投稿者 : 純 岩佐、投稿日 2019 年 12月12日

パリで大流行の自然派ワイン ヴァンナチュール(vin nature)を飲もう

環境に配慮したビオ食材に関心の高いフランスでは、ワインも有機的に作られた自然派ワイン(ヴァンナチュール:vin nature)が流行しています。クオリティの安定した自然派ワインが手に入りやすくなってから10年と少ししか経っていませんが、一流レストランのワインリストの半分が自然派ワインというのも珍しくありません。今回は、自然派ワインとは何か、そして、パリで味わえるアドレスをご紹介します。

自然派ワイン(ヴァンナチュール:vin nature)とは?

ワイン造りに使う農薬は畑を痩せさせてしまうことがあります。最近ではワイン畑を長く大事に使っていきたいという考えに加え、どの土地でいつ採れたぶどうで造られたワインなのかを大事にする意識が高まっています。そんな中、自然・生態系を敬い化学的なものは必要最小限におさえ造られるようになったワインが、自然派ワインです。

自然派ワインとオーガニックワインの違い

パリの店のワインコーナーでは、自然派ワインの他にABマークの付いたオーガニックワイン(ビオワイン:vin bio)を見かけます。どちらもともに自然を尊重し有機的に造られるワインですが、次のような違いがあります。

自然派ワイン

有機農法もしくはビオディナミ農法で造られます。化学物質や除草剤は使わず、ボルドー液などの伝統的な薬剤や薬草などしか使いません。熟したぶどうを手摘みし、野生・天然酵母菌を使って発酵させ、亜硫酸塩(SO2)は無添加、もしくは瓶詰めの際に極微量しか使わないワインです。

有機ワイン

原則として除草剤や化学薬品を使わず、オーガニック認証団体の基準に沿い、検査を定期的に受け審査に合格したワインで、ぶどう生産・ワイン醸造のどちらの工程も100%有機であると認証されなければなりません(2012年より)。

自然派ワインの取り扱い

自然派ワインは、亜硫酸塩を控えているためボトルの中で好ましくない微生物などが活発になる可能性が高く、作り手たちの苦労もひとしおでした。現在では安定したクオリティのワインが出回るようにはなっています(瓶ごとの個体差は大きいとされています)が、フランスで買った自然派ワインを日本でいただく際には、一般的なワインにも共通するポイントにより深い注意を払うと美味しくいただけます。

日本へ持ち帰ったら少し休ませる

飛行機や船で長時間過ごしたワインは、気温や気圧の変化により不安定な状態になっています。落ち着かせるため最低2〜3日は寝かせるのがおすすめです。

気温変化の少ない場所で保管する

ワインは気温の変化に影響を受けやすいため、できれば一定温度に保てるワインセラーで保管するのがベストです。セラーがなければ、冷蔵庫の野菜室での保管でも劣化が防ぎやすくなります。

ゆっくりとグラスに注ぐ

澱や酒石などがグラスに入らないようボトルを傾けすぎずにゆっくりと注ぐのがポイントです。

パリで自然派ワインを味わえるおすすめアドレス

パリ市内では、ミシュラン星付きレストラン、街中のレストランやバーなど自然派ワインを出している場所が増えてきています。今回は、中でもおすすめの店を3つご紹介します。

ルーヴル美術館近くの「ル・ガルド・ローブ」

「ル・ガルド・ローブ(Le Garde Robe)」は、パリっ子にも人気の自然派・有機ワインのバー。ワインに合うシャルキュトリー(豚肉のハム・サラミ類)やチーズの盛り合わせなどの取り揃えももちろんばっちりで、ランチやディナーとして料理もしっかりと楽しむことができます。

棚には、ボトルに価格が書かれた自然派・有機ワインがずらり。どれを飲んだら良いかわからない場合は、本日のおすすめをグラスでいただくこともできます。白・赤で軽い、しっかりとした、フルーティーなどと希望を伝えると何本か提案してもらえるので、ラベルを見て直感で選んでみても良いかもしれません。

■ル・ガルド・ローブ(Le Garde Robe)

公式ホームページ(フランス語):https://legarderobe.fr/
アクセス:メトロ1番線のルーヴル=リヴォリ(Louvre – Rivoli)駅から徒歩2分
営業日時:月〜金曜日12:00~15:00、17:00〜24:00、土曜日16:00〜24:00
定休日:日曜日
住所:41 Rue de l’Arbre Sec, 75001 Paris

話題のワインバー「ラ・カーヴ・ド・ベルヴィル」

品揃えが豊富で、パリの他店では手に入らないワインもあると話題のラ・カーヴ・ド・ベルヴィル(La Cave de Belleville)。パリの中華街として知られるベルヴィルの駅から徒歩5分のところにあります。

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自然派ワインの品揃えもさすがのラ・カーヴ・ド・ベルヴィルには、ゆったりとしたバー空間があり、ワイン好きにはたまらない至福の時が過ごせます。

■ラ・カーヴ・ド・ベルヴィル(La Cave de Belleville)

公式フェイスブック(フランス語):https://www.facebook.com/lacavedebelleville/
アクセス:メトロ2・11番線のベルヴィル(Belleville)駅から徒歩5分
営業日時:月曜日12:00〜24:00、火〜土曜日10:00~24:00、日曜日11:30〜19:30
定休日:なし
住所:51 Rue de Belleville, 75019 Paris

老舗のワインショップ「ルグラン・フィーユ・エ・フィス」

「おしゃれワインバーで、ほろ酔い気分のパリの夜」でご紹介した、パリで一番美しいと言われるパッサージュにある、老舗ワインカーヴ ルグラン・フィーユ・エ・フィス(Legrand Filles et Fils)。フランス全土のお手軽価格のものからグラン・ヴァンまで取り揃えており、その中にはもちろん自然派ワインもあります。

ルグラン・フィーユ・エ・フィスは、高級食材店(エピスリー)として1880年に創業しましたが、現在ではワインショップ、試飲カウンター、レストラン、バンケットルームまであり、ワインに合わせた食も堪能できます。お土産にぴったりのワイングッズもあるので、パッサージュを見学しつつぜひ寄りたいアドレスです。

■ルグラン・フィーユ・エ・フィス(Legrand Filles et Fils)

公式ホームページ(英語・フランス語):https://www.caves-legrand.com/
アクセス:メトロ3番線のブルス(Bourse)駅から徒歩4分、メトロ7・14番線のピラミッド(Pyramides)駅から徒歩8分
営業日時:月曜日10:30〜19:30、火〜木曜日10:00~19:30、金・土曜日10:00〜22:00
定休日:日曜日
住所:1 Rue de la Banque, 75002 Paris

自然派ワインは、亜硫酸塩がほとんど入っていないため二日酔いになりにくいと、科学的根拠とともに発表されています。自然派ワインに独特のわずかに酸っぱいビオ臭と呼ばれる香りと味わいは、初めて飲む際にはきつい感じることもありますが、慣れるとそれがたまらなくなるという人も。プロおすすめの自然派ワインはどのようなものか、パリ滞在中に試してみてはいかがでしょうか。

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