無料でも見ごたえあり!芸術の都”パリ”の新しいアートに、駅やストリートで出逢う旅
芸術の都”パリ”といえば、もちろん世界屈指の素晴らしい美術館や建物がひしめきあっていますが、そんな歴史あるパリの芸術に新しい風を運んでいるのが、ストリートアートです。建物の壁一面の壮大な作品や、なんてことのない道の片隅の作品など、さりげない作品でも驚くほどクオリティが高く、パリの街にマッチしています。そんなパリでは、地下鉄の駅もアーティスティック。実に多くのアート作品が身近に溢れているパリは、有名観光地だけでなく、移動中も見どころがいっぱいなのです。
地下鉄の駅で、アートに触れる
パリでは、市内中に地下鉄「メトロ」が走っており、パリっ子および観光客の重要な移動手段です。公共の交通機関にもかかわらず、地下鉄の駅でさえ、アートに触れることができるのが、パリ。それぞれのアートは、しっかりとしたコンセプトを基にアートが施されており、通りすぎるだけではもったいないくらいです。個性的なアートが見られる駅をいくつかご紹介します。
1、アール・エ・メティエ駅 (Art et Metiers)
メトロ11番線のアール・エ・メティエ駅(Art et Metiers)のコンセプトは、スチームパンク。フランス小説、「海底二万里」に出てくる「潜水艦ノーチラス号」をイメージしてデザインされたそうです。駅のそばにある、パリ工芸博物館を運営するフランス国立工芸院200年祭にちなんで、1994年に改修された駅は、一面が輝く銅に囲まれており、ゴミ箱まで銅色!
ホームには、潜水艦の窓をイメージしたデザインや、フランス国立工芸院をイメージした大きな歯車のある天井も見られます。
※アール・エ・メティエ駅 (Art et Metiers)の3番線は異なるデザインなのでご注意ください。
2、コンコルド駅(Concorde)
メトロ12号線のコンコルド駅(Concorde)はアルファベットだらけ。白いタイルのような壁に一面にレイアウトされたアルファベットは、意味がわからずともなんとなく迫力を感じますが、それもそのはず、単なる文字の羅列ではなく、1789年のフランス人権宣言「人間と市民の権利の宣言」の文章だそうです。
コンコルド広場は、フランス革命の時代、「革命広場」と呼ばれ、マリー・アントワネットの首を刎ねた場所でもあります。歴史的な背景を現代にアートでつなぐ、コンコルド駅(Concorde)は、おしゃれなデザインでありながら、非常に重みのある駅です。
3、その他
約300もの駅がある、パリの地下鉄(メトロ)には、他にもアーティスティックな場所があります。例えば、ルーヴル美術館の最寄駅、メトロ1号線のルーヴル=リヴォリ駅 (Louvre – Rivol)には、古代美術のレプリカが展示されており、さながら美術館のようです。駅の入り口にある、アールヌーヴォーを代表する「エクトール・ギマール」がデザインしたカラフルな丸いオフィジェの付いたアーチもひときわ目を引きます。
ルーヴル美術館につながるチュイルリー公園の最寄駅、メトロ1号線テュイルリー駅(Tuileries)には、20世紀を10年ごとに区切った、コラージュ作品があります。ソルボンヌ大学の最寄駅、メトロ10番線のクリュニー・ラ・ソルボンヌ駅 (Cluny – La Sorbonne)には、著名な政治家、芸術家、作家の署名があり、学生の街を感じられます。
新たな撮影スポット、パリのストリートアート
パリの街にある、通りや建物の壁がアートに包まれ始めたのは、1980年代からと言われています。当時は、まだサブカルチャーとしての扱いでしたが、2000年代になり、メディアでも頻繁に取り上げられるようになってからは、一気に世界からの注目を浴び、今では、美術館でストリートアートをテーマにした展覧会が開かれるほど、アートとして定着しています。
”観光地から離れている地区の活性化”をかかげるパリ市の方針により、区によっては壁や道にアートを施すことが、積極的に許可されたこともあいまって、日々新たな広がりを見せています。
1、「ジュテームの壁(Le mur des je t’aime)」
さすがアムール(愛)の国、フランス!世界各国の「愛しています」という言葉で埋め尽くされた壁。カップルの告白や観光客にも人気のこのスポットは、モンマルトルのアベス駅近くのジャン・リクチュス小公園にある、「ジュテームの壁(Le mur des je t’aime)」という作品です。2名のアーティスト、フレデリック・バロン(Frederic Baron)とクレール・キト(Claire Kito)により、2000年に完成されました。
日本語の「愛しています」は、壁の中央あたりに確認できます。本来、「ジュテームの壁(Le mur des je t’aime)」は、人間の絆、和解、平和を象徴するものらしいのですが、「愛しています」の言葉だけに、ロマンティックなムードを求める世界中の女子が殺到する場所となっています。
■ジュテームの壁(Le mur des je t’aime)
公式サイト(フランス語):http://www.lesjetaime.com/
最寄駅:サクレクール寺院(expedia内リンク:https://www.expedia.co.jp/Basilica-Of-The-Sacred-Heart-Of-Paris-Paris.d502240.Place-To-Visit)のある、モンマルトルの丘の最寄駅、メトロ12番線の(Abbesses)駅すぐ前、ジャン リクチュス小公園(Square Jehan-Rictus)内
公園の開園時間:月〜金曜日8:00〜、土・日曜日9:00〜
閉園時間:(10月1日から冬期間まで)〜18:30、(冬期間から2月末まで)〜17:30、(3月中)〜18:00、(4月30日まで)〜19:30、(8月31日まで)〜20:30、(9月中)〜19:30
住所:14 Place des Abbesses, 75018 Paris,
2、その他
「ジュテームの壁(Le mur des je t’aime)」からほど近いストリートアートをいくつかご紹介。
ピエモンテ通り(RUE PIEMONTESI)にあるポールには、有名人や画家の顔が。ピカソやダリ、モナリザなど、ユーモアに溢れています。
オルシャンプト通り(Rue d’Orchampt)には、塀に食い込んだ男性の下半身が!
同じくオルシャンプト通り(RUE D’ORCHAMPT)には、一風変わった人のイラストも。
マルセル・エイメ広場(Place marcel ayme)には、作家マルセル・エイメの本「壁抜け男」の主人公そのものが!ジャン・マーレ作のアートには、哀愁も漂います。
モンマルトルの丘の北東側、蚤の市でも有名なクリニャンクール(Marché de Clignancourt)にも、可愛らしいオブジェが。また、20区では、パリのストリートアートの先駆者、ジェローム・メナジェやフレッド・ル・シュバリエなどの作品がたくさん見られます。
まったくの日常の風景の中に、メッセージ性の高いアート作品が自然に溶け込んでいるのは、さすがパリです。ポンピドゥーセンターの前で、おじさんが描く巨大チョーク絵も、思わず立ち止まって見てしまうクオリティ。観光の合間にも、ぜひ、いろいろなパリのアートを見つけてみてください。
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