投稿者 : Memo Bali、投稿日 2017 年 2月27日

世界の珍祭?!バリ島のお正月「ニュピ」は観光客も巻き込む静寂の日

例年3月ごろに行われるバリ島のお正月ニュピ(Nyepi)をご存じですか?別名・静寂の日(サイレント・デイ)と呼ばれています。太陰太陽暦をもとにしたサカ暦にそって行われるため、毎年日程が変わります。直近の予定は下記です。

西暦 サカ暦 ニュピ
2017 1939 3/28
2018 1940 3/17
2019 1941 3/7
2020 1942 3/23

※2018年以降は未確定。前年の秋頃決定します。

世界にはダイナミックできらびやかな新年祝賀や信徒による壮麗な宗教行事はありますが、ニュピは異教徒や外国人も含め当日バリ島内にいるすべての人々がただひたすら“静かに新年を迎える日”です。騒音はもちろん、ホテルの敷地外やビーチへの外出は禁止。電気の使用も制限されます。レストランやショップは全面休業。飛行機の離発着すらありません。

前日まで賑やかだった島がパタリと沈黙する様は、現地にいなければ味わえない貴重かつ不思議な体験です。人々が静まり返る中、風に揺れる葉音、雨音、虫の鳴き声、犬の遠吠えなど自然音だけが時折聞こえてきます。天候に恵まれれば夜空にはプラネタリウム並の星が瞬き、天の川も見られるかも!

静寂の日「ニュピ」のいわれ

バリヒンドゥー教徒はウク暦とサカ暦に沿って暮らしています。サカ暦の第10の月(サシー・カダソー)の1日目がニュピです。前日は月が隠れる暗月(ティルム)で、冥界の神マヤが大掃除を行うため悪霊ブト・カロが地上に這い出て来ると言われています。彼らが悪さをしないよう、各地で悪霊祓いの儀式を盛大に行います。ニュピ当日は追い祓った悪霊たちが完全に去るのを静かに瞑想して待つのです。この日は労働・外出・火(灯り)の使用・殺生なども禁じられます。

ニュピは例年雨季が終わる3月か4月に行われます。バリヒンドゥー教徒にとって1年で最も重要な日であり、インドネシアの祝日に指定されています。

前後の日もイベント目白押し!ムラスティ~オゴオゴ~ニュピ

ムラスティ(Melasti/3~4日前)

ムラスティ

ご神体を海(または湖や川)へお浄めに行く日です。バンジャール(村組織)ごとに保管してある神聖な物を、正装した信徒たちが御神輿や頭上に載せて運び、ビーチで浄化の儀式を行います。いくつものバンジャールが長い行列を作って海へ向かう光景は、まさに「神々の島」!

ちなみにバリヒンドゥ教徒の正装は、男性がウドゥンやサロン、女性はクバヤを着用します。寺院関連の神事は基本的に白(まれに黄色)。バンジャールによっては全員お揃いのデザインにします。

ムラスティ(Melasti/3~4日前)

観光客は正装していないため神事に参加できませんが、沿道やビーチで撮影したり眺めることができます。
海に続く道は朝から交通規制がかかり、周囲は渋滞します。特に車は進みません。通常15分程度の距離を4時間かかったという人も…。夕方には解消しますが、遠出には向かない日です。

オゴオゴ(Bhuta Yajna/前日)

オゴオゴ(Bhuta Yajna/前日)

来襲した悪霊ブト・カロを追い祓う日です。村の集会所や辻にはたくさんのお供え物や生贄が捧げられ、僧侶によるお祓いの儀式が行われます。夕方になると各家庭で松明を手に、鍋底などをガンガン打ち鳴らしながら敷地内の悪霊を追い出します。夜には追い出された悪霊が憑依した巨大なハリボテ神輿のオゴオゴを男性陣が担いで伝統楽器ガムランとともに練り歩きます。悪霊は騒音が苦手なので人間は可能な限りけたたましい音を出すのです。

オゴオゴ(Bhuta Yajna/前日)

正午過ぎからレストランやスーパーが次々閉まり始めるので、観光客は前の日か、遅くとも午前中までに必要な買い物を済ませておきましょう。夕方からはオゴオゴ準備でほぼ全域の主要道路が閉鎖されます。車やバイクに頼らず、ホテルから徒歩圏内にいることを強くおすすめします。

オゴオゴ(Bhuta Yajna/前日)

オゴオゴの引廻しは19:00時頃から始まり、観光客は沿道やメイン会場の脇で間近に観ることができます。バンジャールごとにガムランが先導してオゴオゴが登場し、交差点や三叉路では激しく旋回。そのエキサイティングな様子に観ているほうが圧倒されるかもしれません。人が多く大変混雑します。手荷物にお気を付けくださいね。

ニュピ(Nyepi/当日)

ニュピ(Nyepi/当日)
photo by:Hard Rock Hotel Bali

ニュピ当日は朝6時から翌朝6時まで観光客もホテルの敷地外へ出ることはできません。昼間はプールで泳いだり、ゆっくり本を読んだり、静かな1日をお過ごしください。ホテルによってカルチャープログラムやキッズプランの用意もあります。夜は晴れたら満点の星空を楽しめます。流れ星に願いをかけるのも良いですね!

【ご注意】
・食事の有無については事前にホテルスタッフにご確認ください。昼・夕食が別料金になったり、レストラン閉鎖で事前に持ち込みが必要なこともあります。
・ホテルによって、完全消灯、フットライトのみ点灯可、カーテンを閉じて光が漏れなければベッド脇やバスルームの点灯可の場合があります。心配なら小型ライトの持参をおすすめします。
・不用意に敷地外や公道へ出ると警備員や警察官に逮捕されます。また石を投げられたり、殴られることもあるようです。
・万一ケガや発病の際はホテルスタッフか警備員を通じて連絡してください。パトカー同伴で病院へ向かいます。勝手に行くことはできません。

ゲンバッゲニ(Ngembak Gni/翌日)

バリヒンドゥー教徒は親族や近所を訪問してお互いに許しを乞う日です。家族で出かける方も多く、一部観光地は混雑します。クタビーチでは例年大きなフリーマーケットが開催されるので、お近くに滞在の際は足を運んでみては?

オゴオゴとニュピを楽しむには、エリアとホテル選びが重要!

バリ島はエリアによって特色があり、オゴオゴに関しても田舎は素朴、都会のクタやスミニャックはたくさんの協賛がついて華やか、芸術村のウブドはアーティステックに作り込む傾向があります。
またニュピを挟んで2泊3日のお得なパッケージプランを用意しているホテルも実はたくさんあります。ただ詳細が決まるのは毎年1~2ヵ月前。人気エリアのホテルは短期間で満室になるので、サイトをマメにチェックしてくださいね。

オゴオゴ最多!ローカル色満点の「デンパサール」

島内一オゴオゴが多いのはデンパサール中心部です。その数250~300体!
引廻しのルートは、ププタン広場脇にあるチャトルムカ像の交差点を周回し、ガジャマダ通りを西へ進んで、各バンジャールへ戻ります。

おすすめホテルはチャトルムカ像からすぐ、北へ100mほどの「インナ バリ ホテル」。1927年に創業し、エリザベス女王やチャーリー・チャップリンも宿泊したバリ島最古のホテルです。ニュピは公道を挟んだ別館が閉鎖されるためスタンダードルーム39室のみ。ニュピプランは1室につき大人2名分の朝食2回、昼食1回、夕食2回がセットになっています。欧米豪人に人気が高く、毎年満室だそうです。

インナ バリ ホテル(Inna Bali Hotel)
・日程:2017.3.27-28(2泊3日)
・料金:シングルルーム Rp760,000++(約6,600円++)/1部屋、2泊、大人2名まで
ツインルーム/ダブルルーム Rp1,020,000++(約8,870円++)/1部屋、2泊、大人2名まで
・含まれるもの:2泊分宿泊費、朝食×2回、昼食×1回、夕食×1回(食事はすべて大人2名)
・TEL:+62-361-225-681/Mail reservation@innabalihotel.com

チャトルムカ像から東へ200mにある「グランド ミラー ブティック ホテル」は2015年にオープンしたばかり。ニュピプランもあります。

豪華なオゴオゴを見て、アクティブに過ごすなら「クタ」

ホテルやショッピングモールなどたくさんの協賛がついてゴージャスなオゴオゴが多いのはクタです。ホテルによってはオリジナルのオゴオゴを製作・出展します。出来栄えを競うコンテストがあるのでバンジャールも気合十分。

引廻しのルートは、クタ市場前の交差点を起点にベモコーナーからパンタイクタ通りに入り、クタスクエアを抜けてカルティカ通りのディスカバリーモール方面に進みます。

オゴオゴルートから徒歩圏内で、ニュピ当日もアクティブに楽しめるのは、エンターテイメント・リゾート「ハードロック ホテル バリ」。クタ市内最大級のプールを有し、ウォーターバレーボールやボードレースなどが時間刻みで開催されます。キッズプログラムも充実していて、サンドアートやお菓子作りにチャレンジ。ニュピプランはデラックスルーム1室につき大人2名と子供2名宿泊可能で、朝食2回、昼食1回、多彩なプログラムがセットです(夕食は別料金)。

ハードロック ホテル バリ(Hard Rock Hotel Bali)
日程:2017.3.27-28(2泊3日)
料金:デラックスルーム Rp1,350,000++(約11,700円++)より/1部屋、1泊、大人2名・子供2名まで(12歳以下)
含まれるもの:1泊分宿泊費(要2泊)、ウェルカムドリンク、朝食×2回、昼食×1回(食事はすべて大人2名・子供2名)、アクティビティプログラム、キッズプログラム、Wi-Fi、オンデマンド映画
TEL:+62-361-761-869 / Mail bookings@hardrockhotels.net

優雅なニュピライフをご希望なら「スミニャック~クロボカン」

洗練されたヴィラやレストラン・ショップが並ぶ、人気急上昇中のエリアです。
オゴオゴのメイン会場はラヤクロボカン通りとプティトゥンゲ通りが交わるリオの交差点。引廻しの前にバリ舞踊ステージもあります(年による)。各バンジャールから出発し、リオの交差点で周回したあと、バンジャールへ戻ります。

優雅なニュピライフをご希望なら「スミニャック~クロボカン」
photo by:Katamama

ニュピを優雅に過ごすなら、ムラスティが行われるペティテンゲット寺院に近い5つ星ラグジュアリーリゾート「カタママ」。特にルーフトップがついたスイートルームなら、昼間はデイベットに横たわり、プライベートジャグジーに入ったり。夜は星空を独占できます。ニュピプランは1室大人2名で、朝食2回、昼食1回、夕食1回のほか、カルチャープログラム、プールバーで使えるバウチャー、さらに空港送迎付き。エントランスからホテルまで距離があるため、ホテルカートの利用をおすすめします。

カタママ(Katamama)
・日程:2017.3.27-28(2泊3日)
・料金:スイートルーム Rp10,200,000++(約88,700円++)より/1部屋、2泊、大人2名まで
・含まれるもの:2泊分宿泊費、ウェルカムカクテル、朝食×2回、昼食×1回、夕食×1回(食事はすべて大人2名)、カルチャープログラム、リゾート内クーポン、空港送迎
・TEL:+62-361-302-9999 / Mail reservations.katamama@pttfamily.com

オゴオゴのメイン会場から西へ100mの「ホテル ジア バリ – スミニャック」は2016年にオープンした新築ホテル。初のニュピプラン開催予定。共有ルーフトップは宿泊者利用可能で街と空が見渡せます。

芸術性の高いオゴオゴと、蛍がお目当てなら「ウブド」

芸能・芸術の村ウブドはオゴオゴの作り込みも精巧で、見るものを圧倒させるほど。村人の職人気質が表れています。

引廻しのルートは、モンキーフォレスト通りのサッカー場を起点に北上し、ウブド市場と王宮のある交差点からラヤウブド通りへ右折して東へ進みます。
おすすめホテルは、オゴオゴルートから1本西へ入った通り沿いの「ビスマ エイト ウブド」。メイン会場まで距離があるため、見学希望者は交通規制手前まで車かホテルカートで送迎してくれます。外観はこじんまりしていますが、奥行きがあり、その先には渓谷が広がります。運が良ければたくさんの蛍を見られるでしょう。ニュピプランは1室につき大人2名と子供2名まで、朝食2回、夕食1回がセットです(昼食は別料金)。ヨガクラスやダンスレッスン、料理教室にも参加できます。

ビスマ エイト ウブド(Bisma Eight Ubud)
・日程:2017.3.27-28(2泊3日)
・料金:ガーデンスイートルーム Rp4,950,000++(約43,000円++)/1部屋、2泊、大人2名・子供2名まで(12歳以下)
・含まれるもの:2泊分宿泊費、朝食×2回、夕食×1回(食事はすべて大人2名・子供2名)、カルチャープログラム
・TEL:+62-361-479-288 / Mail reservations@bisma-eight.com

世界的にも珍しい、この「静寂の日」をぜひ1度体験してみてください。意外とハマるかもしれませんよ~。

※料金やサービスは毎年異なります。
※++は税金・サービス料です。ホテルによってパーセンテージが異なりますが、21%程度です。
※1円=約115ルピア(2017年2月現在)

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