中国にも数多くの現地発ツアーがありますが、その中のひとつが「海南島一周ツアー」。中国のハワイとも呼ばれる島の名所に立ち寄りながら、海口とは反対側の三亜まで行って帰ってくるツアーです。

実はこれ、お土産屋さん巡りのツアーなのですが、あえてこの話にのってみるのもよいかもしれません。旅行本には載っていない、現地のスタッフだからこそ知っているオススメのスポットへ行けたり、現地の人との交流を楽しめたりするかも。中国最南端に位置する海南島の絶景を巡るツアーをご紹介します。

「きれいな海」とドタバタのギャップを楽しもう

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最初に着いたのは万泉河。海南島で一番高い五指山から流れる大きな川です。上流は両岸を熱帯雨林や椰子の林などトロピカルな風景が広がっており、ラフティングや秘境探検なども楽しめます。川のもう一つのハイライトが、われわれのやってきた河口です。白い砂の中洲が美しく、この川と海の水が混じるあたりの自然は世界屈指の保存状態だそう。船で中洲に渡ると、水がエメラルドグリーンでとても美しく、さすが中国のハワイと呼ばれるだけのことはあってリゾート気分が味わえます。宿泊は畑の真ん中に建つ、合宿所のようなホテルです。ホテルの周りには何もないので、夜は寝るだけかと諦めていたら、なんとショーがありました。車で体育館のような場所に移動すると、すでに数百人のツアー客で会場はいっぱい。ショーは雑技団とオカマショーでした。雑技はなかなか本格的です。

広大すぎる仏教テーマパーク

2日目は少数民族の村・苗村黎塞、スキューバも楽しめるビーチ・大東海、珍珠場、茶藝館など、盛りだくさん。苗村黎塞の民族衣装を着た可愛いらしい女のコの姿も見ることができます。大東海では体験ダイビングもありました(別料金)。南山仏教文化苑は広大な敷地に高さ108mの巨大な観音様や100㎏近い黄金を使用した「金玉観音」などがある一大仏教テーマパークでした。かの鑑真が日本渡航に失敗して、漂着したときに建立したという南山寺もあります。その他にも、ヨーロッパ風のきれいな庭園や美しい海を背景にした海浜公園も楽しめます。美しいリゾート地に来て、仏像を拝むというのも不思議な感じですが、なんでも仏教経文では観音様には12の念願があって、その2番目が「南海に居住する願」なのだとか。中国人ツアー客は仏像へ興味津々のようで、皆さんとても楽しそうに園内を駆け回っていました。

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「世界のはて」

最後に立ち寄ったのは天涯海角。読んで字のごとく「天のはて、海の果て」という意味で、清の時代などに政治犯などが流された〝世界のはて〟です。美しい海岸に巨大な奇岩が点在するという風景は、どこか浮世離れしていてまさにその名にふさわしい絶景です。宋代には詩人の蘇東坡もここに流され、都に戻るときに「天容海色本澄清」と詠じました。天と海の澄みきった風景を潔白となった自分の身に重ねたと言われています。また、巨岩の中には「天涯」と「海角」という二つの岩があって、仇敵だった家族の反対を押し切った男女の愛が化したと伝えられています。恋人たち海に向かって愛を誓うと永遠に結ばれるともいわれているため、カップルが多く、ここが島内観光のハイライトです。

3日目は、朝方に亜龍湾というビーチを楽しみ、ツアーの皆さんとはお別れ。中国のハワイと言われる島々のスポットを効率的に回れるうえ、イベントも盛りだくさんの「海南島一周ツアー」。一人旅が好きな人にも、たまにはこんなツアーもいいのではないでしょうか。

文:谷 寛彦