投稿者 : 三田村 蕗子、投稿日 2016 年 6月14日

タイの美味しい麺料理、クイッティアオを味わい尽くそう

タイの「食」を語る上で欠かせないのが麺料理です。細い麺から太めの麺までさまざまなバリエーションの麺と、個性豊かなスープの組み合わせは、世界中の旅行者を魅了してやみません。麺料理の種類や注文方法、オススメの人気店を紹介します。

タイは麺料理天国

日本にうどんやそうめん、そばがあるように、タイにも数種類の麺が存在します。タイの麺料理を知るには、まず麺の種類から!材料は小麦粉、米、緑豆に分かれ、米からできた麺(クイッティアオ)は太さによって名称が変わることを理解しておきましょう。

タイは麺料理天国

<麺の種類>

1. バミー
小麦でできた中華麺です。チャーシューや焼きアヒルなどといっしょに食べることが多い麺です。

2. センヤイ
クイッティアオのうち、もっとも幅の広い麺。クイッティアオの中でこのセンヤイだけは生麺で、ほかは乾麺です。

3. センレック
2~3ミリの太さのクイッティアオ。2のセンヤイと4のセンミーの中間の太さの乾麺です。人気の麺料理パッタイに使用されているのはこのセンレック。

4. センミー
クイッティアオで、もっとも幅の細い乾麺です。

5. ウンセン
緑豆でできた麺、いわゆる春雨のことです。人気タイ料理の一つ、ヤムウンセン(春雨のサラダ)はこのウンセンを使用しているほか、クイティアオルア(ボートヌードル)やスープにもよく使用されます。

このほかに、ママー(インスタントラーメンの麺)、カノムジーン(日本のそうめんによく似た、米からできた押し出し麺)、クワイジャップ・ユアン(米粉が材料の、もちもちとしたベトナム麺)などがありますが、まずは1~5をおさえておきましょう。

<スープの種類>

タイの麺料理は、スープの種類も豊富に揃っています。代表的なのは以下の5つ。

タイは麺料理天国

1. ナームサイ
透明なスープ。タイの麺料理の基本中の基本で、クセがなく食べやすいのが特徴です。このスープに、テーブルに常備してあるナンプラーや酢、唐辛子、砂糖を好みで加え、自分の好きな味にカスタマイズして食べるのがタイ流です。すべての麺にマッチする万能スープです。

2. トムヤム
1の透明スープに粉唐辛子やピーナツ、ライムを加えて作るスパイシーなスープ。メリハリの効いたタイらしい味といえます。このトムヤム味にしたいときには、注文の一番最後に「~トムヤム」と付け加えます。米の麺との相性がぴったり。太さ細さはお好みでどうぞ。

3. ナムトック
牛や豚の骨から取ったスープに、湯通しした牛や豚の血を入れて仕上げたスープ。血を使っているといっても生臭さはありません。見た目は茶色のスープでコクがあります。タイ人が大好きなスープの一つです。ナムトックを食べるなら絶対に麺はセンミーで。絶妙のコンビネーションを味わえます。

4. イエンタフォー
ピンク色のスープ。見た目はぎょっとしますが、紅腐乳(豆腐を紅麹に漬けて発酵させた紅腐乳を混ぜた甘酸っぱいスープ。センヤイやセンミーなど太めのお米の麺によく合います。

5. ヘーン
ヘーンとはタイ語で「乾いた」という意味。スープ抜きの麺料理を指します。ヘーンを注文すると、スープが別添えされます。ヘーンにするなら麺はバミーが一押しです。

6. トゥン
五香粉や八角、シナモンといったスパイスを使って肉と一緒に煮込んだとろとろのスープ。1~5と比べると、このスープを出している店は少ないです。トゥンのスープとマッチするのは、一番太い米の麺センヤイです。

クイッティアオの注文方法とオススメ店

クイッティアオの注文方法とオススメ店

タイの麺料理の定番といえるのが、米からできたクイッティアオ。もっともポピュラーな麺料理といえるでしょう。このクイッティアオは、「麺の種類」+「スープの種類/スープの有無」+「具の種類」の順番で注文します。

例えば、麺はセンヤイ、スープはナームサイ、具は豚肉(ムー)を頼みたいときには、「センヤイナームムー」と注文すればOK。トムヤム味のスープにしたいときには「センヤイナームムートムヤム」のように、最後に「トムヤム」を付け加えます。スープを入れない場合には、「センレックヘーンムートムヤム」のように言ってください。トムヤム味のついたスープなしのクイッティアオを作ってくれます。

具の種類は、豚肉(ムー)のほかに、鶏(ガイ)、牛(ヌア)、あひる(ペッ)、魚や肉のつみれ(ルークチン)、チャーシュー(ムーデーン)があります。これらすべての具がいつもあるとは限りませんが、豚肉(ムー)やつみれ(ルークチン)はほぼあります。揃えてある具をすべて入れてほしいときには、「サイ・タンモット」と言ってみましょう。「全部入れて」という意味です。

クイッティアオの注文方法とオススメ店

このクイッティアオを出す屋台や食堂は町のいたるところにありますが、バンコク市内で味に定評があり、非常に人気が高い店の一つが、BTSプロンポン駅から徒歩5分弱の場所にある「ルンルアン」です。

行き方は、駅の4番出口を出たらトンロー方向に進み、スクンビットソイ26に入りましょう。ソイの入り口から5分弱で、「泰榮」と漢字が記されたお店の赤い看板が目に入ってくるはず。

こちらのクイッティアオは、ナームのスープあり&ヘーン(スープなし)、トムヤム味のスープあり&ヘーン(スープなし)の4種類のみで、具は、何を頼んでも豚ひき肉団子やつみれ、レバー、チャーシュー入り。写真付きメニューもあるので、旅行客にも利用しやすいお店です。

味は、スープの出汁がよく出ているので、あっさりと見えてコクがあります。スープがよくなじんでいる、丁寧に作られた具の美味しさも特筆もの。量はちょっと少ないと感じるかもしれませんが、価格はどれも40バーツ(約130円)なので、ナームとヘーン、あるいはトムヤム味と食べ比べてみるのもいいでしょう。お昼時には非常に混むので、はずしていくことをオススメします。

ルンルアン(Rung Ruang)
営業時間 :8:30~16:30 年中無休
最寄り駅: BTSプロンポン駅
住所: 10/3 Sukhumvit Soi 26, Sukhumvit Road, Klong Tan, Klong Toey, Bangkok

スープのないバミーヘーンをオリジナルの味に仕上げる

スープのないバミーヘーンをオリジナルの味に仕上げる

バミー(中華麺)をスープなしのヘーンで食べるのは、タイ人が大好きな食べ方。タイに来たらぜひ味わってみませんか。細いバミーに、ナンプラーや酢、唐辛子を適量入れ、さらに砂糖を少し加えてみましょう。麺に砂糖?と思われるかもしれませんが、コクが出て美味しさが増します。ちなみに、筆者はナンプラーや唐辛子と砂糖を少量、酢をやや多めに入れて食べるのが好み。全体の味が引き締まって、さっぱりとした味わいになります。ぜひみなさんもオリジナルの味を作ってみてください。

バミーを扱うお店がたくさんある中、50年以上も自家製麺を作り続けて、多くのバンコクっ子を魅了しているのが、BTSトンロー駅そばにある店「バミーコンセーリー」。店名からわかるように、まさにバーミーの超専門店です。

具は、蟹肉、焼豚、カリカリ焼豚、焼カモ肉などが揃っていて、日本語表記のある写真付きのわかりやすいメニューから指差しで頼めます。バミーの値段は50バーツ〜80バーツ(約160円~約260円)。バミーはもちろん、チャーハンも絶品なのでもいっしょにどうぞ。

スープのないバミーヘーンをオリジナルの味に仕上げる

場所は、BTSトンロー駅の3番出口を出て、エカマイ方向に1分ほど歩きましょう。信号を渡ったすぐ先にあります。

バミー・コンセーリー
営業時間:6:30-18:00
最寄り駅:BTSトンロー駅
住所: Sukhumvit Soi55, Nua,Wattana,Bangkok

ピンク色のイエンタフォーに挑戦

ピンク色のイエンタフォーに挑戦

ピンク色のイエンタフォーは、慣れない人にはちょっと頼みづらい麺料理ですが、先入観を捨てて食べてみると、こ
の味にはまるという方も多い一品。深く味わいのあるタイ料理の真髄をぜひ体験してみてください。

屋台でもイエンタフォーを扱う店は多いのですが、ぜひオススメしたいのが、イエンタフォーの専門店チェーン「イエンタフォー・クルアンソン」。運営しているのは、高級タイ料理レストラン「ルエンマリカ」グループです。

市内には数カ所にお店がありますが、旅行客に行きやすいのは、BTSアソーク駅に直結しているショッピングモール・ターミナル21の5Fにあるお店です。柔らかなつみれやレバー、豚肉などの具に甘酸っぱいイエンタフォーのスープがよくからまって、ファンが多い一品です。麺は、センヤイ、センレック、センミー、バミーから選べるので、お好きなものをどうぞ。値段は1杯90バーツ(約288円)とやや高めですが、その価値はあります。

ピンク色のイエンタフォーに挑戦

イエンタフォー・クルアンソン ターミナル21店
営業時間:10:00-21:00
最寄り駅:BTSアソーク駅 ターミナル21 5F
公式サイト(英語):http://www.yentafo.com/images/en/indexen.html
住所:Terminal21, Sukhumvit Soi19,Klongtoey Nua, Wattana, Bangkok

クイッティアオルアでいろいろなクイッティアオを一度に体験!

クイッティアオルアでいろいろなクイッティアオを一度に体験!

異なる麺、異なるスープのクイッティアオを一度に味わってみたい。そんな方はぜひクイッティアオルアへどうぞ。クイッティアオルアとは、タイ語で「ボートヌードル」のこと。運河の上を行き交っていた船の上で提供されていた麺料理で、日本のわんこそばのように1杯の分量はとても少ないのですが、透明スープのナムサイからイエンタフォー、ナムトックまで、選択肢は豊富です。

バンコクでこのクイッティアオルアを食べるなら、戦勝記念塔の運河の近くへどうぞ。いつもローカルのタイ人客でにぎわっている一画です。BTSアヌサワリーチャイ駅の4番出口から戦勝記念塔の空中回廊を運河に向かって歩きましょう。右手下に運河が見えてきたら階段を降りたらすぐの場所に、クイッティアオルアが集結した一画が見えてきます。

クイッティアオルアでいろいろなクイッティアオを一度に体験!

専門店が一堂に集まったこの場所でぜひオススメしたいのが、エリアの一番奥にある「スットヨー・クイッティアオルア・パヤック」。「ベスト・オブ・ヌードルボート」の看板でお馴染みのお店です。オレンジのユニフォームを着た従業員がたくさんいる、オレンジの内装が目立つの店なので、行けばすぐにわかるでしょう。ローカルのタイ人客が多いお店ですが、麺の種類がわかりやすいようにサンプルと英語表記のメニューを用意しています。

スープは、ナーム、イエンタフォー、ナムトック、トムヤムの4種類。麺は、バミー、センミー、センレック、センヤイ、ウンセンの5種類。どれを頼んでも1皿12バーツ(約40円)です。タイ人はみな、一人で軽く3、4皿は食べています。クイッティアオルアといっしょに頼みたいのが豚の皮をカリッと上げたケップムー。さくさくとしたケップムーの食感はクイッティアオルアによく合います。こちらも1皿12バーツ(約40円)と明朗会計です。

スットヨー・クイッティアオルア・パヤック(Sutyot Kuatiao Rua Payak)
営業時間:8:00~21:00 日曜休み
最寄り駅:BTSアヌサワリーチャイ駅
住所:Phaholyothin Road, Soi Rachawithi 10 | Thanon Phaya Thai, Ratchathewi, Bangkok

北部の名物麺料理、カオソーイを食べるなら

北部の名物麺料理、カオソーイを食べるなら

ココナッツミルクが効いたまろやかな甘さの中に辛さが効いたカオソーイは、タイの北部チェンマイの名物料理。普通の卵麺とカリカリに挙げた麺の2種類がカレースープにからんだ風味豊かな一品です。タイ北部の名物料理であるカオソーイをバンコクで堪能してみませんか。

オススメのお店は、シーロムエリアにある「シップソーンパンナー」。BTSサラデーン駅を出てシーロム通りをチョンノンシー方面に向かってまっすぐ歩き、シーロムソイ2を左に曲がりましょう。3分ほど歩くと右手に看板が見えてきます。

分量はちょっと少なめですが、麺もスープも丁寧な仕上がりで、お昼はいつも行列が絶えません。値段は35バーツ(約110円)、大盛りは45バーツ(約140円)。カオソーイのほかに、お米からできてそうめんのような細さの麺・カノムジーンにカレースープをかけたタイプもあります(値段はカオソーイと同じ設定)。

北部の名物麺料理、カオソーイを食べるなら

シップソーン パンナー
営業時間:07:00~15:00 日曜休み
最寄り駅:BTSサラデーン駅から徒歩10分
住所: Silom Soi 3, Silom, Bangkok

タイ人のおやつ、パッタイをレストランで食べよう

タイ人のおやつ、パッタイをレストランで食べよう

パッタイは大人から子どもまで、タイ人に愛されている麺料理。米の麺のセンレックを使って、鶏肉や干しエビ、厚揚げ、もやしなどの具材と炒めて、ナンプラーや砂糖、タマリンドなどで味つけし、ピーナッツを添えたパッタイは、辛くないタイ料理の代表格。タイ人はこのパッタイをおやつやスナックのような感覚で食べています。

パッタイ専門店の屋台は町中にたくさん出ていますが、きれいに盛りつけられたパッタイを食べてみるのもまた一興。スクンビットのソイ23にあるベーカリー&レストラン「パックベーカリー」は、その名の通り、パンやケーキのお店ですが、タイ料理も提供していて、上品でまろやかな味のパッタイには多くのファンがついています。価格は120バーツ(約380円)です。

お店は、BTSアソーク駅の6番出口を出て、スクンビット大通りに出たら、プロンポン方面に少し歩いてください。ソイ23に入ると、やがて「ClubHouse Bar」の店が左手に見えてくるので、右の道を入りましょう。2分ほどで左手にお店が見えてきます。駅からは5分ほどしかかかりません。ちなみに、こちらのお店は、カオソーイ(100バーツ=約320円)も名物の一つ。機会があればぜひお試しを。

パックベーカリー(Pak Bakery)
営業時間:07:00~22:00
最寄り駅:BTSアソーク駅
公式サイト(タイ語):http://pakbakery.com/
住所:96/8 Soi.23 Sukhmvit、Wattana, Bangkok

タイの麺料理はどれも分量が少なめなので、おかわりをしても、何軒か食べ歩いてもお腹にどしんときません。せっかくの機会、いろいろな麺、いろいろなスープを満喫してみませんか。

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*1バーツ=3.2円(2016年5月現在)