伝説の味、圓環夜市の伝統を引き継ぐ魯肉飯3選+1

かつて台北駅北側に台湾一、とうたわれた建成圓環夜市がありました。その夜市の料理は絶大な人気を誇り、特に魯肉飯は今でも伝説となっているものがあります。今回は、そのなかから現在でも当時の伝統を引き継いでいる魯肉飯店に絞って、3店紹介します。また近隣の魯肉飯店も1店合わせて紹介します。

まぼろしの建成圓環夜市の魯肉飯

現在の建成圓環
Photo by:othree

建成圓環(現台北圓環)は日本統治期(1921年)に台北駅北側の現・重慶北路と南京西路の交差点に作られたロータリーのことです。当時からこの圓環の中に夜市が立ち、戦時中の中断があったものの、戦後も規模を拡大しながら営業を続けていました。

この夜市で有名な食べものはたくさんあったのですが、中でも魯肉飯は特に有名で、多くの人気を集めました。この圓環夜市の魯肉飯は豚肉を細かく刻んだものが具になっていて、甘辛いタレの味付けが決め手。それでいてしつこくなく、飽きの来ない味わいが特徴で、人波が絶えることがなかったと言われています。

ところがこの圓環夜市、建物はバラック建てだったため、度重なる火事が発生。結局1999年に起きた火事を最後に夜市は閉鎖されました。夜市の中で営業していた屋台は、これを機に閉店するところもあれば、各地に散らばって営業を続けるところもありました。2003年に台北市政府が圓環上に近代的な建物(建成圓環美食館)を完成させましたが、以前のテナントは戻らず、建成圓環夜市は歴史として語られるのみになってしまいました。

今も圓環時代の味を守る:三元號(サンユェンハオ)

三元號(サンユェンハオ)
Photo by:Yasuo Kida

そのまぼろしの圓環夜市で、伝説の魯肉飯屋台として名を馳せたのがこの三元號。創業90年以上の老舗です。夜市の閉鎖を機に現在の地に移転、お店を開業しました。当時と変わらぬ味が人気のお店です。

魯肉飯は荒く刻まれた豚肉が特徴。味は濃厚ながら甘さは強くなく、あとを引くおいしさ。サイドメニューは多くありませんが、スープ類や皮蛋豆腐などがあり、簡単な食事ができます。写真右手のスープは魚翅肉羹といい、これはこの店の看板メニューの一つです。肉羹は台湾独特の料理で、豚肉のほそ切りにサツマイモのでんぷんをまぶして揚げたものを、とろみのあるスープに入れたものです。一般的に台湾語でバーキンと発音され、味付けはあっさりしていますが、黒酢(または烏醋と呼ばれる台湾独特の酢)が使われるため、ウスターソースのような風味を感じる人もいるかもしれません。三元號のものにはフカヒレが入っているのが特徴で、人気の理由でもあります。料理はテイクアウトが可能です。

三元號
住所:台北市重慶北路二段9-11號
営業時間:9:00~22:00
定休日:不定休(旧正月休みあり)

魯肉飯 大30元 小20元 、魚翅肉羹 大70元 小50元、皮蛋豆腐 30元 ほか

伝説の龍鳳號の忘れ形見:龍凰號(ロンファンハオ)と龍緣(ロンユェン)

伝説の龍鳳號の忘れ形見:龍凰號(ロンファンハオ)と龍緣(ロンユェン)
Photo by:松澤貫史

圓環夜市には一軒の有名な魯肉飯店がありました。その名を龍鳳號。圓環夜市が閉鎖されると、龍鳳號は重慶北路に移転、その後、龍凰號と龍緣の2店に分かれました。

龍鳳號の創業は、日本統治期の1936年。そこから数えると両店ともすでに80年近い歴史になります。(龍緣は控えめに60年の伝統と称していますが、創業者が龍鳳號に弟子入りした年から計算しているため。)魯肉飯の具は脂身よりも赤味が多く、三元號よりもさらに荒切り。隠し味にカレー粉を使っているのが両者共通の特徴。同じ店が起源なので、両店とも似た味つけです。

なお、写真は龍緣の魯肉飯と香菇腳筋肉羹湯(しいたけとアキレスけんのどろみスープ)です。具にアキレスけんの部分を使っているのが特徴で、こちらの肉羹もお店の名物です。

龍凰號
住所:台北市重慶北路二段53號
営業時間:10:00~22:00(木曜定休)

魯肉飯 大35元 小25元 半15元 、香菇腳筋肉焿 大70元 小45元、蒜泥白肉(ゆで豚肉の大蒜ソースがけ) 50元 ほか

龍緣
住所:台北市重慶北路二段17號
営業時間:10:00~22:00

魯肉飯 大35元 小25元、香菇腳筋肉羹湯 45元、五香肉捲(鷄捲) 45元 ほか

屋台から一大企業へ成長:鬍鬚張魯肉飯(フーシューチャンルーローファン)

鬍鬚張魯肉飯(フーシューチャンルーローファン)
Photo by:黃 zero

MRT雙蓮の駅からあるいて10分ほどの位置にある寧夏路。この通りで開かれる寧夏夜市は交通の便が良くないにも関わらず、いまだに絶大な人気があります。なぜかというと、圓環を始点として北に延びている寧夏路は、圓環夜市の発展とともに夜市が拡大し、昔は圓環夜市と一体の夜市を形成していたからです。圓環夜市が閉じた後には、数軒の有名テナントがこの周辺に移転したこともあり、今でも人気が衰えないのです。

その寧夏路にあるのが1961年創業の鬍鬚張魯肉飯(ひげちょう)。圓環夜市内の屋台ではなかったのですが、圓環夜市が隆盛を極めた時代から、この寧夏路にお店を構えています。現在は台湾各地や日本にも支店を構え、セントラルキッチン方式を採用し、どのお店でも変わらない味を提供しています。魯肉飯は脂分の多いこってりした味ながら、全体的な味は薄味。飽きのこない味付けとなっています。サイドメニューが豊富ですので、しっかりした食事もできます。料理はテイクアウトも可能。お持ち帰り用のレトルトパック魯肉飯の具を売っていのが目を引きます。

鬍鬚張魯肉飯(ひげちょう)文化美食館
公式サイト(中国語):http://www.fmsc.com.tw/
住所:台北市寧夏路62號
営業時間:10:00~25:30

魯肉飯 35元、四神湯(ハトムギ、蓮の実などと小腸の薬膳スープ) 65元、魯蛋(煮卵) 13元

地元住民がひいきにする路地裏の食堂:雙蓮街魯肉飯(シュワンリェンジエルーローファン)

雙蓮街魯肉飯(シュワンリェンジエルーローファン)
Photo by:松澤貫史

寧夏路夜市からMRTの駅に向かう途中にある雙蓮街。ここにも地元民に親しまれる、雙蓮街魯肉飯というお店があります。

創業40年以上になるお店で、圓環との関わりはうすいですが、地元の人でいつも混雑しています。ここの魯肉飯は、大ぶりに切られた豚肉が特徴。脂身が多いですが、しつこい感じはありません。豚の脂が苦手な人には鷄肉飯もあります。魯肉飯と鷄のミックスも可。

また、掲示されているメニューは多くありませんが、作りたてのおかずがたくさん店先に並べられ、食欲をそそります。

雙蓮街魯肉飯(シュワンリェンジエルーローファン)
Photo by:松澤貫史

こちらではお弁当のテイクアウトができます。写真は左より金針排骨湯、魯肉飯、豆干の炒め物で、金針とは金針菜(キンシンサイ:ホンカンゾウのつぼみ)のことです。台湾の大衆食堂では、このようにスープ・ごはん・おかず数品というように注文するのが一般的です。

雙連街魯肉飯
住所:台北市大同區雙連街5號
営業時間:11:00~21:00(日曜定休)
公式FB:https://www.facebook.com/

魯肉飯 大40元 小30元、青菜 30元、金針排骨湯 50元 ほか

雙連街魯肉飯
Photo by:松澤貫史

 

台北の庶民の味を楽しもう。

台北の庶民の味を楽しもう。
Photo by:Richard, enjoy my life!

これらの魯肉飯は圓環~寧夏路~雙蓮市場に続く路地で、台北庶民の味として長く親しまれてきました。150~200元あればお腹いっぱいになる価格の安さも魅力。台北に行ったらぜひ、地元民の胃袋を満たしてきた伝統の味をお楽しみください。

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Cover Photo by: Daisuke tashiro