までは遠いので、その日のフライトの場合は早めに戻るようにしよう。
無事、那覇空港に離陸1時間前に到着し、今回の旅は終了した。
2日目は1日目に比べて割とハードであったが、今まで訪れることのできなかった古宇利島に行くこともできたし、かなり楽しめたと思う。このように、初めて沖縄に訪れた人や10年ぶりに行こうと考えている人などは、主要観光地を回ることがほとんどだと思われるので、レンタカーなしでも十分楽しめそうである。
なお、沖縄は10月末まで海水浴を楽しむことができ、なおかつ今年は平年より2度気温が高いのでもうすこしの期間泳ぐことができるかもしれないそうだ(古宇利島の海の家にいたおじさん談)。
これからの季節、夏とは違った趣のある沖縄も楽しそうである。
ぜひ皆さんも、その肌で感じてみてはいかがだろうか。
▲個人的に言いたいのは、沖縄は仕事ではなくプライベートで行った方が楽しめるということ
文 / 長橋諒 (@nagahashiryo) https://twitter.com/nagahashiryo
カメラ / 鶴田真実
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