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オランダという国は日本でもよく知られていますが、オランダ料理となるとあまり馴染みがないもの。「何かあったかな」と首をかしげている人も多いかもしれません。
しかし、そんなオランダにも驚くほど美味しい、それも日本人好みの味があったのでご紹介しましょう。貴重なその料理の名前は「ハーリング」、市場や露店などで手軽に味わえる魚料理です!
どんな人にでも、ほっとする味というものは必ずあるもの。海外旅行でさんざん美味しいものを食べて帰ってきたはずなのに、空港に到着して真っ先に寿司屋に向かったなんて経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
オランダ人にとってハーリングとは、まさにそんな味のひとつ。簡単に説明すると生のニシンの頭や内蔵などを取り除いて塩漬けにしたもので、もともとは冷蔵技術や輸送技術が乏しく、新鮮な魚を食べるのが難しかった時代に保存食として生み出されたものです。
しかし、今やその味はオランダ人にとって欠かせないものとなり、毎年、夏のはじめに訪れるニシン漁の解禁日を今か今かと待ちわびる人も多いのだとか。北海に面したスヘベニンゲンでは、毎年この時期にニシンの水揚げ祭が行われたり、初競りが行われたりとまさにお祭り状態。2012年にはなんと、競りでニシン45匹入りの樽に95,000ユーロ(約940万円*)もの値段がついたこともあったのだとか。 *2012年6月時点。
解禁日がお祭りになったり初競りがあったりと、なんとなくフランスのボジョレー・ヌーボーや日本のマグロを彷彿させると思いませんか?
このように、ハーリングはオランダ人にとって欠かせない味。実はハーリングの食べ方はオランダ国内でも地域によって少し異なります。
・アムステルダム風:少し大きめのニシンを一口サイズにカットして、玉ねぎのみじん切りとピクルスを添えて食べる。
・デン・ハーグ風:小さめのニシンの上に玉ねぎのみじん切りを乗せ、尻尾を持って1匹をまるごと食べる。玉ねぎを落とさず食べるのに少し熟練が必要。
地域によってはほかのバリエーションがある可能性も十分にありますが、ざっくりとこの2つを知っておけば、旅行中に困ることはないでしょう。どちらの食べ方もとても美味しいので、もし機会があれば、オランダ旅行中にそれぞれ食べ比べてみることをおすすめします。
また、市場や露店などではハーリングを玉ねぎのみじん切りと一緒にパンに挟んでサンドイッチにしてくれる場合もあり、これも塩気がパンに染み込んでとても美味しいです。
ちなみにこれはオランダに住んでいる日本人家族に聞いた話ですが、日本人にとってハーリングの最も美味しい食べかたは、アムステルダム風でもデン・ハーグ風でもなく、カットして生姜醤油で食べることなのだとか。
思わず笑ってしまいそうになるエピソードですが、それが一番美味しいと感じるのだから仕方ありませんよね。オランダを訪れる予定がある人は、ぜひ醤油と生姜を持ち込んでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
現地在住の日本人もファンになるハーリングですが、中には海外で生魚を食べることに抵抗を覚える人もいるかもしれません。
実はオランダでは寄生虫対策として、ニシンを塩漬けにする前にマイナス45度で24時間以上冷凍することが法律で決められています。また、ハーリングはそもそも保存食なので、鮮度の点でもあまり心配はないでしょう。実際に食べてみると、思った以上に生臭さが気にならないのに驚くと思います。
なかなか馴染みのないオランダ料理ですが、ハーリングは刺身のような感覚で食べられる、日本人にとっても美味しい料理のひとつ。市場や露店などで手軽に食べられる点も、とても旅行向きでおすすめです。オランダを旅行する際は、ぜひ試してみてくださいね。