人生観が変わる!?インド一人旅のための旅行計画、どうやって立てる?

人類の英知が詰まった歴史的建造物が数多く残るインド。マハラジャたちの栄光と情熱の足跡をたどる世界遺産から「走る世界遺産」までを厳選してご紹介します。
首都デリーの南東約180キロ、インド北部の古都アーグラにある3つの世界遺産のなかで最も有名な「タージ・マハル」。ムガル帝国第5代皇帝ジャハーンが、亡き最愛の王妃ムムターズ・ マハルのために建設した美しい白亜の霊廟は、イスラム建築の最高傑作といわれています。広大な敷地の中に、砂漠の楽園を表現した緑豊かな庭園と、その中心に総大理石造りの白い廟堂があります。四方のどの門から入っても左右対象の景色が目前に広がるよう幾何学的に設計されています。22年の歳月と一日2万人の労働力をかけた総工費は現在の貨幣価値で22兆円になるそうです。
第3代皇帝アクバルが建設を開始した「アグラ城塞」は、赤砂岩で築かれた重厚な城壁の色から「赤い城」と呼ばれています。赤色は、繁栄を誇ったムガル帝国の力強さと栄華を表しています。城塞の中には宮殿などの施設があり、東側の城壁にある「囚われの塔」は父ジャハーンが幽閉生活を送った場所で、愛する妻の廟であるタージ・マハルを眺めながら暮らしたといわれています。
第3代皇帝のアクバルが王子誕生の記念としてアーグラから遷都し築いた都「ファテープル・シークリー」。優れた都市計画が実施されており、装飾された赤砂岩建物の景観も美しい新都でしたが、慢性的な水不足と猛暑のため、わずか14年間で放棄されゴーストタウンになってしまいました。
首都デリーの中心地にあるムガル帝国第2代皇帝フマユーンの霊廟「フマユーン廟」。ペルシア出身であったフマユーンの妃が亡き夫のために築いた庭園のある廟は、イスラムとペルシャの建築様式が融合した華麗な「ムガル様式」の原点と言われています。楽園のような庭の緑と、建物の赤砂岩と白大理石が鮮やかなコントラスを生み、のちにムガル様式の最高傑作と称されるタージ・マハルに大きな影響を与えました。
首都デリーの郊外約15キロ南にインド最古のイスラム遺跡群があります。「クトゥブ・ミナール」は奴隷王朝の初代皇帝アイバクが、北インド制圧を記念して建てたモスクに付随した尖塔です。ヒンドゥー寺院などを破壊した石材を再利用して造られているため、ヒンドゥー様式とイスラム様式が混在しています。一帯には、インド最古のイスラム寺院「クワットアル・イスラム・マスジッド」や未完成の「アライ・ミナール」など、多宗教が融合した美しい遺跡が数多く残されています。
タージ・マハルを築いたムガル帝国第5代皇帝ジャハーンが、アーグラから遷都し城塞として築いた「レッド・フォート」。デリー市中心域の北端にあり、巨大な赤砂岩の城壁と門を持つ事から「赤い城」とよばれています。コーランに描写された楽園を模したイスラム建築様式を基本としながら、ペルシアやティムール、ヒンドゥーなどの影響を受けており「ムガル様式」を随所に見ることができます。
ダージリンはいわずと知れた香り高い紅茶の産地。1999年に世界遺産登録された「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」は標高2200メートルを走る世界最古の山岳鉄道です。1881年に茶葉の運搬用に建設され、カルカッタから北500キロ、ヒマラヤ山脈南東にあるニュー・ジャルパイグリからダージリンを8時間で結んでいます。開業時から100年以上使用されている蒸気機関車もあり「トイ・トレイン(おもちゃの汽車)」の愛称で親しまれています。2005年にインド南部のタミル・ナードゥ州「ニルギリ山岳鉄道」、2008年にインド北部のヒマーチャル・プラディーシュ州「カルカー・シムラ鉄道」を新たに含み、いずれも山脈の急勾配や高地を巧みに登る「走る世界遺産」として拡大登録されました。