投稿者 : エクスペディア 編集部、投稿日 2015 年 7月4日

ジャングルに埋もれた世紀の発見、カンボジアの世界遺産

19世紀中頃、フランス人学者がジャングルの奥地にひそむ遺跡を発見し、『世紀の発見』と世間を驚かせました。数百年もの間密林に放置された、世にも稀なカンボジアの世界遺産をご紹介します。

アンコール遺跡群

カンボジアの首都プノンペンから北へ330kmほど上ったところに「アンコール遺跡群」があります。アンコールはサンスクリット語で『都市』という意味。9世紀から15世紀まで栄華を誇ったアンコール王朝(クメール王朝)の首都跡です。

「アンコール遺跡群」には大小合わせて600の寺院や王宮などの建造物が存在し、初期はヒンズー教、後期は仏教と、2つの宗教が交錯する痕跡を残しています。その一つが、かの有名な「アンコールワット」ですが、他にも「アンコールトム」にある「バイヨン寺院の四面塔」や、「タ・プローム」など、必見の「アンコール遺跡群」があります。

回廊に登って王のような気分になろう!水と緑に浮かぶアンコールワット

アンコールワット

カンボジアの国旗にも描かれている「アンコールワット」。26代も続いたアンコール帝国時代の12世紀前半にヒンズー教寺院として建築されました。南北に1.3km、東西に約1.5km広がり、幅190mもある環濠に囲まれているこの寺院は、3万人もの労働者を動員して30年かけて造営されたと言われています。

「アンコールワット」の中心部は、『回』の字のように建てられた三回廊があり、外側から中心部にかけて、ピラミッドのように徐々に高くなっています。第一回廊に見られるヒンズー教の物語を浮き彫りにした壁面、第二回廊と第三回廊に装飾された女神像(デヴァター)、文様、連子窓などの、精緻さと華麗さはため息が出るほどの素晴らしさ。最上部に位置する第三回廊に登ると、あたかも下界を睥睨する王のような気分になれます。

また、水と樹海に囲まれたアンコールワットの景観は、朝日と夕日で違う顔を見せてくれるので、両方を楽しむのもおすすめです。

アンコールトムに佇む人面像は誰?未だ謎に包まれるバイヨンの四面塔

バイヨン寺院

「アンコールワット」の北に位置する「アンコールトム」は、12世紀後半に造営された城塞都市の遺跡です。掘に囲まれた城塞の中心には、「バイヨン寺院」があります。

当初は仏教寺院として建立されましたが、のちにヒンズー教化されたと言われています。最大の特徴は、塔の四面に彫られた人面像。高さ約1.7mから2.2mの大きさの人面像は、菩薩像とも、クメール王朝の王とも、ヒンズー教の神だとも推測されています。人面像は120個ほど発見されており、雄大な自然に佇む柔和な人面像には、宗教の境界線を超えて人々を癒す力を感じるでしょう。

ジャングルが遺跡を食い尽くす!? 自然と文明がせめぎ合う、タ・プローム

タ・プローム

映画「トゥーム・レイダー」の舞台となった「タ・プローム」は、12世紀に仏教寺院として創建され、後にヒンズー教に改築されたといわれています。

この寺院の見所は、なんといっても、巨大な木が遺跡を侵食している摩訶不思議な光景。密林に潜む寺院遺跡に木の根っこが絡みつき、枝が遺跡を刺し貫いている様は、ジャングルの生命力が文明を嘲笑っているかのようにも見えます。

天空の遺跡、プレアヴィヒア寺院で東南アジアの宇宙を感じよう!

プレアヴィヒア寺院

プレアヴィヒア寺院

「アンコール遺跡群」に並び、カンボジアで見逃してはいけない世界遺産が「プレアヴィヒア寺院」。カンボジア北部、タイとの国境地にあるダンレック山の頂上に建立された『聖なる寺院』です。

9世紀にヒンズー教の寺院として建てられましたが、後の時代には仏像も祀られています。標高が約625mもあるこの山は、古代インドの宇宙観の中心である須弥山(しゅみせん)に例えられています。須弥山は、ヒンズー教や仏教だけではなく、ジャイナ教、バラモン教、ボン教などにも登場し、様々な神が住んでいる聖域だと伝承されています。

「プレアヴィヒア寺院」には第一塔門から第五塔門まであり、ヒンズー教のシヴァ像や仏像が仲良く共存しています。真っ青な空、朽ち果てた遺跡、霧の中にそびえ立つ断崖絶壁から見下ろす緑の大地、そこには宗教を超えた神々の存在を感じることでしょう。「アンコール遺跡群」と共に、東南アジアを代表する絶景です。

カンボジアの世界遺産一覧

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    1. アンコール遺跡群
    2. アンコールワット
    3. プレアヴィヒア寺院

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