乗継が楽しくなる!これが世界のワクワク空港ランキング ベスト5
空港を「単なる飛行機に搭乗する場所」と思っていませんか? いま世界には、空港での滞在時間をできるだけ楽しんでもらいたいと、さまざまな機能を盛り込んで利用者を飽きさせない仕掛けを施した空港が増えています。
空の旅をこよなく愛する空旅研究家の私がこれまでの経験をもとにセレクトした、思わず長居したくなる世界の「ワクワク空港」を紹介しましょう。
航空リサーチ会社が選んだベスト空港ランキング
では、どんな空港が利用者の支持を集めているのでしょうか。ここで、世界の空港ランキングを紹介しましょう。
英国の航空サービスリサーチ会社スカイトラックスは毎年、世界の空港を対象に利便性やサービスなどさまざまな観点からベスト空港を選出しています。航空業界では名誉あるこの賞を獲得した空港ベスト10(2018)は以下のとおり。
- シンガポール チャンギ空港
- ソウル インチョン空港
- 東京 羽田空港
- 香港 チェクラップコックIncheon International Airport (Seoul, South Korea)
- ドーハ(カタール) ハマド空港
- ミュンヘン空港
- 名古屋 中部セントレア空港
- ロンドン ヒースロー空港
- チューリッヒ空港
- フランクフルト空港
日本からは羽田空港と中部セントレア空港の2つがランクインしています。
羽田空港の国際線ターミナルは外国人観光客向けに「江戸小路」というレストランフロア(4F)を導入しています。江戸時代の街並みを再現した和の情緒あふれる空間には、回転寿司、すき焼き、うなぎ、洋食など、日本ならではの味がずらり。日本人にもうれしいグルメ街です。
5Fのエンターテインメントフロアは「TOKYO POP TOWN」をコンセプトに、キャラクターグッズやプラネタリウム、教育グッズなど、日本のポップカルチャーが堪能できる店が並んでいます。訪れる人を飽きさせないこうしたつくりが人気につながったのでしょう。
中部セントレア空港には、飛行機の離着陸を眺めながらゆっくりとお湯につかることのできる展望風呂「風(フー)の湯」があります。空港としては新しい試みが中部セントレア空港のランキングを押し上げたのではないでしょうか。
今後も日本の空港のチャレンジに期待しましょう。
私的ワクワク空港ベスト5
ここからは、空の旅をこよなく愛する空旅研究家の私がこれまでの経験をもとにセレクトした、思わず長居したくなる世界の「ワクワク空港」を紹介しましょう。
ワクワク空港の条件とは?
乗り継ぎ時間が長くても飽きない、ワクワクと楽しく時間を過ごすことのできる空港の条件。それは以下の5つに集約されます。
1.その都市や国ならではの個性を活かした機能やデザインが盛り込まれている
2.「食」の選択肢が多い
3.無料で利用できるサービスが充実している
4.フライトで疲れた心身を癒すスポットやサービスが多い
5.土産モノ探しに困らない
それではこれらの条件にあてはまる「ワクワク空港」をランキング形式で発表しましょう!
空港内で地ビールを飲み干そう!ビールの聖地、ドイツ・ミュンヘン空港
※写真はイメージです。
ビールといえばドイツ。中でもミュンヘンはビールの聖地として有名です。その個性を最大限に盛り込んでいるのが玄関口のミュンヘン空港。ビールと名物料理を空港で食べれば、旅はさらに味わい深いものになるはずです。
1.地ビールで乾杯
空港内に設けられた醸造所で作られた地ビールを飲めるのは、世界広しといえども、ここミュンヘン空港だけ。ターミナル1とターミナル2の間に設けられたエアポートセンターにあるレストラン「エアブロイ(Airbräu)」に足を運べば、地ビールを楽しめます。ソーセージやザワークラウトといったドイツの名物料理をつまみながら、地ビールを飲んで、滞在時間を味わい深く有意義に過ごしましょう。
2.デリカにバームクーヘン、多彩な食の魅力
ミュンヘン空港にはドイツを代表するデリカテッセンやスイーツの店が揃い踏みしています。バイエルン王朝御用達の高級デリカテッセンの「ダルマイヤー」や「ケーファー」のほか、ドイツの伝統的などっしりとしたバームクーヘンを扱う「ライジーファー」も見逃せません。
3.冬のクリスマスマーケット
冬限定ではありますが、ミュンヘン空港では11月中旬からクリスマスマーケットが開催されます。本物のクリスマスツリーで囲まれた空間に、バイエルン地方の工芸品や名物料理を提供する屋台が立ち並ぶ光景は圧巻です。この時期にミュンヘン空港を訪れる方は要チェックです。
韓国文化の今と昔に触れられる、仁川国際空港
Photo by : DAIHYUN JI
韓国の文化や歴史に触れてほしいと、仁川国際空港ではさまざまな試みを実施しています。無料で体験できるものが多いので、ぜひ時間を有効活用して韓国の歴史に触れてみましょう。
1.多彩な無料トランジットツアー
出発までに2時間以上の余裕があるという方は、無料トランジットツアーに参加してみては?韓国の今と昔に触れられるツアーが無料で用意されています。所要時間によって回る場所が異なりますが、例えば1時間ならば「龍宮寺お寺ツアー」が、2時間なら「仁川お寺ツアー」が、3時間なら「仁川文化ツアー」が利用できます。出発フロアにあるトランジットツアーのカウンターで希望するツアーを予約して、いざ仁川市内へ!
2.伝統工芸にチャレンジ
空港内に設けられた韓国伝統文化センターに行けば、韓国の伝統工芸品作りにチャレンジできます。作るものはその月によって変わりますが、おおむね、屏風、うちわ、螺鈿の手鏡、韓紙を使った箱作りなど。うちわに絵を描いたり、箱を自分で作ったりするのはなかなか楽しい時間です。参加費は無料で、所要時間は約20分です。
3. 365日オープンのスケートリンク
仁川国際空港の入り口である空港鉄道駅には仁川国際空港交通センターショッピングモールが直結しています。この中にあるのが、スケートリンク「アイスフォレスト」。といっても、氷ではなく特殊なプラスチック製のリンクで、オールシーズン利用できます。入場は無料ですが、スケート靴は有料(大人4000ウォン)。仁川国際空港交通センターショッピングモールは映画館やコスメショップ、レストランも充実した商業空間。空港での滞在時間はこのモールで過ごすのもオススメです。
美術館からカジノまで、オランダ・スキポール空港
※写真はイメージです。
オランダ・アムステルダムの玄関口、スキポール空港は、コンパクトでアクセスの良い空港です。ヨーロッパのハブとして機能しているだけに、乗り継ぎで利用する人を楽しませる機能や工夫が空港内のあちこちに盛り込まれています。
1. 美術館で絵を鑑賞
スキポール空港には、アムステルダム国立美術館所蔵のオランダ黄金時代の絵画を展示する美術館(ミニギャラリー)が設けられています。一級の美術作品を鑑賞した後は、併設のミュージアムショップへどうぞ。
2. カジノで一攫千金!?
手元に外貨が余っていた。そんなときにはカジノはいかが? スキポール空港には空港には珍しくカジノが導入されています。スロットマシンやルーレットで運試し、というのも一興です。18歳以上なら誰でも入場可能です。
3.ひと味違ったショッピング
花の大国、オランダの空港だけに、スキポール空港では花や球根の店が多数揃っています。チューリップなどのお花は問題なく日本に持ち帰ることができます。球根は土のついていないモノを選び、日本到着時に空港の植物検疫へ提出しましょう。ほとんどの場合、数分の検査で持ち込みOKとなります。
ゴーダチーズやエダムチーズなど、チーズのショッピングもスキポール空港での醍醐味の一つ。乳製品(チーズやバター)などは、すべて検疫の対象外となるので、日本への持ち込みは問題ありません。チーズ大国オランダならではのショッピングを楽しんでみてください。
「食」は空港にあり!? 美食三昧の時間を過ごせる香港国際空港
※写真はイメージです。
アジアのハブ、香港国際空港もまた、チャンギ空港同様、人気空港ランキングの常連です。その大きな魅力は「食」と断言してもいいでしょう。それほどまで、多彩な「食」の機能を備えている空港です。
1.甘味から高級中華、フードコートまでバリエーション豊富
本格的な飲茶を味わえる「美心閣」、香港スイーツの代名詞ともいえるお店「許留山」、担々麺や小籠包が大人気の「翡翠拉麵小籠包」など香港を代表するグルメなお店がずらり。さらにうれしいのは、マカオの高級中華を堪能できる「阿瑪港澳門餐廳」やチャーハンで有名なシンガポール系中華料理レストランの「陳福記」、回転すしの「板前迴轉寿司」といったレストランも多数導入されていることです。
高級店ばかりではないのも利用客にはうれしい限り。手軽に利用できるフードコートや、香港庶民が愛してやまない茶餐廳(大衆食堂)の「世窗茶餐廳」もあります。予算と好みに応じて、たくさんの選択肢の中からお好みの「食」を思い切り満喫しましょう。
2. 映画館で最新作を鑑賞
ターミナル2の6階には、世界で初めてIMAXシアターを導入した映画館「機場UA IMAX影院」があります。映画館を設置している空港はほかにもありますが、IMAXがあるのはここ香港国際空港だけ。あまり混んでいない穴場的存在です。
3.飛行機好きも大満足の航空探知館
ターミナル2の6階には、空港や飛行機の歴史について楽しく勉強できる航空探知館が開設されています。飛行機の模型や写真を使って開設してあるので、飽きずに見て回れます。同じフロアに設けられた展望スペース「スカイデッキ」からは、空港に離発着する飛行機の鑑賞も可能。迫力満点のスポットです。
4.香港雑貨が充実
香港は個性派の雑貨天国。空港にもそうした雑貨が手に入るお店が入っています。たとえば、デザインギャラリー(香港・設計廊)。可愛くてちょっとユニークな雑貨の品揃えには定評がある雑貨店の香港空港支店です。
ひと味変わったお土産を求めるなら、空港をぜひじっくり探索してみましょう。
まるでアミューズメントパーク!シンガポール・チャンギ空港
空港の人気ランキングでは常に上位にランクインし、利用客から高く評価されているのが、シンガポールのチャンギ空港です。
2017年には新しく第4ターミナルが誕生し、ますます魅力を増しています。インスタ映えするスポットにもことかきません。そんなチャンギ空港の魅力はずばり、アミューズメントパーク的な楽しさにあります。
1.個性豊かな5つの庭園
空港全体が緑で彩られたチャンギ空港では、それぞれに個性の異なる5つの庭園巡りを無料で楽しめます。数十種類の色鮮やかな蝶が飛び回るバタフライガーデン、40種類以上のサボテンが植えられたサボテンガーデン、ひまわりが見事に咲き誇っているサンフラワーガーデン、つややかな蘭の魅力に触れられるオーキッドガーデン、大型ガラス彫刻の中にカラフルな切り花が活けてあるガラス彫刻の花と切り花ガーデン。緑の庭園をめぐってゆったりリフレッシュしてみませんか。
2. 子どもの遊び場完備
子どもたちが安心・安全に楽しく遊べる空間が充実しているのもチャンギ空港の大きな魅力。その代表格が、ターミナル3の地下2階には有料の施設、シングキッズプレイシステム(Singkids Playsystem)です。子どもたちが飽きずに楽しめるように、カラフルな風船と子ども向けの遊具が用意されています。大人(18才以上の保護者)は有料(4シンガポールドル)ですが子どもは無料で利用OK。23時(最終受付は22時)まで遊べるので、お子さん連れには便利です。
同じくターミナル3の地下階には無料の遊び場もアリ。こちらは簡易なシーソーやお家が設置されたスペースです。またターミナル3には、1階から地下3階まで一気に下りられるチューブ型のすべり台「ザ・スライド@T3」もあります。身長制限は1.3メートル以上なので、小さなお子さんは無理ですが、大人もスリルが味わえるアトラクションです。空港内で10シンガポールドルの買い物をすれば利用可能。ぜひチャレンジを!
3. SPAでリラクゼーション
長旅で疲れた、というときには、ぜひSPAでリラックスしましょう。ターミナル1にはフィッシュスパ&リフレクソロジー(FISH SPA & REFLEXOLOGY)があります。足を入れると古い角質を魚がつついて食べてくれるフィッシュスパを空港で体験してみては。フィッシュスパは20分で24シンガポールドル(約2,000円)。通常のマッサージやリフレクソロジーメニューも用意されています。なお、ターミナル3では、24時間営業のマイフットリフレクソロジー(My Foot Reflexology)も利用できます。
4. スイミングプールでひと泳ぎ
ターミナル1の屋上にはスイミングプールも設置されています。利用料金は、14シンガポールドル約1,200円)。シャワー、タオル、石鹸、シャンプー、ロッカー、ワンドリンクを含みます。長いフライトでこわばった身体をほぐすにはぴったりです。
5.コスパの良いお買い物もばっちり
ブランドショップはもちろんのこと、チャンギ空港には手軽に土産物を購入できるスーパーマーケットも誘致されています。場所はターミナル3の地下2階。「フェアプライス」という店名のスーパーの営業時間は7:00AM-11:00PM。ここで販売しているドライマンゴーはお土産の定番ですよ。
このほかにも、チャンギ空港はファーストフードから、中華、イタリアン、インド、アジア、和食まで「食」の機能ももりだくさん。ターミナル3には日本のラーメン店が集結した「らーめんチャンピオン」もあります。滞在時間があっという間に経ってしまうこと、確実です。
6.ローカルな味をはじめ、食が充実
ファーストフードから、中華、イタリアン、インド、アジア、和食まで「食」の機能ももりだくさん。ターミナル3には日本のラーメン店が集結した「らーめんチャンピオン」もあります。
新しくできたターミナル4のフードコートも見逃せません。マレー料理、ベトナム料理、香港料理、タイ料理、インド料理、日本料理、ハンバーガー、サンドイッチなどのお店が並んでいます。
7.インスタ映えするスポットが充実
緑が豊富で、明るい陽光が差し込んでいるチャンギ空港はどこをとっても絵になります。インスタ映えするスポットが多いのです。
中でも注目したいのが、第4ターミナルの制限区域内の一番奥に位置するショップハウスコーナーです。ショップハウスとは、イギリスのコロニアル様式を取り入れたシンガポールの伝統的な2階建ての建物のこと。チャンギ空港にはこのショップハウスを再現した一画があります。
時間によってライティングが変わり、プロジェクトマッピングも楽しめます。とても空港内とは思えません。ここではカレーパンの「Old Chang Kee」やシンガポール老舗のポークジャーキーの「美珍香」など5つのお店が実際に営業をしています。買い物がてら、ぜひ足を運んでみましょう。
このように滞在時間があっという間に経ってしまう仕掛けが随所に設けられているのがチャンギ空港の大きな魅力。もし時間があれば、1〜4のターミナルを比較体験してみるのもおすすめです。
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以上、わくわくした楽しさに満ちた5つの空港を紹介しましたが、世界にはこのほかにもユニークな魅力にあふれた空港がたくさんあります。空港の敷地内にゴルフコースが設けられたバンコクのドンムアン空港、乗り継ぎ客向けにヨガのスペースを提供しているサンフランシスコ国際空港、ドライサウナやスチームサウナなど数種類のサウナを体験できるヘルシンキのヴァンター国際空港など、立ち寄る機会があれば、ぜひ独自の機能やサービスを利用してみてください。楽しみすぎて飛行機に乗り遅れることがないように、搭乗時間には気をつけて!
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記事公開日:2016/5/13
最終更新日:2019/3/28
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