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ゴッホの『ひまわり』やダ・ヴィンチの『岩窟の聖母』といった一生に一度は見ておきたい名品を多数所蔵するナショナル・ギャラリー。「ロンドンで最も感動した場所は?」という質問によく名前の上がる人気観光スポットでもあります。今回は絶対に見逃したくない絵画10点のほか、おすすめの館内カフェなどもご案内します。
ロンドンの二大ミュージアムといえば大英博物館とナショナル・ギャラリー。ナショナル・ギャラリーは2,300点を超えるヨーロッパ絵画を収蔵しており、年間500万人が訪れる世界的にも名高い美術館です。ゴッホやダ・ヴィンチ、モネやセザンヌなどの名品も鑑賞可能。2時間強で一通り見て回れるという、ちょうど良い規模の美術館でもあります。
入場料は無料ですが、美術館の維持費のためにも数ポンド程度の寄付が推奨されています。直接お金を寄付しなくても、ショップで絵葉書(1枚0.75ポンド、5枚3ポンド)を購入したり後述のカフェを利用したりして運営を間接的に支援するのもおすすめ。
ナショナル・ギャラリーはロンドンの中心部に位置しています。最寄り駅はチャリング・クロス駅とレスター・スクウェア駅で、それぞれ徒歩3~4分ほど。エンバンクメント駅やピカデリー・サーカス駅からも歩いてアクセス可能です。建物は広大なトラファルガー広場に面しているので見つけやすいでしょう。
同館を訪れる際の重要な注意点は1つだけ。持ち込み可能なバッグの最大サイズは38㎝×30㎝で、例外はベビーカーと医療用品が入ったバッグのみという点です。スーツケースなどの大きな荷物を持って入ることはできないのでお気をつけください。また、入館時にはセキュリティのために係員にバッグの中身を見せる必要があります。
ナショナル・ギャラリー(The National Gallery)
公式サイト:https://www.nationalgallery.org.uk/visiting/visiting-japanese
電話番号:020 7747 2885(一般の問い合わせ)
住所:The National Gallery, Trafalgar Square, London WC2N 5DN
営業日:毎日(12/24~26および1/1を除く)
営業時間:土曜~木曜10:00~18:00(金曜は~21:00)
入場料:無料(ただし一部の企画展は有料)
ナショナル・ギャラリーの館内マップは現地にて1ポンドで購入可能ですが、同じものが(英語版のみですが)公式サイトから無料でダウンロードできます。効率よく回れるためにお目当ての作品がある部屋を事前にチェックしておきたい方は、印刷して持参すると良いでしょう。
フロアマップページ:https://www.nationalgallery.org.uk/visiting/floorplans/level-2
(印刷用ページを表示するにはページ上部右側の「Download printable floorplan」をクリック)
ナショナル・ギャラリーの作品にはそれぞれ簡単な説明がついているため、英語に強い人ならガイドがなくても十分楽しむことができます。日本語できちんと理解したいという方はオーディオガイドを借りるか、美術が大好きな人なら「ナショナル・ギャラリー・コンパニオン・ガイド」の日本語版(12.95ポンド)を購入するのがおすすめ。同館の名作が写真付きで紹介されていて、非常に読み応えがあります。
ナショナル・ギャラリーの展示品はどれをとっても一級品。ゆっくりと時間をかけて全室を楽しむのが理想的ですが、今回はあまりお時間のない方のために、「絶対おすすめ!これだけは必ずご鑑賞ください!」という10点をご紹介します。この10点を駆け足で見て回るだけなら所要時間は1時間ほどです。
まずはイギリス式2階にお上がりください。今回ご紹介する10点はすべてこのフロアにあります。中央の入り口から上がってきてすぐ左手にある展示室2からスタートしましょう。
ティツィアーノは神聖ローマ皇帝やローマ教皇といった有力なクライアントを抱えていたイタリア・ルネサンス期の超人気画家。中央のバッカスは画面左のアリアドネを妻にすべく、戦車から勢いよく飛び降りてきたところ。彼の来訪を予想していなかったアリアドネはバッカスの率いる賑やかな面々の様子に驚いています。なお、アリアドネのはるか頭上に輝く星の王冠は、妻アリアドネの死後にバッカスが妻の冠を天に飾ることを暗示しています(星座のかんむり座はこのエピソードから生まれています)。
隣の展示室4にはこの巨大な肖像画が展示されています。左側の男性はフランスの貴族でロンドンに使節として駐在していたジャン・ド・ダントヴィル。右側は同じくフランス人でダントヴィルの友人、考古学者でもあるジョルジュ・ド・セルヴです。20代の若者たちの堂々として威厳にあふれた姿と美しい布地の描写に目が行きがちですが、足元に不吉に歪めて描かれたドクロにもご注目ください。このドクロには「メメント・モリ(いつか自分が死ぬことを忘れるな)」というメッセージが込められているものと推察されます。
次にセンズベリー翼最奥にある展示室66にお進みください。ここには静謐さのただようダ・ヴィンチの名品『岩窟の聖母』が待ち受けています。左側に描かれている幼児は洗礼者ヨハネ。中央の幼児キリストと混同されないように、ヨハネの持ち物である巻物と十字架がダ・ヴィンチ以外の人の手によって描き加えられたと言われています。そう言われてみると、十字架の描き方にちょっと唐突な感じがありますよね。
15世紀に描かれたこの肖像画は、当時のネーデルラントの裕福な夫妻の姿を捉えたもの。完璧な遠近法を使って描かれたものではないのですが、光の表現によってとても奥行きのある作品に仕上がっています。女性の腹部が膨らんでいるように見えるのは妊娠しているわけではなく、当時の流行ファッションだそうです。
1432年に行われた戦いの様子を描いた作品。甲冑に身を包み、飾りをつけた馬にまたがった兵士たちはまさに私たちが想像する中世の戦闘そのもの。画面左側で多数掲げられている槍は戦闘の激しさを物語ると同時に、まるでアニメのスローモーションのように躍動感を演出する効果を狙ったとも言われています。
メインの建物に戻り、展示室16にお進みください。美しく整然とした室内画を得意とするフェルメールの力量がこの作品にも表れています。とくに光線とそれが作り出す陰影の巧みさにどうぞご注目ください。また、何かもの言いたげな女性の視線と奥に飾られているキューピッドの絵画は、この女性が愛を夢見ていることを表しています。ちなみにヴァージナルとは女性の前にあるハープシコードのような楽器を指します。
イタリア絵画に見られるふくよかな美女像とは異なり、このヴィーナスはほっそりとしたウエストを始めとする引き締まった身体を有している点が特徴的です。多彩な色合いを使って表現された肌の表現にはうっとりと見入ってしまうはず。自由なタッチでありながら構図は非常に考え抜かれており、ゴヤはこの作品に刺激を受けて代表作である『裸のマハ』を制作したと言われています。
ロンドンの理髪店の息子であったターナーは、壮大かつ崇高な景観に憧れてさまざまな地域を旅しました。この作品に描かれたテメレール号は1805年のトラファルガーの海戦で活躍しましたが、ターナーが捉えたのは解体されるために停泊地に曳かれていく戦艦の姿でした。夕日を浴びたその姿はドラマティックで、若い時分に活躍をした人間の晩年を思わせます。その表現の見事さが認められ、2020年からイギリス中で流通する20ポンド紙幣のデザインに盛り込まれることが決定しています。
この肖像画は1748年に結婚して間もないころのロバート・アンドルーズとその妻であるフランシス・メアリーを描いたものです。夫妻のまるで人形のように端正な姿かたちが目を引きますが、それもそのはず、2人の衣装は画家の使うモデル人形に着せて描かれたものと言われています。実際にこの絵の魅力を高めているのは、背景とした描かれたイギリスの地方の抒情的な景色。吸い込まれていきそうな奥行きのある自然の描写をお楽しみください。
このミニコースの最後を飾るのはゴッホの『ひまわり』。ゴッホにとって幸福の象徴であったと言われる黄色をふんだんに使い、生命の循環を示すものとしてこの美しい花を画面いっぱいに描いています。この作品にゴッホの狂気を見るか、輝かしいばかりの生命力を見るかは、あなた次第!
まだ時間があるという方は、展示室41~44の作品をゆっくりとご鑑賞ください。ここにはモネやマネ(展示室41)、ルノアール(展示室42)、ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャン(展示室43)、ドガやマチス(展示室44)といった印象派を始めとする巨匠たちの作品がずらり。また、このフロアの作品を見尽くしてなお余力のある方は、イギリス式0階にある展示室もお楽しみください!
ナショナル・ギャラリーはレストラン&カフェも自慢。中でも、気取らずにさっと立ち寄れる「エスプレッソ・バー」(イギリス式0階)は疲れた足を休めるのにうってつけです。ここで見逃せないのはケーキ類。というのも、このカフェはケーキが美味しくて評判のペイトン&バーンが運営しているからです。
一押しはイギリスの定番スイーツの1つであるキャロット・ケーキ(4.50ポンド)。このカフェのキャロット・ケーキは程よい甘さの上、くるみも入っているため香ばしさも楽しめます。紅茶(2ポンド)との相性の良さはお墨付き!サンドイッチ類とあわせて頼んで軽いランチにするのも良いでしょう。
エスプレッソ・バー(Espresso Bar)
営業時間:10:00~17:30(金曜は~20:45)
ロンドンの主要観光スポットの多くは早ければ夕方4時、遅くとも6時ごろには閉まってしまいます。「もっと回りたいのにどこも閉まってしまう!」という方はロンドン滞在に金曜日を含めるのがおすすめ。ナショナル・ギャラリーと大英博物館は金曜日のみ夜遅くまでオープンしているので、観光を欲張りたい人にぴったりなのです。
ナショナル・ギャラリーの建物自体もそれが面しているトラファルガー広場も夜には美しくライトアップ。「ザ・ロンドン!」と言いたくなるような魅力的な夜景が広がります。こんな景色をカメラに収められるのも、ナショナル・ギャラリーを夕方に訪れる人だけが楽しめる特権と言えるでしょう。
今回はロンドンが誇る美の殿堂、ナショナル・ギャラリーをご案内しました。この美術館の絵画作品は本当にどれも素晴らしく、ふだんあまり美術館に行かないという方でも十分にお楽しみいただけます。なお、ナショナル・ギャラリーでは企画展も随時開催。公式サイトで気になる企画展があるか事前にチェックしておくのもおすすめですよ。