中国の西安から車で2時間ほどの華山は、道教の聖地として知られている五名山のひとつ。かつて仙人が住み、道士たちが修行をしていた場所です。

仙人と聞くと、切り立った岩山のような秘境が頭に浮かびますが、華山はまさにイメージそのもの。観光客用に、道はきちんと整備されてはいるのですが、中国一(世界一という説も……)危険な登山道といわれ、頂上に至るまでには危険スポットが目白押しなんだとか。

スリルのある場所が好きな私にとっては、ずっと行きたいと目をつけていた場所でもあります。どのくらい危険なのか行ってみなきゃ分からないですよね。ということで実際に行って確かめてみました。

華山までのアクセスは簡単。鉄道で行くならパスポートを忘れずに!

華山までは、西安からバスか高速鉄道で行くのが一般的。個人で行くのが不安という方は、西安からのツアーを利用するのも手。今回私は、高速鉄道を利用することに。華山行きは、地下鉄2号線の北客駅から出発します。

チケットは、窓口で簡単に買えます。片道の運賃は54.5元(約1,035円)。中国では英語が通じないこともある(というかその方が多い)ので、筆談でやり取りをすることになります。ひとつ注意したいのがパスポート。高速鉄道の切符を買うには、パスポートの提示が求められます。普段持ち歩かないという人もいるとは思いますが、高速鉄道に乗るときは必ず持参してくださいね! 一緒に行った友人は忘れて、ホテルまで取りに帰る羽目に……。

華山までのアクセスは簡単。鉄道で行くならパスポートを忘れずに!

高速鉄道の車内は日本の新幹線と同じような作りできれい。車内販売なども充実していました。快適で30分なんてあっというまです。

華山までのアクセスは簡単。鉄道で行くならパスポートを忘れずに!

華山北駅に到着。ここから華山のチケット売り場までは、無料のシャトルバスが出ています。

チケット売り場から華山のふもとまでは離れているので、さらにバスを乗り継いで向かいます。片道の運賃は20元(約380円)です。

いざ華山へ! ロープウェーから見える絶景に感動

いざ華山へ! ロープウェーから見える絶景に感動

標高2160mの華山の頂上まで行く方法は2つ。

階段をひたすら上るか、ロープウェー(80元、約1,520円)で一気に中腹まで行くか。ほとんどの人はロープウェーを使って中腹まで行きます。

体力に自信のある人はぜひこの長~い階段でどうぞ!?

いざ華山へ! ロープウェーから見える絶景に感動

私ももちろんロープウェー。ロープウェーから見下ろす景色だけで、もう仙人の暮らす世界に入り込んでしまったよう。期待がふくらみます。

中腹に到着。登山スタート!

中腹に到着。ここから登山スタートです。基本、ずっとこのような石の階段が続きます。

いざ華山へ! ロープウェーから見える絶景に感動

よく整備されているので、登山というよりはハイキングに近い感じ。ずっと階段続きでつらいものの歩きやすいです。危険度についていえば、今のところ道幅が狭かったり階段がちょっと急だったりと、確かにちょっと危険なにおいはするものの、中国一かと聞かれると首をかしげてしまうレベル。

でもそのときの私は、まだ華山の危険さをまったく分かっていませんでした……。

中国一危険な登山道を甘く見てはいけない

中国一危険な登山道を甘く見てはいけない

足を進めていくと、びっくりするような階段が目の前に現れました。

なんとほぼ垂直の90度! 階段というか、もはやただのロッククライミングです。

中国人のおばちゃんたちも遠巻きにして見ています。 そんななか、階段へ向かっていったひとりのおじちゃん。「無理だろうな」と思っていたのですが、特に苦労している様子もなくするすると上っていってしまい ました。なんと片手をはなしてポーズを決められるほど余裕しゃくしゃく。

中国一危険な登山道を甘く見てはいけない

せっかくなので私も挑戦。数段上ってみたのですが、日頃の運動不足をこんなところで実感するとは……。鎖を握り締めて踏ん張っても、少し気を抜いたら落ちてしまいそう。「これはマズイ」と危険を感じて断念することに。

でもそんな人もご安心を! 横には普通の階段がありました。

そのあともまだまだ危険な道は続きます。

そのあともまだまだ危険な道は続きます。

西峰の頂上に向かう道は、こんな岩山の稜線。一応手すりはありますが、腰より低いので身を乗り出せばまっさかさまです。

そのあともまだまだ危険な道は続きます

こちらは、下棋帝と呼ばれるあずまや。ここへたどり着くには、ちょっと分かりにくいですが、写真のような少しえぐられた階段を下りていかなくてはなりません(ハーネスはあります)。

ところで、華山にある手すりの多くがただの鎖。グリップの付いている軍手があるととっても快適です。もし持ってくるのを忘れても、ふもとでおばちゃんたちが売っているので安心してくださいね。

幅数十センチの板の道「長空桟道」に突入

ここからは、華山最高のアドレナリンスポットへと向かいましょう。その名前も「長空桟道」。知る人ぞ知る超絶叫スポットなのです! ここだけを目当てに華山を訪れる人もいるほど(私含む)。今までのはぜんぶ序の口といえます。

何がすごいって、崖にぽんと備え付けられた幅数十センチの板の道。薄い板は簡単な石柱で固定されただけ。そして極めつきは手すりがないこと。いろんな意味でゾクゾクしてきませんか!?

幅数十センチの板の道「長空桟道」に突入

長空桟道の入り口で、入場料180元(約3,420円)とは別に30元(約570円)を払うと、お兄さんがこんな風にハーネスを装着してくれます。

ここから頼りになるのはハーネスと岩に申し訳程度に付いている鎖だけ。

スリル好きと豪語しておいて何なんですが、正直かなり怖い! でも恐怖心だけではありません。

この感覚はバンジージャンプをする前にちょっと似ています。足がガクガクしてものすごく怖いのに、心の片隅ではワクワクしているような。私はこのワクワク感がたまらなく好きで、怖いのにスリルを追い求めてしまうんです。

さて、せまい棒の階段を下りていくと、下から人が上ってきました。こんなせまい道にもかかわらず、戻ってきた人々とすれ違わなくてはなりません。実は長空 桟道、先には祠があるだけで行き止まりになっているんです! つまり、この道を通らなくても華山の頂上には行けるということ。にもかかわらず、スリルを求めて多くの人々がやってきます。

幅数十センチの板の道「長空桟道」に突入
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とうとう長空桟道に到着。道というかただの板です。おそるおそる一歩を踏み出してみます。板は足幅よりちょっと広いくらいで、簡単に足を踏み外してしまいそう。板のすきまから下が透けて見えているのも恐怖心をあおるポイント。

「こんな薄い板に命を預けて大丈夫なのか」という考えが一瞬頭をよぎります。長空桟道に行くと決めたとき、多くの友人から「なんでわざわざ危ないところに行くの?」と反対されたのをふと思い出しました。

幅数十センチの板の道「長空桟道」に突入

でも来てしまったものはしょうがない。覚悟を決めて歩き出すと、意外と安定していて平気そう。何よりハーネスを付けているので(たとえちょっと年季が入っているとしても)絶大な安心感です。

だんだん慣れてきて景色に目を向ける余裕が出てきました。足元に広がるのはごつごつした岩山!

中国一危険な登山道!? 命がけの険しすぎる山「華山」に登ってみた

何も遮るものがないとこれほど壮大に見えるものなんですね。仙人はこんな景色を見ていたのかしら。

長空桟道は直線距離にすると100mにも満たないくらい短いので、あっというまに祠にたどり着いてしまいました。ここでは、お参りだけしてすぐに引き返します。

戻る道すがら記念撮影。板に座ってポーズを決めてみたり、できる限り後ろに下がって自分の限界を試してみたり。満面の笑みを浮かべてはいますが、ちょっぴり怖くて鎖は手離せませんでした……。

中国一危険な登山道!? 命がけの険しすぎる山「華山」に登ってみた

不思議な空中散策を堪能して、名残惜しく長空桟道を後にします。戻ってきたら、地面がしっかりしていてなんだかほっとしました。

最後に荷物についてですが、基本的にすべて長空桟道の入り口に置いていきます。スタッフがいるとはいえ、誰でも手が届く場所にぽんと置くだけなので、心配な方は、必要以上のお金を持ってこない、首から下げられるタイプの貴重品入れを持参する、可能なら荷物に鍵をかけておくなどしたほうがいいかもしれません。

「中国一危険な登山道」華山。その名前はダテじゃありませんでした! でも確かに危険スポットは多いのですが、多くは迂回路があったり、そこを通らなくても山頂まで行けるように作られていたりします。また、2013年には西峰のほぼ山頂近くまで行けるロープウェーも完成し、仙人の見た景色を気軽に楽しめるようになりました。ただ、華山は実際に転落事故で死者が出たこともあるとのことなので、行くときはくれぐれも気をつけてくださいね。

中国一危険な登山道!? 命がけの険しすぎる山「華山」に登ってみた
中国一危険な登山道を甘く見てはいけない
中国一危険な登山道!? 命がけの険しすぎる山「華山」に登ってみた

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※1元=約19円(2015年11月現在)