韓国初のミシュランガイドで見事、三つ星に輝いたソウル新羅ホテル内の韓国レストラン羅宴(ラヨン)。星獲得から半年弱経った今でも、週末は二ヶ月先まで予約が埋まっているという超人気レストランにて、韓国料理の概念を覆す最高級の韓国料理コースを堪能してきました。

羅宴は料理だけでなく空間や時間も楽しめる

ソウル レストラン「羅宴」店内

羅宴は韓国のトップ・オブ・ホテルことソウル新羅ホテル内にあるだけに、まず空間のもつ雰囲気が他のレストランと圧倒的に違います。

もともと高台に位置するホテルのさらに上層23階にあるため、エントランスからはソウルの景色が一望できます(ちなみにホテルはソウル随一のパワースポットに位置!)。美しいビュー込みで楽しめるミシュランレストランはなかなかないので、これは嬉しいポイント。

ソウル レストラン「羅宴」店内

またレストラン内は余計な装飾が一切省かれ、しかし韓国らしさを失わないよう伝統工芸の意匠がさりげなくあしらわれています。目の前の料理と窓の外に広がるソウルの景色に集中できる空間づくりに、「さすが新羅ホテル…」と思わず唸りました。

在韓歴8年でも初めて見る珍しい韓国料理に驚き

カムテプガク(カジメの薄揚げ)

景色と空間をたっぷり堪能した後は、お楽しみのランチタイム。この日は2つあるコースのうちおすすめの「羅宴コース」を注文しました。料理は1品ずつ提供されます。

期待のトップバッターはカムテプガク(カジメの薄揚げ)とドライナツメ。初めて聞く料理名に「え? なんですか?」と思わず聞き返してしまいましたが、説明ではカジメとジャガイモ、エビ出汁をメレンゲと混ぜた後、薄く伸ばしてオーブンで焼き上げた料理とのこと。ナツメは日照量が多く糖度が高い慶尚北道慶山産を使用し、100度で3時間以上焼いて乾燥させたもの。どちらもたった今焼きました? と聞きたくなるくらいサックサクのカリカリで、噛むごとに素材の旨味と甘味が交互に口の中で踊ります。

2番目は「これも韓国料理ですか?」と疑いたくなるほど洗練されたビジュアルのパムウンイ(栗のお粥風)

パムウンイ(栗のお粥風)

こちらも丁寧に料理の説明をしてもらったのですが、素材の名前から調理法に至るまでの韓国語が全く聞き取れず(普段は日常会話には全く困らないのに!!)。涙目になりましたが、後に聞いたところによるとこの料理は最高級の玉光栗を蒸して裏ごしし、牛乳と土版天日塩(土版の上で干した塩)を加えたウンイ(穀物のデンプンを水で薄めたお粥)というもの。その上にすりおろした栗をふんわりとのせたとのこと。

ふんわり甘い栗の風味となめらかな舌触りはまるで丁寧に裏ごししたムースのようで、しつこいですがこんな韓国料理があったのかとひたすら驚きました。

さらに超高級食材をふんだんに使った韓国料理がこれでもかと続きます。

野菜出汁で茹でたタコに柚子ソースをかけた冷菜。

タコに柚子ソースをかけた冷菜

韓牛のジョン(チヂミ)。肉はチェックサル(牛の腰下の肉)を使用。上にはネギとモチアワの葉が添えられています。

韓牛のジョン(チヂミ)

済州島産のアマダイの蒸し煮(コース内で唯一ちょっと辛い!)。順天のコチュジャン、江原道の唐辛子粉が使われた上品な辛さ。

アマダイの蒸し煮

口に入れた瞬間肉がホロリと崩れるほど軟らかく煮付けたカルビチムも、もちろん最高級韓牛を使用。

最高級韓牛

韓牛ユッケビビンパプ。チャックテンダーをユッケにしたなんとも贅沢な逸品。

韓牛ユッケビビンパプ

そして印象的だったのは、特注で作られた銀製の炉に盛られた神仙炉。最高級韓牛、アワビ、セリのお焼き、エビなどを薄切りにし、韓牛から時間をかけてじっくり出汁をとったスープをかけていただく伝統的な宮中料理です。

神仙炉

牛の出汁はおいしいと評判の牛肉を全国から取り寄せ、それらの肉でとった出汁をブラインドテストして一番おいしかった肉をセレクトしたという徹底ぶり。それぞれの食材の旨味が牛出汁に溶け込んだスープをひと口飲んだだけでも、五味の宇宙が舌の上で無限に広がります。ちなみに神仙炉はコースに含まれませんが、ランチではコースに追加で注文可能だそう。

お楽しみのデザートは紅参(6年ものの高麗人参)を使った人参アイスクリームに小豆とお米のプテディングを重ねた紅参ビンソン。

紅参ビンソン

紅参はあの独特の苦味が苦手だったのですが、その部分はすっかり取り除かれ、香り高い風味が残ったアイスクリームがおいしすぎて悶絶しました。

そしてデザートの後には、伝統茶と伝統菓子でフィニッシュ。この順番、フランス料理のデセールとミニャルディーズのようで嬉しかったです。

伝統茶と伝統菓子

三つ星獲得の裏には並々ならぬ企業努力があり!

韓国レストラン・羅宴

全10品のうち、初めて聞く韓国料理は4つ。韓国料理店は100軒以上取材してきたので、ある程度は料理について知識があるつもりでしたが、羅宴コースの前ではその自信も見事打ち砕かれました。それもそのはず、羅宴のメニューは例えば、朝鮮時代の宗家料理調理書など、古い料理の文献を研究しつくし、現代風に解釈したオリジナルのものなので、料理研究家や大学教授レベルでないと理解できないものばかり。それくらい貴重な料理が目白押しなのです。

そして羅宴で使われる超逸品の食材を手に入れるために、新羅ホテルでは並々ならぬ時間と労力を注いでいるそう。例えば野菜なら、バイヤーとシェフが定期的に全国の産地を巡り、その時最高の農産物を作っている農家から仕入れるため、特定の農家との契約や自社栽培などは行わない。

魚介類なら市場で仕入れた生きた魚を、水槽付きの自社トラックで運ぶため、鮮度の高さにとことんこだわる。こういった努力が実を結び、三つ星獲得に繋がったのでしょう。

羅宴のコンセプトは「礼と格式を備えた韓国の食文化が、一度の食事でも感じられる、そんな上質な韓食をお出しする」。

今回、堪能した料理を通じてその言葉の意味を五感でしっかり体験した気がします。

最高のビューと最高の空間で、最高の韓国料理を堪能する。

いつかまた、必ず行きたいと思える羅宴。自信を持っておすすめします。

韓国レストラン・羅宴
住所:ソウル市鍾路区東湖路249 ソウル新羅ホテル23階
電話:02-2230-3367
営業時間:12:00〜14:30(ランチ)、18:00〜22:00(ディナー)
休み:なし
メニュー:羅宴コースW18万、礼コースW9万8000(ランチ)、神仙炉追加時W6万、新羅コースW25万、宴コースW16万(ディナー)
※100ウォン(W)=約10.10円(2017年4月4日)

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