投稿者 : 鈴木 圭、投稿日 2018 年 12月15日

ナポリを見ずにイタリアは語れない!? スパッカ・ナポリで下町の情緒を楽しむ

水の都ヴェネツィアや花の都フィレンツェなど、それぞれに特徴があるイタリアの都市。その中で最も「個性的」な街といえば、ナポリをおいてほかありません。

狭いストリートにひしめく商店。どこからそんなエネルギーが出るんだと思うほど大きなだみ声で会話する人々。ふと目線を上げると頭上には洗濯物がはためき、その下にはスクーターが駆け抜ける……。

そんなカオスのような街にはミラノやフィレンツェのようなエレガンスはありませんが、庶民の暮らしが垣間見える魅力があります。今回ご紹介するスパッカ・ナポリは、そんな活気あるナポリの下町とも言える場所。その楽しみ方や見どころをまとめました。

ナポリの下町、スパッカ・ナポリってどんなところ?

スパッカ・ナポリはナポリ旧市街の中にある東西およそ1kmほどのエリア。「ナポリを2つに分ける」という言葉に由来しており、メインストリートである「ビアジョ・ディ・イブレイ通り」と「トリブナーレ通り」の周辺に商店や教会などが広がっています。

スパッカ・ナポリは常に人通りがありにぎやか
スパッカ・ナポリは常に人通りがありにぎやか

スパッカ・ナポリの雰囲気を一言で表すとすれば「庶民の街」。イタリア人の生活に欠かせないバールやピッツェリアはもちろん、パン屋や雑貨店、青果店などの店が並び、いつも人々で賑わっています。

最近は観光地として有名になったことで土産物店の姿も増えましたが、その雰囲気は昔から変わらない下町そのもの。古き良きイタリアを感じられる場所として、多くの人々に愛されているのです。

頭上に洗濯物がはためく光景は、スパッカ・ナポリの名物
頭上に洗濯物がはためく光景は、スパッカ・ナポリの名物

スパッカ・ナポリ、おさえておきたい見どころは?

スパッカ・ナポリは下町の雰囲気を感じながら歩くだけでも楽しいのですが、せっかく旅行で訪れるなら見どころもおさえておきたいところです。その中でも特に訪れるべき場所をご紹介しましょう。

サン・グレゴリオ通り

ナポリならではのおみやげ探しにもおすすめ
ナポリならではのおみやげ探しにもおすすめ

サン・グレゴリオ通りはスパッカ・ナポリのメインストリートである「ビアジョ・ディ・イブレイ通り」と「トリブナーレ通り」を南北につなげる小さな通りです。下町の裏路地といった雰囲気で、イタリアの伝統的なクリスマス飾りである「プレゼーペ」を扱う店が軒を連ねています。

プレゼーペはその精巧さに思わず見入ってしまいそう
プレゼーペはその精巧さに思わず見入ってしまいそう

プレゼーペは専門の職人の手によって一つひとつ手作りされており、その精巧なつくりはまさに工芸品といった趣。小さいものは30ユーロ程度と、意外と手頃な値段で買えるうえ配送を受け付けている店も多いので、興味があればお土産に求めてみるのもいいかもしれません。

ジェズ・ヌォーヴォ教会

カメラに収まりきらないほどの重厚なファザードが特徴
カメラに収まりきらないほどの重厚なファザードが特徴

スパッカ・ナポリの中心ともいえるジェズ・ヌォーヴォ広場に面した教会。もともとは宮殿として使われていた建物を改装して使われており、無骨で重厚な石壁が印象的です。

正面入口のあるファザードは宮殿として使われていた頃のまま残されていますが、時を経るごとに礼拝堂や装飾品が付け足された結果、ゴシック様式やバロック様式などさまざまな建築様式が融合する特徴的な建物になっています。

ジェズ・ヌォーヴォ教会(Chiesa del Gesù Nuovo)
住所:Piazza del Gesù Nuovo, 2, 80134 Napoli
電話番号:(+39) 081-5578111
営業時間:7:00〜13:00、16:00〜20:00(定休日なし)

ナポリ大聖堂

ローマやミラノなど大都市には必ずドゥオモ(大聖堂)があるローマやミラノなど大都市には必ずドゥオモ(大聖堂)がある

ナポリの守護聖人、サン・ジェナーロを祀る大聖堂。聖堂にはジェンナーロの血液が入った小瓶が収蔵されており、5月の第1土曜日と9月19日の年2回だけ乾いた血液が液状化するという伝説があります。トリブナリ通りからドゥオモ通り入ってすぐの場所に位置しているので、スパッカ・ナポリ散策の途中に立ち寄ってみましょう。サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂という名前でも知られています。

ナポリ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Assunta)
住所:Via Duomo, 147, 80138 Napoli
電話番号:(+39) 081-449097
営業時間:月〜土曜8:30〜13:30、14:30〜19:30、日曜8:00〜13:00、16:30〜19:30

スパッカ・ナポリにはピッツァの名店がたくさん!

ナポリの名物料理といえばピッツァ。スパッカ・ナポリは下町ということもあり、数多くのピッツェリアが軒を並べます。中でも旅行者にとって有名なのは東京や福岡にも支店を持つ「ダ・ミケーレ」ですが、他にも訪れるべき隠れた名店はたくさんあります。ここではその中でも、特におすすめしたいお店をご紹介しましょう。

スパッカ・ナポリ随一の人気店!行列覚悟で訪れたい「ソルビッロ」

ソルビッロ

現在、スパッカ・ナポリで最も人気の高いピッツェリアはおそらくこの店。1935年創業の老舗で、一族の息子がすべてピッツァ職人という驚くべきお店です。

ピッツァの特徴は、なんといっても生地がふわふわもちもちしていること。独自に手配した酵母を使って発酵させており、やわらかく食べごたえのある生地に仕上がっています。地元のナポリっ子からの人気も高く、休日の夜には1〜2時間待ちの行列ができることも珍しくありません。できれば開店30分〜1時間前から並ぶ覚悟で、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。

ソルビッロ

ソルビッロ(Sorbillo)
住所:Via dei Tribunali 32, 80138, Napoli
電話番号:(+39) 081-446643
営業時間:月〜土曜12:00〜15:30、19:00〜23:30(日曜定休)
一人あたり予算:10〜15ユーロ
URL:https://www.sorbillo.it/(イタリア語)

クリントン大統領も訪れた名店「ディ・マッテオ」

ディ・マッテオ

トリブナレ通りのちょうど真ん中あたりに位置する庶民派のピッツェリア。かつてはアメリカのクリントン大統領も訪れた名店で、店内には当時の写真が飾られています。ピッツァは薄く延ばした生地にトマトとモッツァレッラのスープが溶け合い、ナポリピッツァの王道というべき味わい。まずはこちらのピッツァを味わい、自分の基準を持ってから他のお店に行くのもいいかもしれません。

店頭でアランチーニ(ライスコロッケ)やコロッケなどの軽食も販売しており、それらを買って食べ歩くのもおすすめの楽しみ方です。

ディ・マッテオ

ディ・マッテオ(Di Matteo)
住所:Via dei Tribunali 94, 80138, Napoli
電話番号:(+39) 081-455262
営業時間:月〜土曜9:30〜24:00、日曜9:00〜15:30
一人あたり予算:10ユーロ程度
URL: http://www.pizzeriadimatteo.com/(イタリア語)

トッピングのバリエーションを楽しむなら「トリアノン・ダ・チーロ」

トリアノン・ダ・チーロ

ダ・ミケーレから道路を挟んで向かいに位置するピッツェリアで、1923年創業の老舗。ナポリのピッツェリアらしくマルゲリータを中心としたメニューで、キノコやソーセージ、生クリームなどトッピングの種類が豊富なのが特徴。生地は塩が効いたしっかりとした味わいで、食べごたえのあるピッツァを求める人におすすめです。

比較的席数が多くランチ・ディナー時でも余裕をもって入れるのもおすすめしたいポイント。ダ・ミケーレの長蛇の列に並ぶ時間がない場合はこちらを訪れてみてください。味は負けず劣らず、とても美味しいですよ!

トリアノン・ダ・チーロ

トリアノン・ダ・チーロ(Trianon da Ciro)
住所:Via Pietro Colletta 44, 80139, Napoli
電話番号:(+39) 081-5539426
営業時間:11:00〜15:30、19:00〜23:00(定休なし)
一人あたり予算:10ユーロ程度
URL:https://www.pizzeriatrianon.it/(イタリア語)

時間の余裕があったら、地下探検ツアーへ!

スパッカ・ナポリはそれほど広くないため、駆け足で回れば半日ほどで散策できてしまいます。もし時間が余るようであれば、ナポリの地下探検ツアーへ出かけてみてはいかがでしょうか。

地下探検ツアーへ
内部は静謐な雰囲気に包まれている

ナポリの地下には、数千年前に古代ギリシア人が築いた遺跡が眠っており、スパッカ・ナポリの一角にはその入口があります。洞窟はその後地下水路として近代まで使用され、第二次世界大戦時には防空壕としても使用されました。内部には古代ギリシア時代に使われていた洗濯場や倉庫、また戦時中に使われていた子供のおもちゃなどの展示があり、ちょっとした探検気分を味わえます。

ナポリ・ソッテッラネア(Napoli sotterranea)
ツアーの入口。10人以下の少人数であれば予約は必要なく、開始時間の10分ほど前に現地に到着すればOKです

ツアーの所要時間は約2時間。1時間ほど遺跡内を歩き、その後いったん地上に戻り別の入口から1時間ほど遺跡を歩きます。洞窟内はかなり冷え込むため、夏でも上着を持参することをおすすめします。また、洞窟に入るためには地下40メートルまで階段を降りる必要があり、内部も多少のアップダウンがあります。自分の足で1時間ほど洞窟内を歩ける体力があること、狭いためベビーカーは使用できないことに注意しておきましょう。

ナポリ・ソッテッラネア(Napoli sotterranea)
住所:Piazza San Gaetano 68, 80139, Napoli
電話番号:(+39) 081-296944
営業時間:イタリア語ツアー10:00/11:00/12:00/13:00/14:00/15:00/16:00/17:00/18:00、英語ツアー10:00/12:00/14:00/16:00/18:00(予約制、割増料金で日本語ツアーもあります。料金はガイドの空き状況や参加人数によっても異なりますが、100ユーロ以上くらいが目安。)
料金:10ユーロ
予約:Napoli Sotterranea(英語)から申し込み、もしくはinfo@napolisotterranea.orgへメール。(日本語ツアーの申込みや10人以上のグループのみ予約が必要)

庶民の生活を色濃く感じられる下町

「ナポリを見てから死ね」という言葉に象徴されるように、美しい街として知られるナポリ。その美しさはティレニア海やヴェスヴィオ火山に囲まれた風景が注目されがちですが、庶民の生活を色濃く感じられるスパッカ・ナポリもまた別の美しさがあります。ポンペイ遺跡やアマルフィへの通過点としてしまうにはあまりにもったいないナポリの下町を、ゆったりと散策してみてはいかがでしょうか。

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