投稿者 : 純 岩佐、投稿日 2018 年 7月14日

パリに残る、「フランス革命」の足跡を追って

「フランス革命」は、220年以上経った今もなお、フランス国民にとって重要な歴史です。革命時のスローガン「自由・平等・友愛」という言葉はフランス国家の理念となっており、毎年7月14日には、ナポレオンが建てた凱旋門前で開かれる壮大なパレードとともに、国民全員がこの日を祝います。今回は、牢獄のあったバスティーユ、ルイ16世やマリー・アントワネットが処刑されたコンコルド広場など、「フランス革命」において重要な足跡である、パリの場所をご案内します。

「フランス革命」とは

18世紀後半にフランスで起きた市民革命運動「フランス革命」により、長らく続いた王による絶対君主制時代が崩壊し、新たな近代国家体制が構築されました。1789年パリのバスティーユにあった牢獄の襲撃を皮切りに勃発したのが「フランス革命」で、当時フランス国王であったルイ16世や王妃マリー・アントワネットは処刑され、その後も貴族や聖職者たちが処刑されるなど様々な悲劇を生むことになりました。「フランス革命」の後、皇帝ナポレオン1世による軍事独裁政治が始まりますが、それも長続きはせず、ルイ18世による王政復古後、フランスは数度の市民革命を行いながら国家再建を重ね、近代国家、そして現代国家への道へと進んで行きました。

チュイルリー公園(Jardins des Tuileries)

チュイルリー公園

凱旋門から続くシャンゼリゼ通りから、ルーヴル美術館までをつなぐ広大な「チュイルリー公園(Jardins des Tuileries)」。チュイルリー宮殿の庭園として、ヴェルサイユ宮殿やシャンティイ城の造園でも有名な、ル・ノートル氏によって、17世紀に造られました。ルイ16世やマリー・アントワネットは、フランス革命時、ヴェルサイユからチュイルリー宮殿に身柄を移され、チュイルリー宮殿を市民が襲撃することになる1792年8月10日事件まで、暮らしていました。

■チュールリー公園(Jardins des Tuileries)
パリ観光局公式ホームページ(日本語・英語・フランス語他):https://www.parisinfo.com/musee-monument-paris/71304/Jardin-des-Tuileries
最寄り駅:メトロ1番線のテュイルリー公園(Tuileries)駅すぐ。ルーヴル美術館(Musée du Louvre)の目の前
営業時間:9月の最終日曜日から3月の最終土曜日まで7:30~19:30、3月の最終日曜日から9月の最終土曜日まで7:00~21:00
定休日:1月1日、復活祭と復活祭の次の月曜日、5月1日・8日、復活祭から50日目の日とその次の月曜日、7月14日、8月15日、11月1日・11日、12月25日
住所:113 Rue de Rivoli 75001 Paris

アンヴァリッド(Invalide)

アンヴァリッド

太陽王と呼ばれた、フランス王ルイ14世が傷病兵の療養施設として建てた「アンヴァリッド(Invalide)。金箔の貼り付けられた輝くドームの教会内には、ナポレオン1世の棺が安置されており、他の建物部分は現在も、傷病兵の住まいや「軍事博物館」として利用されています。「フランス革命」の始まりといわれているバスティーユ監獄の襲撃の直前に、パリ市民はアンヴァリッドを襲撃し、武器を調達したと知られています。

アンヴァリッド(Invalide)
公式ホームページ(日本語・英語・フランス語他):http://www.musee-armee.fr/jp/home.html
最寄り駅:メトロ8番線のラ・トゥール – モーブルグ(La Tour-Maubourg)駅から徒歩4分、エコール・ミリテール(École Militaire)駅から徒歩6分、メトロ13番線のヴァレンヌ(Varenne)駅またはサン・フランソワ・グザヴィエ(Saint-François-Xavier)から徒歩各5分
営業時間:4月1日~10月31日:月〜日曜日10:00~18:00、11月1日~3月31日:10:00~17:00
定休日:1月1日、5月1日、12月25日
住所:129 rue de Grenelle 75007 Paris

バスティーユ広場

バスティーユ広場

フランス革命記念日である7月14日は、当時国事犯が収容されていたバスティーユ監獄を1789年に市民が襲撃した日です。事件後、牢獄は解体されたため痕跡は残っていませんが、現在、バスティーユ広場の中央に1830年に起きた「フランス7月革命」を記念した塔があり、また、地下鉄の「バスティーユ」駅の構内には、フランス革命をモチーフにした壁画が描かれています。サディズムという言葉で有名なサド侯爵も、バスティーユ監獄に収監されていたことがあるそうです。

■バスティーユ広場(Place de Bastille)
最寄り駅:メトロ1・5・8番線のバスティーユ(Bastille)駅すぐ
住所:Place de la Bastille 75011 Paris

パレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice)

パレ・ド・ジュスティス

シテ島の3分の1の敷地を占める、「パレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice)」は、かつて王会(国王顧問会議)があった場所です。敷地内には、最高裁判所、控訴院などをはじめとする現在も稼働中の司法機関があり、黒い服に身を包んだ司法官の姿を見るとドキドキしてしまいます。また、「パレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice)」内には、ステンドグラスが美しい「サント・シャペル教会」、フランス革命時に牢獄として使われていた「コンシェルジュリー(Conciergerie)」など、王宮当時の遺跡も残っています。「フランス革命」当時、「パレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice)」には、革命裁判所がおかれていましたが、火災などの被害により、何度も立て直しされているので、現在の建物は20世紀初頭のものです。主玄関のファサードには、金箔を用いた精巧な細工がされており、全体がパリのセーヌ河岸として世界遺産に登録されています。

■パレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice)
公式ホームページ(フランス語):http://www.ca-paris.justice.fr/index.php?rubrique=12533&ssrubrique=12534
最寄り駅:メトロ4番線のシテ(Cité)駅から徒歩4分
営業時間:月〜金曜日8:30~18:30
定休日:土・日曜日
住所:10 Boulevard du Palais 75001 Paris

コンシェルジュリー(Conciergerie)

「パレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice)」内にある「コンシェルジュリー(Conciergerie)」。当初は宮殿として造られた建物だそうですが、宮殿が移設された後、監獄となり、1934年まで使用されていました。「フランス革命」の際には多くの人々が収監され、中でも王妃マリー・アントワネットがコンコルド広場にて処刑される人生最期の2ヶ月半を過ごした独房は有名です。

■コンシェルジュリー(Conciergerie)
公式ホームページ(英語・フランス語・スペイン語):http://www.paris-conciergerie.fr/
最寄り駅:メトロ4番線のシテ(Cité)駅から徒歩4分、パレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice)内
営業時間:月〜日曜日9:30〜18:00
定休日:5月1日、12月25日
住所:2 Boulevard du Palais 75001 Paris

コンコルド広場(Place de la Concorde)

コンコルド広場

「チュイルリー公園」とシャンゼリゼ通りに挟まれた場所にある、「コンコルド広場(Place de la Concorde)」。以前は、ルイ15世の騎馬像が置かれており、「ルイ15世広場」と呼ばれていました。フランス革命の際に騎馬像が取り除かれ、名称も「革命広場」となり、1830年から公式に「コンコルド広場(調和するという意)」と呼ばれるようになりました。ルイ16世やマリー・アントワネットのギロチン刑が執り行われた場所としてあまりにも有名です。「コンコルド広場(Place de la Concorde)」の南側にかかる橋には、バスティーユ牢獄が解体された際の石材が一部使われています。

■コンコルド広場(Place de la Concorde)
最寄り駅:メトロ1・8・12番線のコンコルド(Concorde)駅すぐ
住所:Place de la Concorde 75008 Paris

サンジャックの塔(Tour Saint-Jacques)

サンジャックの塔

パリ市庁舎からほど近く、DIY好きのパリっ子の聖地「BHV」の斜め前にある、「サンジャックの塔(Tour Saint-Jacques)」は、52メートルもある鐘楼です。昔は、鐘楼だけでなく、スペインまでのサンティアゴ巡礼路の起点であった「サン・ジャック・ラ・ブシュリー教会」があったそうなのですが、「フランス革命」により焼失してしまい、1802年に鐘楼だけ取り残されました。「サンジャックの塔(Tour Saint-Jacques)」は、パスカルが気圧実験をしたことでも知られ、塔が壊されなかったのはそのためという説も。夏の間のみ、塔内が一般公開されています。

■サンジャックの塔(Tour Saint-Jacques)
パリ観光局公式ホームページ(日本語・英語・フランス語他):https://ja.parisinfo.com/
最寄り駅:メトロ1・4・7・11・14番線のシャトレ(Châtelet)駅から徒歩1分
営業時間:金〜月曜日(6月〜8月)ガイド付きツアー10:00〜17:00
定休日:12月初旬から翌年の6月まで
住所:Square de la Tour Saint-Jacques 75004 Paris

カルナヴァレ博物館(Musée Carnavalet)

カルナヴァレ博物館

マレ地区にある、「カルナヴァレ博物館(Musée Carnavalet)」は、16世紀のパリ市議会議長の邸宅だった建物で、現在はパリの歴史資料を収めている博物館です。マリー・アントワネットの指輪などの所持品やルイ16世の暮らしに関わる資料、「フランス革命」の中心人物ダントンやロベスピエールの肖像画の展示もあり、フランス革命時代を偲ぶ貴重な所蔵品が見られます。

■カルナヴァレ博物館(Musée Carnavalet)
公式ホームページ(英語・フランス語・スペイン語):http://www.carnavalet.paris.fr/
最寄り駅:メトロ8番線のサン・ポール(Saint-Paul)駅から徒歩4分
営業時間:改装のため2019年末まで閉鎖
住所:16 Rue des Francs Bourgeois, 75003 Paris

フランス・パリにおいて、歴史的に大変重要な事柄である「フランス革命」。パリ観光をする前に、少しでも予習しておきたいものです。フランス革命の全体像がわかる本はもちろんですが、マリー・アントワネットなどある人物にフォーカスした本なども興味深いものがあります。初心者は、漫画「ヴェルサイユのばら」から始めてみるにも良いかもしれません。

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