イギリス人の憩いの場であるパブは、イギリスの文化や美意識を凝縮した場所です。日本では出会えない地ビールやパブごとの看板料理を味わいに、ぜひ一度は訪れてみてください。今回はロンドンの数あるパブの中でも特におすすめの5軒を厳選してご紹介します!

そもそもパブとは?ロンドンでパブを訪れる魅力は?

ロンドン パブ

パブはパブリック・ハウス(公共の家)の略称で、もともとは宿屋と雑貨屋、酒場を兼ねた人々の社交場でした。現在でも宿泊施設を有するパブは存在しますが、純粋に居酒屋としてのみ機能しているところも多くあります。さらに、最近ではお酒と共にレストランに負けない美食を提供する“ガストロ・パブ”も増え、カップルや女性客、ファミリー層にも人気です。

パブはイギリスの誇る大切な文化のひとつ。ロンドンでパブを訪れることで、この国の歴史やお酒、名物料理などをダイレクトに、しかも気軽に楽しく体験できます。また、“居酒屋”という訳語から連想するよりも重厚で美しい建物が多いのも大きな魅力。今回はロンドンでもとりわけ歴史の長いパブを中心にご紹介していますので、中世の騎士や旅人になった気分で訪れてみるのもいいですよ!

ロンドンに来たら行ってほしいおすすめパブ5選

①創業1538年!数々の文豪が通ったジ・オールド・チェシャー・チーズ

ジ・オールド・チェシャー・チーズ

ココが魅力
・チャールズ・ディケンズやコナン・ドイル、マーク・トゥエインら、文豪が通い詰めた歴史あるパブ
・観光客が比較的多く、パブ初心者や大人数グループでも入りやすい雰囲気
・看板メニューの「ステーク&キドニー・プディング」など食事も充実

ジ・オールド・チェシャー・チーズココの店内

この歴史あるパブに一歩足を踏み入れると、まるで中世にタイムスリップしてしまったような不思議な感覚にとらわれるはず。地上階にもバーがありますが、ゆっくり食事を楽しむなら地下がおすすめ。どことなく洞窟を思わせる個性的なスペースがたくさんあるので、腰を落ち着ける前に全体をぐるっと見て回ってお気に入りのテーブルをお選びください。

ドリンクや料理はカウンターバーまで行って注文、同時に支払いをします。ドリンクはその場で渡されますが、お食事を頼んだ方はブザーを渡されるので、鳴ったらカウンターバーに取りに行きましょう。

サミュエル・スミス・エクストラ・スタウト(Samuel Smith's Extra Stout)

ドリンクはクリーミーな泡とダークモルトの香りが魅力のビール、サミュエル・スミス・エクストラ・スタウト(Samuel Smith’s Extra Stout)がおすすめ。このパブの看板料理であるステーク&キドニー・プディング(Steak and Kidney Pudding)は日本人にはあまり知られていませんが、イギリスでは伝統的なメニュー。パンとパイの中間のような厚めの皮をかぶせて調理された、しっかりと煮込まれた牛肉と腎臓のシチューで、その深みのある味わいは一度試せば大ファンになる人も多いはず。ソーセージとマッシュポテトを組み合わせたバンガーズ&マッシュ(Bangers and Mash)もおすすめです。

ジ・オールド・チェシャー・チーズ(Ye Olde Cheshire Cheese)
営業時間:月曜~金曜11:30~23:00、土曜12:00~23:00
定休日:日曜
電話番号:020 7353 6170
住所:145 Fleet St, London EC4A 2BU
価格:サミュエル・スミス・エクストラ・スタウト1.80ポンド、ステーク&キドニー・プディング10.50ポンド、バンガーズ&マッシュ9.50ポンド(税込み)

②ジ・オールド・マイターは居心地の良さと自家製のおつまみが自慢

ジ・オールド・マイター

ココが魅力
・隠れ家的な存在のパブで、こぢんまりとしたあたたかな雰囲気。少人数での訪問に適している
・ロンドンを代表するビールの1つ、「ロンドン・プライド」が楽しめる
・スコッチエッグなど、小皿で提供される自家製のおつまみが美味

ジ・オールド・マイター 店内

細い通路を入っていくと、居心地の良い小さなパブが出現します。店内は数多くの調度品で彩られているにもかかわらず埃ひとつなく、スタッフの心づくしが伺えます。店内の天井に飾られた多数の陶器製マグもユニーク。お天気が良ければ屋外スペースでの立ち飲みもおすすめです。ビール樽の上にグラスを置いて、友達とのんびり話し込むイギリス人常連客の仲間入りをしましょう。

ジ・オールド・マイター(Ye Olde Mitre)

ドリンクや料理はカンターバーで注文、支払いをするスタイルです。ロンドン・プライドなどの地ビールのほか、ノンアル派の方にはドイツ産のノンアルコールビール「ビットブルガー(Bitburger)」がおいしくておすすめ。ここではしっかり食事をするよりも、スコッチエッグ(Scotch Eggs)などの小皿料理をおつまみとして取る人が多いです。飲みに徹したい場合や、パブ巡りの2軒目、3軒目として最適なお店と言えるでしょう。ちなみに①のジ・オールド・チェシャー・チーズと③のザ・シティー・オブ・ヨークはいずれもこのパブから徒歩圏内なので、3軒はしごすることも可能。①で食事をしてから②③に移動するのがゴールデンコースですよ!

ジ・オールド・マイター(Ye Olde Mitre)
公式サイト(英語):http://www.yeoldemitreholborn.co.uk/
営業時間:月曜~金曜11:00~23:00
定休日:土曜・日曜
電話番号:020 7405 4751
住所:1 Ely Court, Ely Place, London EC1N 6SJ
価格:ロンドン・プライド半パイント2.08ポンド、ビットブルガー・ボトル2.95ポンド、スコッチエッグ3ポンド(税込み)

③中世を思わせる重厚な建物が圧巻のシティー・オブ・ヨーク

シティー・オブ・ヨーク

ココが魅力
・たくさんの木樽などの見事なインテリア。ロンドン屈指の美しさを誇るパブ
・ローカル客が大半を占めるが、皆フレンドリーで居心地が良い。
・オーガニックビールやフルーツビールなどの変わり種のビールが楽しめ、しかもどれも美味

シティー・オブ・ヨーク(Cittie of Yorke) 店内

「パブらしさを満喫したい!」という方に自信をもっておすすめしたいのがこのお店です。常連たちの談笑でさざめく店内は、すべてが絵になるような美しさ。ずらりと長いバーや頭上に飾られている美しい大樽の数々には圧倒されてしまうことでしょう。

Cittie of Yorke ドリンクがメイン

お食事メニューもちゃんとありますが、ここでは料理よりもドリンクがメインというのも昔ながらのパブらしさのあらわれ。ぜひ試していただきたい飲み物はサミュエル・スミス・オールド・ブルワリー・ビター(Samuel Smith’s Old Brewery Bitter)。ロンドンでこれを伝統的な木樽から楽しめるのはここだけです!深いコクと苦みのある味はビール通の方には一度は味わってほしいもの。すっきりしたものがお好みなら、ピュア・ブルード・オーガニック・ラガー(Pure Brewed Organic Lager)や各種フルーツビールをおすすめします。どのお酒も本当においしく、飲むのがお好きな方にはこのパブはパラダイスだと思います。

シティー・オブ・ヨーク(Cittie of Yorke)
営業時間:月曜~土曜12:00~23:00
定休日:日曜
電話番号:020 7242 7670
住所:22 High Holborn, London WC1V 6BN
価格:サミュエル・スミス・オールド・ブルワリー・ビター半パイント1.60ポンド、ピュア・ブルード・オーガニック・ラガー半パイント2.35ポンド(税込み)

④ディケンズのお気に入り、ラム・アンド・フラッグはグルメも評判

ラム・アンド・フラッグ

ココが魅力
・文豪チャールズ・ディケンズに愛されたパブで、今でも多くのロンドンっ子のお気に入り
・明るい雰囲気で、昼間はとくに女性同士やファミリーも入りやすい
・看板メニューのフィッシュ&チップスやこだわりのサイダーなどが楽しめ、グルメ派に最適

ラム・アンド・フラッグ(Lamb and Flag) 店内

このパブはコヴェント・ガーデンやチャイナ・タウンからすぐ近くで、観光中に立ち寄りやすい立地も魅力。お子様向けメニューがあるほど多様な層にフレンドリーなお店なので、女性グループや家族連れがランチがてらお酒を一杯という使い方にもおすすめです。1階はバースペース、2階はレストランスペースと分かれており、レストランスペースではウェイターがドリンクや料理の注文を取りに来てくれます。

フィッシュ&チップス(Fish and Chips)

料理はどれも外れのないおいしさですが、イチオシは看板メニューでもあるフィッシュ&チップス(Fish and Chips)。カラッ、サクッと揚がった新鮮な白身魚に、丁寧に作られたタルタルソースがベストマッチ。フライドポテトのほくほくとした触感も素晴らしく、満足いく食事ができます。飲み物はアイルランド発ながら多くのイギリス人に愛されているギネスビール(Guinness)や、フルーティな甘みと爽やかさがあって女性好みな味のサイダーであるコーニッシュ・オーチャーズ・ゴールド(Cornish Orchards Gold)がおすすめ。

ラム・アンド・フラッグ(Lamb and Flag)
公式サイト(英語):http://www.lambandflagcoventgarden.co.uk/
営業時間:月曜~土曜11:00~23:00、日曜12:00~22:30
定休日:なし
電話番号:020 7497 9504
住所:33 Rose Street, Covent Garden, London WC2E 9EB
価格:フィッシュ&チップス14ポンド、ギネス半パイント2.48ポンド、コーニッシュ・オーチャーズ・ゴールド半パイント2.43ポンド(税込み)

⑤個人的なイチオシ!ロンドン最古の旅籠パブであるザ・ジョージ

ロンドン最古のパブ ザ・ジョージ

ココが魅力
・ロンドンに現存する最古の“旅籠兼パブ”。歴史にどっぷりと浸りたい方におすすめ
・タペストリーや暖炉など、うっとりするほど優美なインテリアに囲まれて時間が過ごせる
・看板メニューの「ラム・シャンク」など、美味かつボリュームたっぷりな食事が楽しめる

ザ・ジョージ(The George) 店内

ロンドン・ブリッジやバラ・マーケットからすぐの場所に立つこのパブは、かつて旅籠と兼ねられていることの多かったパブそのままの雰囲気を残しており、現在でも実際に宿泊することができます。歴史的建造物の保護団体、ナショナル・トラストの所有という事実からもわかる通り、高い歴史的価値を誇るパブであり、シェイクスピアやディケンズもこの旅籠のホスピタリティを高く評価していたそう。店内ではこのパブの歴史を書いた紙(英文)を渡してくれるので、ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。

ザ・ジョージ(The George)

飲み物だけなら1階のバーかテラス、お食事もされる方は2階のレストランかテラスでのんびりと優雅な時間をお過ごしください。いずれも家族連れや女性同士でも利用しやすい明るい雰囲気です。一押しのドリンクは、パブの名前を冠したほろ苦いザ・ジョージ・エール(The George Ale)。お食事では子羊のすね肉であるラム・シャンク(Lamb Shank)が看板料理です。骨からホロリとはがれるほど柔らかく煮込まれたラム肉は忘れられないほどのおいしさ。また、このパブでは、通常どのレストランでも日曜日しか提供されないサンデーロースト(Traditional Roast。肉料理とポテト、野菜などを盛り合わせたイギリス料理の代表格)がなんと毎日注文できます。黒糖とデーツを使った魅惑的な甘さのスティッキー・トフィー・プディング(Sticky Toffee Pudding)など、デザートもボリュームたっぷりで美味です。

ザ・ジョージ(The George)
公式サイト(英語):http://www.george-southwark.co.uk/
営業時間:月曜~土曜11:00~23:00、日曜12:00~22:30
定休日:なし
電話番号:020 7407 2056
住所:75-77 Borough High Street, Southwark, London SE1 1NH
価格:ザ・ジョージ・エール半パイント2.30ポンド、ラム・シャンク14.95ポンド、トラディショナル・ロースト12.95ポンド、スティッキー・トフィー・プディング4.95ポンド(税込み)

パブ訪問時の予算や注意点は?一人でパブに飲みに行っても大丈夫?

ビール

パブでの飲食代はリーズナブル。写真の半パイント(half pint=284ミリリットル)のビールなら2ポンドほど(約290円)。地元っ子は友達や同僚と歓談しながらこれを2杯程度飲んで帰る人が大半です。食事はメインディッシュが9~15ポンドほど(約1,300円~2,200円)。お酒と共にしっかり食事をしてデザートまで楽しむ方でも25ポンド(約3,600円)ほど用意しておけば大丈夫。

ご注意いただきたいのは訪れる曜日です。土日または日曜日のみを定休日にしているパブもあります。また、人気のパブは金曜の夜になると「何があったの!?」と思うくらいに混雑し、立ち飲みの人たちが路上まで盛大にあふれかえります。金曜の夜にパブで食事がしたい方は事前にお店のウェブサイトなどからテーブル予約を。また、落ち着いた時間を過ごしたいなら金曜日以外か、昼間のうちに訪れるのがおすすめです。

ロンドン パブ

それから、パブはもともと男性たちの社交場だったこともあり、女性1人でパブを訪れることは残念ながら今でもあまりおすすめできません。女性グループや男性1人の場合は問題ありませんが、念のため、お店の雰囲気や客層を見てから入るかどうかを決めてくださいね。「1人で来たけど、イギリスに来てパブに行かずに帰ることなんてできないわ!!」というお酒好きの女性は、上記の⑤ザ・ジョージのようにオープンで女性グループの多いパブを明るいうちにさっと訪れるか、英語が大丈夫ならガイド付きのパブクロール・ツアーに参加してパブ巡りを楽しむと良いでしょう。

いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した5軒のパブはいずれも地元っ子のお墨付き。思い出に残るひと時をお過ごしいただけるはずです。ちなみにノンアルコール派の方もご心配なく。どこのパブでもノンアルコールビールやレモネードといったアルコールなしの飲み物が用意されていますので、どうぞお気軽にお楽しみください!

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