韓国・ソウルの屋台指南。地元の人に混じってローカルグルメを味わおう!

韓国・ソウルの屋台指南。地元の人に混じってローカルグルメを味わおう!

韓国・ソウルを旅していると、スナックを売るスタンド式の屋台や地元の人たちが楽しそうに飲み語らっているテント張りの屋台を街のあちこちで目にします。話題のレストランもいいけれど、せっかくなら地元の人が楽しむ屋台料理にもチャレンジしてみたいですよね。韓国の屋台で一般的なメニュー、屋台での食べ方などをご紹介します。

縁日のようにテントが並ぶ軽食屋台

気軽に食べられるおやつ的なスナックや軽食を出す、道端に出ているスタンドやテントの屋台は「ノジョム(露店)」と呼ばれます。こうした屋台はテイクアウトか、その場で立って食べるのが基本です。


Photo by Chitsanupong Pengsalae/123RF

ノジョムは人通りの多い地下鉄の駅前やバス停周辺、学生の多い大学、予備校や塾の多い通りで見かけます。売られている食べ物は「オデン」、「トッポッキ」、「スンデ」、そこに「ティギム」を足した4点セットが代表的。流行を反映した新商品が出回ることもありますが、これらの定番メニューが屋台から消えることはありません。

屋台フードの代表格1 オデン

一般的に韓国人がオデンといって指すのは、平べったい帯状の魚の練りものをじゃばらに折って、串刺しにしたもの。屋台ではスープで煮込まれた状態で置かれています。韓国のオデンはスープとオデンを別々に食べるのが特徴。串に刺さったオデンを食べながら、時折紙コップに入ったスープを飲むというふうに交互に食べます。

練り物自体は既製品でどこも同じなので、味の決めてはオデンのスープになるでしょうか。昆布、煮干し、タラの干物などで出汁をとり、大根、青唐辛子といっしょに煮てスープを取ります。こだわっている店は複数の素材で出汁をとり、赤唐辛子の種を足して辛めにするなどで違いを出しているよう。前に行った店では、鶏ガラと煮干しで出汁を取っていると言っていました。ラーメンか。

なかにはスープの素的な調味料で作っている店もあるので、このスープがちゃんとおいしい店だと当たりだなあと感じます。とくに冷え込みの激しい冬のソウルでは、このオデンスープを飲むと芯から温まりますよ! 飲んだ後はオデンで小腹を満たし、スープで〆るという人もいます。

韓国風オデンの食べ方

他のメニューは何人前、という風に注文して用意してもらいますが、オデンの場合は、とにかく浸かっている容器から取って食べ始めればOK。といっても無言で食べ始めるのも何なので、「アンニョンハセヨ」とお店の人に挨拶してからにしましょう。

お好みで醤油やその店のオリジナルだれなどをつけて食べます。最近は醤油を入れたスプレー容器を渡されることが多いです。たしかにこれならこぼすこともないし、満遍なくつけられる。二度づけにもならず、いいアイデア!

食べ終えた串は、自分の前に置いておき、最後に本数を数えて会計するシステムです。オデンは1本500~1000ウォン(45~95円)が相場です。

また屋台では、スープ飲み放題が基本。たいていの屋台では、お店の人が一杯目のスープを入れたコップを渡してくれます。

そうでなければ、その辺に重ねてある紙コップを取って最初からセルフで。そのあとは、飲みたいぶんだけお代わりできますよ。これはオデン以外のメニューを注文したとしても同様。屋台を利用すればオデンスープを飲むことができます。

屋台の代表メニュー2 トッポッキ

棒状の餅をコチュジャン入りの甘辛いソースで煮込んだ料理がトッポッキ。韓国の軽食メニューの代表格で、子供から大人まで、屋台でも給食でも自宅でも広く食べられています。子供用にはケチャップを加えたり、はちみつで甘さを足したり。大人用には唐辛子を大量に投入した激辛トッポッキなんていうのもあります。

屋台で注文すると、ビニール袋でくるんだ皿に盛られて提供されます。屋台は洗い物を出さないのが基本なので、このような方式が取られているというわけ。先ほどの醤油スプレーもそうなんですが、たいがいのものをキッチンばさみで切るなど、豪快すぎるものの、ある種合理的でもあり、日本とは違う韓国の調理用具使いに目からうろこ、ということが結構あるんですよね。価格は1人前2000~4000円(約190~380円)です。

屋台の代表メニュー3 スンデ

スンデは豚の腸に春雨やもち米と豚の血を入れて蒸した料理。日本ではよく韓国風ソーセージと言われるのですが、肉が入っているわけではなく、味も全く違うので、誤解を招きかねない呼称では? と個人的に心配しています。それはさておき、スンデは率直にいってグロテスクなビジュアル。そこに血が入っているといわれると食べるのに若干躊躇してしまいます。実際の味は淡白でそれほど臭みも感じないのですが。お店によっては、レバーなど内臓の各部位を茹でたものが一緒に供されることもあり、グロテスク感増しめです。1人前2000~4000ウォン(約190~380円)。

スンデは塩やアミの塩辛につけて食べるのが一般的ですが、屋台ならではの食べ方として、トッポッキのソースにつけて味変してもおいしいです。うまい具合に臭みも消えますよ。

代表的な屋台メニュー4 ティギム

韓国風の天ぷら。日本のそれよりも衣が厚く、重めのフリッターといった感じ。中の具は、イカ、サツマイモが一番メジャーで、それ以外にエビ、ゆでたまご、春雨の海苔巻きなど。1人前1000~3000ウォン(約95~290円)。この写真の店では、手前部分にティギムが並んでいます。

注文すると、キッチンばさみでちょきちょきとひと口大にカットして提供されます。刻んだ青唐辛子が入った醤油につけて食べますが、ここでもまたトッポッキのソースをつける派が結構存在します。あまり一般的ではないですが、私はオデンのスープに浸して食べる派。ティギムの厚めの衣にスープが染み込んで、ちょっとグズッとした食感になるのがいいんです。

ほかにも色々な屋台フードが

冬場によく見かけるのがケランパン。大判焼のような形をしたケランパンは、ホットケーキ風のパン生地の上にケラン(たまご)が丸ごと乗っかっています。ほんのり甘いパン生地と、ちょっと塩味の目玉焼きが合体し、甘じょっぱい後引く味になっています。豪華バージョンはナッツやコーン、チーズのトッピングが。価格は1個1000~2000ウォン(約95~190円)。このような大きな蒸し鍋のような電熱器の上に並べて売られています。

最近目にするようになったのは「ソットッソットッ」。ソーセージとトッ(餅)を交互に串に刺しているのでこの名前がついています。元は高速道路サービスエリアの売店の人気メニューだったのですが、テレビ番組で紹介されヒット商品に。屋台やコンビニでも見かけることが増えました。焼いたソーセージと揚げた餅、まあ間違いないだろうという組み合わせですよね。コチュジャン入りの甘辛ソースかハニーマスタードソースをかけて食べます。1本3000~4000ウォン(約285~380円)。

外飲みが気持ちいいポジャンマチャ

屋台おやつを楽しんだところでいよいよ夜の部、居酒屋屋台へ。路上に椅子を出し、座ってお酒を飲める屋台のことを「ポジャンマチャ(布張馬車)」と呼びます。韓国ドラマ好きな人なら、登場人物がポジャンマチャで酒を飲み交わすシーンを一度ならず目にしたことがあるのでは? 父と息子が言葉少なに酒を注ぎあいながら和解してみたり、酔いつぶれて寝てしまった女子を男子がおぶって帰ったり、いつも通っていた屋台の女主人が実は生き別れた母親だったり。なんていう場面を実際に目にしたことはありませんが、そんなドラマが生まれそうな雰囲気を醸し出す空間、ポジャンマチャ。

夕暮れ近くなると、どこからともなく屋台道具を一式のせたバイクやトラックが現れ、ささっと準備を終えるとポジャンマチャのスタートです。春から秋にかけては、屋台の前にプラスチックの椅子と簡易テーブルが出され、路上はビアガーデンさながらの様相。冬場は防寒のためテントで覆われます。

極寒のソウルで何を好き好んで外で酒を飲もうとするのか。そもそも韓国の人は外で飲むことがかなり好きなんですよね。日本でも最近増えていますが、韓国のコンビニは店の内外にテーブルと椅子が置かれていて、飲食できるようになっているのが普通。コンビニで買ったビールを外のベンチで飲むというのもよくある光景です。理由はわかりませんが、外が好きなことは間違いありません。


Photo by TEA/123RF

というわけで、冬もポジャンマチャ。ソウル市内で旅行客も行きやすいのは、地下鉄1号線、3号線の「鐘路3街(チョンノサムガ)」駅周辺の屋台街です。5番出口を出ると、そこから道沿いにポジャンマチャがびっしりと並んでいます。テントはそれぞれ別の店。ビニール越しに人が多く入っているところをチェックしたうえで、いざ入ってみましょう!

中に入ると、ストーブが焚かれていて予想以上に温かい。この日入ったポジャンマチャは海鮮系のお店で、わりにちゃんとした冷蔵ケースもあって、その日出す海鮮が並べられていました。

注文したのは、生きた手長タコをぶつ切りにしたサンナクチ。まだ動いているタコが舌に張り付く攻撃的なメニューとして知られています。この日のサンナクチはにょろにょろ動くものの、吸い付きはそれほどでもなく、安全にいただけました。突き出しには、ムール貝のスープと生のニンジン。冷えた体に貝の出汁が染みわたります。

ポジャンマチャのお酒は緑の悪魔

こうしたポジャンマチャで飲むお酒は、ソジュ(焼酎)が定番です。日本の焼酎は米、麦など一種類の穀物から作られる蒸留酒ですが、韓国のソジュは純アルコールを水で希釈する希釈式焼酎。メーカーにより、希釈する水、希釈の割合、香りづけなどに違いがあります。面白いのは、地域により定番のブランドがはっきり異なること。全国的なシェア1位は写真にある「チャミスル」ですが、韓国の地方都市に行くとソウルでは見かけないブランドが棚を占めています。これは70年代に政府が地域あたりのメーカー数を制限し、流通もその地域内に限る、1地域1メーカー制をとったことに由来しています。現在はもう廃止されましたが、地域によりまだその名残が残っているようです。

全国、ソジュのブランドは違えど、共通するのはほとんどが緑色の瓶だということ。そこから誰が言い出したか、焼酎には「緑の悪魔」という別名がついています。さらっとしていて口当たりも軽いので、ついつい飲んでしまった結果、翌朝激しい二日酔いに襲われ後悔する、そんな例が後を絶たないからだとか。

アルコール度数17度前後のソジュをストレートで飲むのが一般的な飲み方。小さな専用グラスで一気にクイっとあおって飲みます。

もうひとつ、人気の飲み方に「ソメク」があります。ソ=ソジュ、メク=メクチュ(ビール)をミックスした飲み方。私はソジュの味がそれほど好きではないため、こちらをよく飲みます。韓国のビールは日本と比べると若干アルコール度数が低く、のどごしが軽すぎると感じることも。そこへソジュをミックスすることで、お酒の味もしっかりするところがいいんです。ただ、こちらも飲みやすいわりに度数はそれなりに残るため、油断すると酔いが回りますので注意。

屋台というとおじさんが多いイメージかもしれませんが、最近の屋台は女性同士や若いカップルの客も多いです。私が入った屋台にも若い女性の二人連れが。ソメクを延々と飲んでいましたよ。

ちなみにここ鐘路3街のポジャンマチャは、焼酎がだいたい2000ウォン前後(約190円)、料理は1皿10000~15000ウォン(約950~1430円)。市内の一般的な居酒屋と比べると割高ですらあります。にもかかわらず若い人が多いのは、この独特の雰囲気を韓国の若者も新鮮に感じているのかもしれません。

地元の人が楽しむ韓国・ソウルの屋台をご紹介しました。さて、今回ご紹介したような簡易なテント式の屋台、じつはソウル市内ではここ数年でずいぶんその数が減っています。再開発による移転や廃業などに加え、法的にはグレーの存在だった簡易屋台に対し、行政の取り締まりが厳しくなっていることも挙げられるようです。常設ブース化を進めているエリアや衛生基準を強化し許可制に移行しているエリアも増えているそうで、これからソウルの屋台もまた変わっていくのかもしれませんね。
なお、屋台ではクレジットカードは使えないので、韓国ウォンを多めに持ってお出かけください。

※文中の金額は、1000ウォン=95円で計算

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