北欧デザインに触れるフィンランド・ヘルシンキへの旅
デザイン王国フィンランドの首都ヘルシンキでは、街のいたるところでハイセンスな感性に触れることができます。ギャラリーやインテリアショップに限らず、レストランやホテル、街を歩く人のファッションや建物、さらには空港や飛行機の機内までも!わざわざアンテナを張り巡らせなくても、それらは自然と自分の中に飛び込んでくることでしょう。今回はフィンランドデザインにフォーカスした旅をご案内します。
モダンデザインのワンダーランド!DESIGN DISTRICT HELSINKIを歩く
ヘルシンキには「ヘルシンキ・デザイン地区」と呼ばれている場所があります。選りすぐられたお店や美術館など200ヵ所あまりが集まっているエリアの総称で、フィンランドデザインの発信地となっています。認定されたショップや施設には「DESIGN DISTRICT HELSINKI」の丸いロゴステッカーが貼られていて、それらの場所がリストアップされた専用のマップも用意されています。
今回は、「ヘルシンキ・デザイン地区」チームのディレクターさんの案内で、いくつかのショップを回ってきました。
アーリッカ/Aarikka
1954年に創業した「Aarikka(アーリッカ)」は、フィンランドの木材を使ったジュエリーやインテリアグッズを取り扱うブランド。フィンランドの自然からインスピレーションを得て、全てフィンランド人の手によって作られています。
温かみがありながらもモダン、かつ美しい曲線と色を取り入れたデザインは、まさに唯一無二。
プロダクトにはそれぞれに、フィンランドらしいスピリッツが投影されているので、エピソードを聞くのも楽しいです。例えば、羊はフィンランドでは粘り強さの象徴と言われていますが、アーリッカの代表的な羊のオブジェには、フィンランド人が持つ“屈しないマインド”が込められているそうです。
Aarikka
https://www.aarikka.com/
ワールド・オブ・ティーアールイー/World of TRE
ミンコン・カトゥ通りにある「World of TRE(ワールド・オブ・ティーアールイー)」は、様々なフィンランドブランドを扱うセレクトショップ。全体の95%がフィンランドの商品で、残りの5%はバルト三国を含む近隣の北欧諸国から取り寄せられています。ソリッドなデザインでありながら不思議と手になじむ食器や、手編みなのにほっこりしすぎないシンプルなニットキャップなど、洗練されていておしゃれなのに使いやすいというノルディックデザインの世界観に魅了されっぱなしです!
店内にところ狭しと置かれているものは、ほぼ全てが売り物。洋服、家具、オーガニックコスメからベビーグッズにいたるまで、丁寧に見ているとあっという間に時間が経ってしまいます。奥にはオーガニックカフェがあるので、ひと休みするのにもぴったりです。
World of TRE
https://www.worldoftre.com/
ラプアン・カンクリ/LAPUAN KANKURIT
日本でもじわじわと人気上昇中のテキスタイルメーカー「LAPUAN KANKURIT(ラプアン・カンクリ)」。名前の由来は、ラプアというフィンランドの小さな村にある、織り手たち(KANKURIT)という意味だそうです。実は約100年続く老舗メーカーで、フィンランド国内はもちろん世界中で親しまれています。
やわらかな色使いやナチュラルで心地いいテクスチャーが特徴的ですが、洗練されたデザイン性はさすがの一言。肌触りの良いバスグッズやブランケット、飽きのこないキッチングッズなどは、誰に贈っても喜ばれそう!
LAPUAN KANKURIT
https://www.lapuankankurit.fi/
寝ても覚めてもデザインコンシャス! 感性が刺激されるホテルステイ
ヘルシンキでは、ホテル選びも楽しみの1つ。せっかくなら、その旅先でしか体験できない滞在をしたいものです。そこでおすすめのホテルを2軒ご紹介します。
街の中心部、エスプラナーディ通りから徒歩5分ほどの場所にある「ホテル リラ ロバーツ」は、かつて警察署だった建物を2015年に全面改装したホテル。その面影はぱっと見では感じられませんが、注意深く観察するとユニークなデザインポイントを見つけられるかもしれません。例えば、もともと留置場だった場所にあるレストラン「Krog Roba」。格子状の窓枠は、当時の名残だそう。
ちなみに、リラ ロバーツという名前は、このホテルがある通りの名前「PIENI ROOBERTINKATU」をスウェーデン語にしたものだそうです。
外から見ただけでは分かりませんが、中庭を囲んで5つのカテゴリーに分けられた130の客室を有しています。どの部屋もスタイリッシュかつモダンなデザイン。
館内のデザインは、アールデコにインスピレーションを受けたもの。客室ばかりでなくロビーやバーのカクテルメニューなどにも反映されています。
「ホテル リラ ロバーツ」から徒歩5分ほどの場所にあるのが「ホテル ハーヴェン」です。
メインとは反対の出口からは、オールド・マーケットホールが目と鼻の先。こちらのほうがより観光地に近く、ロケーションは申し分なし。室内は驚くほど静かで、都会の真ん中にいることを忘れてしまうほどです。
客室は「リラ ロバーツ」とは趣が違ってエレガントな雰囲気。ゆったりとしたキングサイズベッドを中心に、やわらかな間接照明と大きな窓が、いつ何時も心地よい光を演出してくれました。
シンプルモダンなバスルームには、嬉しいことに大きなバスタブが! 居るだけで心が穏やかになるホテルは、覚えておいて損はないと思います。
なお「ホテル リラ ロバーツ」「ホテル ハーヴェン」ともに、世界的ホテルブランド「スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド™」加盟。フィンランドでは2018年4月現在、この2軒のみだそうです。
行き帰りも北欧デザインにどっぷり! 移動も楽しいヘルシンキへの旅
ヘルシンキは空港までもオシャレ! ふとしたところでハイセンスな家具や憧れのブランドを見つけることができます。
例えば、フィンエアーのラウンジでは、世界的なテキスタイルメーカー、マリメッコの食器が惜しげもなく使われていました。
実はフィンランドを代表するこの2社はコラボしているので、機内もマリメッコ天国なのです。また、運が良ければ空港でキヴェットやウニッコ柄に塗装された機体を見ることができるかもしれません。
フィンエアーでは、すべての飛行機のテキスタイルやテーブルウエアに「Marimekko for Finnair」コレクションを採用。そして長距離路線のビジネスクラスとエコノミーコンフォートでは、オリジナルのアメニティキットを手にすることができます。
CAさんのエプロンもマリメッコデザインでかわいい!
日本を出発してから帰りの飛行機を降り立つまで、とにかく感性が刺激されっぱなしのヘルシンキ旅。ずっと変わらないものと、新しく生み出されるもの、その両方が違和感なく共存している素晴らしい街です。ぜひ一度、現地を訪れて体感してみてください。
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【取材協力】
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初めまして。酒と旅行がメインのブログを書いているcongiro(コンヒーロ)と申します。 普段から日本各地を旅しては、地元の方々が飲んでいる日常系の日本酒を好んで買って楽しんでいます。 特に好きなのは、その土地の日常酒を、その土地の方たちがいる酒場で飲むことですね。「誰かの日常は、私の非日常」。それを念頭に、いつも楽しく旅をしています。...
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