日本で一番危険な国宝!?鳥取県の三徳山三佛寺にのぼる
鳥取県の中部にそびえる三徳山(みとくさん)には「日本で最も危険な国宝」と呼ばれるお堂があります。それは、断崖絶壁に立つ投入堂(なげいれどう)。危険といわれる理由は、そこにいたるまで道のりが、あまりにもハードなため。岩によじのぼり、木の幹にしがみついて山をのぼり、やっと目にした投入堂の美しさは感動のひと言に尽きます。
今なお信仰を集める修行の場、心してのぞむべし!
投入堂が立つのは、三徳山の標高約900mにある山岳寺院、三佛寺(さんぶつじ)の中。山の斜面を利用した境内にはいくつかのお堂があり、投入堂はその奥之院にあたります。
投入堂という名は、「三佛寺の開祖が仏堂を手のひらに乗るほどに小さくし、かけ声とともにこの岩窟に投げ入れた」という伝説が由来となっているのだとか。そんな伝説がロケーションの奇抜さを物語っていますが、建物は国宝に指定されています。まずは本堂で参拝登山の安全を祈願しましょう。
「六根清浄」と書かれた輪袈裟を身につけて、いざ山へ
約1300年前に開山した三徳山は、今なお信仰を集める修行の場。参拝者は「六根清浄」と書かれた輪袈裟(わげさ)を身に着け、修行者として山をのぼります。
その後、入山届けに名前を記入しますが、このとき、スニーカーでは入山許可が下りないことも。金具の付いていない登山用シューズがベストですが、有料でわらじのレンタルを利用することも可能です。「わらじで登山?」と思ってしまいますが、山道では、これが案外と歩きやすくて好評なのだそう。
いよいよ山の中へ。山門をくぐり、三途の川を模した小川に架かる宿入橋(しくいりばし)を渡って投入堂をめざします。ここから投入堂までの距離は約700m。けっして長くはありませんが、忘れてならないのは、ハイキングではなく、あくまでも修行体験であるということ。事故による被害を防ぐため、一人きりでの登山は禁止されていますし、参拝受付の案内板には「近年、観光気分、観光装備による滑落事故が多発しています。厳しい修行の道であることを覚悟の上、受付ください」という心得も記されています。
木の根を伝い、這いながら山をのぼる
宿入り橋からしばらく進むと、さっそく最初の難所、かずら坂が待ち受けています。目の前に立ちはだかるのは急勾配の坂。木の幹を伝って、這うようにしてのぼらなければ、前に進むことはできません。
やっとのこと、かずら坂をのぼったところで、次なる難関が。ほぼ垂直の坂道を鎖だけ頼りにのぼる、くさり坂です。「もしここで鎖から手が離れたら……」という思いがよぎると、一気に気分は萎えてしまいます。とにかく先にある美しい投入堂のことだけを考えて、気分を奮い立たせましょう!
くさり坂をのぼりきったところには、文殊堂というお堂があります。ここからの眺めは素晴らしく、はるか彼方に大山(だいせん)が見えます。手すりも安全柵もありませんが、高所恐怖症以外の方は、縁側に座って、ぜひこの絶景を堪能したいところ。
ようやく念願の投入堂に到着!
この後も、地蔵堂や鐘楼、納経堂など、次々お堂が現れます。どれも岩の上に絶妙なバランスで立っていて、千年以上も昔の人が、いったいどうやってこんな険しい場所に建物を建てることができたのか、不思議でなりません。
やがて見えてくるのが、まるで岩にすっぽりと納まったかのように見える、観音堂。建物の裏と岩の間は洞窟のようになっていて、参拝者はそこを通るしくみになっています。これは、「胎内くぐり」を表現したもの。三徳山は、輪廻転生が体験できる道だともいわれています。まさに、この暗く狭い洞窟のなかを通ることで、生まれ変わった姿で投入堂を拝むことができるのだそうです。
観音堂の裏の洞窟をくぐり、やっと目の前に投入堂が登場!といっても、断崖に寄り添うように立っているため、中に入ることはできず、近くから見上げることしかできません。
のぼり始めて約1時間。道のりが険しいので、実際にかかった時間以上に長く感じてしまいます。その理由は、投入堂を訪れたときに初めて分かるのかもしれません。
三徳山参拝の拠点となるのは、ここから約6キロのところにある三朝(みささ)温泉。伝説では、三朝温泉は三佛寺参拝の前に心身を清める場所でもあったと伝えられています。ここは参拝登山の後に身体を癒すのにちょうどいいというだけでなく、三徳山信仰とも深く繋がっているのです。
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