印象派絵画の巨匠”クロード・モネ”の邸宅と庭を訪ねる、パリからジヴェルニー村へ日帰りの旅
日本でもファンの多い、画家クロード・モネ(Claude Monet)。モネが43歳から生涯の残り半年を過ごし、愛してやまなかった庭とアトリエのあった邸宅は、パリ郊外ノルマンディー地方の入り口、ジヴェルニー(Giverny)村にあります。モネの“睡蓮”の連作は、ほぼこの庭で描かれたものだそうで、邸宅や庭は、モネの死後の大規模な修復工事を経て、クロード・モネ財団により一般開放されています。今回は、パリからジヴェルニー(Giverny)村へのアクセス方法と、モネの邸宅と庭を中心に観光する日帰りプランをご紹介します。
パリからジヴェルニー(Giverny)村へのアクセス方法
パリ北西部のノルマンディー地方にある、ジヴェルニー(Giverny)村は、パリから約70kmの距離にあります。毎年4月から10月にかけての観光シーズンは、パリからの日帰りのバスツアー(日本語)も、いくつか開催されていますが、今回はパリのサン・ラザール駅から電車で向かう個人旅行をご紹介します。
■パリからジヴェルニー(Giverny)村へのツアー
・ジヴェルニー村半日観光ツアー
・モネの庭園、自宅、ジベルニーの墓 : 半日ツアー
パリ市内からパリ北西部のノルマンディー地方への電車でのアクセスは、サン・ラザール(Saint Lazare)駅から。ジヴェルニー(Giverny)村にあるヴァーノン(Vernon)駅までは、電車で約50分。電車は1時間に約1本程度あります。
電車のチケットは事前購入もできますが、さほど長距離ではない(TGVのような新幹線ではない)のでその日の予定に合わせ、当日に駅で購入しても良いかもしれません。ただし、購入時期が早いと割引があり、片道16ユーロ程度(2等車両)のチケットが9ユーロ程度で買えることがあります。また、チケットは、1等車両・2等車両の設定はありますが、TGV(新幹線)のように指定席ではなく、車両内は空いている好きな席に座れます。
<電車チケットの事前購入サイト>
■SNCF(フランス国鉄)
予約ページ(英語・フランス語他):https://www.oui.sncf/billet-train
■レイルヨーロッパ
予約ページ(日本語):http://www.raileurope-japan.com/
ヴァーノン(Vernon)駅へ着いたら、バス停マークのある方の出口へ。駅のすぐ前のバス停から徒歩2〜3分の駅から見える場所に、モネの邸宅・庭のあるエリア行きのシャトルバスのバス停留所があります。
シャトルバスのチケットは、乗車時に購入。片道5ユーロ、往復10ユーロを選び、運転手からレシートをもらいます。ヴァーノン(Vernon)駅から、モネの邸宅・庭、美術館のあるエリアまでは、シャトルバスで約15分とさほど長くはありませんが、運行間隔は、1時間か2時間に1本。乗車時にもらえる時刻表を見て、しっかり計画を練りましょう。
<ヴァーノン(Vernon)とジベルニー(Giverny)間のシャトルバス>
■SN GO!
公式ホームページ(英語・フランス語):https://www.sngo.fr/
モネの代表作、”睡蓮”の鮮やかな色彩が目立つ、ヴァーノン(Vernon)駅とモネの邸宅・庭エリアまでのシャトルバス。モネの邸宅・庭エリアの駐車場には、他の観光バスも停車していますが、デザインが独特なので、すぐにわかります。
モネの邸宅・庭のあるエリアに到着
バスを降り道案内に従って車道下の通路を抜けると、モネの邸宅・庭のあるエリアへ。そのままモネの絵に出てきそうな、こじんまりとした、品のある可愛らしい風景が広がります。
モネの邸宅・庭に行く途中には、お土産もの屋さんもちらほら。モネの”睡蓮”のデザインを取り入れたグッズがたくさん並んでいます。
パリとはまた異なる趣のある住居は、絵本の世界にも出てきそうです。
クロード・モネ財団(モネの邸宅・庭)
ジヴェルニー(Giverny)村の一番の見どころは、よく手入れされたクロード・モネ(Claude Monet)の広い庭に植えられた季節折々の美しい花々や、日本好きのモネが作った、あの睡蓮の浮かぶ日本風庭園でしょう。モネの邸宅の前に広がる庭には、モネがキャンバスに絵を描くように、色とりどりの花や木を植え手入れしていた庭が現在も再現されており、チューリップ、バラ、クロッカスなど季節によってさまざまな表情を魅せます。また、広大な庭は切り取り方によって多様な景観になり、モネをはじめとする多くの画家が自らのインスピレーションをかきたて、思い思いの絵を描き上げたという話にも納得がいきます。
モネの二つの庭園は、道によって分断されており、邸宅側の庭から地下道を抜けると、モネと日本の関連性を強く感じる、”水の庭”へと辿り着きます。かの有名な”睡蓮”の連作の生みの場所である庭園は、池・アーチ型の橋・竹やぶなど日本から影響をうけたものが多く、また、光の進路・反射など、モネが綿密に意図して作ったアイディアが盛り込まれています。
モネが43歳から生涯の残り半分を過ごしたといわれる、ピンクと緑の可愛らしい雰囲気にあふれたアトリエ。正面玄関からは庭を二つに分断する並木道が広がり、各部屋の窓からも庭を眺めることができます。
モネが過ごした邸宅(アトリエ)には、当時モネが使用していた家具などのインテリアがそのまま保存されています。ダイニングルームの壁には、モネの作品をはじめ、数多くの浮世絵コレクションが飾られています。
庭や外壁だけでなく、中までカラフルなモネの邸宅。リビングルームはイエロー、キッチンは青など、色や物の素材など、あらゆる面でのモネのこだわりが感じられます。
“睡蓮“ の巨大イメージが飾られている、モネの邸宅内のお土産コーナー。モネの作品のポストカードやキャンバスはもちろん、“睡蓮“ のデザインのマグカップ・スカーフなど充実しています。
ばらまきお土産の定番、ボールペンや鉛筆も種類が豊富(2.5ユーロから)。モネの邸宅や庭のようにカラフルなものが揃っています。
■クロードモネ財団・モネの邸宅と庭(Fondation Claude Monet)
公式ホームページ(日本語・英語・フランス語):http://fondation-monet.com/ja/
最寄り駅:TER・J線のヴァーノン(Gare de Vernon)駅からGiverny行きのバスで約20分、その後徒歩5分
営業時間:月〜日曜日9:30〜18:00(2018年は3月23日から11月1日)※最終入場は17:30まで
定休日:なし(毎年11月から翌年の3月まで冬季休業あり。詳しくはホームページで確認ください)
住所:84,Rue Claude-Monet 27620 Giverny
料金:9.5ユーロ(大人)、5.5ユーロ(7歳以上の子供と学生)、7歳未満は無料
ジヴェルニー印象派美術館
2009年5月に開館した、ジヴェルニー印象派美術館は、前進のジヴェルニー・アメリカン・アート美術館 (Musée d’Art Américain Giverny)や、オルセー美術館と協力しながら、ジヴェルニー(Giverny)に魅せられた画家の作品を集めつつ、印象派がどのようにフランスや世界で発展していったかの歴史を紹介している美術館です。モネに影響を受けたシスレー、ジヴェルニーに集まったアメリカ人画家たち、モーリス・ドニ、平松礼二などの作品が飾られています。大きなガラス窓のある建物は開放的で、テラスや庭、カフェレストランもあり、ジヴェルニー(Giverny)の風景に溶け込んだ素敵な美術館です。
■ジヴェルニー印象派美術館(Musée des impressionnismes Giverny)
公式ホームページ(日本語・英語・フランス語他):http://www.mdig.fr/fr/bo-wu-guan-kai-fang-shi-jian
最寄り駅:TER・J線のヴァーノン(Gare de Vernon)駅からGiverny行きのバスで約20分、その後徒歩3分
営業時間:月〜日曜日10:00〜18:00(2018年は3月30日から11月4日)※最終入場は17:30まで
定休日:なし(毎年11月から翌年の3月まで冬季休業あり。詳しくはホームページで確認ください)
住所:99 Rue Claude Monet, 27620 Giverny
料金:7.5ユーロ(大人)、5ユーロ(12歳〜17歳)、3.5ユーロ(7〜11歳)、7歳未満は無料、その他割引等あり
モネの邸宅・庭周辺でのランチ
モネの邸宅・庭周辺には、先ほどご紹介した、ジヴェルニー印象派美術館(Musée des impressionnismes Giverny)内にあるカフェレストランの他に、3店舗ほどレストランがあります。「ラ・カプシーヌ・ジベルニー(La Capucine Giverny)」は、モネの邸宅・庭とジヴェルニー印象派美術館(Musée des impressionnismes Giverny)のちょうど真ん中にある、気軽なカフェレストラン。
優しい味わいのノルマンディー風の牛肉の煮込みをはじめ、キッシュやサンドイッチ、デザート、ドリンク、好きなものを実際に見て選んでレジで購入できるシステムなので、簡単で気軽に利用できます。
「ラ・カプシーヌ・ジベルニー(La Capucine Giverny)」の広い庭を見ながらの食事はとても開放的。敷地内にはお土産物屋さんもあります。週末は、ジャズバンドのコンサートなど各種イベントも開催されるそうなので、公式ホームページでご確認ください。
■ラ・カプシーヌ・ジベルニー(La Capucine Giverny)
公式ホームページ(フランス語):http://la-capucine.com/
最寄り駅:TER・J線のヴァーノン(Gare de Vernon)駅からGiverny行きのバスで約20分、その後徒歩4分
営業時間:月〜日曜日10:00〜18:00(2018年は3月28日から1月11日)
定休日:なし(毎年11月から翌年の3月まで冬季休業あり。詳しくはホームページで確認ください)
住所:80 Rue Claude Monet, 27620 Giverny
駅までのシャトルバスは、降りた場所と同じ停留所から乗車
最初にバスを降車した場所から、ヴァーノン(Gare de Vernon)駅への復路シャトルバスは出発。復路のチケットを持っていない場合は、乗車時にチケットを購入できます。バスの運行時間は、ヴァーノン(Gare de Vernon)駅からパリ行きの電車の時間に合わせて設定されていますが、バスの乗車客が多いと発車時間ギリギリになることも。パリ行きの電車は1時間に1本程度なので、できればモネの邸宅・庭エリアに行く前に、ヴァーノン(Gare de Vernon)駅にて帰りの電車チケットを購入しておいた方が安心です。
モネの邸宅・庭エリアから、ヴァーノン(Gare de Vernon)駅に戻る途中、セーヌ川を越えた駅寄りのエリアに、歴史的な教会やタワーがあります。時間に余裕があればセーヌ川のほとりのバス停で降りて、のんびり観光しながら駅まで歩くとよりジヴェルニー(Giverny)村を満喫できます。
電車からシャトルバスの乗り換えはありますが、パリからジヴェルニー(Giverny)村へのアクセスは、比較的簡単なので日帰り旅行の目的地としておすすめです。4月から10月のシーズンは混雑しますが、その分、道に迷うことは少ないはず。ただし、前述したようにシャトルバスを利用する際は、本数が限られているので、最初にシャトルバスに乗る際に時刻表をもらい、計画をたてて行動することをおすすめします。タクシーもありますが、田舎町なので台数が限られていますのでご注意を。
COVER PHOTO BY ATOUT FRANCE/Catherine Bibollet(Atout France)
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