投稿者 : 博美 鈴木、投稿日 2019 年 12月10日

ワルシャワの新アドレス、プラガ地区が今アツい!

ポーランドの首都であり天才音楽家ショパンの故郷ワルシャワ。戦後みごとに復元された歴史地区は世界遺産に指定され、ただ歩いているだけでも中世ヨーロッパの街並みを満喫できる美しい地区です。そんなワルシャワで今注目されているのが、街を二分するヴィスワ川の東岸にあるプラガ地区。一歩裏路地に入ると廃墟のような建物が続く一見怪しいエリアですが、 近年は若いアーティストが集まるようになり、「ワルシャワのソーホー」とも呼ばれています。そんな知られざるプラガ地区をご紹介します。

歴史地区からトラム26番に乗りヴィスワ川を渡るとプラガ地区です。乗車時間は約15分、Gocławskaで下車します。まっすぐ北に進むと、芝生の広場に置かれたチェアでくつろぐ市民の姿。これだけでも歴史地区の雰囲気とは全く違います。リアルなワルシャワを見ているようでワクワク。

広場を抜けた先にあるのが、ギャラリーなどが集まる「SOHO Factory(ソーホーファクトリー)」と呼ばれる一画。中でも異色なのが「ネオンミュージアム」。第二次世界大戦後に制作されたポーランドのネオン広告を保存目的に集めたこのミュージアムは、世界でも数少ないネオンサインの博物館です。

暗い館内はネオンサインで彩られ、どこかノスタルジックで時代を感じさせます。1950~70年代に実際にワルシャワで使われていたネオンサインを中心に展示され、中には著名なグラフィックデザイナーが手がけたものも。革命から生まれ、国家のプロパガンダとして機能し、ポーランドの戦後の時代に栄えた、知られざるネオン芸術の独創性とユニークさは一見の価値ありです。

Neon Museum
住所:Building 55 Soho Factory, Mińska 25, 03-808 Warsaw
営業時間:月〜金12:00~17:00、土12:00~18:00、日11:00~1700
入館料:13Zl
http://www.neonmuzeum.org

ネオンミュージアムがあるソーホーファクトリーには、お洒落なカフェやレンガ倉庫を改装した素敵なレストランもあるので、ランチや休憩にもオススメです。

ネオンミュージアムからワルシャワ東駅の北側に向かって20分ほど歩くと大通りに面した賑やかなエリアとなります。1944年に起きたワルシャワ蜂起でドイツ軍により歴史地区は爆破されました。しかしプラガ地区にはソビエト軍が進出していため、この周辺は破壊の難を逃れ、ルジツキ市場をはじめ歴史遺産とも呼べる戦前の建物が多く残っています。

ルジツキ市場のゲートをくぐると、一般的な市場とはかなり異なる雰囲気。ウェデイングドレスやイブニングドレス、タキシードなどの仕立屋や革靴店が集まっています。お土産屋や食堂はありませんが、ここだけ時が止まっているようで、時代の一端を垣間見たようです。

Bazar Różyckiego
住所:Targowa 54, 00-001 Warszawa
営業時間:7:00~17:00 休日曜

ルジツキ市場の角を曲がると一変、お洒落なゾンプコフスカ通り。週末は歩行者天国になっていて、ワークショップやバザーで賑わっていました。20世紀初頭に建てられた歴史的建造物とアートが絡み合うヒップな感じ。中でも目立つのが廃墟化した建物をアルミホイルで包み込んだ「Zabkowska9, take off !」という作品。この街の変化を表しているそうです。

ゾンプコフスカ通りを進むとウォッカ工場跡地を再開発した「プラガ・コネセル・センター」。ここは住宅、オフィス、アートなどの娯楽施設が集まるコンプレックスです。

敷地内はコンセプチュアルショップやギャラリー、グーグルのスタートアップキャンパス、イートスペースなどが入り、かなりお洒落な雰囲気。一軒一軒ゆっくりとショップを見て回りたいところです。

ウォッカ工場跡地にオープンしたウォッカミュージアムは、専任ガイドとともに最新技術とインタラクティブな展示で、ポーランドにおける600年のウォッカの歴史や生産工程などを楽しく見学できます。見学の後はウォッカのテイスティング付き。戦前に製造されたウォッカやボトル、ラベルなどの貴重な品々も見どころです。

Muzeum Polskiej Wódki
住所:Plac Konesera 1, 03-736 Warszawa, ポーランド
営業時間:日~木11:00~20:30 金・土11:00~21:30
入場料:40zl
https://muzeumpolskiejwodki.pl

歴史地区の散策をした後はヴィスワ川を渡って、いにしえとアートが交差するもうひとつの歴史地区プラガへ。以前は治安があまり良くない地区でしたが、今はご覧の通り。「ポストベルリン」の呼び声も高いプラガ地区、是非、訪ねてみてください!

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取材協力:ポーランド政府観光局